レビュー
300mmの望遠撮影を気軽に楽しめるEマウント用レンズ

世界最小・最軽量の望遠ズーム! タムロン「70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD」レビュー

タムロンはミラーレスカメラ用の交換レンズとして「Di III」シリーズを展開していますが、その中でもラインアップを積極的に拡充しているのが、ソニーEマウント用のレンズです。この秋、そのラインアップに、普及タイプの望遠ズームレンズ「70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD(Model A047)」が追加されました。焦点距離300mmに対応するフルサイズミラーレス用の望遠ズームレンズとして世界最小・最軽量を実現したほか、価格.com最安価格(2020年11月12日時点)で58,000円程度という価格も魅力で、望遠撮影を気軽に楽しめるレンズです。

2020年10月29日に発売になった、タムロンの新モデル70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD。ソニーEマウント用で、普及タイプの望遠ズームレンズです(画像のカメラボディはα7C)

2020年10月29日に発売になった、タムロンの新モデル70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD。ソニーEマウント用で、普及タイプの望遠ズームレンズです(画像のカメラボディは「α7C」)

マウント部に新素材を採用し、スリムで軽い鏡筒を実現

70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDの主な特徴
・70〜300mmの焦点距離をカバーする望遠ズームレンズ
・開放F値は広角端70mmでF4.5、望遠端300mmでF5.6
・300mm対応のフルサイズミラーレス用望遠ズームレンズとして世界最小・最軽量
・望遠端で高い解像性能を発揮する10群15枚のレンズ構成
・最短撮影距離は広角端0.8m、望遠端1.5m
・反射防止効果の高いBBARコーティング
・7枚円形絞り
・ステッピングモーターRXDによる高速AF
・「瞳AF」などソニー製カメラの主な機能に対応
・シリーズ共通のフィルター径67mm

70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDの最大の特徴は、大きくて重くなりがちな望遠ズームレンズながら、小型・軽量な鏡筒を実現したことです。そのサイズは77(最大径)×148mm(全長)で、重量は545g。2020年11月時点では、焦点距離300mmに対応するフルサイズミラーレス用の望遠ズームレンズとして世界最小・最軽量となっています。

全長148mmというのは普及タイプの望遠ズームレンズとして標準的な長さです。そのため、外観画像からはそれほど小型・軽量に見えないかもしれませんが、実際はスリムでとても軽い鏡筒になっています。カメラに装着して持ってみると、重心がレンズ側に傾く感じがなく、撮影時に腕や手に負担の少ないレンズであることがわかります。手ブレ補正非搭載で、望遠端の開放F値がF6.3とやや暗い設計であることを差し引いても、この軽さは大きな魅力です。

望遠ズームレンズながらスリムで軽い鏡筒を実現。手持ちで撮影がしやすいレンズです

望遠ズームレンズながらスリムで軽い鏡筒を実現。手持ちで撮影がしやすいレンズです

70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDは小型・軽量化を徹底した設計になっており、それを象徴するのがレンズのマウント部です。マウント部の部材に、タムロンのフルサイズミラーレス用レンズとしては初めて、特殊処理を施した高強度なAl-Mg 系合金(マグネシウム含有量の高いアルミニウムを主成分とした合金)を採用しています。この新素材の採用によって、強度を保ちながら、従来のマウント部と比べて約68%の軽量化を実現しているとのことです。

Al-Mg 系合金を採用したマウント部。アルミニウム系の素材ですが、十分な強度が確保されています

Al-Mg 系合金を採用したマウント部。アルミニウム系の素材ですが、十分な強度が確保されています

レンズ構成はLD (Low Dispersion:異常低分散) レンズを含めた10 群15 枚。無駄を省きながら軸上色収差など各種収差を抑制した構成によって、軽量化と高画質を両立しているとのことです。特に、望遠端300mm では画面全域で高い解像性能を発揮するとのこと。

このほかの特徴は、ほかのタムロン製のソニーEマウント用レンズと共通している部分が多く、フレア・ゴーストの発生を抑える「BBAR (Broad-Band Anti-Reflection)コーティング」や、ステッピングモーター「RXD (Rapid eXtra-silent stepping Drive)」などを採用。ソニーEマウントカメラの「ファストハイブリッドAF」や「瞳AF」、ダイレクトMF、カメラ内レンズ補正(周辺光量、倍率色収差、歪曲収差)、レンズ本体のファームウェアアップデートといった機能にも対応しています。フィルターやレンズキャップを共有できるように、フィルター径が同社の他のフルサイズミラーレス用レンズと同じ67mmになっているのも特徴です。

望遠端300mm時はレンズの長さ(レンズ先端からマウント面まで)が約210mmにまで伸びます

望遠端300mm時はレンズの長さ(レンズ先端からマウント面まで)が約210mmにまで伸びます

丸型フード(HA047)が付属します

丸型フード(HA047)が付属します

実写作例

※以下に掲載する作例は、フルサイズミラーレス「α7C」、もしくはAPS-Cミラーレス「α6400」と70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDを組み合わせてJPEG形式の最高画質で撮影したもの(JPEG撮って出し)になります。

※サムネイル画像をクリックすると、撮影写真を長辺900ピクセルに縮小した画像が開きます。リサイズを行っていない撮影写真は、サムネイル画像下のテキストリンクをクリックすると開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

α7C、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、300mm、F8、1/640秒、ISO400、ホワイトバランス:太陽光、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG撮影写真(6000×4000、11.0MB)

α7C、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、300mm、F8、1/640秒、ISO400、ホワイトバランス:太陽光、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、11.0MB)

α7C、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、220mm、F5.6、1/400秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG撮影写真(6000×4000、13.8MB)

α7C、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、220mm、F5.6、1/400秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、13.8MB)

α7C、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、181mm、F6.3、1/320秒、ISO800、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG撮影写真(6000×4000、10.1MB)

α7C、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、181mm、F6.3、1/320秒、ISO800、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、10.1MB)

α7C、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、300mm、F6.3、1/320秒、ISO1600、ホワイトバランス:太陽光、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG撮影写真(6000×4000、12.1MB)

α7C、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、300mm、F6.3、1/320秒、ISO1600、ホワイトバランス:太陽光、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、12.1MB)

α7C、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、300mm、F6.3、1/60秒、ISO1600、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG撮影写真(6000×4000、11.6MB)

α7C、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、300mm、F6.3、1/60秒、ISO1600、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、11.6MB)

α7C、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、300mm、F6.3、1/50秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG撮影写真(6000×4000、11.4MB)

α7C、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、300mm、F6.3、1/50秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、11.4MB)

α6400、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、300mm(35mm判換算450mm)、F8、1/1000秒、ISO800、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG撮影写真(6000×4000、11.0MB)

α6400、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、300mm(35mm判換算450mm)、F8、1/1000秒、ISO800、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、11.0MB)

α7C、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、181mm、F8、1/100秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG撮影写真(6000×4000、10.9MB)

α7C、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、181mm、F8、1/100秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、10.9MB)

α7C、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、110mm、F8、1/640秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG撮影写真(6000×4000、9.21MB)

α7C、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、110mm、F8、1/640秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、9.21MB)

α7C、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、300mm、F6.3、1/60秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG撮影写真(6000×4000、13.8MB)

α7C、70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD、300mm、F6.3、1/60秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、クリエイティブスタイル:スタンダード、Dレンジオプティマイザー:オート、歪曲収差補正:オフ、倍率色収差補正:オート、周辺減光補正:オート、JPEG
撮影写真(6000×4000、13.8MB)

70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDの画質は、軸上色収差がよく抑えられていて、解像感が高いのが特徴です。普及タイプの望遠ズームレンズとしては線が細く、比較的繊細な描写を得意とするレンズではないでしょうか。自然な感じの発色も好印象で、薄暗いシーンなど難しい状況でも、その場の雰囲気を残しながら印象的に仕上げてくれました。

輪郭の色付きが少ないなどボケの質も期待以上で、特に望遠側では大きなボケを生かした立体感のある写真が撮りやすい印象。周辺部でコントラストや光量が落ちる傾向があり、開放から少し絞っても改善しにくいところがあるのが気になりましたが、サイズ感と価格を考慮すると、よく写るレンズだと思います。

また、サードパーティー製のレンズとしてはAF(オートフォーカス)が十分に速いことも付け加えておきます。遠くをゆっくりと動く動物や、離着陸する飛行機などであれば、被写体を追尾しながら、いいタイミングでシャッターを切ってピントの合った写真を撮ることができました。

まとめ コストパフォーマンスが高く、初めての望遠ズームレンズにピッタリ

70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDは望遠ズームレンズながら軽量な鏡筒で、軽快に撮影できるのがいいところです。普及タイプとしては画質もよく、価格.com最安価格(2020年11月12日時点)で58,000円程度という価格はコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。「初めての望遠ズームレンズ」にピッタリの製品です。広角から標準域をメインで使うスナップ派の人にとっても、「とりあえず望遠ズームレンズを1本持っておきたい」という場合に選びやすいレンズではないでしょうか。

このレンズを選ぶ際の注意点としては、小型・軽量化を徹底するために手ブレ補正が省略されていることです。屋内や薄暗いところなど幅広いシーンで手ブレを抑えて高画質に撮影するためには、フルサイズミラーレスであれば「α7C」や「α7 III」、APS-Cミラーレスであれば「α6600」といった、ボディ内手ブレ補正を搭載するカメラと組み合わせて使いたいところです。

真柄利行

真柄利行

カメラとAV家電が大好物のライター/レビュアー。雑誌編集や価格.comマガジン編集部デスクを経てフリーランスに。価格.comではこれまでに1000製品以上をレビュー。現在、自宅リビングに移動式の撮影スタジオを構築中です。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
価格.comマガジン プレゼントマンデー
ページトップへ戻る