レビュー
1台2役で5万円台!

180°VR&360動画を撮影できる変幻自在のカメラ「Insta360 EVO」最速レビュー

お世話になっております、Vlogger(ビデオブロガー)の楯です。今回は2019年3月14日に発表されたばかりの「Insta360 EVO」(Shenzhen Arashi Vision)というカメラをチェックしてみましょう!

このカメラは、360°動画に加えて180°の3D映像と写真が撮影できることが最大の特徴です。VRゴーグルで見る没入感のある全天球動画、そして“立体感”のある180°VR映像が撮影できる1台2役という性能はかなりレア。ライバル的存在のGoPro「Fusion」 やリコー「THETA」では撮れない映像を撮影可能にする野心的なカメラなのです。

180°の3D撮影も可能な360°カメラ「Insta360 EVO」。2019 年 4 月 12 日発売で、希望小売価格は56,570円(税込)

立体的な3D映像が撮影できるコンシューマー向けカメラは、この記事を書いている2019年上旬時点においてはとても珍しいので大いに興味を惹かれるところですが、さらに注目すべきはこのカメラが5万円台というお手頃な値段であるということです。

「Insta360 EVO」のレビューは以下の動画からも確認できますので、ぜひご覧ください。

「Insta360 EVO」フォトレビュー

カメラを開くと180°の3Dカメラ、閉じると360°カメラになるという「Insta360 EVO」。その変幻自在の姿をまずは写真でチェック!

カメラを開くと2基のレンズが並んで180°の3D映像を撮影可能。展開時の本体サイズは横98.4×縦49×厚さ26.27mm。ギリギリ手のひらに収まらないくらいのサイズ感です

microSDカード込みの実測重量は約116g

microSDカード込みの実測重量は約116g

本体下部(写真では上側)には、三脚や自撮り棒に取り付けるためのネジ穴があります。背面は折りたたんだ状態になると隠れてしまうため、ボタン類などは一切なし

本体右側面には、折りたたみ時のロック用金具、micro USBポート、microSDカードスロット。上部には電源ボタンとシャッターボタン兼録画開始/停止ボタンがあります

左側面にあるのは折りたたみロック解除用のボタンのみ。

左側面にあるのは折りたたみロック解除用のボタンのみ

2基のレンズが正面を向いている180°の3Dカメラモードから、ロックを解除すると本体が真ん中から折れます

2基のレンズが正面を向いている180°の3Dカメラモードから、ロックを解除すると本体が真ん中から折れます

2つ折りの状態を金具で固定すると、2基のレンズが前後を向いた360°カメラモードになります

2つ折りの状態を金具で固定すると、2基のレンズが前後を向いた360°カメラモードになります

「Insta360 EVO」の基本スペック

解像度(写真):最大6080×3040(約 1800 万画素)
解像度(動画):最大5760×2880(30fps、100Mbps)
撮影モード(写真):標準、タイマー、インターバル、RAW、HDR
撮影モード(動画):標準、タイムラプス、Log、HDR
バッテリー駆動時間:公称最長65分(約95分で満充電)
付属品: microSDカード(32GB)、3Dグラス、保護ポーチ、ミニ三脚、micro USB ケーブル

Insta360 EVOの動画性能をチェック!

「Insta360 EVO」の最大の特徴は、ひとつのボディに2基のカメラ(レンズとセンサー)を搭載し、360°動画だけでなく180°の3D撮影もできること。180°の3D動画は視聴にVRゴーグルが必要になりますが、ゲームユーザーを中心にVRゴーグルがジワジワと浸透しつつある今、要注目のコンテンツです。

今回の撮影地は東京スカイツリー周辺。天候は晴れで、暖かく穏やかな日でした

今回の撮影地は東京スカイツリー周辺。天候は晴れで、暖かく穏やかな日でした

撮影手順は、まずカメラの電源をオンにし、次にスマートフォンのアプリ「Insta360 EVO」(製品と同名)を起動しペアリングするだけ。これで、スマートフォンの画面でプレビューを見ながら録画のオン/オフやカメラのシャッターが操作できるようになります。

なお、カメラ単体(スマートフォンとのペアリングなし)でも撮影は可能ですが、慣れないうちはスマートフォンでプレビューを確認しながら撮影するほうが失敗しません。

「Insta360 EVO」で撮影した180°の3D動画

VRゴーグルやヘッドセットがない場合3Dにはなりませんが、画質の参考として180°の3Dモードで撮影した動画はYouTubeでご覧いただけます。

ちなみに、筆者が「iPhone XS」と「Insta360 EVO」 に付属する3Dグラスで180°3Dを見た印象を100点満点で採点するなら……75点といったところ。撮影した映像は、解像度が高く発色もいいですが、いかんせんスマートフォンのディスプレイをレンズで拡大して見る分には、画質の粗さがどうしても目に付きます。

また、レンズの取り付け位置がなかなかシビアで、レンズとスマートフォンの中心がズレると、とたんにガタガタの映像になってしまいます。本記事では試していませんが、YouTubeにアップロードした3D動画を「HTC VIVE」や「PS VR」といった本格的なVRヘッドセットで見ると、また違った印象になるかもしれません。

いっぽうで、VRゴーグルを装着したまま頭を動かしたときに視線が追従し、「動画の中をグルグルと見られる」というトラッキング機能は、ラグもなく快適に使用でき、立体感もきちんとと感じられました。3D動画は一時停止することができるので「自分の好きな瞬間に時間を止める超能力」をもったかのような気分になれて楽しめます。「空中で静止する鳩」みたいなベタな3D映像でも自分が撮ったと思うと、なかなか達成感があるものなのです。

180°の3D動画を見るには、「Insta360 EVO」 に付属する簡易ゴーグル(レンズとディバイダー)か、サムスン「Gear VR」やGoogle「Daydream View」などのVRヘッドセットが必要になります

360°動画で「Insta360 ONE X」と「Insta360 EVO」を比較

360°動画に関しては、前モデルの「Insta360 ONE X」と、今回新たに登場した「Insta360 EVO」を比較するために、2つのカメラをひとつのカメラリグに載せて歩きながらテスト撮影を行ないました。

手ブレ補正や画質に関しては顕著な違いはないようですが、シーンによっては「Insta360 EVO」の方がハイライトの白飛びが抑えられた映像が撮れていることがありました。なお、オーディオ面でも「Insta360 EVO」のほうが周囲のノイズを拾いにくく、クリアで聞きやすい音になっていました。以下の動画は、マウスやスマートフォンをグリグリ動かすことで周囲を見渡せるので、ぜひ試してください。

前モデルの「Insta360 ONE X」の360°動画の一部を切り出したスクリーンショット。空の明るい場所など、ハイライト部分の白飛びがやや気になります

「Insta360 EVO」はハイライトの白飛びが減り、空の青さも深みを増しています

「Insta360 EVO」はハイライトの白飛びが減り、空の青さも深みを増しています

「Insta360 EVO」の編集方法

「Insta360 EVO」で撮影した動画や写真はiOS/Android用のアプリ「Insta360 EVO」、もしくはMac/Windows用のソフトウェア「Insta360 EVO」で編集が可能です。意外とアプリ版のほうが機能が豊富で、フィルターをかけたりスローモーションや早回しをして動画の速度を変更したりできます。

なお、いずれも複数のクリップをつないで1本の動画にすることはできないため、そのような編集をしたい場合は別途Adobe「Premiere Pro CC」やアップル「Final Cut X」などの編集ソフトを使用する必要があります。

iOS版の「Insta360 EVO」アプリで編集をしている様子。「iPhone XS」で使用したところ動作は軽快で、旅先で撮った映像をサクッとSNSにシェアするのに便利そうです

Mac版の「Insta360 EVO」で動画を編集している様子。MacBook Pro(2016年モデル、15インチ、CPU「Core i7 2.6Ghz」、メモリー16GB、GPU「Radeon Pro 460」)では少しプレイバックなどにモタつきが感じられましたが、フリーズなどの問題はなくちゃんと作業ができるレベルでした

360°、および、180°の静止画は、撮影後に好きなアングルや効果を選んで「スナップショット」としてカメラロールに保存できます

Mac版でもアプリ版と同様にアングルや写真の見え方を選んで書き出せます

Mac版でもアプリ版と同様にアングルや写真の見え方を選んで書き出せます

※アプリやソフトウェアの機能はアップデートにより変化する可能性があります。上記は記事作成時点(2019年3月中旬)の内容です。

360°動画からVR動画へと裾野を広げた「Insta360 EVO」

「Insta360 EVO」は、180°の3D動画撮影機能を搭載しつつも、価格は一般的な360°カメラと同等に抑えられた意欲的なモデルです。また、Insta360 シリーズに搭載されている強力なデジタル手ぶれ補正機能「FlowState」は本モデルでも健在で、歩きながらの手持ち撮影時にジンバルを使わなくても、滑らかな映像を撮影できました。手ブレ補正は暗所撮影時に「ゼリーエフェクト」と呼ばれるノイズが発生するのが弱点ですが、日中の撮影では強力に動作していました。

一般的なカメラやスマートフォンのカメラの起動速度に慣れていると、「Insta360 EVO」を起動してアプリとペアリングするまでの数十秒がまどろっこしく感じられてしまいますが、通信そのものは安定しており一度接続してしまえば手元のスマートフォンでプレビューを見ながら快適に撮影可能です。

なお、「Insta360 EVO」は本体のみでの撮影も可能ですが、クセが強い広角レンズのため何も見ずに撮影すると狙ったイメージと違う映像になっていることが多く、スマートフォンでのプレビューなしで意図した撮影を的確にこなすにはそれなりに慣れが必要そうです。

バッテリー駆動時間は公称では約1時間となっており、今回の撮影では昼から夕方までオン/オフをしながら撮影してちょうどバッテリーを使い切るという展開でした。なお、バッテリーは内蔵式で交換ができないため、丸1日撮影したいというような場合にはモバイルバッテリーで充電しながら移動したほうがよいでしょう。

というわけで、手軽にVR動画を撮影してみたい人や、コスパ重視で360°カメラを購入したい方は要チェックの1台です。

Mr.TATE(Masahira TATE)

Mr.TATE(Masahira TATE)

世界50カ国以上を旅したバックパッカー。週間アスキー編集部などを経て、AppBankに入社。「バイヤーたてさん」として仕入れとYouTubeを活用したコンテンツコマースに取り組み、上場時は広報として企業PRを担当。現在はフリーランスで活動中。

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