水中やスポーツを行いながらの撮影など、一般的なカメラでは難しいシチュエーションでの撮影を可能にする機材が「アクションカメラ」です。頑丈、コンパクト、軽量などのメリットに加えて、近年では画質が大幅に改善しているので旅行用カメラとしても活躍の幅を広げつつあります。
本記事では、そんなアクションカメラの特徴や選ぶ際のポイント、そして「価格.com」のランキングと独自の調査に基づいて厳選した人気&ハイコストパフォーマンスモデルをご紹介します。
アクションカメラとは、スポーツやアウトドア・アクティビティ、トラベルVlog(ビデオブログ)の撮影に適する小型のカメラです。アクションカメラは体や車、サーフボードなどに取り付けて撮影されることが多いため、全般的に以下のようなメリットとデメリットがあります。
・小型、軽量
・防水、タフ
・操作がシンプル
・アクセサリーが豊富
一般的なミラーレスカメラや高級コンデジと比較した場合、アクションカメラは上記のようなアドバンテージがあります。このおかげで、一般的なミラーレスカメラやコンデジで撮影しようとしたらスグに壊れてしまうような過酷な状況でも問題なく迫力のある動画が撮影できます。
アクションカメラには小型軽量化によるトレードオフとして、バッテリー駆動時間の短さ、センサーサイズが小さいことによる暗所ノイズの多さ、などの弱点が存在します。構造上仕方ない点ですが、デメリットではあるので、これを踏まえたうえで購入するようにしましょう。
ここからは価格.comのランキングを基に、編集部独自の視点を加えて注目のアクションカメラ5種をチェックしてみましょう。
アクションカメラを世に広めたブランドGoPro(ゴー・プロ)の「Hero(ヒーロー)」シリーズ、ドローンカメラのノウハウを武器に持つニューカマーDJIの「Osmo Action(オスモ・アクション)」、センサー技術に強みを持つソニーの「RX0 II(アールエックス・ゼロ・ツー)」、そして圧倒的コンパクトさを誇るInsta360(インスタ・スリーシックスティ)の「Insta360 GO(ゴー)」という実力派かつ個性的な製品をピックアップしました。まずはその主なスペックを比較してみましょう。
アクションカメラの代名詞とも言える「GoPro」シリーズの最強モデルです。走りながら撮影しても手ブレの少ない映像が撮影できる強力な電子式手ブレ補正に加えて、マイク音質の改善や暗所ノイズの低減などを実現した“超アクションカメラ”級の性能を誇り、映像制作から、SNSに投稿する動画など幅広いシーンを撮影する際に重宝します。小型ショットガンマイクや自撮り用ディスプレイ、ライトなど別売りのアクセサリーと組み合わせればVlog用カメラとしても活躍してくれます。
スポーツ撮影だけでなく、普段撮りやSNS用の動画も撮影できるオールマイティーな1台を探しているなら、最有力候補の1台です。
最新モデルの「HERO8 Black」には性能面でわずかに劣るものの、十分実用的な電子式手ブレ補正を備え、4K動画も撮影できる「HERO7 Black」。専用のマウントを装着するにはケースが必要だったり、マイクの性能が新モデルほどよくない、といった弱点はありますが、過去モデルのため「HERO 8」より安く買える点は大きな魅力です。
できるだけ安く「GoPro」ブランドのアクションカメラを手に入れたいという場合は、このモデルがよいでしょう。
民生用ドローンで世界最大の市場シェアを誇る”空の絶対王者”DJIが初投入したアクションカメラが「Osmo Action」です。11mの潜水や2mからの落下に耐えることを公言し、交換可能なレンズカバーを備えるなど、堅牢なカメラ揃いのアクションカメラ市場においても頭ひとつ抜きんでたタフさを誇る1台です。電子式の手ブレ補正も「HERO7 Black」と同等か、それ以上の性能を持ち、本体前面には自撮り用のディスプレイを備えるなどすきのない作りでありながら、価格が安めに抑えられているのは驚きです。
本格派のアクションカメラを安く買いたいコスパ重視の人は真っ先にこのモデルをチェックしましょう。
ソニー「RX0 II」は、アクションカメラカテゴリーでは大型となる1インチセンサーを搭載しているため、明暗の差が大きい場所での撮影にアドバンテージを持ちます。また、本体に自撮り用のフリップアウトスクリーンを備えているので、自撮り撮影が素早く手軽に行えます。手ブレ補正を行うには無料の専用アプリで後処理を行う必要があるなど少しクセのある使い勝手ですが、アクションカメラでもダイナミックレンジの広さにこだわりたい人は要注目です。
ほかのソニー製カメラと色味が合わせやすいというメリットもあるので、「α7シリーズ」や「α6400/6500/6600」などをメインカメラとしている人には使い勝手がいい1台となっています。
親指サイズの「Insta360 GO」は小型のアクションカメラの中でも特に軽く小さい“最軽量”級のカメラです。録画可能時間が最長でも60秒、画質も最大2.7Kまでといった制限はあるものの、圧倒的なコンパクトボディはこれまでにない撮影の新しい可能性を広げてくれます。日常の面白い瞬間を切り取るTikTok動画などに威力を発揮するので、アクションスポーツを撮影したい人のみならず、ショート動画のクリエイターさんにも注目してほしい製品です。
サイズの小ささ、ボディの軽さを最優先で選ぶならInsta360「GO」一択でしょう。
3軸ジンバルと一体化したカメラを備えた個性的モデルがDJI「Osmo Pocket」です。電子式の手ブレ補正だけでは低減できない傾きや揺れを、ジンバル(スタビライザー)で軽減することで、より滑らかな映像が撮影できる点が大きなアドバンテージです。いっぽうで、可動部分が多くなることでタフさや防水性能が失われているため、一般的なアクションカメラのようなハードなコンディションでの使用に向かない点は注意が必要。風景撮影や旅行時の街歩きなどを記録したい場合には好適です。
アクションカメラは、その名の通り「アクションの多いシーンを撮るために最適化されたカメラ」です。そのためスキーやスノーボード、サーフィン、マウンテンバイクなどのスポーツ撮影にピッタリです。いっぽうで、ミラーレスカメラやデジタル一眼カメラが得意とするレンズのボケ味や暗所耐性が求められるシーンでの撮影などには不向きです。
機材は適材適所、というルールを忘れずに、ぜひ、あなたにピッタリの1台を選びましょう。
世界50か国以上を旅したバックパッカー。週刊アスキー編集部などを経て、AppBankに入社。「バイヤーたてさん」として仕入れとYouTubeを活用したコンテンツコマースに取り組み、上場時は広報として企業PRを担当。現在はフリーランスで活動中。