レビュー
欲張りスペックを詰め込んだ人気モデル

これがAPS-C一眼レフの完成形! キヤノン「EOS 90D」レビュー

ミラーレス全盛の昨今だが、一眼レフでも人気のカメラがある。キヤノンの「EOS 90D」だ。価格.comの「デジタル一眼カメラ」カテゴリーの人気売れ筋ランキングでもトップ10に入っている。そんなEOS 90Dをカメラマンの吉村 永氏にレビューしてもらった。

最高10コマ/秒の高速連写など欲張りスペック

EOS 90Dは、キヤノンのAPS-C型センサー採用の中級一眼レフカメラ。「APS-C一眼レフの完成形」とキヤノンがうたうモデルだが、その言葉に込められた性能がどんなものなのか探ってみよう。

センサーは有効3250万画素のデュアルピクセルCMOS仕様。キヤノンの独自開発・採用のセンサーだ。他社のセンサーよりわずかにサイズが小さく、焦点距離換算倍率は1.6。焦点距離50mmのレンズを装着すると、明るさはそのままに画角は80mm相当になるということだ。

カタログスペックで驚かされるのが最高約10コマ/秒という連写速度。キヤノンのAPS-C一眼レフの最上位機種「EOS 7D Mark II」(2014年10月発売、以下7D Mark II)の連写速度が10.0コマ/秒だったので、同等速度での連写が可能になっているといえる。

もうひとつファインダーの視野率が約100%なのもうれしいポイント。倍率こそEOS 7D Mark IIの約1.00倍に及ばない約0.95倍とほんの少しだけ小さく見えるのだが、しっかりと写真に写り込むすべてを隅々まで確認したい場合の安心感が得られる。こうしてスペックを並べてみると、最上位機種のEOS 7D Mark IIに比べて2020万画素から3250万画素に増えた画素数、2世代新しくなった映像エンジン「DiGIC 8」の搭載、4K60P動画撮影機能の追加といった具合に下克上を果たし、これまで上位機種が有利とされていた約10コマ/秒の連写機能、ファインダー視野率100%を実現した。これは確かにかなり欲張ったスペックといっていいだろう。

上位機と下位機のいいとこ取りの操作性

実際に手にしたEOS 90Dは先代の「EOS 80D」よりも30gほど軽量化され、EOS 7D Mark IIに比べると200g以上も軽量。だがグリップの高さなどは必要十分な大きさをキープしており、成人男性の手でも小指が余ってしまうようなことはほぼないだろう。握った時のソリッドな剛性感もEOS 80Dよりもやや増しているように感じられた。

操作性の面では、上級機と下位機種とのいいとこ取りをしているかのような構成。背面の一番大きな面積を占有しているのは、EOSシリーズ操作性の肝ともいえる大型のサブダイヤル。実は今回、この内側が8方向のボタン式マルチコントローラーに、その上には上級機種と同様、ジョイスティック式のマルチコントローラーが装備されている。さまざまな機種からの乗り換えを考えた装備なのだろう。どちらのマルチコントローラーも、主にAF測距点を切り替えたりといった操作に使うものなのだが、慣れた方をユーザーが選べるのだ。

本体サイズは約140.7(幅)×104.8(高さ)×76.8(奥行)mm、重量は約701g(バッテリー、カードを含む)/約619g(本体のみ)

メインダイヤルは、8方向のボタン式マルチコントローラーとジョイスティック式のマルチコントローラー

メインダイヤルは、8方向のボタン式マルチコントローラーとジョイスティック式のマルチコントローラー

EOSの上位機種を主に使っている自分からは、このコントローラー自体の操作性はなかなか良好に感じられた。だが残念なことにサブ電子ダイヤルはかなり小さく、このために露出操作の時、親指でダイヤルを探してしまうようなことが多かったが、このあたりはボディの小型化とのバランスが難しいことであろうと想像できる。

また、ボディを手にして右肩にあたる部分には情報表示のモノクロ液晶によるディスプレイが装備されているのは一眼レフ中級機以上の大きな特徴。このディスプレイ上方にAFやドライブ設定、ISO感度設定などのボタンが装備されて慣れるとスピーディーな設定が行える点もこなれている。ただ、自分のようにホワイトバランスを頻繁に変える撮影スタイルだと、「EOS 60D」以降のEOS2桁シリーズのこの部分からホワイトバランスの設定がなくなってしまっているのは残念に感じる。

一眼レフ中級機以上に搭載されるボディ上部のディスプレイ

一眼レフ中級機以上に搭載されるボディ上部のディスプレイ

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