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評価の高い高画素機の新モデル。高性能AFや高速連写も実現

ソニー「α7R IV」が国内でも発表! 世界初の6100万画素フルサイズセンサーを搭載

ソニーは2019年7月17日、フルサイズミラーレスの新モデル「α7R IV」を日本国内で発表した。ハイエンドユーザーからの評価の高い「α7R III」の後継モデルで、有効約6100万画素の高画素センサーを搭載するなど見どころの多い製品となっている。ここではその特徴を紹介しよう。新製品発表会に展示されていたベータ機のファーストインプレッションも掲載する。

【変更履歴】ベータ機のファーストインプレッションなど、国内で行われた新製品発表会の情報を追加しました。国内発表に合わせて一部本文、画像も変更しています。(2019年7月17日 19:35)

国内でも発表になったα7R IV。基本的なデザインは従来を継承しているが、グリップなど細かいところの操作性が向上している。9月6日の発売で市場想定価格は400,000円前後

4世代目でついに6000万画素オーバー。ピクセルシフトマルチでは「約2億4080万画素」を実現

ソニーのフルサイズミラーレスの高画素モデルとなる「α7Rシリーズ」は、これまで新モデルが出るたびに大幅な進化を遂げてきた。2013年11月発売の初代モデル「α7R」では有効約3640万画素センサーを搭載。2015年8月発売の「α7R II」ではフルサイズとしては世界初となる裏面照射型ExmorR CMOSセンサーを採用し、画素数も有効約4240万画素に向上。2017年11月発売の「α7R III」では有効約4240万画素(裏面照射型)はそのままにAF/AE追従で最高約10コマ/秒の高速連写を実現した。

そして今回発表になった同シリーズ4世代目となる「α7R IV」は、フルサイズ機としては初めて6000万画素オーバーとなる有効約6100万画素(画像サイズ9504×6336)の裏面照射型ExmorR CMOSセンサーを採用。APS-Cクロップでも、現時点でAPS-Cミラーレスの最高画素機と同等となる有効約2620万画素(画像サイズ6240×4160)での撮影が可能だ。画像処理エンジンは、「α9」などと同じ最新世代の「BIONZ X」で、ダイナミックレンジは従来モデルのα7R IIIの14stopを1段上回る15stopを実現。感度はα7R IIIと同様、ISO100〜ISO32000に対応し、静止画撮影時は下限ISO50、上限ISO102400の拡張設定も可能だ。α7R IIIと比べて約1.5倍の高画素になるが、裏面照射構造と効率的なノイズ処理によって、低中感度域においてα7R IIIと同等の高感度・低ノイズ性能を維持しているという。

フルサイズセンサーとしては世界初となる有効約6100万画素の裏面照射型ExmorR CMOSセンサーを採用

フルサイズセンサーとしては世界初となる有効約6100万画素の裏面照射型ExmorR CMOSセンサーを採用

APS-Cクロップ時でも有効約2620万画素の解像度が得られる

APS-Cクロップ時でも有効約2620万画素の解像度が得られる

ボディ内手ブレ補正機構を制御することで高解像度の画像を生成する「ピクセルシフトマルチ撮影」にも対応。従来は1画素ずつずらして計4枚の画像を撮影して合成する仕様だったが、α7R IVでは1画素もしくは0.5画素ずらして計16枚の画像を撮影・合成することで、約2億4080万画素(19008×12672)という超高解像度なデータを生成できるようになった。ピクセルシフトマルチ撮影時のフラッシュの同調速度は1/8秒(従来は1/13秒)で、撮影したデータの合成は従来通り、PC用ソフトウェア「Imaging Edge」で行う。

ピクセルシフトマルチ撮影は計16枚の画像を合成するように進化。約2億4080万画素のデータを生成する。従来と同様、4枚合成も選択できる

ピクセルシフトマルチ撮影は計16枚の画像を合成するように進化。約2億4080万画素のデータを生成する。従来と同様、4枚合成も選択できる

動画撮影時の瞳AF(人物)が可能に。連写は最高約10コマ/秒をキープ

AFシステムは、567点の像面位相差AF、425点のコントラストAFによるファストハイブリッドAFに進化。像面位相差AFが動作する絞り値はα7R IIIで「F8まで」だったが、α7R IVでは「F11まで」に向上した。像面位相差は撮像エリアの約74%をカバーし、APS-Cクロップ時は325点の像面位相差AFがほぼ画面全域をカバーするようになる(※APS-Cレンズ装着時は247点)。AFの低輝度限界はEV-3で従来と変わりない。

APS-Cクロップ時はほぼ画面全域で像面位相差AFを利用できる

APS-Cクロップ時はほぼ画面全域で像面位相差AFを利用できる

さらに、AF関連では、人物もしくは動物の瞳を追従する「リアルタイム瞳AF」に加えて、被写体の色や模様、距離などの空間情報を高速に処理し、高精度な被写体追尾を可能にする「リアルタイムトラッキング」にも対応。人物のリアルタイム瞳AFについては動画撮影時にも利用できるようになった(※動物のリアルタイム瞳AFは動画非対応)。

リアルタイム瞳AF、ならびにリアルタイムトラッキングに対応

リアルタイム瞳AF、ならびにリアルタイムトラッキングに対応

動物の瞳AFも利用できる

動物の瞳AFも利用できる

動画撮影時にリアルタイム瞳AFを利用できるようになった(※人物の瞳AFのみの対応。動物の瞳AFは非対応)

動画撮影時にリアルタイム瞳AFを利用できるようになった(※人物の瞳AFのみの対応。動物の瞳AFは非対応)

連写性能は、画素数が大幅に向上したにもかかわらず、α7R IIIと同様、AF・AE追従で最高約10コマ/秒を実現。連続撮影可能枚数は、JPEG Lサイズ(画質の品質によらず)、RAW、RAW+JPEGのいずれでも約68枚。非圧縮RAW、非圧縮RAW+JPEGでは約30枚。連写の持続性もα7R IIIに近いスペックとなっている(α7R IIIはJPEG/RAW/RAW+JPEGで約76枚、非圧縮RAW/非圧縮RAW+JPEGで約28枚)。APS-Cモード時は、フルサイズモード時よりも約3倍連写が持続するとのことだ。

AF・AE追従で最高約10コマ/秒の高速連写を約68枚まで続けることができる

AF・AE追従で最高約10コマ/秒の高速連写を約68枚まで続けることができる

6K相当の情報から4K/30p動画を記録可能。操作性もブラッシュアップされた

動画撮影は4K/30p記録に対応。Super 35mm時は、全画素読み出しにより、4Kに必要な約2.4倍(6K相当)の情報量から4K映像を出力する。4Kの記録フォーマットはXAVC Sでビットレートは最大100Mbps。

さらに、14stopの広いダイナミックレンジを実現するS-Log3やHLG(Hybrid Log-Gamma)にも対応。マルチインターフェイス(MI)シューのオーディオインターフェイスがデジタル化したのも特徴で、別売オプションとして追加されたショットガンマイクロホン「ECM-B1M」を使えば、デジタル音声をカメラにダイレクトに伝送して高音質に録音することができる。

α7R IVの動画撮影の主な特徴。タッチトラッキングなどにも対応する

α7R IVの動画撮影の主な特徴。タッチトラッキングなどにも対応する

8個のマイクユニットを搭載するショットガンマイクロホンECM-B1M。デジタルオーディオインターフェイスの採用により、音声をデジタル信号のまま伝送できる。3つの指向性(全指向性、単一指向性、鋭指向性)を切り替えたり、ノイズリダクションを設定することも可能だ

8個のマイクユニットを搭載するショットガンマイクロホンECM-B1M。デジタルオーディオインターフェイスの採用により、音声をデジタル信号のまま伝送できる。3つの指向性(全指向性、単一指向性、鋭指向性)を切り替えたり、ノイズリダクションを設定することも可能だ

既存のXLRマイク製品をMIシュー搭載カメラに組み合わせることが可能なXLRアダプターキット「XLR-K3M」も用意される

本体サイズは128.9(幅)×96.4(高さ)×77.5(奥行)mmで、重量は665g(バッテリーとメモリーカード含む)。α7R IIIの約126.9(幅)×95.6(高さ)×73.7(奥行)mm/重量約657gとほぼ変わらないサイズ感だ。全体的なデザインは従来を踏襲しているが、グリップの形状やダイヤル・ボタン類のデザインを見直したほか、防塵・防滴性能も強化したボディになっている。

電子ビューファインダー(EVF)は0.5型の有機ELデバイスで、解像度が576万ドットに向上。それ以外のEVF関連のスペックは従来と同じで、倍率は約0.78倍、アイポイントは約23mm(最終光学面から。接眼枠からは約18.5mm)。表示フレームレートとして60fpsと120fpsを選ぶことができる。液晶モニターはチルト式の3.0型タッチパネル液晶(144万ドット)。

背面のボタンレイアウトは従来と変わらないが、AF-ONボタンやマルチセレクターの形状が見直されている

背面のボタンレイアウトは従来と変わらないが、AF-ONボタンやマルチセレクターの形状が見直されている

上面は露出補正ダイヤルにロック機構を追加。後ダイヤルは埋め込み式ではなくなった

上面は露出補正ダイヤルにロック機構を追加。後ダイヤルは埋め込み式ではなくなった

グリップの形状も見直したとのこと

グリップの形状も見直したとのこと

左側面にはインターフェイス類を搭載

左側面にはインターフェイス類を搭載

このほか、ボディ内手ブレ補正は従来と同じ5軸対応で、補正効果は5.5段分。シャッタースピードは最速1/8000秒で、フラッシュの同調速度は1/250秒。記録メディアSDXC/SDHC/SDメモリーカードで、両スロットともUHS-II対応のデュアルスロットを採用する(※スロット2のメモリースティックDuo対応はなくなった)。Wi-Fiは新たに5GHz(802.11ac)に対応し、ワイヤレスでのPCリモート撮影が可能になった。FTPバックグラウンド転送や、約2倍に高速化したUSB接続でのPCリモート撮影にも対応する。バッテリーは「NP-FZ100」で、撮影可能枚数は液晶モニター使用時で670枚、EVF使用時で530枚。

SDXC/SDHC/SDメモリーカードのデュアルスロット(どちらもUHS-II対応)を採用

SDXC/SDHC/SDメモリーカードのデュアルスロット(どちらもUHS-II対応)を採用

ワイヤレスでのPCリモート撮影や、高速化したUSB接続でのPCリモート撮影に対応

ワイヤレスでのPCリモート撮影や、高速化したUSB接続でのPCリモート撮影に対応

別売オプションで縦位置グリップ「VG-C4EM」を用意。カメラボディと同様に防塵・防滴性能が強化されている

別売オプションで縦位置グリップ「VG-C4EM」を用意。カメラボディと同様に防塵・防滴性能が強化されている

α7R IVの主な特徴

α7R IVの主な特徴

α7R IVのベータ機のファーストインプレッション

最後に、短い時間ではあるが新製品発表会でα7R IVのベータ機に触れてきたので、そのファーストインプレッションをお届けしよう。

発表会に展示されていたα7R IVのベータ機

発表会に展示されていたα7R IVのベータ機

α7R IVのベータ機を触ってみて最初に感じたのは、ホールド感がよくなっているということ。グリップが従来よりも細くて深い形状になり、指がマウント部やレンズに干渉しにくくなっている。加えて、ボタン類が全体的に大きくなり、押し込み量も変わっていることもあって、全体的に操作感がよくなった印象を受けた。マルチコントローラーの反応もよく、AFフレームの移動がよりスムーズに行えるようになっている。新規のシャッターユニットを採用したのも見逃せない点で、α7R IIIよりもシャッター音が小さく、指に伝わる振動も抑えられていた(※実際にα7R IIIと比べてみての印象)。防塵・防滴性能の強化については、説明員によると「α9よりもよくなっている」とのことで、現時点ではソニーのフルサイズミラーレスとして最も防塵・防滴性にすぐれるモデルと言えそうだ。

よりホールドしやすいグリップ形状に進化。露出補正ダイヤルのロック機構は押すごとにロックのオン・オフが切り替わる仕様だ

細かいところでは、AFフレームの色に「赤色」を選択できるようになったのもうれしい。従来はフレームを移動する際もグレーで固定されていたため、フレームが背景に溶け込んで視認性が悪かったが、状況にあわせて赤色に変更できるようになった。また、デュアルスロットは従来からスロット1とスロット2の位置が逆になり、上がスロット1で下がスロット2になった。従来は、使い慣れないうちは誤って異なるスロットにカードを挿してしまうことがあったが、α7R IVではわかりやすい並びとなった。

AFフレームを赤色にすることが可能になった

AFフレームを赤色にすることが可能になった

デュアルスロットは両スロットともUHS-II対応になり、スロットの位置も従来とは逆になった

デュアルスロットは両スロットともUHS-II対応になり、スロットの位置も従来とは逆になった

EVFは解像度が576万ドットに向上したことによって細かいところまで精細に表示できるようになった。EVFの光学系は変わっていないとのことで、倍率などのスペックは従来と同じだが、視認性はよくなっている。最高約10コマ/秒時がブラックアウトのないアフタービュー表示で、最高約8コマ/秒時が短いブラックアウトでのライブビュー表示となるのはα7R IIIと同様。データ書き込み中に一部設定を変更できないのもα7R IIIと同じだ。

電子シャッター時のスキャン速度(フォーカルプレーンシャッターで言うところの幕速)は非公表で、説明員からも「回答できない」とコメントをいただいた。発表会の現場はフリッカー光源がなく、フリッカー光源下で発生する縞模様からスキャン速度を推測することができなかったが、カメラを高速に振りながらα7R IVのベータ機とα7R IIIで撮り比べてみた限りでは、ローリングシャッターによる像の歪みは新旧でほとんど変わらない印象。少なくとも大幅な改善は見られないようだ。

ショットガンマイクロホンECM-B1Mのデモもあったので試してみたが、指向性を選んだり、ノイズリダクションを利用したりと、高機能かつ高音質な録音が可能な印象。なお、MIシューがデジタルオーディオインターフェイスに対応するのは現時点ではα7R IVのみで、従来のアナログオーディオインターフェイスのMIシューでECM-B1Mを使う場合は、ECM-B1Mの内部でデジタル音声をアナログに変更して伝送する仕組みになっているとのこと。

ECM-B1Mの背面には、デジタル/アナログの切り替えスイッチ、3種類の指向性を切り替えるスイッチ、ノイズキャンセリングフィルターのスイッチなどが備わっている

発表会の会場には、海外で発表されたUSB-Cハブ「MRW-S3」のデモ機も展示されていた。USB3.1 Gen2に準拠し、最速で実効1000MB/sのデータ転送速度に対応。100WのUSB PD給電にも対応している。HDMIやUSB-A、USB-C、USB-C(PD)のほか、UHS-II対応のSDXCスロットとmicroSDXCスロットも装備する

まとめ

α7R IVは、フルサイズ機として初めて有効約6100万画素の高画素センサーを搭載したことが注目されがちだが、グリップの形状など細かいところがブラッシュアップされており、操作性がよくなっているのが見逃せない。ホールド感が向上し、ボタン類の操作感もよくなっているので、従来モデルよりも快適に撮影することができるはずだ。動画撮影の基本性能がそれほど大きく進化していないのは残念だが、高画素フルサイズミラーレスとして正当に進化したモデルと言えよう。有効約6100万画素ということで、RAWデータの編集を行うパソコンにも高性能が求められるが、「使ってみたい」と強く感じさせるカメラに仕上がっている。

なお、新製品発表会の質疑応答では、ソニーから高感度モデル「α7Sシリーズ」に関する発言もあった。現時点では何も発表できないが、「α7S II」の後継機は開発中とのこと。動画撮影などが大幅に強化された新しい“α7S”の登場を期待して待ちたい。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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