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新開発の画像処理エンジンを採用し、手ぶれ補正やAFが進化

オリンパス、プロ向けハイエンドミラーレスの新モデル「OM-D E-M1 Mark III」を発表!

オリンパスは2020年2月12日、ミラーレスカメラの新モデル「OM-D E-M1 Mark III」を発表した。同社のラインアップの中では、縦位置グリップ一体型の「OM-D E-M1X」と並んでプロフェッショナル向けに位置するハイエンドモデルだ。その特徴をいち早く紹介しよう。

プロフェッショナルモデル「OM-D E-M1」シリーズの新製品E-M1 Mark III。高速連写・高速AFでミラーレスの高性能化を象徴するモデルとなったE-M1 Mark IIからおよそ3年ぶりとなるリニューアルとなる

新画像処理エンジン「TruePic IX」を搭載。手ぶれ補正の性能は最大7.5段分に進化

E-M1 Mark IIIのハードウェアでは、撮像素子に従来モデルと同スペックとなる2000万画素の「Live MOSセンサー」を継承しつつ、新開発の画像処理エンジン「TruePic IX」を搭載したのがトピック。処理性能の向上によって、シングルエンジンながら、ダブルエンジン仕様のE-M1Xと同様、後述する「手持ちハイレゾショット」と「ライブND」などの搭載を実現している。

注目したいのは、TruePic IXの採用とあわせて、ハードウェアの各所にE-M1Xの技術を搭載することで基本的なスペックが底上げされていることだ。

高画質・高速処理を実現した、新開発の画像処理エンジンTruePic IXを採用

高画質・高速処理を実現した、新開発の画像処理エンジンTruePic IXを採用

ボディ内手ぶれ補正は、E-M1Xで採用した新開発のジャイロセンターを搭載することで、E-M1Xと同等となるボディ単体で最大7段分、5軸シンクロで最大7.5段分の補正効果を達成した。シャッターユニットには、40万回のテストをクリアした、E-M1Xと同じ高耐久ユニットを採用。ダストリダクションシステムは、30000回/秒以上で振動させてゴミやホコリを除去するSSWF(スーパーソニックウェーブフィルター)に、E-M1Xと同様、ゴミの写り込みを低減した新コーティングを採用している。

ボディ内手ぶれ補正とレンズ側の手ぶれ補正を協調して補正効果を高める5軸シンクロ手ぶれ補正に対応。高倍率ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」使用時で最大7.5段分の補正効果を実現している

E-M1Xで採用した最新のジャイロセンサーを採用

E-M1Xで採用した最新のジャイロセンサーを採用

マグネシウム合金製のボディは、サイズが約134.1(幅)×90.9(高さ)×68.9(奥行)mmで、重量が580g(バッテリーおよびメモリーカード含む、アイカップなし)。従来モデルとほぼ変わらないサイズ・重量だ。プロフェッショナル向けのハイエンドモデルらしく、すぐれた防塵・防滴・耐低温性能を実現している。防滴性能は保護等級IPX1を保証

カスタムモードは4種類に増え、バルブモードも追加された。SDメモリーカードスロットはデュアルスロット仕様でスロット1がUHS-IIに対応している

OM-D E-M1Xと同様、手持ちハイレゾショットとライブNDの利用が可能

手持ちハイレゾショットは、撮影中に発生するわずかな位置ずれを利用して16回の撮影と合成を行うことで、手持ちでの約5000万画素(8160×6120)の画像を生成する機能。通常撮影と比べて約2段分のノイズ低減効果を発揮するのも特徴で、風景や夜景などを手持ちで撮影する場合に威力を発揮する機能だ。また、三脚の使用が前提となる「三脚ハイレゾショット」は、RAWだけでなくJPEGでも約8000万画素(10368×7776)の画像を生成できるようになった。

ライブNDは、複数の画像を合成して疑似的に露光時間を延ばすことで、NDフィルターを使用したときのようなスローシャッター効果が得られる機能。ND2(1段分)〜ND32(5段分)の5段階から減光量を選択し、ライブビューでその効果を確認して撮ることができる。レンズ交換のたびにNDフィルターを装着し直す手間がないうえ、魚眼レンズなどフィルター装着が難しいレンズを使用する場合にも便利な機能だ。

天体撮影用の「星空AF」やマルチセレクターを新搭載

AFシステムには従来と同様、121点オールクロス像面位相差AFセンサーを採用。E-M1Xに搭載された、特定の被写体を自動で検出して追尾する「インテリジェント被写体認識AF」には非対応となっているが、新画像処理エンジンTruePic IXによって基本的な性能が向上している。低輝度限界は-6EV(F1.2レンズ使用時)。

機能面では、新開発のアルゴリズムを用いた天体撮影用の「星空AF」を新たに搭載。手持ち撮影も可能な速度優先と細かいフォーカススキャンを行う精度優先を選択できる。「顔認識/瞳認識AF」も検出精度が向上したうえ、ボタンや画面のタッチ操作で顔の選択が可能になった。

さらに、ファインダーをのぞいたままフォーカスエリアの移動操作が行えるマルチセレクターを背面に追加。連写中や動画撮影中のエリア起動も可能だ。細かいところではAFターゲットの循環設定も追加されている。

フォーカスエリアをダイレクトに移動できるマルチセレクターを搭載。液晶モニターはタッチパネル対応の3.0型(約104万ドット)バリアングル液晶

連写は従来と同様、電子シャッターにおいてAF/AE追従で最高約18コマ/秒(連続撮影可能枚数はRAWで約76コマ、JPEGで約90コマ)の高速連写が可能。AF/AE固定の場合は最高約60コマ/秒(連続撮影可能枚数はRAW/JPEGともに約50コマ)に対応する。

USB経由での充電・給電に対応。各種撮影機能も使い勝手が向上

電源周りでは、モバイルバッテリーなどを使用してUSB(Type C)経由での本体内充電が可能になった。最大100W給電が可能なUSB Power Delivery(PD)規格にも対応しており、最速2時間でバッテリーを満充電にできる。USB経由での給電も可能で、長時間の撮影にも対応できるようになった。

撮影機能では、最大35コマまでさかのぼって記録できる「プロキャプチャーモード」や、3〜15枚から選択できる深度合成、最大999枚対応の「フォーカスブラケット」などを搭載。インターバル撮影は最大9999コマまでの対応になり、タイムラプス動画の素材撮りなどで、よりコマ数の多い長時間の撮影が可能になった。さらに、ライブコンポジット、ライブバルブ、ライブタイムを設定できるバルブモードを追加。ライブコンポジットは最長6時間の撮影が可能になった。

動画は4K(3840×2160)/30p、C4K(4096×2160)/24p記録が可能。OM-Logに対応するほか、フルHDでの120fpsハイスピードムービー撮影も行える。さらに、HDMIモニタリングスルー機能も搭載しており、4:2:2出力が可能(※カメラ内同時記録時は4:2:0から4:2:2のアップサンプリング)。ハイレゾ対応外部マイク接続時の96kHz/24bit音声記録や、外部マイク使用時のホワイトノイズ低減も可能になった。リニアPCMレコーダー「LS-P4」と組み合わせての高音質な録音も可能で、動画と音声の同期を取りやすくするスレートトーンと、録音レベル調整を容易にするテストトーンにも対応。細かいところでは、動画撮影時に、静止画撮影モードとは別に、絞り値、シャッタースピード、感度、ホワイトバランスを設定できるようになった。

LS-P4と組み合わせる外部アクセサリー(別売)として、カメラのホットシューとLS-P4の三脚アダプターの間に取り付けるショックマウント「SM2」と、カールコード採用のオーディオケーブル「KA335」を用意する。いずれも2020年春の発売予定

スマートフォン用アプリ「OI.Share」も機能が強化され、E-M1 Mark IIIではアプリからカメラ本体のファームウェアアップデートに対応。カメラ設定のバックアップ・リストアも可能になった。

防塵・防滴仕様のバッテリーホルダー「HLD-9」を用意している。価格は35,750円(税込)

防塵・防滴仕様のバッテリーホルダー「HLD-9」を用意している。価格は35,750円(税込)

まとめ 着実な進化を遂げた小型軽量ハイエンドモデル。機動力を重視する場合に選びたい

約3年ぶりのリニューアルということで撮像素子を含めた大幅なアップデートが期待されたE-M1 Mark IIIだが、その内容は着実な進歩と言った印象。2019年に縦位置グリップ一体型のE-M1Xが登場しており、E-M1 Mark IIIでの完全な新機能としては星空AFなどに限られるためインパクトが少ないと感じるかもしれないが、従来モデルと変わらない小型・軽量ボディに、手持ちハイレゾショットやライブNDなどE-M1Xとほぼ同等の機能を搭載するのは魅力だ。新画像処理エンジンTruePic IXの搭載によって、スペックではわからない部分での操作フィーリングやレスポンスの向上に期待できるのも見逃せない部分である。

E-M1 Mark IIIの登場によって、縦位置撮影を含めて操作性やホールド性を重視するならE-M1X、機動力を生かしてアクティブに使いたいならE-M1 Mark IIIといったように、使い方にあわせてオリンパスの最新ハイエンドモデルを選べるようになったのは選択の幅が広がってうれしい限り。市場想定価格はボディ単体が200,000円前後、標準ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」が同梱するレンズキットが260,000円前後(いずれも税別)で、従来モデルと比べて少し安価な価格設定になっているのもうれしい点だ。発売は2月28日となっている。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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