新製品レポート
「Z7」の撮って出し画像も掲載!

ニコンのフルサイズミラーレス「Zシリーズ」発表会レポート

本日2018年8月23日、ニコンは同社初となる35mmフルサイズ(ニコンFXフォーマット)採用のミラーレスカメラ「Zシリーズ」の新製品発表会を開催した。ここでは、発表会で紹介された「Zシリーズ」のコンセプトなどをレポートしよう。

なお、新製品の詳細スペックについては新製品レポート「ニコンフルサイズミラーレス「Z7」「Z6」発表!2機種のスペックや新レンズを徹底解説」をご覧いただきたい。

ついにニコンのフルサイズミラーレスが発表になった。今回登場したのは高画素モデル「Nikon Z7」と、オールラウンドモデル「Nikon Z6」の2モデル。新マウント採用のレンズも3本発表になっている

「光で未来を変える」を体現する第1弾製品

発表会の冒頭に登壇したニコンの牛田一雄社長は、「1917年の日本光学工業の設立以来、ニコンは100年以上にわたって光の可能性に挑み続けてきた」と同社のこれまでの歴史を振り返り、「光の追求こそニコンの本質だ」と説明。そのうえで、今回発表になったZシリーズは、「光で未来を変える」というニコンの経営ビジョンを体現する第1弾の製品だとした。

ニコンカメラの初号機である1948年発売の「ニコンI型」などを取り上げて、ニコンのカメラの歴史を振り返る牛田氏

牛田社長は続けて、「ニコンは光の力を駆使して映像表現の幅や可能性を広げてきた。次の100年に向け、新しいZマウントシステムを採用したフルサイズミラーレスカメラで、ニコンはまた新たな歴史を作る。このカメラは、100年を超える長い歴史の中で培ってきた光学技術と映像表現のノウハウ・知見の結晶だ」とアピールした。

“Z”という名称については、「究極の性能を追求していくニコンの姿勢と、それを通してお客様に最高の満足感を得ていただきたいという思いから、“究極・最高”を意味し、アルファベットの最後の文字として未来への懸け橋を想起させる“Z”を採用した」と説明。

「Zは未来の映像表現を見据え、最高の光学技術を注ぎ込んだカメラだ。ニコンは、この“新たな光”で未来を切り拓く。新たな価値をミラーレスカメラ市場に提供していく。すべてのフォトグラファーのために、ニコンらしいカメラを提供し続けることが我々の使命だ。」と牛田社長は締めくくった。

Zシリーズのアンベール時にカメラを持つ牛田氏

Zシリーズのアンベール時にカメラを持つ牛田氏

Zマウントシステムが提供する3つの新しい価値

発表会では、ニコンの映像事業部長の御給伸好氏と、映像事業部長開発統括部長の池上博敬氏も登壇。以下の「Zマウントシステムが提供する3つの新しい価値」をテーマに、Zシリーズのコンセプトを説明した。

1.新次元の光学性能
2.ニコンクオリティの継承
3.未来の映像表現の進化への対応

「Zマウントシステムが提供する3つの新しい価値」を説明する御給氏

「Zマウントシステムが提供する3つの新しい価値」を説明する御給氏

「新次元の光学性能」について御給氏は、マウント内径55mm、フランジバック16mmという新開発の「Zマウント」を採用することで、レンズ設計の自由度が格段に上がったことと、光学性能の大幅な向上をアピールした。一眼レフ用のFマウントは44mmと口径が小さかったこともあり、レンズ設計で難しいところがあると言われていたが、そこから解き放たれることで、画面の中心から周辺までの圧倒的な解像力を実現できるとした。さらに、ニコン史上最高の開放F値となる「F0.95」の大口径レンズなど、多彩なレンズを提供できることも説明。映像表現の可能性を大きく広げ、ユーザーのクリエイティビティに応えるレンズマウントだと自信を見せた。

池上氏は、次の100年に向けてZマウントは未来に向けて高いポテンシャルを持ったマウントだとし、「59年にわたるFマウントシステムの信頼とすぐれた光学性能を、Zマウントシステムはより高い次元にする」と説明。16mmのフランジバックについては「小型化と高性能を両立し、かつニコンの厳しい品質基準にいっさい妥協することなく導き出したもの。より多くの光を取り込めるだけでなく、多彩なレンズの開発が可能だ」とした。

Zマウントシステムのメリットについて説明する池上氏

Zマウントシステムのメリットについて説明する池上氏

2つ目の「ニコンクオリティの継承」では、主に、これまでのニコンの品質がしっかりと受け継がれていることを説明。御給氏は、「Zマウントシステムは、プロだけでなく幅広い層に使っていただける高画質と信頼性を実現した。撮影に没頭できる考え抜かれた人間工学、過酷なシーンでも安心して使える高い信頼性、長年にわたりプロからのフィードバックによって培われた画像品質。Zマウントシステムにはこうしたノウハウが凝縮されている」とした。

池上氏は、「ニコンクオリティを小型ボディに凝縮した」とアピール。デジタル一眼レフで培ってきた高い剛性と堅牢性、防塵・防滴性を確保するとともに、操作性やホールド性などのエルゴノミクスも踏襲したと自信を見せた。さらに、デジタル一眼レフ用のFマウントレンズやアクセサリーとの互換性を確保し、ニコンの資産を利用できる点に触れ、純正のマウントアダプター「FTZ」では、AF・AE性能を落とすことなく、合計約360本のデジタル一眼レフ用「NIKKOR Fレンズ」と互換性を確保したと説明した。

FTZを利用すれば約360本のNIKKOR Fレンズを装着して撮影できる

FTZを利用すれば約360本のNIKKOR Fレンズを装着して撮影できる

3つ目の「未来の映像表現の進化への対応」では、今後の映像の視聴環境の変化を前提にした設計を取り入れていることをアピールした。御給氏は、「2Kから4K、さらに8Kへと映像は高精細化してきている。映像はよりリアルで実在感をともなうものへと進化する中で、Zシリーズでは将来の環境変化を見据え、ボディとレンズ間の高速・大容量通信に対応した」と説明。池上氏は、「今回発表されたZ7/Z6は、フルフレームでの4K UHD/30pの動画記録と、120pまでのフルHD動画記録に対応した」と、充実の動画撮影機能を説明した。

「この3つの価値をZマウントシステムでミラーレス市場に新たに提供する。いずれも現在のミラーレスカメラでは実現できていない価値であり、ニコンのZマウントシステムこそ、真の意味でお客様の創造性を刺激し、未来に向けて映像表現をリードできると考えている」(御給氏)

御給氏は、Zマウントシステムの発表を踏まえて、今後のニコンの映像事業の戦略も説明。ニコンのデジタル一眼レフとミラーレスカメラは両システムそれぞれにすぐれた特徴と利点があるとし、ニコンは今後も両システムで新しい価値を提供していくと語った。「高い光学性能と膨大なレンズバリエーションを誇る、完成度を極めたデジタル一眼レフカメラシステムと、新次元の光学性能とニコンクオリティを継承し、将来の映像表現を見据えたZマウントシステム。ニコンはこれからもこの両輪で技術革新を続け、フルサイズレンズ交換式カメラ市場においてシェアナンバーワンを目指す」と宣言した。

デジタル一眼レフだけでなくミラーレスも提供することで、「フルサイズレンズ交換式カメラ市場においてシェアナンバーワンを目指す」と語る御給氏

高い解像力と動画性能を持つ「NIKKOR Zレンズ」

池上氏は、Zマウントの「NIKKOR Zレンズ」についても解説し、この新マウントレンズには3つの特徴があるとした。

・より魅力的な表現を可能にする多彩なレンズ
・高い解像力
・動画性能の向上

今回、「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」という3本のNIKKOR Zレンズを発表したが、池上氏は「この3本のレンズは開放絞りから高い解像力を発揮し、F4やF1.8といった開放F値から連想するイメージを一新する」と自信を見せた。さらに、静止画だけでなく動画でもその進化を発揮するとし、フォーカシング時にピント位置によって画角が変化するフォーカスブリージングも大幅に抑えているとした。

また、NIKKOR Zレンズには「S-Line」というグレードが新たに設けられたことも説明。MTF性能など一段と厳密に設定した設計基準と品質管理をクリアしたレンズで、「ナノクリスタルコート」も標準で搭載されている。今回発表された3本のレンズはすべてS-Lineグレードだ。

今回発表の3本のレンズについて「開放F4や開放F1.8のレンズのイメージを一新する性能を持つ」と説明する池上氏

加えて、池上氏は、現在開発中の開放F値0.95の大口径を実現する単焦点レンズ「NIKKOR Z 58mm f/0.95 s Noct」について、「究極の光学性能を持つ、Zマウントシステムを象徴するレンズ」と紹介。高い解像力と美しいボケ、卓越した点像再現性を実現した、これまでにない魅力的なレンズになるとした。

現在開発中のNIKKOR Z 58mm f/0.95 s Noctは「究極の光学性能を実現するレンズ」になるとのこと。期待値の高いレンズだ

NIKKOR Zレンズのロードマップも発表。F1.8シリーズの拡充のほか、F4の超広角ズームレンズ、F2.8の“大三元レンズ”3本、F1.2シリーズ、望遠ズームレンズなどのラインアップが予定されている

「Z7」の撮って出し画像をチェック!

今回の発表会では、短い時間ではあったがタッチ&トライコーナーでNikon Z7とNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sを使って試写することができた。屋内で撮影したものになるが、感度ISO250とISO2000の撮って出しJPEG画像を掲載しよう。

Nikon Z7とNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sを試すことができた

Nikon Z7とNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sを試すことができた

Nikon Z7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、45mm、F8、1/50秒、ISO250、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG
撮影写真(8256×5504、22.6MB)

Nikon Z7、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、70mm、F5.6、1/250秒、ISO2000、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、JPEG
撮影写真(5504×8256、20.7MB)

【関連リンク】
ニコンフルサイズミラーレス「Z7」「Z6」発表!2機種のスペックや新レンズを徹底解説

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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