今週発売される新製品の中から注目度の高い製品を、さまざまなカテゴリから横断ピックアップして紹介する連載「今週発売の注目製品ピックアップ」。今週は、ソニーのフルサイズミラーレスカメラ「α7 IV」と5Gスマートフォン「Xperia PRO-I」、パナソニックのフルサイズミラーレスカメラ「LUMIX BOX DC-BS1H」を紹介する。
2021年12月17日(金)発売
ソニーから、フルサイズミラーレスカメラ「α7 IV」ボディ(ILCE-7M4)が登場。なお、2022年春以降には、「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS」が付属する「α7 IV」ズームレンズキット(ILCE-7M4K)が発売される。
「α7 IV」は、「ソニーの最先端のカメラ技術を凝縮した新世代のベーシックモデル」と位置づける、フルサイズミラーレスカメラ。
仕様面では、新開発の有効約3300万画素35mmフルサイズ裏面照射型CMOSイメージセンサー「Exmor R(エクスモアアール)」を装備。さらに、「α」シリーズのフラッグシップ機「α1」にも採用されている、従来比最大約8倍(前機種「α7 III」搭載の画像処理エンジン「BIONZ X」との比較において。ソニー測定条件)の高速処理が可能な画像処理エンジン「BIONZ XR(ビオンズエックスアール)」を備える。
これらにより、高解像ながら、常用ISO感度100-51200(静止画拡張時50-204800、動画拡張時100-102400)の広い感度領域を実現。「ノイズを低減しながら、高い色再現力で被写体細部の質感まで高精細に表現する」という。また、15ストップ(ソニー測定条件。静止画撮影時)の広いダイナミックレンジで、階調豊かな表現が可能だ。
AF機能では、「α7 III」と比較してより広範囲な撮像エリアの約94%に、高密度に配置した759点の像面位相差AFセンサーが「被写体をより高速・高精度に追跡」するとのこと。AF/AE追従で最高10コマ/秒(「Hi+」時最高約10コマ/秒、 連続撮影モード「Hi」時最高約8コマ/秒。ソニー測定条件。撮影設定によって最高連写速度が異なる)の高速連写でシャッターチャンスをとらえる。
また、AIを用いて、高い認識精度で被写体の顔や瞳情報を検出し続ける「リアルタイム瞳AF」において、人間に加えて、「α」シリーズとして初めて、静止画と動画の両方で鳥と動物の目を追跡できるようになった。人間の顔や目の検出精度は、「α7 III」と比べて約30%向上している。
動画機能では、画素加算のない全画素読み出しによる高品質な4K/60p記録(Super 35mmモード時)や、フルサイズ7Kオーバーサンプリングによる4K/30p記録をサポート。同社の映像制作用カメラ群「Cinema Line(シネマライン)」と同様のルックS-Cinetone(エスシネトーン)を装備し、「シネマライクな表現を簡単に実現できる」という。10種類の設定されたルックから選択することで、ユーザーが好みの画作りを手軽に楽しめるクリエイティブルックも備えた。
さらに、自然な諧調表現ができる4:2:2 10bit 記録のHLG(Hybrid Log-Gamma)、より効率的な編集のためのフレーム内エンコーディング(XAVC S-I)や圧縮効率が2倍のXAVC HSにも対応する。
このほか、ユーザーが各専用設定に素早く切り替えられる、静止画/動画/S&Q切り替えダイヤルを新たに搭載。さらに、5.5段光学式5軸手ブレ補正機能に加えて、手ブレ量を高精度に検出し、光学的に補正するという動画専用の「アクティブモード」( アクティブモードでは撮影画角が少し狭くなる。焦点距離200mm以上の場合はスタンダートに設定することを推奨。撮像フレームレートが120(100)fpsになる記録方式ではアクティブモードは無効)にも対応し、手持ち撮影をサポートする。
加えて、最適化した放熱設計によって、「1時間以上の4K/60p 4:2:2 10bit動画記録が可能」とのことだ(ソニー測定条件。25度(常温、録画開始時点のカメラ温度)、自動電源オフ設定「高」、パネル横開き、バッテリー満充電状態。環境や条件によって撮影時間は変わる)。
ボディには、バリアングル式の3型タッチパネル液晶モニター(約103万ドット)を本体背面に装備し、角度調整はオープン角が約176度、チルト角が約270度に対応。約368万ドットで0.5型の電子式ビューファインダー(Quad-VGA OLED)も備えた。
外部記録媒体は、SDメモリーカード(UHS-I/II対応)、CFexpress Type Aカードをサポート。スロット1がSDメモリーカード(UHS-I/II対応)/CFexpress Type Aカード用マルチスロット、スロット2がSDメモリーカード(UHS-I/II対応)用スロットとなる。無線通信はBluetooth 4.1、IEEE802.11a/b/g/n/ac(2.4GHz帯/5GHz帯)準拠の無線LAN規格に対応した。
バッテリーは「NP-FZ100」を使用し、静止画撮影可能枚数は、ファインダー使用時が約520枚、液晶モニター使用時が約580枚(液晶画面をオン、ズームをW側、T側、それぞれ交互に端点まで移動を繰り返し、2回に1回フラッシュを発光、10回に1回電源をオン/オフにして、30秒ごとに1回撮影した場合)。
本体サイズは131.3(幅)×96.4(高さ)×69.7〜79.8(奥行)mm。重量は約573g(本体のみ)、約658g(バッテリーとメモリカードを含む)。
2021年12月15日(水)発売
ソニーから、像面位相差AFを備える1型イメージセンサー「Exmor RS(エクスモアアールエス)」(24mm広角レンズでのみ使用可能)を搭載した5G(6GHz未満の周波数帯。対応は国・地域により異なる)対応スマートフォン「Xperia PRO-I(エクスペリア プロ アイ) XQ-BE42」が発売される。
同社によれば、「Xperia PRO-I」の「I」は「イメージング(Imaging)」の「I」を表しており、「ソニーの最先端イメージング技術を結集したカメラの本格撮影体験を5Gスマートフォンで実現する」とのことだ。
具体的には、アウトカメラは、有効約1220万画素超広角カメラ(16mm、F2.2)+有効約1220万画素広角カメラ(24mm、F値2.0/4.0、1型Exmor RS CMOSセンサー)+有効約1220万画素標準カメラ(50mm、F2.4)+3D iToFセンサーで構成(すべて35mm判換算)。広角レンズは、F2.0/F4.0の可変絞りに対応し、被写界深度をコントロールすることで、「大型センサーならではの自然なぼけ味から、解像感のある細部の再現まで、撮影の自由度を高めた」という。
主な特徴として、プレミアムコンパクトカメラ「RX100 VII」に搭載した1型イメージセンサー「Exmor RS」(24mm広角レンズでのみで使用可能)をスマートフォン向けに最適化して装備。また、より多くの光を取り込めるピクセルピッチ(2.4μm)を実現する。
さらに、画像処理エンジン「BIONZ X for mobile」とスマートフォンならではの高い処理能力により、最大10フレーム以上の画像を統合してノイズリダクションを行うなど、低照度やダイナミックレンジが広いシーンでの画質を向上させるという。
加えて、ミラーレスカメラ「α」で使われているフロントエンドLSIを備えており、暗所でのノイズを低減するとのこと。12bitでのRAW形式撮影(24mm広角レンズでのみで使用可能)に対応し、なめらかで豊かな色調まで再現する。
AF機能では、高速性と追随性にすぐれた像面位相差AFを備える1型イメージセンサーを搭載したほか、撮像エリアの約90%をカバーする315点の像面位相差検出AFセンサーによって、動きの予測が難しい被写体にも、高速・高精度に追従した撮影が可能だ。
また、フルサイズミラーレスカメラ「α1」にも搭載されている「リアルタイム瞳AF」(24mm広角レンズのみ)や「リアルタイムトラッキング」は、AI(機械学習を含むAIの技術を活用)によって動体を高精度に追従し続け、静止画撮影時に人や動物の瞳などに瞬時にフォーカスを合わせ続けるという。被写体が不規則・高速な動きをしていても、毎秒最大60回のAF/AE計算で被写体を追跡し、AF/AE追従最高20コマ/秒(広角レンズのみ。超広角レンズと標準レンズでは、AF/AEで最大10コマ/秒の高速連写が可能)の高速連写が可能だ。
なお今回、1型イメージセンサーの高速読み出しによって、動きの速い被写体を撮影する際に起きやすい動体歪み(ローリングシャッター現象)を大幅に低減する、「アンチディストーションシャッター」を搭載したという。
本体側面に搭載しているシャッターボタンにもこだわり、「RX100」シリーズで使用されているスイッチ部品を用いることで「カメラ専用機のような使い心地を実現する」とのこと。半押しでの正確なAF操作を可能にする深いストロークや、安定してシャッターを押せる広いボタン面積を確保することで、本格撮影を体感できるのが特徴だ。また、画面消灯時でもシャッターボタンを長押しして「Photography Pro」を素早く起動できる。
このほか主な仕様は、表示部がアスペクト比21:9の約6.5型4K有機ELディスプレイ(3840×1644ドット、HDR対応、120Hz駆動)、プロセッサーが「Snapdragon 888 5G」、メモリーが12GB、内蔵ストレージが512GB。動画機能では、4K/120fpsのハイフレームレート撮影(24mm広角レンズでのみで使用可能)に対応。外部記録媒体はmicroSD/SDHC/SDXCメモリーカード(最大1TB)をサポート。OSは「Android 11」をプリインストールする。
無線通信はBluetooth 5.2、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax準拠の無線LAN規格をサポート。IPX5/8相当の防水性能、IP6X相当の防塵性能を装備する。セキュリティ機能は、指紋認証に対応。おサイフケータイの利用も可能だ。
バッテリー容量は4500mAh。本体サイズは72(幅)×166(高さ)×8.9(奥行)mm、重量は約211g。ボディカラーはフロストブラック。
2021年12月16日(木)発売
パナソニックから、ボックススタイルのフルサイズミラーレスカメラ「LUMIX BOX DC-BS1H」が発売される。
小型で機動力のあるボックススタイルのボディに、映像制作に特化した機能を搭載したフルサイズミラーレスカメラ。マイクロフォーサーズ規格を採用した従来モデル「LUMIX BGH1」と同等レベルのサイズながら、フルサイズミラーレスのハイエンドモデル「LUMIX S1H」の画質・動画撮影性能を搭載したという点が特徴だ。
仕様面では、有効2420万画素の35mmフルサイズ(35.6mm×23.8mm)CMOSセンサーを装備。動画撮影では、「LUMIX S1H」と同等の広いダイナミックレンジと色再現を実現する14+ストップ V-Log/V-Gamutや、高感度撮影時のノイズを抑制するという「デュアルネイティブISOテクノロジー」を備える。
また、6K24p 10bit(横縦比3:2)、5.9K30p 10bit(横縦比16:9)などの高解像度動画記録を実現。すべての動画記録モードでの記録時間無制限(記録時間はバッテリーとSDメモリーカードの容量に依存)や、HDMI経由での動画RAWデータ出力にも対応する。
さらに、豊富な入出力のインターフェイスを搭載し、三脚やジンバルを活用したスタイルに加えて、マルチカメラでの撮影や配信にも対応。BNC端子とLAN端子を搭載し、3基のBNC端子はそれぞれ3G-SDI出力、タイムコード(TC IN/OUT)、Genlock入力をサポートする。
ライブ配信では、最大4K60p 50Mbpsの有線IPストリーミング(RTP/RTSP)を活用した配信が行えるほか、専用ソフト「LUMIX Tether for Multicam」を使用することで、IPストリーミング中の各種設定や操作が可能。同ソフトを使うことで、1台のパソコンから最大で合計12台の「LUMIX BOX」(従来モデル「LUMIX BGH1」含む)をコントロールできるという。PoE+対応機器からの給電、SDKを活用した外部からの機器制御も可能だ。
外部記録媒体はSD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-II Video Speed Class 90)に対応。デュアルスロットを採用し、1枚目から2枚目のSDメモリーカードへスイッチする「リレー記録」、2つのSDメモリーカードで同時に記録する「バックアップ記録」の設定が可能だ。
本体サイズは93(幅)×93(高さ)×78.8(奥行)mm、重量は約585g(本体のみ)。
新しいもの好きで、アップルやソニーと聞くだけでワクワク・ドキドキ。デジタル好きだが、最近はアナログにも興味が出てきたアラフォー編集者。