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画面の四隅まで気持ちよく見渡して撮影がしたい!

最新ミラーレス徹底調査! メガネをかけても見やすいEVFの条件とは?

カメラのファインダーは明るい屋外でも被写体をしっかり見て撮れるというだけでなく、撮影の没入感や心地よさを高めてくれる重要な操作性です。ただ、メガネをかけて撮影する人にとっては選び方が難しい操作性でもあります。メガネ越しにファインダーを覗くと接眼部と目の間に空間ができ、画面の四隅にケラレ(四隅が黒く欠けて見えなくなること)が発生しやすくなります。最近のミラーレスの電子ビューファインダー(EVF)は性能が向上しているとはいうものの、「気持ちよくファインダー撮影ができない」と悩んでいるメガネユーザーも少なくないはず。そこで、本記事では、メガネ越しでの視認性の観点からミラーレス内蔵EVFに関する最新情報をまとめて、より多くのメガネユーザーが満足するEVFの条件を考察したいと思います。

画面の四隅が見にくい点でファインダー撮影にストレスを感じているメガネユーザーも多いのではないでしょうか

画面の四隅が見にくい点でファインダー撮影にストレスを感じているメガネユーザーも多いのではないでしょうか

ファインダーの基本スペックをおさらい

まず、ファインダーに関するスペック(視野率、倍率、アイポイント)を簡単におさらいしておきましょう。

視野率
「実際に記録される画像の範囲」に対して「ファインダーで見える範囲」の割合を示すスペックです。最高スペックは「約100%」で、記録される画像とファインダー越しに見る映像の範囲が一致することを意味します。撮像面と光学ファインダーに光路が分かれる一眼レフでは、中上位機種でないと約100%を確保できないのが一般的でしたが、映像をそのまま表示するミラーレスの電子ビューファインダー(EVF)はすべてのモデルで約100%になっています。

倍率
「肉眼で見える像の大きさ」に対して「ファインダーで見える像の大きさ」がどのくらいかを示すスペックです。倍率が高いほどファインダーの視界が大きく、一般的には見やすいファインダーであることを意味します。一眼レフは上位モデルでも0.7倍台の倍率ですが、ミラーレスではスペックが上がっており、最近では0.75〜0.8倍くらいの倍率が高倍率ファインダーの基準となっています。

スペックをチェックする際の注意点は、フルサイズ(35mm判)よりも小さいサイズの撮像素子だと倍率が高くなることです。その理由は、多くのメーカーが撮像素子のサイズによらずに焦点距離50mmのレンズを基準にしていて、撮像素子が小さいと画角が狭くなって相対的に像が大きくなるため。実際の倍率を横並びで比較する際は、35mm判換算値でチェックするようにしてください。スペック表に35mm判換算値の表記がない場合は、APS-C機なら倍率を1.5(キヤノン製品は1.6)で、マイクロフォーサーズ機なら2.0で割ると35mm判換算値になります。

アイポイント
撮影者がファインダー内のすべての映像・情報を見ることができる位置を示すスペックです。ファインダーの接眼レンズ最後尾もしくは接眼枠から瞳までの最大距離(単位mm)で表されます。アイポイントが長いほうが離れた位置からでも四隅のケラレがなくファインダー内を視認できることを意味します。メガネをかけた状態でファインダーを覗く場合はアイポイントが長いほうが有利で、倍率にもよりますが、メガネ越しでも十分な視認性を確保できるのはアイポイント20mm前後と言われています。

なお、CIPAのガイドラインによると、アイポイントは「接眼枠周辺の部材のもっとも撮影者に近い位置からの距離」もしくは「保護ガラスを含めた接眼レンズ最後尾からの距離」のどちらかを明記することとなっています。ややこしいのは、「接眼枠周辺の部材のもっとも撮影者に近い位置からの距離」の場合、「アイカップなど接眼枠から取り外し可能な部材を取り外した状態でもよい」となっているうえ、「接眼枠周辺からの計測でない旨の記載は省略可能」となっていることです。「接眼レンズ最後尾」などの表記がない場合は、より瞳に近い位置の接眼枠周辺からの計測であり、接眼レンズ最後尾からの計測と比べてアイポイントの数値が短くなっている可能性があります。

一部のエントリーモデルを覗いてミラーレスのEVFはファインダー部側面に視度調整ダイヤルが備わっています。視度を調整することで四隅の視認性も改善するので、使用する前に設定しておきましょう

一部のエントリーモデルを覗いてミラーレスのEVFはファインダー部側面に視度調整ダイヤルが備わっています。視度を調整することで四隅の視認性も改善するので、使用する前に設定しておきましょう

ハイアイポイントの高倍率EVFが増えてはいるが……

ミラーレスはデバイスの進化が著しく、表示解像度や表示フレームレートなどの向上によって、最近のEVFはかなり見やすくなりました。ファインダーの光学系もよくなっていて、周辺の歪みが抑えられているうえ、隅まで明るくクリアな表示のものが増えています。EVFの“見えのよさ”に対して、よく「光学ファインダーに迫る」という表現がされますが、最新ミラーレスの上級機は、本当にそれくらいのクオリティがあると思います。倍率も多くのモデルが0.7〜0.8倍程度を確保するようになり、なかには0.8倍(いずれも35mm判換算値)を超える大きな視界のものも出てきました。

また、ファインダーは一般的に倍率が高くなるとアイポイントが短くなりますが、最新ミラーレスのEVFは高倍率ながらアイポイントが長いもの(ハイアイポイント)が多くなっています。アイポイント20mm前後がメガネをかけた状態でも視認性を確保できる基準となっていますが、エントリー系の小型・軽量機など一部を覗いて、多くのモデルがこの基準をクリアしています。

ただ、メガネをかけている場合のファインダーの見やすさは、アイポイントだけでなく、倍率やアイカップの形状も大きく影響します。さらに、顔の骨格、瞳の位置、使用するメガネの形状やレンズの厚さなどにも左右されるため、同じスペックのファインダーでも使う人によって受け取り方はさまざま。メガネユーザーの中でも、アイポイント20mmで「問題ない」という人もいれば、20mmを超えていても「四隅がケラレてしまって見にくい」という人もいます。裸眼視力が0.1を切る筆者は後者で、特に高倍率化しているミラーレスのEVFについては、アイポイント20mm前後では、後述する倍率切り替え機能・撮影画面縮小機能がないとほぼ確実にファインダーの四隅がケラレます。タイプの違う3種類のメガネを使用していますが、どれを使っても結果は大差ないと感じるくらいです。四隅の視認性に対してはある程度割り切って使っているのですが、同じような感覚でいるメガネユーザーは決して少なくないはずです。

四隅がケラレているEVFの表示例。撮影画面の四隅が黒く欠けていて周辺の撮影情報も見にくい状況です

四隅がケラレているEVFの表示例。撮影画面の四隅が黒く欠けていて周辺の撮影情報も見にくい状況です

上記のような四隅がケラレた状態で撮影すると撮影時は確認できなかったもの(赤枠)が四隅に写り込むことになります

上記のような四隅がケラレた状態で撮影すると撮影時は確認できなかったもの(赤枠)が四隅に写り込むことになります

メガネユーザーにとって救世主! 倍率切り替え&縮小表示

ハイアイポイントのEVFを搭載するミラーレスでも「ファインダーの四隅がケラレて使いにくい」と感じているメガネユーザーに注目してほしいのが、EVFの倍率を切り替えられる(倍率を下げられる)モデルです。倍率切り替えは、一眼レフの光学ファインダーでは考えられないですが、ファインダーの電子化によって可能になりました。

一般的にファインダーは倍率が高いほうがよいとされています。確かに、高倍率ファインダーは視界が大きく、ピント位置も確認しやすいというメリットがあります。また、大きな視界のファインダーは没入感が高まり、撮影の楽しさも増します。ただ、メガネをかけてファインダーを覗く場合、倍率が高すぎると視野角が広くなって四隅がケラレやすくなるというデメリットが生じます。EVFはピントを合わせたい位置を拡大表示できることもあって、メガネをかけてファインダーを覗いていると「ここまで大きく見えなくてもいいのになぁ……」と感じることも少なくありません。倍率切り替えは、そんなメガネユーザーの声に応えてくれる機能と言えるでしょう。

倍率切り替え機能を積極的に搭載しているのがパナソニックです。フルサイズミラーレスの「LUMIX S1R/S1H/S1」の3機種、マイクロフォーサーズの「LUMIX G9 PRO」が対応していて、LUMIX S1R/S1H/S1は0.78倍/0.74倍/0.70倍の3段階、LUMIX G9 PROは0.83倍/0.77倍/0.70倍の3段階で切り替えられます。撮影画面の上下に配置された撮影情報表示部を含めてファインダー表示が全体的に小さくなるようになっています。

パナソニックはフルサイズミラーレスLUMIX S1R/S1H/S1などで倍率切り替え機能を搭載。ファインダー部側面の「V.MODEボタン」を押すことで倍率を3段階で変更できます(画像はLUMIX S1H)

パナソニックはフルサイズミラーレスLUMIX S1R/S1H/S1などで倍率切り替え機能を搭載。ファインダー部側面の「V.MODEボタン」を押すことで倍率を3段階で変更できます(画像はLUMIX S1H)

ソニーは、高感度と動画撮影に強いフルサイズミラーレス「α7Sシリーズ」の最新モデル「α7S III」で倍率切り替え機能を搭載しました。倍率約0.90倍/アイポイント約25mmというハイスペックなEVFですが、設定メニューの「ファインダー倍率」を「縮小」にすると視野角がAPS-C相当の33度になり、アイポイントは約33mmにまで伸びます。こちらもパナソニックと同様、撮影情報表示部を含めてファインダーの表示が小さくなります。

高性能EVFでも話題のα7S III。メガネユーザーを意識して倍率を縮小する機能が備わっています

高性能EVFでも話題のα7S III。メガネユーザーを意識して倍率を縮小する機能が備わっています

左がα7S IIIでファインダー倍率を「標準」に、右が「縮小」に設定したときのファインダー表示です(※ファインダー内をスマートフォンで撮影しているため撮影画面が少し歪んでいます。本来の見え方ではありません)。縮小設定時は、撮影画面上下の撮影情報表示部を含めて全体的に表示が小さくなります

左がα7S IIIでファインダー倍率を「標準」に、右が「縮小」に設定したときのファインダー表示です(※ファインダー内をスマートフォンで撮影しているため撮影画面が少し歪んでいます。本来の見え方ではありません)。縮小設定時は、撮影画面上下の撮影情報表示部を含めて全体的に表示が小さくなります

また、キヤノン、富士フイルム、オリンパスは、EVFの表示形式を切り替える形で撮影画面の表示サイズを縮小できる機能が備わっています。倍率切り替えとは異なり、画面外側の情報表示部を含めて表示を全体的に小さくできるわけではありませんが、撮影画面は小さくできます。

キヤノンのミラーレスは、メニュー設定の「ファインダー表示形式」を「表示2」にすると、撮影画面がひとまわり小さくなります。EVF外付け対応機を含めてすべての現行モデルで設定可能となっています(画像はEOS Rの設定画面)

キヤノンのミラーレスは、メニュー設定の「ファインダー表示形式」を「表示2」にすると、撮影画面がひとまわり小さくなります。EVF外付け対応機を含めてすべての現行モデルで設定可能となっています(画像はEOS Rの設定画面)

富士フイルムはラージフォーマットミラーレス「GFXシリーズ」の「GFX100/50S/50R」の3機種と、「X-T4」「X-T3」など一眼レフスタイルのAPS-Cミラーレス「X-Tシリーズ」の上位モデル(1桁型番モデル)において、EVF使用中に「DISPボタン」を押して「ノーマル」スタイルを選択すると撮影画面がひとまわり小さな表示になります

富士フイルムはラージフォーマットミラーレス「GFXシリーズ」の「GFX100/50S/50R」の3機種と、「X-T4」「X-T3」など一眼レフスタイルのAPS-Cミラーレス「X-Tシリーズ」の上位モデル(1桁型番モデル)において、EVF使用中に「DISPボタン」を押して「ノーマル」スタイルを選択すると撮影画面がひとまわり小さな表示になります

オリンパスは、「E-M1X」「E-M1 Mark III」「E-M5 Mark III」など一眼レフスタイルのマイクロフォーサーズ機「OM-Dシリーズ」の上位モデルがEVF表示スタイルの切り替え(3種類)に対応。「スタイル1」もしくは「スタイル2」を選択すると撮影画面がひとまわり小さくなり、ファインダー下部に撮影情報が表示されるスタイルになります

オリンパスは、「E-M1X」「E-M1 Mark III」「E-M5 Mark III」など一眼レフスタイルのマイクロフォーサーズ機「OM-Dシリーズ」の上位モデルがEVF表示スタイルの切り替え(3種類)に対応。「スタイル1」もしくは「スタイル2」を選択すると撮影画面がひとまわり小さくなり、ファインダー下部に撮影情報が表示されるスタイルになります

メガネ越しでも撮影画面の四隅まで見渡せるEVFを探してみた

続いて、メガネをかけた状態でEVFの視認性をチェックした結果をお伝えします。あくまで筆者の場合であり、使う人によって見え方は異なりますので、参考程度にご覧いただければと思います。

今回は、2020年9月14日時点で現行モデルとして販売されている国内メーカー製ミラーレス(発売予定製品含む)の内蔵EVFをすべて試してみました。倍率切り替えや撮影画面縮小の有無も確認しています。

使用したメガネは、フレームのリムにやや厚みのあるウェリントンタイプで、レンズも厚め。条件としては厳しいほうだと思います。撮影画面の外側にある撮影情報表示部の視認性は考慮せず、できる限り最適な覗き位置を探って撮影画面の隅々まで見渡せるかどうかを確認しています。ファインダーのクリアさや周辺の歪みについても評価に加えていません。あくまでも、撮影画面を四隅まで見渡せるかどうかのチェックになります。

メガネをかけて内蔵EVFの視認性をチェックしてみました

メガネをかけて内蔵EVFの視認性をチェックしてみました

今回チェックしたのは撮影画面の視認性です。撮影画面の外側にある撮影情報表示部の見え方については考慮していません

今回チェックしたのは撮影画面の視認性です。撮影画面の外側にある撮影情報表示部の見え方については考慮していません

・撮影画面の四隅まで見渡せる(順不同)
フルサイズ キヤノン「EOS R5/R6/R」 約0.76倍/約23mm(※撮影画面縮小時)
フルサイズ ソニー「α7S III」 約0.90倍/約23mm(※倍率縮小時)
フルサイズ パナソニック「LUMIX S1R/S1H/S1」 約0.78倍/約21mm(※倍率縮小・0.70倍時)
APS-C 富士フイルム「X-T4/T3」 約0.75倍/約23mm(※撮影画面縮小時)
M4/3 オリンパス「OM-D E-M5 Mark III」 約0.69倍/約27mm(※撮影画面縮小時)
M4/3 パナソニック「LUMIX G9 PRO」 約0.83倍/約21mm(※倍率縮小・0.70倍時)
M4/3 パナソニック「LUMIX GH5/GH5S」 約0.76倍/約21mm
M4/3 パナソニック「LUMIX G8」 約0.74倍/約20mm

・覗く位置にシビアだが撮影画面の四隅までなんとか見渡せる(順不同)
ラージフォーマット 富士フイルム「GFX 50R」 約0.77倍/約23mm(※撮影画面縮小時)
フルサイズ キヤノン「EOS R5/R6/R」 約0.76倍/約23mm
フルサイズ キヤノン「EOS RP」 約0.70倍/約22mm(※撮影画面縮小時)
フルサイズ ソニー「α7S III」 約0.90倍/約23mm
フルサイズ ソニー「α7 II」 約0.71倍/約27mm
APS-C キヤノン「EOS Kiss M」(※撮影画面縮小時)
APS-C ニコン「Z 50」 約0.68倍/約19.5mm
APS-C ソニー「α6600/α6400/α6100」 約0.70倍/約23mm(※付属アイカップ未装着時)
M4/3 オリンパス「OM-D E-M5 Mark III」 約0.69倍/約27mm

※左からフォーマット メーカー・モデル名 ファインダー倍率/アイポイント 倍率切り替え・画面縮小の使用などの条件

ミラーレスは全体的に倍率が高くなっているというのもあるのでしょうが、メガネをかけた状態ではアイポイントが22〜23mm程度のものでも四隅がケラレてしまうことが多く、倍率切り替え機能と撮影画面の縮小表示機能が威力を発揮する結果となりました。ファインダー周辺の撮影情報表示部まで見渡せたのは、倍率縮小時のα7S IIIのみで、やはりメガネをかけた状態でファインダー全体を見渡すのは難しいという印象です。

α7S IIIは倍率約0.9倍/アイポイント約25mmの標準状態でもかなり見やすく、ファインダー倍率を縮小するとさらに視認性が上がります。約944万ドットという高精細で光学系もよく、周辺までクリアな表示ということも影響しているのかもしれませんが、最終光学面から接眼枠までの距離が既存モデルよりわずかに短くなっている(約0.5mm)点や、出っ張りが少ない形状の新しいアイカップ「FDA-EP19」もメガネと相性がよいところだと感じました(※残念ながらFDA-EP19はα7S IIIのみの対応のようです)。α7S IIIは2020年10月9日発売予定でまだ店頭には並んでいませんが、現時点ではメガネ越しでもっとも高い視認性を確保した内蔵EVFを持つミラーレスだと思います。

このほか、EOS R5/R6などキヤノンのフルサイズミラーレスもメガネをかけた状態でも十分な視認性を確保していると感じました。スペック的にはそうでもないのですが、倍率約0.76倍/アイポイント約21mmのLUMIX GH5/GH5SのEVFもとても見やすかったです。ハイエンド機のような周辺までクリアな見えではないのですが、倍率約0.69倍/アイポイント約27mmのOM-D E-M5 Mark IIIのEVFも四隅が見やすいと思います。

約944万ドットの高精細表示を実現した最新EVFを搭載するα7S III。大きな表示のファインダーながら四隅の視認性も良好です

約944万ドットの高精細表示を実現した最新EVFを搭載するα7S III。大きな表示のファインダーながら四隅の視認性も良好です

キヤノンのフルサイズミラーレスはアイカップとメガネの相性がよく、メガネをかけた状態でも十分な視認性を確保しています(画像はEOS R5)

キヤノンのフルサイズミラーレスはアイカップとメガネの相性がよく、メガネをかけた状態でも十分な視認性を確保しています(画像はEOS R5)

LUMIX GH5/GH5SのEVFは、最新スペックというわけではありませんが、光学系も含めてファインダーのクオリティは高いと思います(画像はLUMIX GH5)

LUMIX GH5/GH5SのEVFは、最新スペックというわけではありませんが、光学系も含めてファインダーのクオリティは高いと思います(画像はLUMIX GH5)

狙って開発したわけではないのでしょうが、OM-D E-M5 Mark IIIのEVFは倍率が0.69倍(※縮小表示時は0.60倍)でアイポイントが27mmと、メガネユーザーにやさしいスペックとなっています

狙って開発したわけではないのでしょうが、OM-D E-M5 Mark IIIのEVFは倍率が0.69倍(※縮小表示時は0.60倍)でアイポイントが27mmと、メガネユーザーにやさしいスペックとなっています

試してみてわかったのは、ファインダーの視認性はスペック上の倍率・アイポイントだけでは判断できないということです。アイポイントが長いほうが優位なのは確かですが、接眼レンズ最後尾から接眼枠までの距離、ならびにアイカップの形状によって変わってきます。特にアイカップの形状は重要。丸形のほうがメガネにフィットすると言われていますが、必ずしもそうでなく、カップの深さとやわらかさがポイントだと思います。カップが深い形状だと、どうしても瞳の位置が遠ざかってしまい、アイポイントが長くてもケラレが発生しやすくなります。また、やわらかい素材であればそれだけ押し込めるので視認性も上がるようです。

たとえば、キヤノンのフルサイズミラーレスEOS RPとEOS Rを比べてみると、倍率約0.70倍/アイポイント約22mmのEOS RPのアイカップは硬めですが、倍率約0.76倍/アイポイント約23mmのEOS Rはやわらかい素材になっています。スペック的にはEOS RPのほうがメガネにフィットするように思いますが、結果はEOS Rのほうが見やすかったです。また、ソニーのAPS-Cミラーレス「α6000シリーズ」では付属のアイカップを付けない状態であればなんとか撮影画面の四隅を見ることができました(※α6000シリーズはアイカップなしでも使用できます)。現在使用しているモデルでも、アイカップを変えることでメガネ越しの視認性が改善することもあると思います。

アイカップを取り外すと接眼部と目の位置が近くなり、四隅の視認性は向上します。しかし、接眼部をむき出しにした状態での使用は故障につながりかねないですし、メーカーの保証外になる可能性があります。メーカーが推奨していない限り、アイカップを取り外すのはやめておきましょう

アイカップを取り外すと接眼部と目の位置が近くなり、四隅の視認性は向上します。しかし、接眼部をむき出しにした状態での使用は故障につながりかねないですし、メーカーの保証外になる可能性があります。メーカーが推奨していない限り、アイカップを取り外すのはやめておきましょう

まとめ 倍率を下げるのがもっとも有効な解決策。メガネユーザー向けの機能強化などに期待したい

本記事は、「メガネをかけても見やすいEVFの条件とは?」をテーマにお届けしましたが、ミラーレスの現行モデルをすべてチェックした限り、ファインダーの倍率が0.70倍程度に抑えられていれば多くのメガネユーザーが納得する視認性が得られると感じました。アイポイントやアイカップの形状など複数の要素が絡んでくるので明確な条件は出せませんが、メガネユーザーにとって最新ミラーレスは総じて倍率が高いことは間違いないと思います。

ただ、EVFの高倍率化が進む中、メガネ越しでの視認性を考慮してファインダーの倍率を下げるというのは現実的ではありません。最も有効な解決策は、カメラ側が倍率の切り替えや撮影画面の縮小に対応することでしょう。対応メーカー・機種が徐々に増えてきていますが、こうした機能は早く標準化してほしいところです。また、オプション品として、メガネ使用を意識した仕様のアイカップも用意していただきたいです。外光を遮断する点で深い形状は有効ですが、メガネユーザーとしては薄い形状でやわらかい素材のものを望みます。

記録する映像を視野率100%のEVF・モニターで見ながら撮影するスタイルになったミラーレスでは、撮影時に見えなかったものが画像の隅に写り込むことに、より神経質になってしまうと感じています。あまり神経質にならないほうがいいとは思いながらも、撮っていると画面の四隅が見えないことにいら立ちを感じることもあります。じっくりと被写体を見てシャッターを切る風景撮影などでは覗く位置を少しずらして対処することができますが、ポートレートや動体など一瞬の動きや表情を撮る場合はどうすることもできません。

いろいろな調査結果を見ると日本人はメガネをかけている人が多いようで、3割以上の人が「常にメガネをかけている」というデータもあるくらいです。カメラユーザーを見ても、プロカメラマンでも撮影でメガネを使っている人がいたりするくらいで、メガネ使用率は高いと思います。カメラメーカーには、メガネユーザーに配慮した機能の搭載やオプション品の提供を検討いただければと思います。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

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