交換レンズ図鑑
売れ筋ランキング1位の大三元・標準ズームレンズ

価格.comで人気ナンバーワン! シグマ「24-70mm F2.8 DG DN」実写レビュー

「24-70mm F2.8 DG DN」は、シグマが「新世代“Artズーム”のフラッグシップ、かつ大口径・標準ズームレンズの決定版」と自信を持つ新製品だ。ソニーEマウント用とLマウント用が用意されているが、ソニーEマウント用はダントツの人気を誇っており、2020年2月28日時点で、価格.com「レンズ」カテゴリーの売れ筋ランキング・注目ランキングの両方で1位に位置している。フルサイズミラーレス「α7 III」と組み合わせて試用し、その実力を確かめた。

2019年12月20日の発売から人気を集めている、シグマの24-70mm F2.8 DG DN。広角ズームレンズ「14-24mm F2.8 DG DN」に続く、ミラーレス専用設計“Artズーム”の第2弾製品だ

ミラーレス専用設計によってクラス最高の光学性能を実現

24-70mm F2.8 DG DNは、シグマのレンズ群の中でも特にすぐれた性能を持つ「Artライン」に属する、フルサイズ対応の標準ズームレンズ。焦点距離24〜70mmのズーム全域で開放F2.8を実現した、いわゆる“大三元レンズ”の標準ズームだ。

シグマの大三元・標準ズームレンズの歴史は長く、2001年発売の「24-70mm F2.8 EX DG ASPHERICAL DF」から2017年発売の「24-70mm F2.8 DG OS HSM」まで一眼レフ用を製品化してきたが、いずれも純正レンズに匹敵する描写力とコストパフォーマンスの高さで人気を得た。そんなシグマの大三元・標準ズームレンズがミラーレス専用として完全新設計で登場したということで、24-70mm F2.8 DG DNは注目を集める存在になっている。

シグマもこのレンズにかなりの自信を持っており、ショートフランジバックのミラーレスに最適な設計によってクラス最高の光学性能を実現したとしている。レンズ構成は15群19枚で、蛍石と同等の性能を持つFLD(“F” Low Dispersion)ガラスを6枚、SLD(Special Low Dispersion)ガラスを2枚と、特殊低分散ガラスをふんだんに採用。非球面レンズも3枚採用しており、軸上色収差やサジタルコマ収差を抑制し、ズーム全域で画像の中心から周辺まで均一で高い解像感を実現したとのことだ。さらに、逆光のような強い入射光に対して影響を受けにくいように、コーティングには「スーパーマルチレイヤーコート」に加えて、新しい「ナノポーラスコーティング」も採用した。

鏡筒の左手側に、さまざまな機能を割り当てられるAFLボタンやAF/MF切り替えスイッチを搭載。フォーカスリングはバイワイヤ方式のモーター駆動で、操作速度によって回転角が変わる仕様となっている。フィルター径は82mm

左手側の操作系の下に、焦点距離24mmでズームリングをロックするスイッチを搭載。ロックはズームリングの操作で解除されるようになっている

最短撮影距離は広角端で18cm(最大撮影倍率1:2.9)、望遠端で38cm(同1:4.5)と特に広角側で被写体に寄れるのが魅力。絞り羽根は11枚円形絞りで、開放付近で円形のボケを楽しめるとのこと。AF駆動にはステッピングモーターを採用し、最新のアルゴリズムとの組み合わせによってAFの高速化と静音性を両立した。

鏡筒は防塵防滴機構で、前玉に撥水防汚コートも採用。サイズ・質量は、ソニーEマウント用が87.8(最大径)×124.9(全長)mmで830g、Lマウント用は87.8(最大径)×122.9mm(全長)で835g。全長は120mmを超えているが、手ブレ補正機構を省略していることもあって、開放F2.8通しの高性能な標準ズームレンズとしては比較的軽量な鏡筒となっている。

左が広角端24mm、右が望遠端70mm。ズームリングの回転方向は純正のソニーEマウントレンズとは逆になっている

ロックスイッチ付きの花形フード「LH878-03」が付属する

ロックスイッチ付きの花形フード「LH878-03」が付属する

実写作例

※以下に掲載する作例は、α7 IIIと24-70mm F2.8 DG DNを組み合わせてJPEG形式の最高画質(エクストラファイン)で撮影したものになります。

α7 III、24-70mm F2.8 DG DN、70mm、F8、1/500秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オート、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、13.3MB)

夕暮れ時に望遠端70mmで撮影。黒くつぶれがちな状況だが、シャドウ側の階調が豊かで陰影が印象的な1枚に仕上がった。

α7 III、24-70mm F2.8 DG DN、24mm、F2.8、1/3200秒、ISO100、ホワイトバランス:太陽光、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オート、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、13.5MB)

広角端24mmの開放F2.8で被写体に近づいて撮影してみた。浮き立つようなボケによって立体感や抜け感を感じる写真となった。

α7 III、24-70mm F2.8 DG DN、50mm、F6.3、1/320秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オート、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、17.5MB)

24-70mm F2.8 DG DNは解像力が高いことに加えて、色再現性にすぐれるのも特徴だ。この作例は順光で色がつぶれやすい状況で撮っているが、オレンジの塗装の質感を壊さずに色乗りのよい画質が得られた。

α7 III、24-70mm F2.8 DG DN、24mm、F2.8、1/6400秒、ISO100、ホワイトバランス:太陽光、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オート、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、10.7MB)

広角端24mmの開放F2.8で撮影。逆光の開放ということで色収差が出そうな状況だが、ピント位置はススキの毛の1本1本まで解像している。逆光下ということもあって周辺光量落ちがやや目立つものの、背景ボケは滑らかだ。

α7 III、24-70mm F2.8 DG DN、70mm、F2.8、1/2000秒、ISO100、ホワイトバランス:太陽光、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オート、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、12.5MB)

こちらは望遠端70mmの開放F2.8で撮ったもの。夕暮れ時の光が少ない状況をうまく再現できている。

α7 III、24-70mm F2.8 DG DN、50mm、F8、1/200秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:ニュートラル、Dレンジオプティマイザー:切、歪曲収差補正:切、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、17.0MB)

光を拾うようにして撮影した1枚。シャドウ側の階調が見事で、スポットライトが当たる状況を印象的に再現できている。

α7 III、24-70mm F2.8 DG DN、35mm、F14、1/160秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:切、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、10.7MB)

順光に近い状況にて焦点距離35mmで撮影。コントラストが高く、青空のグラデーションが美しく再現できている。

α7 III、24-70mm F2.8 DG DN、24mm、F14、1/40秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:切、歪曲収差補正:オート、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、14.1MB)

24-70mm F2.8 DG DNは画像の中央だけでなく周辺でも高い解像感が得られる。この作例は広角端24mmで絞りをF14まで絞って撮っているが、周辺までシャープな描写になっている。

α7 III、24-70mm F2.8 DG DN、70mm、F2.8、1/2500秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:ニュートラル、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:切、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、8.7MB)

玉ボケを狙って望遠端70mm、開放F2.8で撮影した1枚。煩雑な背景だったが比較的すっきりとまとまった。ボケの色付きが少なく、年輪ボケも見られない。なお、24-70mm F2.8 DG DNはズーム全域ですぐれた描写が得られるが、望遠端70mmの近接・開放だとやや解像力が落ちる印象を受けた。

α7 III、24-70mm F2.8 DG DN、24mm、F16、1/200秒、ISO100、ホワイトバランス:太陽光、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オート、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、16.5MB)

逆光耐性のテストで撮影した写真。太陽を画面に入れているため画像中央の左下あたりにゴーストが見られるが、ゴースト・フレア―はよく抑えられている。強い光源があるとゴースト・フレア―が発生することがあったものの、標準ズームレンズとしては及第点以上の逆光耐性を実現していると思う。

まとめ ズーム全域でシグマらしい緻密な描写を実現。コストパフォーマンスは抜群

ライカ、パナソニックとともにLマウントアライアンスに属するシグマは、製品の展開を一眼レフからミラーレスに大きくシフトしている。2019年10月にLマウントのフルサイズミラーレス「SIGMA fp」を製品化したうえ、この1年の間(2019年3月〜2020年2月)に発売になったレンズは、一眼レフ用のマウント変更版を含めてすべてミラーレス用となっている。24-70mm F2.8 DG DNは、そうした展開の中で生まれたミラーレス専用設計の高性能な大三元・標準ズームレンズ。シグマファンからの期待値の高い製品だが、期待通りのすばらしいレンズに仕上がっていると感じた。

近接・開放だとシャープさが失われることはあったものの、解像力はズーム全域で非常に高い。そのうえで階調性と色再現性にすぐれ、ボケ質も滑らか。ボディ側の補正がないと歪曲収差が目立つのと、開放付近での周辺光量落ちは気になったが、シグマの高性能なレンズらしく、線が細くて緻密な描写を楽しめると感じた。AFも静寂かつ高速でピント合わせにストレスを感じることはほとんどなかった。描写力、使い勝手ともに高性能な大三元・標準ズームレンズとして申し分のないクオリティだ。

価格.com最安価格(2020年2月28日時点)はソニーEマウント版、Lマウント版ともに120,000円程度。ソニーEマウント版は同じ焦点距離をカバーする純正の大三元・標準ズームレンズ「FE 24-70mm F2.8 GM」よりもお買い得ということで、価格.comで人気を集めているのも納得だ。性能を考慮すると抜群のコストパフォーマンスと言っていいだろう。2020年2月末現在、価格.comの登録ショップでは在庫がほとんどない状況が続いているが、ソニーEマウントユーザーならびにLマウントユーザーで、高性能かつ万能な標準ズームレンズを探しているのであれば、選択肢に入れておきたい1本である。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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