レビュー
ちょうどいいスペックで使い勝手も良好な実力派!

LUMIX「DC-S5」レビュー。シリーズ最小&最軽量のフルサイズミラーレスカメラ

パナソニックが展開するデジカメシリーズ「LUMIX」の中でも、「フルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラ」としては最も小型で軽量となる「DC-S5」が発売されました。正確なオートフォーカスやフリーアングルモニター(バリアングルディスプレイ)、豊かな色情報の記録など、動画制作者が求める機能を詰め込みながらも、小型軽量で、価格もミッドレンジに抑えられたカメラです。今回はその実機をパナソニックよりお借りし、実際に動画を撮影した結果をレポートします。

なお、筆者は映像クリエイターであるため写真撮影についてのレビューは割愛しています。あらかじめご了承のうえ、読み進めていただければ幸いです。

LUMIX「DC-S5」動画レビュー

LUMIX「DC-S5」の作例、およびレビューは以下の動画からもご覧いただけます。

LUMIX「DC-S5」外観フォトレビュー

2020年は各カメラメーカーがフルサイズミラーレスへの移行期間を終え、フラッグシップ機が出揃った年と言えるでしょう。パナソニックも2019年3月に高級機のLUMIX「DC-S1」を発売しました。これに対して「DC-S5」は中級機となるモデルで、スペックの高さや最新の機能ではなく、バランスの取れた仕様と価格、そして使い勝手のよさで勝負するカメラと言えるでしょう。

ボディのサイズは132.6(幅)× 97.1(高さ)×81.9(奥行き)mmで、重量は714g(バッテリー、記録メディア含む、レンズ別)です

ボディのサイズは132.6(幅)× 97.1(高さ)×81.9(奥行き)mmで、重量は714g(バッテリー、記録メディア含む、レンズ別)です

軍艦部には設定表示の小型液晶などはなく、ダイヤルやボタンがギュッとコンパクトに配置されています。

軍艦部には設定表示の小型液晶などはなく、ダイヤルやボタンがギュッとコンパクトに配置されています。

有効画素数2420万のフルサイズセンサーを搭載

有効画素数2420万のフルサイズセンサーを搭載

公称のバッテリー駆動時間はフルHD/60fps、モニター使用撮影時で約70分とのこと。実際に撮影してみた印象でもバッテリー消費に不満を感じることはありませんでした

公称のバッテリー駆動時間はフルHD/60fps、モニター使用撮影時で約70分とのこと。実際に撮影してみた印象でもバッテリー消費に不満を感じることはありませんでした

SD/SDHC/SDXCメモリーカードに対応したダブルスロット仕様で、リレー、バックアップ、振り分けでの記録に対応します

SD/SDHC/SDXCメモリーカードに対応したダブルスロット仕様で、リレー、バックアップ、振り分けでの記録に対応します

左側面には3.5mmマイク入力端子、ヘッドホン出力端子、micro HDMI出力端子、充電用のUSBType-Cポートがあります。HDMIがフルサイズでない点は好みが分かれるところでしょうか

左側面には3.5mmマイク入力端子、ヘッドホン出力端子、micro HDMI出力端子、充電用のUSBType-Cポートがあります。HDMIがフルサイズでない点は好みが分かれるところでしょうか

モニターはVlogにも使えるバリアングルディスプレイ。ただし、外付けマイクを装着した状態だとポートカバーが画面に干渉します。設定の確認に必須の表示などは隠れないものの、使っていてフラストレーションを感じる点でした

モニターはVlogにも使えるバリアングルディスプレイ。ただし、外付けマイクを装着した状態だとポートカバーが画面に干渉します。設定の確認に必須の表示などは隠れないものの、使っていてフラストレーションを感じる点でした

LUMIX「DC-S5」 で動画を撮影してみた

ここからはLUMIX「DC-S5」を実際に使用し、4K撮影時のクロップ、人物追尾 、暗所撮影などを行った結果をレポートします。

4K撮影時のクロップ

LUMIX「DC-S5」は、4K撮影時にフレームレートが24fpsあるいは30fps(厳密には23.98fpsと29.97fps)の設定ならフルフレームでの撮影が行えます。いっぽう、60fps(厳密には59.94fps)にした場合はクロップが発生し、APS-C相当での撮影となります。

4K/23.98fps撮影時のメニュー

4K/23.98fps撮影時のメニュー

4K/23.98fpsで撮影した映像のスクリーンショット

4K/23.98fpsで撮影した映像のスクリーンショット

4K/59.94fps撮影時のメニュー。上部に「APS-C」と表示され、クロップされる設定になっています

4K/59.94fps撮影時のメニュー。上部に「APS-C」と表示され、クロップされる設定になっています

4K/59.94fpsで撮影した映像のスクリーンショット。4K/23.98fpsで撮影したものと比べると、APS-C相当のサイズにクロップされていることがわかります

4K/59.94fpsで撮影した映像のスクリーンショット。4K/23.98fpsで撮影したものと比べると、APS-C相当のサイズにクロップされていることがわかります

「DC-S5」は、ボディ内補正とレンズ補正の両方を備えるシステム「Dual I.S.2」を搭載しており、撮影してみても非常に良好でした。立ち止まった状態の手持ちでは、「ピタリと止まる」と言っても過言ではないほどの安定度で、歩きながらの撮影でも揺れがかなり軽減されており、滑らかな映像が撮影できました。なお、実際に撮影した映像は、記事冒頭にある動画でご覧いただけますので、ぜひ、チェックしてみてください。

手ブレ補正は、「Dual I.S.2」とパナソニックが呼ぶ、ボディ内補正とレンズ補正の両方を備えるシステム

手ブレ補正は、「Dual I.S.2」とパナソニックが呼ぶ、ボディ内補正とレンズ補正の両方を備えるシステム

オートフォーカスのテスト

パナソニックによると、「DC-S5」は「『頭部認識』を加えたディープラーニングの進化と、認識処理の高速化により、顔・瞳認識や人体認識の追従性が大幅に向上」しているとのことです。

そこで、今回はカメラの前を走り回る、急にフレームから出入りする、顔を隠す、横を向くといった動作をして、被写体認識の速度や追随性能をテストしてみました。結果、激しく動いても顔が認識されており、顔を隠したり横を向いたりしても頭部や体が認識され続けていることがわかりました。限られた時間と1場面でのテストのからの印象ではありますが、被写体認識の性能は高いと言えそうです。

画面上の四角い枠が表示されている時「カメラが追尾してフォーカスを合わせている」状態

画面上の四角い枠が表示されている時「カメラが追尾してフォーカスを合わせている」状態

暗所撮影

「DC-S5」は、デュアルネイティブISOテクノロジーにより、明るい状況と暗い状況で2つの回路を使い分ける設計になっています。そのため高感度撮影時もノイズを抑えた撮影が可能になるとのこと。実際にいくつかのシチュエーションで撮影した印象は極めて優秀で、暗所でも黒が引き締まり、シャープさが維持されたクリーンな映像になっていました。

ISO12800で撮影した映像のスクリーンショット。黒い箱やソフタイの影になっているような暗部でもノイズはほとんどなく、かなりクリアです

ISO12800で撮影した映像のスクリーンショット。黒い箱やソフタイの影になっているような暗部でもノイズはほとんどなく、かなりクリアです

夜景を撮影した映像の例。ハイライトがキツくなく、それでいて暗部にノイズがほぼなく、建物のディテールなどもシャープという美しい映像です

夜景を撮影した映像の例。ハイライトがキツくなく、それでいて暗部にノイズがほぼなく、建物のディテールなどもシャープという美しい映像です

V-logで撮影した映像の調整前(左)と調整後(右)の比較

V-logで撮影した映像の調整前(左)と調整後(右)の比較

LUMIX「DC-S5」で撮影をした感想とまとめ

映像制作をする人にとってLUMIXシリーズといえば、まず思い浮かぶのが名機「DC-GH5」シリーズでしょう。「DC-GH5」は、4K/10bitでの収録が可能であり、当時8bitでしか撮影できなかった「α7」シリーズのユーザーたちを悔しがらせてきた(?)、2010年代後半におけるエポック的なマイクロフォーサーズ機であったと言えるでしょう。

その後、フルサイズミラーレスのフラッグシップ「DC-S1」シリーズの発売を経て、今回登場した「DC-S5」は、ある種“イイとこ取り”とも言えるバランスのよさが魅力のカメラです。

内部収録で最大4K 60p(クロップあり)10 bit 4:2:0に対応し、フルHDでは120fpsのスローモーションも撮影可能です。また、Atomos「NINJA V」などの外部レコーダーを使えば最大で5.9K 29.97p/10bit 4:2:2でのRAW動画撮影にも対応できます。4K120fpsや10bit 4:2:2の内部収録といったハイエンド機並みの機能こそないものの、「ミラーレスカメラで、手軽にきれいな映像を撮りたい」というニーズには十分に応えられる製品です。

また、上位モデル「DC-S1」シリーズより小型軽量であることは当然として、マイクロフォーサーズ機の「DC-GH5」(横幅約138.5mm/約725g)よりも小さく軽いというのは驚きです。

実際、撮影時の取り回しもしやすく、持ち運びの際にも快適でした。小さなカメラケースに収納してバックパックに放り込んでおけば、街歩きをしながら風景撮りがはかどります。

ボディサイズだけで選ぶならよりコンパクトなソニーのフルサイズミラーレスカメラ「α7C」があるとは言え、LUMIXシリーズの操作感が好きで、「DC-S1」シリーズよりも軽いカメラを求めている人の期待は裏切らない製品に仕上がっていると言えるでしょう。

Mr.TATE(Masahira TATE)

Mr.TATE(Masahira TATE)

世界50カ国以上を旅したバックパッカー。週刊アスキー編集部などを経て、AppBankに入社。「バイヤーたてさん」として仕入れとYouTubeを活用したコンテンツコマースに取り組み、上場時は広報として企業PRを担当。現在はフリーランスで活動中。

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