レビュー
「RFレンズ」初の普及型・標準ズームレンズ

クラス最軽量の標準ズーム! キヤノン「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」実写レビュー

キヤノンの「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」は、フルサイズミラーレス「EOS Rシステム」用の交換レンズ「RFレンズ」の新モデルとしてこの春(2020年4月9日)に発売になった標準ズームレンズ。クラス最軽量の持ち運びやすいボディやMFマクロ撮影機能などの特徴を持つレンズだ。価格.com最安価格(2020年4月24日時点)は6万円程度で、メーカー純正のズームレンズとしては手に入れやすい価格設定となっている。小型・軽量なフルサイズミラーレス「EOS RP」と組み合わせて撮影した実写作例を交えて、インプレッションをお届けしよう。

EOS RPにRF24-105mm F4-7.1 IS STMを装着したイメージ

EOS RPにRF24-105mm F4-7.1 IS STMを装着したイメージ

重量約395gの小型・軽量ボディを実現。ユニークなMFマクロ撮影機能にも注目

RF24-105mm F4-7.1 IS STMの最大の魅力は、広角24mmから望遠105mmの焦点距離をカバーするフルサイズ対応の標準ズームレンズとして大幅な小型・軽量化を実現していること。サイズは76.6(最大径)×88.8(全長)mmで、重量はわずか約395g。開放F値が異なるため横並びの比較ではないが、同じ画角に対応する一眼レフ用の「EF24-105mm F3.5-5.6 IS STM」の全長104mm/重量約525gよりも短くて軽い。焦点距離24〜105mm対応の標準ズームレンズでは最軽量で、携帯性にすぐれたレンズとなっている。

鏡筒先端側にフォーカスリング/コントロールリング兼用のリングを装備。リングの機能は側面のスイッチで切り替えられる。AF/MFのスイッチはなく、切り替えはボディ側で行う仕様だ

レンズ構成は11群13枚(非球面レンズ1枚)。特殊レンズを多数使用する贅沢な構成ではないものの、大口径・ショートバックフォーカスの「RFマウント」の特徴を生かし、後玉の凸レンズを含めて後端に大きなレンズを配置する光学設計によって画面全体での高画質を実現しているという。絞り羽根は7枚円形絞り。

後方のレンズ構成を適正化することで近接撮影性能も高めており、AF時の最短撮影距離は広角端24mm時で0.2m、望遠端105mm時で0.34m。「Center Focus Macro」というユニークなMF撮影機能も備わっており、MF時には広角端24mmで最短撮影距離0.13m/最大撮影倍率0.5倍のマクロ撮影が可能だ。レンズ先端から約2.5cmまで被写体に近づいて、周辺が大きくボケるような独特の描写を楽しめるようになっている。

後端に大きなレンズを配置する11群13枚のレンズ構成を採用

後端に大きなレンズを配置する11群13枚のレンズ構成を採用

AF駆動には、軽量なフォーカスレンズとリードスクリュータイプのSTM(ステッピングモーター)を採用。アクチュエーター制御の最適化によって高速かつ高精度なAFを実現している。フォーカスリングは電子式で、シャッターボタン半押し中のMF操作にも対応(※カメラ側の設定変更が必要)。手ブレ補正の性能も高く、シャッタースピード換算で5段分の補正効果を実現している。

左が広角端、右が望遠端。レンズフードは付属しないが、別売オプションでで「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM」と同じレンズフード「EW-73D」が用意されている

実写作例

※以下に掲載する作例は、EOS RPとRF24-105mm F4-7.1 IS STMを組み合わせてJPEG形式の最高画質で撮影したもの(JPEG撮って出し)です。

EOS RP、RF24-105mm F4-7.1 IS STM、24mm、ISO100、F8、1/250秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:強め、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する、JPEG
撮影写真(6240×4160、7.6MB)

日没の少し前に広角端24mmで撮影したもの。逆光で撮っているが、オートライティングオプティマイザの効果もあってシャドーから中間調にかけてつながりのよい画質が得られた。周辺は少し像が流れているような感じもあるが、24〜105mm対応の標準ズームレンズとしては十分なクオリティではないだろうか。また、決して逆光に強いスペックを持っているわけではないが、逆光でもそれなりに撮れる。光線を切るように工夫すれば太陽が画面内にあっても気になるようなゴースト・フレアを防ぐことができた。

EOS RP、RF24-105mm F4-7.1 IS STM、24mm、ISO100、F11、1/125秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する、JPEG
撮影写真(6240×4160、8.9MB)

ボディ側の補正の効果だとは思うが、広角側での歪曲収差はよく抑えられている。この作例は広角端24mmで撮っているが、中央から周辺にかけての直線がスーッとキレイに伸びている。

EOS RP、RF24-105mm F4-7.1 IS STM、35mm、ISO100、F16、1/50秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する、JPEG
撮影写真(4160×6240、11.7MB)

焦点距離35mmで絞り値をF16まで絞って撮った作例。キヤノンの最新の一眼カメラは、色収差や回折現象を高精度に補正するデジタルレンズオプティマイザを撮影時に使えるのがとてもよい。絞りを絞った場合でもJPEG撮って出しで高い解像力が得られるようになっている。

EOS RP、RF24-105mm F4-7.1 IS STM、95mm、ISO100、F16、1/60秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する、JPEG
撮影写真(6240×4160、18.2MB)

こちらは焦点距離95mm、絞り値F16で撮影したもの。画面の中央部だけでなく周辺部まで非常にシャープな描写の写真となった。光学性能の高さを感じる1枚だ。

EOS RP、RF24-105mm F4-7.1 IS STM、105mm、ISO400、F7.1、1/15秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する、JPEG
撮影写真(6240×4160、6.4MB)

RF24-105mm F4-7.1 IS STMの開放F値は広角端24mmでF4、望遠端105mmでF7.1。大口径レンズのような大きなボケは得られないが、背景の形を残した適度なボケで立体感のある写真を撮ることは十分に可能。この作例は望遠端105mmの開放で撮っているが、背景の輪郭部は柔らかな感じでボケの質は悪くない。また、手ブレ補正の性能も高く、1.5m程度の比較的近い被写体距離で撮っているものの、1/15秒の遅いシャッタースピードでも手ブレを抑えることができた。

EOS RP、RF24-105mm F4-7.1 IS STM、24mm、ISO100、F8、1/250秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:強め、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する、JPEG
撮影写真(4160×6240、6.9MB)

海岸沿いの夕景を広角端24mmで撮影。ホワイトバランス、色の仕上がり設定ともにオートで撮っているが、色合いや陰影が印象的な1枚となった。キヤノンの一眼カメラのよいところは、こうした難しいシーンでもカメラまかせで高画質に撮れること。今回、EOS RPとRF24-105mm F4-7.1 IS STMの組み合わせで作例を撮ってみて、改めてキヤノンのカメラシステムの画質のよさを感じた次第だ。

EOS RP、RF24-105mm F4-7.1 IS STM、105mm、ISO100、F8、1/250秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:強め、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する、JPEG
撮影写真(4160×6240、6.8MB)

上の作例と同じシーンで少し撮影位置を変えて望遠端105mmで撮ったもの。RF24-105mm F4-7.1 IS STMは広角24mmから望遠105mmまでカバーしているので、同じシーンでも画角を変えることで変化を出すことができる。

EOS RP、RF24-105mm F4-7.1 IS STM、24mm、ISO200、F5、1/3秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:風景、オートライティングオプティマイザ:強め、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する、JPEG
撮影写真(4160×6240、9.4MB)

広角24mm、シャッタースピード1/3秒の設定で手持ち撮影した夜景作例。周辺部はやや流れたような描写になっているが、色にじみはよく抑えられている。RF24-105mm F4-7.1 IS STMは手ブレ補正の性能が高く、広角端で遠景を取る場合なら1/3〜1/5秒程度のシャッタースピードを確保できれば十分に手ブレを抑えて撮ることが可能だ。

EOS RP、RF24-105mm F4-7.1 IS STM、24mm、ISO125、F8、1/80秒、ホワイトバランス:太陽光、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する、JPEG
撮影写真(4160×6240、6.7MB)

Center Focus Macro機能を使って最短撮影距離0.13mでアクセサリーを撮影してみた。Center Focus Macroは画面全体でシャープな画質になるわけではなく、周辺部では収差や像の流れが発生するようになっている。そうした特性を生かして被写体を選ぶことで、ユニークな写真を撮ることができる機能だ。中央の主要被写体にピントを合わせて、周辺部は大きくアウトフォーカスになるように撮るのが基本になるが、あえて平面的な被写体を選んで周辺部の収差を生かしても面白い効果が得られる。この作例ではやや平面的な構図にすることで、アウトフォーカスの収差が強調されるように工夫してみた。

EOS RP、RF24-105mm F4-7.1 IS STM、24mm、ISO640、F5.6、1/100秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:する、デジタルレンズオプティマイザ:する、JPEG
撮影写真(4160×6240、4.3MB)

屋外にて、小さな花をCenter Focus Macroで撮影したもの。それほど光がない状況だったこともあって、ややハイキーな露出に仕上げてみた。中央の主要被写体と背景にある程度距離があったので、背景が大きくボケた写真になった。

まとめ 価格・サイズを考慮すると及第点以上の画質。「EOS RP」にマッチする標準ズーム

キヤノンはRFレンズにおいて高性能な「Lレンズ」を中心に展開しており、RF24-105mm F4-7.1 IS STMは、RFレンズの普及型としては初の標準ズームレンズとなっている。EOS RP のキットレンズとしての側面が強く、RFレンズの中では注目度はそれほど高くないかもしれないが、今回使ってみてなかなか面白いレンズだと感じた。

周辺部の描写などは高性能な「Lレンズ」ほどではないものの、価格.com最安価格(2020年4月24日時点)で6万円程度という価格の標準ズームレンズとしてはズーム全域で解像力・コントラストともに高く、及第点以上の画質を実現している。重量約395gの小型・軽量な鏡筒なことを考慮すると、よく写るレンズだと思う。ズーム全域で近接撮影に強いのも使いやすいところだ。AFの動作も静かでピント合わせも十分に速い。Center Focus Macroは、MFからAFに戻す際にピント位置をAFの範囲内まで手動で戻す必要があるのが手間ではあるが、使ってみたくなる面白い機能となっている。

望遠端の開放F値がF7.1という点が気になるところではあるが、コンパクトなEOS RPにマッチする標準ズームレンズなのは間違いない。EOS RPの購入を検討している方は、ぜひ本レンズが付属するレンズキットに注目してほしい。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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