レビュー
有効約3250万画素センターを搭載したAPS-Cミラーレスカメラ

本日9/27発売! キヤノン「EOS M6 Mark II」速攻使用レポート。高画素&高速連写の注目モデル

本日2019年9月27日、キヤノンからAPS-Cミラーレスの新モデル「EOS M6 Mark II」が発売になった。エントリーからミドルレンジに位置するモデルながら、9月20日発売のAPS-Cデジタル一眼レフ「EOS 90D」と同様、有効約3250万画素の高画素センサーを搭載するなど、小型・軽量ボディながら高性能を実現したことで話題を集めている。今回、短い時間ではあるが、発売前にEOS M6 Mark IIの実機を使用する機会を得たので、実写作例を交えながら使用感をレポートしよう。

「EOS M6 Mark II」の詳細スペックはこちらの記事(3250万画素ながら高速連写を実現! キヤノン「EOS 90D」「EOS M6 Mark II」特徴レポート)をご確認ください。

EOS M6 Mark IIのシルバーカラー。従来モデルと同様、シルバーとブラックのツートンカラーとなっている

EOS M6 Mark IIのシルバーカラー。従来モデルと同様、シルバーとブラックのツートンカラーとなっている

カメラとしてのスタイルはそのままに、さらに使いやすくなった

EOS M6 Mark IIのカメラとしてのスタイルは、従来モデル「EOS M6」と変わらない。電子ビューファインダー(EVF)を外付け対応にすることでボディの小型・軽量化を実現しており、携帯性にすぐれたモデルとなっている。外観を一見すると「EOS M6から大きく変わっていない」という印象を持つかもしれないが、細かいところがブラッシュアップされており、より使いやすくなっているのが好印象だ。

フラットで箱型に近いイメージのデザインは、従来モデルと同様で、シンプルでカメラらしいフォルムだ。この印象は従来モデルと変わらないが、注目してほしいのは、グリップがより深い形状になったうえ、少し横長の筐体(幅が8mm程度大きくなった)になり、両手でカメラをホールドしやすくなったこと。重量のバランスがよく、EOS M6よりも安定した構えで撮れるようになった印象だ。

サイズは約119.6(幅)×70.0(高さ)×49.2(奥行)mmで、重量は約408g(バッテリー、カード含む)。EOS M6と比べると幅が8mmほど大きく、重量は18g重くなった

従来よりも大きくて握りやすいグリップ形状を採用

従来よりも大きくて握りやすいグリップ形状を採用

ボタンやダイヤル類も見直されており、背面には、親指AFを割り当てられるAFスタートボタンとAF/MFをダイレクトに切り替えられるフォーカスモードスイッチを新たに搭載されたのがうれしい。「AF/MFを即座に切り替えたい」「動体撮影などでAFとシャッターの動作を別々に行いたい」という中上級者にも配慮した操作性になっているのだ。サブ電子ダイヤルがEOS M5と同じダイヤルファンクションボタン付きの仕様になったのも中上級者の使用を意識してのことだろう。

背面の親指で操作できる位置に、AFスタートボタンとフォーカスモードスイッチを装備する

背面の親指で操作できる位置に、AFスタートボタンとフォーカスモードスイッチを装備する

上面のダイヤル類は、EOS M6にあった電子補正ダイヤルがなくなり、サブ電子ダイヤルにダイヤルファンクションが備わるようになった

シャッターの動作が変更になったことも報告しておこう。従来モデルは先幕が電子シャッターで後幕がメカニカルシャッターだったが、EOS M6 Mark IIでは先幕・後幕ともにメカニカルシャッターになった(※電子先幕シャッターは用意されておらずメカシャッター固定)。キヤノンのAPS-Cミラーレス「EOS Mシリーズ」としては初のメカ先幕採用モデルとなっている。これにより、高速シャッタースピード時に発生しやすい、ボケ像の欠けを防いで撮ることが可能になった。

また、メカ先幕の採用によってシャッターのフィーリングも大きく変わっている。先幕・後幕ともにメカシャッターということで、シャッターを切った際に比較的大きな音が出る。好みの分かれるところかもしれないが、実にカメラらしいシャッター音とフィーリングで、個人的にはシャッターを切るのが心地よいと感じだ。

EOS M6 Mark IIのシャッター音を記録した動画(上)。 最初にワンショットで3回シャッター切って、その後にバッファメモリーの空き容量がなくなるまで連写(最高約14コマ/秒)を続けてみた。 シャッタースピードは1/200秒に固定している。

最高約14コマ/秒の高速連写時のレスポンスも十分

EOS M6 Mark IIの進化点の中でも大きな特徴となっているのが連写性能だ。2019年10月時点では、APS-Cミラーレスとして最速となる、AF・AE追従で最高約14コマ/秒の連写を実現している。アフタービュー(ひとつ前のレリーズの撮影画像が表示されたり、レリーズ時の表示画像の更新が遅い方式)にはなるものの、エントリーからミドルレンジに位置するカメラとしてここまで高速連写が可能なのは驚かされる点だ。

気になるのは、この高速連写がどのくらい持続でき、また、連写後にどのくらいのスピードで回復するかだろう。高速連写が可能なカメラの中でも、特に下位モデルではバッファメモリーの容量が少なかったり、SDメモリーカードスロットがUHS-I対応にとどまっていたりすると、連写時の撮影レスポンスが極端に悪く、使っていてストレスがたまるものもある。

ドライブの設定に「高速連続撮影+」が追加され、この設定時に最高約14コマ/秒の連写が可能となる

ドライブの設定に「高速連続撮影+」が追加され、この設定時に最高約14コマ/秒の連写が可能となる

EOS M6 Mark IIの連続撮影可能枚数は、JPEGラージ/ファインで約54枚、RAWで約23枚、C-RAWで約34枚、RAW+JPEGラージ/ファインで約23枚、C-RAW+JPEGラージ/ファインで約34枚。JPEGであれば14コマ/秒連写でも約4秒の間、連写を続けることができる。現時点ではEOS Mシリーズの中で最もバッファメモリーの容量が多く、連写の持続性にもすぐれるモデルで、エントリーからミドルレンジクラスのカメラとしては十分なスペックと言っていいだろう。

実際に14コマ/秒の連写を試してみたところ、思っていたよりもレスポンスがよく撮影を続けることができた。バッファメモリーの容量がそれなりに確保されていることに加えて、高速書き込みが可能なUSH-II対応になったのが大きいのだろう。UHS-II対応のSDメモリーカードカードを使ってみた限りでは、データの書き込みが速いため、バッファメモリーがいっぱいになった状態でも比較的早く回復し、撮影が可能になる。高速連写を続けるとクイック設定メニューや再生画面を呼び出せなかったり、ビジーになって操作自体を受け付けない時間が発生するが、有効約3250万画素の高画素での14コマ/秒連写であることを考慮すると連写撮影のレスポンスはけっして悪くない。

最高約14コマ/秒連写の持続性をテストした動画(上)。SDメモリカードには容量64GBのUHS-IIカード(サンディスク エクストリーム プロ SD UHS-IIカード、書き込み最大260GB/秒)を使用している。最初はJPEG(ラージ/ファイン)に設定し、2秒程度の間をあけながら1〜2秒の連写を4回続けて行った。シーンや被写体にもよるが少し間を取りながらのJPEG連写であれば、それほどストレスを感じることなく撮影を続けられる印象。その後連写が詰まるまで動作させてからメニュー画面を開いてJPEG+C-RAWに設定を変更し、いったんビジー状態を挟んで、また同じように2秒程度の間をあけながら1〜2秒の連写を続けて行っている。さすがにRAWが加わると持続性は落ち、少し時間を空けても1〜2秒の連写を2〜3回行うと連写が詰まるようになる。

残念なのは電子シャッター設定時に通常の連写撮影に対応していないことだが、その代わりに、電子シャッターでAF追従・最高約30コマ/秒の高速連写が可能な「RAWバーストモード」という機能を利用できる。クロップ(約75%×約75%、約1800万画素)にはなるが、30コマ/秒で最高約80コマまで記録できるうえ、シャッターボタンを押す最大約0.5秒前から記録できるプリ撮影にも対応している。

「RAWバーストモード」で注意したいのは、連写した一連のコマがCR3形式の1ファイルとして記録されること。CR3ファイルから各コマの書き出しは、カメラ内もしくはRAW現像ソフト「Digital Photo Professional 4」で可能。カメラ内ではJPEGデータもしくはRAWデータのどちらかを選択して出力・記録できる。

「RAWバーストモード」で記録したCR3ファイルは、カメラ内だけでなく、Digital Photo Professional 4上でも専用ツールを使って書き出しが可能(※ただし、RAWデータでの書き出しのみ)。設定範囲を指定して別ファイルに切り出すこともできる

実写作例

最後に、EOS M6 Mark IIで撮影した作例を掲載しよう。いずれもJPEG形式の最高画質で撮影したもの(JPEG撮って出し)になる。どの作例もピント位置の解像感が高く、有効約3250万画素の威力を感じる写真となった。

EOS M6 Mark II、EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM、200mm、ISO100、F6.3、1/8秒、ホワイトバランス:太陽光、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する、JPEG
撮影写真(6960×4640、6.34MB)

望遠ズームレンズ「EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM」の望遠端200mm(35mm判換算320mm相当の画角)で撮影したもの。アンバーに染まった空を印象的な色に仕上げてくれた。

EOS M6 Mark II、EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM、15mm、ISO100、F14、1/125秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:風景、オートライティングオプティマイザ:強め、周辺光量補正:する、歪曲補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する、JPEG
撮影写真(6960×4640、6.63MB)

標準ズームレンズ「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」の広角端15mm(35mm判換算24mm相当の画角)で撮影。逆光で撮っているが、オートライティングオプティマイザを「強め」にすることで全体的により明るい仕上がりとなった。「DIGIC 8」になってオートライティングオプティマイザの精度がさらによくなっているようで、より自然な感じで明るさやコントラスト感を自動調整してくれる。

EOS M6 Mark II、EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM、55mm、ISO100、F8、1/200秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する、JPEG
撮影写真(6960×4640、9.80MB)

あまり光量が多くない状態で撮ってみたが、ピントを合わせた位置(灯台)では高い解像感が得られている。有効約3250万画素の威力を感じるところだ。

EOS M6 Mark II、EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM、200mm、ISO800、F6.3、1/320秒、ホワイトバランス:太陽光、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する、JPEG
撮影写真(6960×4640、10.5MB)

ゆっくりと近づいてくる猫をサーボAFで撮影。感度はISO800まで上がったが解像感は高く、毛の1本1本まで描写できている。

EOS M6 Mark II、EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM、200mm、ISO800、F13、1/3200秒、ホワイトバランス:太陽光、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する、JPEG
撮影写真(6960×4640、21.0MB)

太陽光が反射する海を撮影した1枚。絞りをF13まで絞っているが、デジタルレンズオプティマイザの効果によって気になるような解像感の低下は発生していない。船のシルエットの細かいところまで写せている。

EOS M6 Mark II、EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM、15mm、ISO1600、F6.3、1/5秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:風景、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する、JPEG
撮影写真(6960×4640、11.6MB)

高感度のテストで撮影した作例。ISO1600に設定したがノイズはかなり抑えられている。画素数は有効約3250万画素まで向上したものの、従来と同様に高感度でも高画質で撮影することが可能だ。

EOS M6 Mark II、EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM、200mm、ISO250、F8、1/1250秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する、JPEG
撮影写真(6960×4640、8.66MB)

離陸する飛行機をサーボAFで連写撮影した1枚。「EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM」ではAFの食いつきがもうひとつと感じることもあるが、従来モデルと比べると、AFの速度と追従性は大きく向上している。

EOS M6 Mark II、EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM、15mm、ISO500、F3.5、1/2500秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する、RAWバーストモード使用、JPEG
撮影写真(5184×3456、5.34MB)

RAWバーストモードを使用して蝶の飛翔を撮影してみた。蝶が動き出したのを見てシャッターを切ったが、飛び始める直前までさかのぼって記録できていたため、飛翔の一連の動きをすべて収めることができた。この作例はその中の1コマとなる。RAWバーストモードは約75%×約75%(約1800万画素)のクロップになるものの、野鳥や昆虫などの撮影に活用できる機能だ。

まとめ クラスを超える基本性能を実現した小型・軽量ミラーレス

EOS M6 Mark IIは、キヤノンの一眼カメラのラインアップの中では、エントリーからミドルレンジに位置するモデルではあるが、その基本性能の高さはクラスを超えていると言っていいだろう。有効約3250万画素センサーによる高い解像力と、持続性も十分な最高約14コマ/秒の高速連写を実現したうえ、操作性もよくなっており、カメラの使い勝手にこだわる方も納得できるモデルだと思う。本記事では詳しくは触れなかったがAFも進化しており、従来モデルよりもサーボAFの性能が向上している。

小型・軽量ボディで持ち運びやすいので家族用のカメラに適しているというだけでなく、十分な性能を持っているのでハイアマチュアの方でもサブ機として選びやすいカメラだ。特にスナップ撮影用としてなら、メイン機として使える実力を持っていると言えよう。

なお、EOS M6 Mark IIでは、高倍率ズームレンズ同梱のEF-M18-150 IS STM レンズキットと、標準/望遠ズームレンズ同梱のダブルズームキットに、外付けEVF「EVF-DC2」が付属するEVFキットが追加で用意されている。最大2万円分のギフトカードがプレゼントされるキャッシュバックキャンペーンも始まっているので(しかも購入期間が2020年1月14日までという長期間)、ぜひこの機会にこの高性能な小型・軽量ミラーレスに注目してほしい。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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