レビュー
アンダー10万円も! 自撮り可能な180°チルト可動式ディスプレイが便利

旅行で実践! コスパ優秀のミラーレスカメラ、ソニー「α6400」レビュー

お世話になっております、Vlogger(ビデオブロガー)の楯です。今回レビューする、ソニーのミラーレス一眼カメラ「α6400 」は、瞳オートフォーカス(動画は非対応)や秒間11連写(オートフォーカス追従)などの強力な機能を備えながらも、“アンダー10万円”(シルバー、ボディのみ。2019年3月22日時点の価格.com最安値。)という手頃な価格を実現したミラーレスカメラです。

ソニーが「フルサイズミラーレス一眼カメラの最先端技術を継承した」とうたう性能はどれほどなのか? 実機を借りて隅々までチェックしてみました。

なお、今回のレビューは動画機能に特化した内容となっており、スチル(写真)についての記載はありません。

ソニー 「α6400」で撮影した動画作例をチェック!

今回は、「α6400」をロサンゼルスに持ち出して“旅動画の実戦的シチュエーション”でテスト撮影を行ってきました。前半に暗いシーン(夜景)、後半に明るいシーン(昼間。3分7秒から)の作例を収録しています。「α6400」の特徴であるダイナミックレンジの広さもあわせて、チェックしてください。

なお、「α6400」の主な動画スペック、および上記動画撮影時の設定は以下の通りです。レンズは「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS SELP1650」を使用しました。

基本スペック(動画)
・撮像素子:APS-Cサイズ
・有効画素数:約2420万画素
・最高画質:4K 3840 x 2160(24p、30p)
・スロー:1080(120fps)
・ビット深度:8bit(4:2:2)

撮影時設定
・記録画素数:フルHD(1920x1080)
・フレームレート:24fps
・ピクチャープロファイル:PP10(HLG2)
・編集時カラーコレクション:あり

「α6400」は、APS-Cサイズの比較的大きいセンサーを搭載しており、かつ、ダイナミックレンジが広いピクチャープロファイルで録画できるため、白飛びや黒つぶれを編集時に容易に修正することができます。このあたりの柔軟性は、スマホや、センサーの小さいコンデジではなかなか実現できないポイントで、大きなメリットだと感じました。

加工前の映像では、ハイライト(画像の中央、空)が白飛びしています

加工前の映像では、ハイライト(画像の中央、空)が白飛びしています

撮影データは、より広いダイナミックレンジで記録されているので、編集時にハイライトを下げると正常な明るさと色に補正できます。今回は、おもにHLG2というHDR(ハイダイナミックレンジ)撮影が行える設定PP10で撮影しています。ハイダイナミックレンジでの撮影は、見る人がHDR環境(対応モニターなど)を持っていない現状であっても、編集時の調整の柔軟性をあげるために活用できるので重宝します。なお、編集はAppleの編集ソフトウェア「Final Cut Pro X」で行いました

180°チルト可動式ディスプレイで自撮りもはかどる!

自撮り好きの小生、もといYouTuberとして、ひとりで動画制作をすることが多い筆者にとって、まず言及しなければならいのが「α6400」のディスプレイです。ソニーが「180度チルト可動式液晶モニター」と呼ぶこのディスプレイ、普段はカメラの背面に収まっているのですが、必要があればカメラの前面レンズ側からでも撮影中の動画や写真の構図などが確認できるというすぐれものです。

YouTuber諸氏はもちろんのこと、旅行や歓送迎会などのイベントが控えている人にも大いに注目していただきたい点です。

ディスプレイで構図を確認しながら動画を撮影できるのが便利。レンズの真上に画面があるので、自撮りをする際に画面を見てしまっても目線があまり不自然にならない点はソロシューター(ひとりで撮影する人)にとってはこのうえなくありがたい機能

ディスプレイは、ヒンジが3段折りの機構になっています

ディスプレイは、ヒンジが3段折りの機構になっています

外部マイクをホットシューに取り付けるとディスプレイが自撮り方向に展開できないのが弱点。この面では横向きに開くディスプレイに軍配が上がります。ただし、SmallRig(スモールリグ)製のアクセサリを装着すれば、マイクを側面に移動させてディスプレイとの干渉を避けられます

ちなみに、自撮りディスプレイの話題になると「SmallHD(スモールエイチディー)などの外付けモニターを使えばいいのでは?」という話をされることも多く、それもまた、一理ある話です。

しかし、せっかくのコンパクトで軽量なミラーレスカメラに外付けモニターを装着してしまえば、その機動性がなくなり、魅力を大きく損なってしまいます。やはり、機構が少し複雑になったり、重量がわずかに増えたりしようとも、トータルで必要になる荷物が減るのであれば「ぜったい自撮りできる可動式モニター搭載モデルを選びたい」というのが筆者の意見です。

「α6400」の特徴を写真でチェック

「α6400」の 本体サイズは138.5(幅)×98.1(高さ)×87.4(厚さ)mm、バッテリーなどを含めた重量は約725gと、ミラーレスカメラの中ではコンパクトかつ軽量な部類。「せっかくいいカメラを買っても、持ち歩かない」という状況に陥るのはナンセンス。どこへでも気軽に持ち出せる大きさと重さであるというのは、大きなアドバンテージです。

背面ディスプレイは3インチのTFT液晶。上180°に跳ね上げる自撮りモードのほか、下約74°に向けてのハイアングル撮影などにも利用できます。なお、実際に使用した印象としては、太陽光の下だと細かいフォーカスの確認までは難しいものの、構図の確認などは問題なく行えました

「α6400」が搭載するのは有効画素数約2420万のAPS-Cセンサー。パナソニック「LUMIX DC-GH5」やオリンパス「OM-D」シリーズなどのマイクロフォーサーズより大きく、キヤノン「EOS-R」やニコン「Zシリーズ」などのフルサイズより小さいサイズです

側面にはmicroUSBポート、micro HDMIポート、マイク端子を備えています。なお、出力できる映像は最大3840×2160(30p)で8bit 4:2:2となっており、Atoms「SHOGUN」シリーズなどの外部レコーダーを接続しても10bit録画ができないのは残念なところ

EVFは、約236万画素の有機ELを採用。太陽が照りつけるような環境での撮影時はEVFが活躍してくれます

EVFは、約236万画素の有機ELを採用。太陽が照りつけるような環境での撮影時はEVFが活躍してくれます(※2019年3月25日編集部注:初出時に「約368万画素の有機ELを採用〜」と記載していましたが、正しくは「約236万画素の有機ELを採用〜」です。お詫びして訂正致します。)

ソニーのAPS-Cカメラ群の中では、おそらくエントリー機に属するモデルのため、操作系はシンプルな配置。マニュアルで細かく設定を決めながら撮影するというよりは、オート1発で取り続けるというスタイルを前提としたデザインです

バッテリーとSDメモリーカードの出し入れは、本体下部右側から行います。なお、実際に1週間ほど使用してみたところ「こまめにオン、オフをしながら撮影するのであれば、満充電で半日もつ」という印象でした。旅行などの際に「たくさん動画を撮影するぞ」という時は、予備のバッテリーを持っておくのがベターです。なお、公称のバッテリー駆動時間はモニターを使用してフルHD動画を撮影した場合、約80分とのことです

SONY 「α6400」を実際に使ってわかったこと

「α6400」とパンケーキレンズ「SELP1650」の組み合わせはコンパクトかつ軽量なため荷物を軽くしたい旅行用などにはうってつけです。

また、ファストハイブリッドオートフォーカスの像面位相差システムを活用したオートフォーカス(追従)は、高速かつ正確。今回撮影した映像を見返しても、意図せず被写体からフォーカスが外れていることはほぼありませんでした。

機能として強力にプッシュしている「瞳オートフォーカス」は、動画撮影モードでは使えません。ただし、前述の通り、オートフォーカスは優秀で、被写体をタッチすると自動でトラッキングしてくれるタッチトラッキングも備わっており、そこまで「瞳オートフォーカス」の必要性は感じません。

いっぽうで、Vlog(ビデオブログ)での使用を想定したと言いつつも、ボディ内ブレ補正が搭載されていない点には不満を感じました。使用したレンズ「SELP1650」は、レンズ内手ブレ補正を搭載していますが、これだけだと歩行の振動やちょっとした手ブレがダイレクトに映像に反映されてしまうこともしばしば。記事中の作例動画では、編集時にスローモーションにするなどして揺れが気にならないようにしましたが、揺れがひどいためボツにした映像も多くありました。

実際に「α6400」を使用した総括としては、YouTubeやインスタグラムなどのSNSで公開する動画を撮影するといった用途を想定するならコストパフォーマンスはとても高いカメラである、という印象です。

暗い場所をメインで撮影したい場合や、強いこだわりを持ってカラーグレーディングをしたい(10bit 4:2:2データが欲しい)場合などを除けば、ほぼすべてのシーンでお値段以上の活躍をしてくれるカメラでしょう。

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Mr.TATE(Masahira TATE)

Mr.TATE(Masahira TATE)

世界50カ国以上を旅したバックパッカー。週間アスキー編集部などを経て、AppBankに入社。「バイヤーたてさん」として仕入れとYouTubeを活用したコンテンツコマースに取り組み、上場時は広報として企業PRを担当。現在はフリーランスで活動中。

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