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ファン待望の「D750」後継機がついに登場

ニコンの新型フルサイズ一眼レフ「D780」の特徴をいち早くチェック!

ニコンは2020年1月7日、フルサイズ一眼レフの新モデル「D780」を発表した。ロングセラーとなった従来モデル「D750」の発売から数えると約5年4か月ぶり、同社のフルサイズ一眼レフとしては「D850」の登場から約2年4か月ぶりの新モデルということで期待値の高い製品となっている。ここでは、発売前の試作機の外観画像を交えながらD780の特徴をレポートする。

ニコンのフルサイズ一眼レフとしては久しぶりの新モデルとなるD780。装着しているレンズはD750でキットレンズとして用意されていた「AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR」

操作性がブラッシュアップされ、さらに使いやすくなった

まずは、D780のボディ周りからチェックしていこう。

D780は従来モデルD750と同様、上面カバーと背面カバーにマグネシウム合金を用いた、モノコック構造の筐体を採用している。剛性の高い薄型ボディで、効果的なシーリングによって防塵・防滴性も確保した。

サイズは約143.5(幅)×115.5(高さ)×76(奥行)mmで、重量は約840g(バッテリーおよびSDメモリーカードを含む、ボディキャップを除く)。D750と比べると幅が3mm、高さが2.5mmほどわずかに大きくなっているが重量は同じだ。

ボディ周りの機能はほとんどの部分で従来と同じか上回るようになっているが、内蔵フラッシュについては省略されている。内蔵フラッシュがなくなったこともあってか、ファインダー部は上位モデルD850のような形状になり、前面からのシルエットはよりシャープで精悍な印象になった。あわせてボタンやレバー類の操作系もブラッシュアップされている。

内蔵フラッシュは非搭載で、ファインダー部はD850に近いデザインになった

内蔵フラッシュは非搭載で、ファインダー部はD850に近いデザインになった

左がD780で、右がD750。ほぼ同じサイズ感だが、前面からのシルエットは大きく変わっている

左がD780で、右がD750。ほぼ同じサイズ感だが、前面からのシルエットは大きく変わっている

背面の操作系では、ライブビュー関連の操作を行うボタン・セレクターの位置がファインダーの右側に移動になった。また、D780はUSB経由での本体内充電に対応しており、背面左上に充電中を示すCHGランプが追加されている

上面は測光モードボタンがなくなり、ISOボタンが追加された

上面は測光モードボタンがなくなり、ISOボタンが追加された

上面左側のダイヤルも従来からデザインが変更された。表面は少しマットな質感になり、フォントも変わっている

光学ファインダーのスペックは従来と同様で、視野率約100%・倍率約0.7倍のペンタプリズムファインダーを採用。スペックは変わらないが光学系が改善されており、従来よりもクリアな見えを実現している。また、新開発のミラーバランサーを搭載したことで、連写時のファインダー像が従来よりも安定するようになった。細かいところではフォーカスエイドの精度も向上しており、D850と同等になっているとのこと。

液晶モニターは3.2型のチルト式はそのままに、ドット数が約122.9万ドットから約236万ドットに向上。タッチパネルにも対応するようになり、タッチAFやタッチシャッターといった操作のほか、メニューの操作もタッチパネル上で行えるようになった。

付属バッテリーはEN-EL15bで、1回の充電での撮影可能コマ数はD750の1230コマから2260コマに大きく向上。これは低消費電力設計とあわせて、内蔵フラッシュが省略されたことでCIPA規格での測定条件が変わったことも大きく寄与している。それでもD850の1840コマを上回るバッテリーライフを実現しているのは魅力だ。

タッチパネル対応の3.2型チルト液晶モニター(約236万ドット)を採用。SDメモリーカードスロットはデュアルスロット仕様でいずれもUHS-IIに対応している

インターフェイスとして、プラグインパワー対応の外部マイク入力、ヘッドホン出力、アクセサリーターミナル、USB Type C端子、HDMI端子(Type C)を搭載。USB経由での本体内充電に対応している

底面はバッテリー室のレイアウトが横から斜めに変更になった。底面に接点がないことからもわかるように、縦位置グリップは用意されていない

最新の画像処理エンジン「EXPEED 6」の採用で高感度画質が向上

続いて、D780の画質性能を見ていこう。

撮像素子には、有効2450万画素のフルサイズ裏面照射型CMOSセンサー(35.9×23.9mm)を採用。ニコンの一眼レフとしては初めて最新の画像処理エンジン「EXPEED 6」を搭載したのがトピックで、D750から一気に2世代分の性能向上を果たしている。画素数は従来からほぼ据え置きだが、EXPEED 6の採用によって高感度にさらに強くなっており、感度はISO100〜51200(拡張でISO50相当までの減感、ISO204800相当までの増感が可能)に対応するようになった。解像感や有彩色の再現性も向上しているとのことだ。

常用感度は最高ISO51200に対応。D850の最高ISO25600を1段分上回るスペックだ

常用感度は最高ISO51200に対応。D850の最高ISO25600を1段分上回るスペックだ

撮影に関する機能では、Zシリーズではおなじみとなった「クリエイティブピクチャーコントロール」を搭載したのがトピック。色合いやトーンなどを工夫した20種類のユニークな設定が用意されている。基本的にはモニターのライブビュー映像を見ながら使う機能ではあるが、光学ファインダーで効果を予想しながら撮るのも面白いだろう。

Zシリーズに搭載されているクリエイティブピクチャーコントロールを採用

Zシリーズに搭載されているクリエイティブピクチャーコントロールを採用

「Z 6」と同様のAFシステムを採用。ファインダー撮影のAFもブラッシュアップ

D780は、モニター撮影時のAF性能が大幅に進化している。像面位相差AFとコントラストAFのハイブリッドAFシステムを搭載したことで、従来のコントラストAFのみのシステムと比べると合焦速度が大幅に向上。システムとしてはフルサイズミラーレス「Z 6」と同じ仕様で、273点のフォーカスポイントが画面の縦横約90%を広くカバーするようになっている。モニター撮影時のAF低輝度限界は-5EVで、ローライトAFを使えば-7EVに達する。Z 6のAF低輝度限界は-3.5EVなのでD780が1.5段分上回っているわけだが、これは測定で使用しているレンズが異なることが大きな理由。D780はF1.4レンズ、Z 6はF2.0レンズで測定しており、レンズの明るさの差がほぼそのまま結果として出ていると考えていいだろう。後発の分、細かいところでD780のほうがよい部分もあるかもしれないが、モニター撮影時のAFの基本的な性能はD780とZ 6で変わらない。

さらにD780は、モニター撮影時に、ニコンの一眼レフでは初めて「瞳AF」に対応(※静止画撮影時のみ)。AF-Cでの追従に対応するほか、マルチセレクターで左右の瞳を選択することも可能で、「Zシリーズ」のミラーレスと変わらない機能性を誇る。

モニター撮影時に、瞳を検出して追従する瞳AFを利用できる

モニター撮影時に、瞳を検出して追従する瞳AFを利用できる

ファインダー撮影のAFについては、従来と同様、51点の位相差AFに対応する「アドバンストマルチCAM3500Uオートフォーカスセンサーモジュール」を搭載している。低輝度限界は-3EV。モジュールの進化はないが、測光センサーに上位機種と同じ180KピクセルRGBセンサーを採用することで最新のアドバンストシーン認識システムを搭載するようになったことと、EXPEED 6による処理性能の向上によって「D5」のAFアルゴリズムを最適化する形で搭載できるようになったことで、AFの性能は底上げされている。具体的には、オートエリアAF時の被写体検出性能と、「3D-トラッキング」の動体追尾性能が向上しているとのことだ。

最速1/8000秒にシャッタースピードに対応。動画撮影機能も大幅に進化

より幅広いシャッタースピードに対応するようになったのもD780の見逃せない点だ。従来は1/4000秒止まりだったが、最速1/8000秒のシャッタースピードを利用できるようになった。さらに、Mモード時はシャッタースピードの延長にも対応。天体撮影専用の一眼レフ「D810A」と同じように最長で900秒を設定できる。M/Sモードで4秒以上の長秒時は、比較明合成の素材を撮る場合に便利な、コマ数無制限の連続撮影も可能だ。

カスタム設定の「d6:Mモード時のシャッタースピード延長」をオンにすることで最長900秒のシャッタースピードを設定できる

連写性能はメカシャッターで最高約7コマ/秒に対応。モニター撮影ならサイレント撮影時(12bit RAW設定時)に最高約12コマ/秒(いずれもAF・AF追従)の高速連写が行える。連続撮影可能コマ数は14ビットロスレス圧縮RAW時で最大68コマ、それ以外の画質モードはすべて最大100コマとなっており、連写の持続性も十分だ。なお、Z 6とは異なり、モニター撮影時にメカシャッターで最高約12コマ/秒に対応していないのは制御上の理由によるもの。ミラーアップした状態の一眼レフであっても、ミラーレスとは構造や仕組みが異なっており、完全に同じように制御することはできないとのことだ。

サイレント撮影にも対応するようになった

サイレント撮影にも対応するようになった

D780は動画撮影機能も大幅に進化している。フルフレームでの4K UHD/30p記録に対応するようになったうえ、像面位相差AFでの高速なピント合わせが可能になったことでAFの使い勝手が大きく向上。従来のコントラストAFと比べると、高速かつスムーズなピント合わせが可能だ。さらに、タイムコード出力が可能なほか、HDMI経由でのHDR(HLG)動画出力と10bit N-Log出力にも対応。カメラ内でのスローモーション動画生成機能や、音声付きでのフルHD/120p記録にも対応している。

動画撮影はフルフレームでの4K UHD/30p記録に対応

動画撮影はフルフレームでの4K UHD/30p記録に対応

このほか、フリッカー低減やフォーカスシフト撮影、カメラ内タイムラプス動画自動生成、フィルムをデータ化できる「ネガフィルムデジタイズ」といった機能を追加。200万画素で約120コマ/秒、800万画素で約30コマ/秒(いずれもAF/AE追従)の高速フレームキャプチャー機能も備わっている。ホワイトバランスの設定では自然光環境下で使いやすい「自然光オート」を追加。多重露光は加算平均に加えて、加算、比較明合成、比較暗合成を設定可能。AF微調節機能は1本のレンズでファインダー撮影とモニター撮影の両方を設定でき、ズームレンズの場合はワイド端/テレ端のそれぞれで調整可能となった。RAW現像は複数ファイルの一括処理が行えるようになっている。

まとめ D750ユーザーにとって買い替えの第一候補になる新モデル

D780は従来モデルD750をベースにしているところはあるものの、D850やZ 6の性能・機能をいくつも継承しており、細かいところも含めると多くの点で進化を遂げている。AFシステムの刷新によってモニター撮影がやりやすくなったのが大きなポイントで、一眼レフファンにとって魅力的なモデルが登場したと言っていいだろう。特に、D750を愛用している方にとっては買い替えの第一候補になるはずだ。

ラインアップされるのはボディ単体のみで、市場想定価格は275,000円前後(税込)。発売は2020年1月24日が予定されている。この価格設定だとD850も十分に視野に入るためどちらを選ぶか迷ってしまいそうだが、一眼レフとしての完成度と高画素センサーによる画質を重視するならやはりD850を選ぶのがベターな選択だと思う。いっぽうで、より小型・軽量なボディによる軽快な撮影や、モニターでのスムーズなAF撮影についてはD780に軍配が上がる。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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