レビュー
360°カメラの初心者モデル

iPhoneを4K VRカメラに! 「Insta360 Nano S」で360°動画を撮ってみた

周囲をグルッと見渡せる360°動画は、YouTubeやインスタグラム、Facebookの対応が済み、VRゴーグルがなくてもスマホで手軽に見られるようになったことで、グッと身近な存在になりました。しかし、視聴する機会は増えたものの、いざ自分が撮るとなる「どんな機材を使えばいいかわからない」「カメラが高いのでは?」「編集が難しいだろう」といったようにハードルの高さを感じる人も少なくないはずです。しかし、実際は比較的安価な360°カメラを使うだけで驚くほど簡単に360°写真や動画の撮影が行えるのです。そんな360°カメラの中から、本記事ではiPhoneに取り付けるだけの「Insta 360 Nano S」を取り上げ、その使い方や編集方法を解説します。

iPhoneに取り付けるだけで360°写真から4K360°動画まで撮影できる「Insta 360 Nano S」

iPhoneに取り付けるだけで360°写真から4K360°動画まで撮影できる「Insta 360 Nano S」

360°カメラ「Insta360」シリーズの違い

今回の製品をチェックする前に、まずは、「Insta360」シリーズのカメラについておさらい。このカメラは中国、深センのShenzhen Arashi Visionというメーカーが製造しているもので、40万円超えの最上位機種「Insta360 Pro」から、1万円台で買えるエントリーモデルの「Insta360 Nano」まで、豊富なラインアップをそろえています。そして、これからチェックしていく「Insta360 Nano S」は、ミドルレンジのiPhone専用360°カメラという位置づけ。ちなみに、Android端末向けには「Insta360 Air」という製品が用意されています。

主なInsta360シリーズのカメラ

写真で見る「Insta360 Nano S」

「Insta360 Nano S」は2018年4月発売の最新モデル。さっそく編集部に届いたデモ機を開封してみました。内箱が紙製VRゴーグルを兼ねており、この中にiPhoneを入れて360°動画を覗き込むと没入感のあるVR写真や映像が見られます。もちろん、何万円もするハイエンドVRゴーグルと比較した場合の視聴体験と同じとまでいきませんが、それでも追加で何かを買うことなく、1パッケージで撮影から視聴まで必要な物がすべて揃うように作られているのはユーザーフレンドリーです。

内容物はVRゴーグル兼内箱、充電用ケーブル、ポーチ、立てかけ式のスマホスタンド、本体、取扱説明書など

内容物はVRゴーグル兼内箱、充電用ケーブル、ポーチ、立てかけ式のスマホスタンド、本体、取扱説明書など

対応機種は「iPhone X」「iPhone8/8 Plus」「iPhone 7/7 Plus」「iPhone 6s/6s Plus」「iPhone 6/6 Plus」です。「Insta360 Nano S」をiPhone 7 Plusに装着し、付属のスタンドに立てかけた様子は以下の通りです。

Lightning ポートにカメラを差し込む関係上、端末を上下逆にしなければならないので、そこが少しとまどうところ

本体サイズは縦110×横33×厚さ21mm。カタログ上での重量は約66gとコンパクトかつ軽量のため持ち歩きの際に負担を感じることはありません。「旅行先で記念撮影をする」というような用途を考えると、この小ささは魅力です。

静止画は最大6272×3136で撮影でき、対応するファイル形式はJPG、RAW、insp。動画は3840×1920の4K30fpsで撮影でき、対応するファイル形式はMP4、Log、insv

両側にレンズが出っ張っているつくりのためカバーガラスが傷つきやすい点は要注意です。筆者は撮影テスト中にふいにiPhoneからカメラが脱落した際にレンズに小さなキズをつけてしまうというアクシデントに見舞われました。また、端末が倒れてレンズガラスに傷がついてしまった」というような話も見かけるので、使用の際はくれぐれもレンズの保護にお気をつけください。

ソニー製2,000万画素センサーを備えた、2レンズ式の360°カメラ

ソニー製2,000万画素センサーを備えた、2レンズ式の360°カメラ

「Insta360 Nano S」のアプリ

撮影や映像の視聴、編集などには無料アプリ「Insta360 Nano S」を使用します。名前がよく似ている別のカメラ用の「Insta360 ONE」などのアプリもあり、こちらとはペアリングができないため注意が必要。間違ったアプリをインストールしてしまうと動作しないので「あれ?」ということになります。

専用のiOSアプリ「Insta360 Nano S」

専用のiOSアプリ「Insta360 Nano S」

アプリは直感的に操作できるシンプルなユーザー・インターフェイス。360°コンテンツの撮影用とは言え身構える必要はありません。ごく一般的なiPhone用カメラアプリと大差のない撮影画面なのでとまどうこともなし。撮影したいときは画面中央下の「黄色い丸」をタップするだけでOKです。

「Insta360 Nano S」を接続したiPhoneで専用アプリの撮影画面を起動したところ

「Insta360 Nano S」を接続したiPhoneで専用アプリの撮影画面を起動したところ

撮影後の編集、SNS投稿も手軽にできる

本機では動画以外に静止画撮影も行えますが、写真を撮影した場合は、撮影後にアプリ上で見え方を「ノーマル」「魚眼」「スモールプラネット」に切り替える、拡大(ズーム)する、「リタッチ」をする、「スタンプ」を貼る、といった編集作業が行えます。一般的な写真の編集にくらべて、撮影後にできることが多いのが「Insta360 Nano S」で撮影した画像の特徴です。

撮影した360°写真を「魚眼」にしてステッカーを貼ってみたところ。この後、画面右下の「スナップショット」ボタンを押すと、編集結果が保存できる

FacebookやインスタグラムにYouTube、LINE、Twitterなどの主要なSNSに対応しており、撮影後に別のアプリを立ち上げて投稿する二度手間はかかりません

上記の画像とは別のスタンプなし版の360°写真を、実際にインスタグラムに投稿してみました。被写体のおじさん(筆者)はさておき、全体の雰囲気は「インスタ映え」しているような気がしています(笑)。

インスタグラムにアップした360°写真

インスタグラムにアップした360°写真

360°動画を撮影してYouTubeに投稿する

「Insta360 Nano S」で撮影した4K画質のVR動画はこちら。歩きながらの撮影のため、ある程度揺れが発生していますが、カジュアルな撮影としてはギリギリ許容範囲内かな、といったところ。このあたりは、強力な手ぶれ補正のある上位モデルの「Insta360 ONE」とくらべるとやや劣る部分。とは言え、近年では1万円台のスマホ用ジンバルも発売されているので、そういった製品をブレ防止に活用する手はありそうです。

撮影した映像は360°動画だけでなく、フルHDの映像としても出力可能です。また、その際は、映像のアングルを変えたり、被写体を指定してカメラが追尾するようなエフェクトを施したりもできます。

被写体を追尾するようなエフェクトの映像は、タップして緑の枠に自分を入れるだけのシンプル操作で作れる

被写体を追尾するようなエフェクトの映像は、タップして緑の枠に自分を入れるだけのシンプル操作で作れる

以下の画像のように、風景とは別に小窓の中に自分を映す「ワイプ」映像もアプリを使って撮影後につくれます。

丸窓のワイプ(画像右)の映像

丸窓のワイプ(画像右)の映像

もう少し、撮影後の編集にこだわりたい場合はパソコン上で編集するのがおすすめ。「Insta360」シリーズ専用の編集ソフトがWindowsとMac向けに用意されており、どちらも無料で使用可能です。 

360°写真や映像が編集できる「Insta360 Nano S」専用ソフト。無料で高度な編集を行えるのはありがたい

360°写真や映像が編集できる「Insta360 Nano S」専用ソフト。無料で高度な編集を行えるのはありがたい

撮影したデータは360°の全天球映像だけでなく、2Dの一般的な動画としても書き出せます。なお、この場合は「4K 360°映像からの切り出し」になるため画質は決して高くはなく、高解像度のPCディスプレイで見ると画質の粗さが目立つレベル。HD(720p)程度にして、ツイッターなどに投稿するカジュアルな動画として利用するには十分実用範囲ですが、4K動画も珍しくないYouTubeなどでは少し画質不足な印象です。

まとめ

とにかく手軽に「スモールプラネット」的な写真や4K画質のVR動画が撮影できるのが「Insta360 Nano S」の魅力。準備はiPhoneに挿すだけ、撮影はワンタップ、編集はアプリでカンタンにできて、SNS投稿までサクッと行き着ける、という全体の流れのスムーズさが初心者にとってありがたいところ。

特に何も考えずに撮っておけば後から好きに編集できるので、わずらわしい撮影をしたくない旅行用のカメラなどに適しています。

動画をクロップして2Dにした場合に少し粗さが目立つことや、そもそものセンサーサイズが小さいため、室内など少し暗いところに入るとノイズが出がちな点は弱点と言えますが、手軽さと価格を考えるなら、許容範囲内でしょう。

4K画質でVR動画が撮れるカメラとしては、リコー「THETA」やGoPro「Fusion」より手頃な値段でもあるので、「エントリー4K VRカメラ」として手軽に撮影を楽しんだり、SNSでシェアしたりしたいという人は、ぜひ、チェックしてみてください。

■Mr.TATE ( Masahira TATE )
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Mr.TATE(Masahira TATE)

Mr.TATE(Masahira TATE)

世界50カ国以上を旅したバックパッカー。週間アスキー編集部などを経て、AppBankに入社。「バイヤーたてさん」として仕入れとYouTubeを活用したコンテンツコマースに取り組み、上場時は広報として企業PRを担当。現在はフリーランスで活動中。

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