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上位モデルのいいところを搭載。手に入れやすい価格も魅力

SDダブルスロット仕様の“Z”が出た! ニコン「Z 5」実機速報レポート

ニコンは本日2020年7月21日、ミラーレスカメラ「Zシリーズ」の新モデルとして、フルサイズミラーレスの下位モデル「Z 5」を発表した。Z 5は上位モデルの「Z 7」「Z 6」の使い勝手のよさを継承しながらより手に入れやすい価格設定を実現しており、ボディ単体の直販価格は182,600円(税込)でZ 6より9万円ほど安い。価格だけに注目するとZシリーズの廉価版と思うかもしれないが、その中身は、Zシステムの高画質を快適かつ気軽に楽しめるカメラとなっている。実機の外観画像を交えて、その特徴をレポートしよう。

Z 5とあわせて発表された新しい標準ズームレンズ「Z 24-50mm f/4-6.3」を装着したイメージ。NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3は沈胴式で、全長約51mm/重量約195gのコンパクトな鏡筒が魅力。Z5では、この組み合わせの「Z 5 24-50 レンズキット」がラインアップとして用意されている

Zシリーズらしいすぐれた操作性を継承。AFとボディ内手ブレ補正は上位モデルと同等

Z 5の特徴としてまず押さえておきたいのは、上位モデルZ 7/Z 6のすぐれた操作性を継承していることだ。Z 7とZ 6は外観と操作性が共通設計で、見やすい電子ビューファインダー(EVF)や、握りやすいグリップなどが高く評価されているが、Z 5はそのいいところをしっかりと受け継いでいる。

Zシリーズの最大の魅力と言っても過言ではないEVFには、接眼部の保護窓の素材は異なるものの、上位モデルと同等の光学系を採用。デバイスもZ 7/Z 6と同じ0.5型・約369万ドットの高精細な有機ELで、倍率も約0.8倍で同スペックだ。アイポイントも21mmでZ 7/Z 6と変わらない。実際にファインダーを覗いてみたが、周辺まで歪みが少なく、自然でクリアな見えを実現していた。下位モデルだからといって出し惜しみすることなく、Zシリーズだからこその高品位なEVFを搭載したのはうれしい点だ。

上位モデルと同等の光学系を採用し、自然でクリアな見えを実現したEVFを搭載。背面の操作系はZ 7/Z 6と同じで、親指の操作でフォーカスポイントをダイレクトに移動できるサブセレクターなどが備わっている。液晶モニターはチルト式の3.2型液晶(104万ドット)

EVF以外の操作性も上位モデルゆずりで、Z 7/Z 6と同じように深くて握りやすい形状のグリップを採用。シャッターを切ったときの軽快なフィーリングもZシリーズらしさを感じる部分だ。シャッターユニットには、Z 7/Z 6と同じく20万回の動作テストをクリアした高耐久ユニットを搭載している。

ボディの作りがしっかりしているのも特徴で、前カバーとトップカバーにマグネシウム合金を使用し、高い堅牢性を確保。ボディ各所にシーリングを施し、Z 7/Z 6と同等の防塵・防滴性能も実現している。

ボディサイズは134(幅)×100.5(高さ)69.5(奥行)mmで重量は約675g(バッテリーおよびメモリーカードを含む、ボディキャップを除く)。Z 7/Z 6より奥行が2mm厚くなっている以外はほぼ同じサイズ・重量だ。Z 7/Z 6と比べるとラバーのシボ加工の質感が微妙に異なっていたり、側面左手側にラバーが施されていないなど細かいところの違いはあるが、上位モデルとそん色ない高品位なボディに仕上がっている。

ボディ上面。Z 7/Z 6とは異なり、撮影情報を表示する表示パネルは搭載しない。撮影モードダイヤルは右肩に配置されている

底面。三脚穴は光軸上に配置されている。滑り止め用の凹凸もZ 7/Z 6と同じパターンになっている

底面。三脚穴は光軸上に配置されている。滑り止め用の凹凸もZ 7/Z 6と同じパターンになっている

撮像素子は有効2432万画素のCMOSセンサー(裏面照射型ではない)で、画像処理エンジンはZ 7/Z 6と同じ最新の「EXPEED 6」。静止画の感度は常用でISO100〜ISO51200、増感でHi 1(ISO102400相当)に対応する。AFシステムはZ 6と同等となる273点の測距点を持つ、像面位相差AFとコントラストAF のハイブリッドAF。顔認識AF・瞳AFは人物に加えて動物(犬と猫)にも対応。動画撮影時は人物・動物とも顔認識AFの利用が可能だ。

シャッタースピードは最高1/8000秒に対応。電子シャッターによるサイレント撮影機能も搭載し、こちらもシャッタースピードは最高1/8000秒となっている。5軸補正対応のボディ内手ブレ補正も搭載しており、Z 7/Z 6と同等となる約5.0段分の補正効果を実現した。撮影機能としては、テーマごとに色合いや階調などが細かく設定された全20種類の「クリエイティブピクチャーコントロール」などが用意されている。

動物(犬と猫)の瞳認識に対応。人物を撮る場合と同様、動物でも複数の瞳の検出に対応しており、撮影中にマルチセレクターやサブセレクターでピントを合わせたい瞳を選択することができる

別売のレンズフードを装着したNIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3と組み合わせたイメージ

別売のレンズフードを装着したNIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3と組み合わせたイメージ

SDカードのダブルスロットを採用。付属バッテリーも容量アップ。USB給電にも対応

Z 5の新機能で注目したいのは、メモリーカードスロットにSDカードのダブルスロットを採用したことだ。両スロットともUHS-IIに対応している。上位モデルZ 7/Z 6はXQDカードのシングルスロットで、Z 50はSDカードのシングルスロットなので、Z 5はニコンのミラーレスとしては初めてのダブルスロットモデルとなる。ニコンのフルサイズ一眼レフユーザーでミラーレスへの買い替えや買い増しを検討している方にとって、SDカード対応なうえダブルスロット仕様なのは大きなポイントになるはずだ。

両スロットともUHS-IIに対応する、SDカードのダブルスロットを採用

両スロットともUHS-IIに対応する、SDカードのダブルスロットを採用

付属バッテリーは容量がアップした新型の「EN-EL15c」にアップデート。撮影可能コマ数は約470コマで、Z 7の約400コマ、Z 6の約380コマ(どちらもモニターのみ使用時)よりもスペックが向上している。さらに、USB充電に加えて、Z 7/Z 6では非対応だったUSB給電に対応するようになったのも見逃せない。EN-EL15c/EN-EL15b使用時に、モバイルバッテリーをUSB Type-C端子に接続して給電しながら使用することが可能だ。

左側面に、ヘッドホン出力、外部マイク入力、USB Type-C端子、HDMI端子(タイプC)、アクセサリーターミナルが備わっている

このほか、無線通信機能としてBluetoothとWi-Fiを内蔵し、快適な動作で評価を得ているスマートデバイス用のアプリ「SnapBridge」に対応。撮影したオリジナル画像(RAW/JPEG)をスマートデバイスに転送できるほか、スマートデバイスからリモート撮影を行うなども可能だ。

Z 6との棲み分けをチェック

最後に、Z 5のスペックで、ひとつ上のモデルとなるZ 6から棲み分けられている点に触れておこう。主なところは以下になる。

・撮像素子:有効2432万画素のCMOSセンサー(Z 6は有効2450万画素の裏面照射型)
・静止画撮影時の感度:静止画ISO100〜51200、増感でHi 1(Z 6は増感でHi 2に対応)
・連写:AF/AE追従で約4.5コマ/秒(Z 6は約5.5.コマ/秒、CH+設定時は最高約12コマ/秒)
・AFの低輝度限界:-2EV、ローライトAF時-3EV(Z 6は-3.5EV、ローライトAF時-6EV)
・測光範囲:-3〜17EV(Z 6は-4〜17EV)
・液晶モニター:3.2型/約104万ドット(Z 6は3.2型/約210万ドット)
・4K動画:4K UHD/30pの1.7倍クロップ(Z 6は4K UHD/30pのフルフレーム)
・動画撮影機能:スローモーション動画、フルHD/120p動画、N-Log、HDMI 10bit出力などに非対応(Z 6は対応)
・ワイヤレストランスミッター WT-7に非対応(Z 6は対応)

Z 6と比べると、撮像素子が裏面照射型でなく、高速連続撮影(拡張)に非対応で連写速度が約4.5コマ/秒にとどまっている点は大きな違いだ。また、動画撮影機能がZ 6ほど充実しているわけではない点にも注意してほしい。

まとめ 使い勝手を重視しながら無駄をそぎ落としたフルサイズミラーレス

Z 5はスペックを抑えることで低価格を実現したフルサイズミラーレスだが、単なる廉価版というわけではない。全方位でコストダウンを図るのではなく、EVFに代表される操作性や、しっかりとした作りの高品位なボディ、ボディ内5軸手ブレ補正といった、カメラとして重要な使い勝手に妥協せずに作られているのがいい。高速連写での動体撮影や本格的な動画撮影を行う方にとってはもの足りないかもしれないが、そこまでのスペックを求めないスナップ撮影用や旅行用として見れば、無駄をそぎ落とすことでより手に入れやすい価格を実現した魅力的なカメラだ。撮像素子が裏面照射型でないのは少々気になるところではあるものの、光学性能が大きく向上したZマウントレンズによる高画質を十分に楽しめるはずだ。

ラインアップされるのは、ボディ単体と、全長約51mm/重量約195gの新しい標準ズームレンズNIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3が付属するZ 5 24-50 レンズキット。撮影時の総重量が870gのZ 5 24-50 レンズキットは「ニコン史上最軽量FXシステム」になっており、気軽なスナップ撮影用として人気を集めそうだ。直販価格はボディ単体が182,600円、Z 5 24-50 レンズキットが222,200円(いずれも税込)。8月下旬の発売が予定されている。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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