ニュース

先進的な撮影機能に注目。パナソニックのマイクロフォーサーズ最上位「LUMIX GH6」が正式発表

パナソニックは2022年2月22日、マイクロフォーサーズシステム規格を採用するミラーレスカメラの新モデル「LUMIX GH6」を発表した。同社マイクロフォーサーズ機の最上位に位置するハイエンドモデルで、2021年5月26日の開発発表から約9か月の時間を経て、ついにお目見えとなった。進化点を中心に主な特徴をまとめよう。

開発発表から約9か月を経て登場した「LUMIX GH6」。開発発表当初は2021年内の製品化が予定されていたが、その後2022年早期の製品化に延期になり、正式な発表が待たれていた注目モデルだ

開発発表から約9か月を経て登場した「LUMIX GH6」。開発発表当初は2021年内の製品化が予定されていたが、その後2022年早期の製品化に延期になり、正式な発表が待たれていた注目モデルだ

撮像素子と画像処理エンジンを刷新し、基本性能が向上

パナソニックのマイクロフォーサーズ機の上位シリーズに位置する「LUMIX GHシリーズ」は、小型・軽量ボディで携帯性にすぐれながら、充実した動画撮影機能を搭載するのが特徴だ。特に映像制作のプロから高く支持されているシリーズである。そんな「LUMIX GHシリーズ」の新モデルとしてラインアップに追加された「LUMIX GH6」は、パナソニックのマイクロフォーサーズ機全体の最上位に位置するハイエンドモデル。基幹デバイスを刷新することで、動画撮影を中心に「LUMIX GHシリーズ」らしい先進的な機能を搭載したカメラに仕上がっている。

撮像素子には、新開発となる有効2521万画素のLive MOSセンサー(ローパスフィルターレス設計)を採用。「LUMIX GH5II」「LUMIX GH5」の有効2033万画素から高画素化しながらも、飽和性能を向上させることで、滑らかで階調豊かな写真・映像撮影を実現。読み出し性能の高速化によってローリングシャッター歪みの発生も抑えているという。また、動画・静止画とも通常撮影時のベース感度がISO100になり、拡張設定でISO50を選択できるようになったのも特徴。最高感度はISO25600でこれまでと同様だ。

従来モデルから約20%以上の高画素化を実現した、有効2521万画素のLive MOSセンサーを採用

従来モデルから約20%以上の高画素化を実現した、有効2521万画素のLive MOSセンサーを採用

画像処理エンジンは、フルサイズミラーレス「LUMIX S1H」と比較して処理能力が約2倍に向上した新世代の「ヴィーナスエンジン」。進化したディテール処理やノイズリダクションによって、動画・静止画の両方で解像性能、高感度性能、色再現性にすぐれた処理性能を発揮するという。

画像処理エンジン「ヴィーナスエンジン」は処理性能が大きく向上。画質やAFなどの進化を実現している

画像処理エンジン「ヴィーナスエンジン」は処理性能が大きく向上。画質やAFなどの進化を実現している

画質に関する機能では、「ダイナミックレンジブースト」という新機能を搭載。「低ISO回路」から生成する飽和優先の画像と、「高ISO回路」から生成する低ノイズ優先の画像を1画素ごとに光量に応じた比率で組み合わせることで、低ノイズと高飽和の特性を持った階調性にすぐれるHDR映像を合成するというものだ。「デュアルネイティブISOテクノロジー」を発展させたような機能で、そのダイナミックレンジは、「LUMIX Gシリーズ」として最大となる13+ストップ(※V-Log撮影時)に達するという。

5.7K/60p、C4K/120pなど多彩な動画記録に対応。V-Log/V-Gamutも搭載

「LUMIX GH6」の動画撮影機能は、“コーデックモンスター”を開発キーワードとし、非常に多彩な記録モードを搭載している。パナソニックが「LUMIX史上、最も多彩で先進的」と言うほどの充実した内容になっている。

具体的には、5.7K(5728×3024)/60p、5.8K-A(5760×4320)/30p、C4K(4096×2160)/120p 60p、4K(3840×2160)/120p 60p、4.4K-A(4532×3264)/60p、フルHD(1920×1080)/240p 120p 60pといった多彩な動画をクロップレスでカメラ内に記録することが可能。カラーサンプリング・ビット深度は5.7K/60p、5.8K-A/30p、C4K/120p、4K/120p、4.4K-A/60pが「4:2:0 10bit」、C4K/60p、4K/60p、フルHD/240p 120p 60pが「4:2:2 10bit」。VFR(バリアブルフレームレート)のフルHD記録では4:2:0 10bitでの300fpsハイフレームレート記録も可能となっている。また、C4K/60pは最大800Mbpsの高ビットレートで時間無制限の記録に対応。ProRes 422 HQ/ProRes 422での5.7K/30p内部記録にも対応している。

CFexpressカード(Type B)とSDメモリーカード(UHS-II対応)のダブルスロットを搭載。CFexpressカード(Type B)を採用することで、800Mbps以上の高ビットレート動画の内部記録が可能となった。右側面にはリモート端子も備わっている

CFexpressカード(Type B)とSDメモリーカード(UHS-II対応)のダブルスロットを搭載。CFexpressカード(Type B)を採用することで、800Mbps以上の高ビットレート動画の内部記録が可能となった。右側面にはリモート端子も備わっている

さらに、「LUMIX Gシリーズ」として初めて、広ダイナミックレンジかつ広色域な記録が可能なV-Log/V-Gamutに対応するのも見逃せない(※V-Log撮影時のベース感度はISO250)。LUT適用後の映像をファインダーやモニターに表示する「V-Logビューアシスト」も搭載している。V-Log対応によって、「LUMIX Sシリーズ」やデジタルシネマカメラ「VARICAMシリーズ」などと組み合わせた場合に、ポストプロダクションでのグレーディングがさらにやりやすくなった。静止画撮影時もV-Logを選択できるので、タイムラプス動画や静止画を編集して追加する際にもスムーズに連結することができる。

音声記録は24bitに対応し、MOVやProResで記録する場合は、XLRマイクロホンアダプター(別売)と内蔵マイク/外部マイクを使って、24bitでの4ch収録も可能となっている。

高精度の放熱シミュレーションを繰り返して開発したという、ファン搭載の放熱構造を採用

高精度の放熱シミュレーションを繰り返して開発したという、ファン搭載の放熱構造を採用

なお、「LUMIX GH6」は、発売後のファームウェアアップデートで以下の内容の機能強化が予定されている。

・ATOMOS NINJA V+へのC4K/120p RAW動画データの出力対応
・ProRes 422 HQ/ProRes 422の対応モード追加(C4K/フルHD)
・4K/120p動画撮影時の4K/120p HDMI映像出力対応
・USBケーブル経由のSSD記録対応

ボディ内手ブレ補正は7.5段分に性能がアップ。AFの検出性能は約3倍向上

「LUMIX GH6」は、新開発のジャイロセンサーなどを搭載したことで、ボディ内5軸手ブレ補正の性能も向上している。「LUMIX GH5II」ではシャッター速度6.5段分の補正効果だったが、これが7.5段分にアップ。レンズ内手ブレ補正と連動して制御する「Dual I.S. 2」も7.5段分の補正効果を発揮するようになった。また、最新の動画用アルゴリズムの採用によって動画撮影時の手ブレ補正も進化。パンやチルトなどの動きと手ブレを高精度に判別して、自然で高品位な手持ち撮影が可能になったとのことだ。

補正効果が7.5段分に向上したボディ内5軸手ブレ補正を搭載

補正効果が7.5段分に向上したボディ内5軸手ブレ補正を搭載

AFは、従来モデルと同様にコントラストAFによるシステムで、測距点数が「LUMIX GH5II」「LUMIX GH5」の225点から315点に増え、カバーエリアも広くなった。新世代の「ヴィーナスエンジン」による演算処理の高速化と、AFアルゴリズムの改善によって、被写体の検出性能も従来比で約3倍にまで向上している。人物認識AFも認識精度が上がっているとのことだ。AF関連の機能では、AFの作動範囲を制限するフォーカスリミッター機能を新たに搭載している。

液晶モニターは約184万ドットの3.0型タッチパネル液晶(チルトフリーアングル構造)。電子ビューファインダーは約368万ドットの有機ELファインダー(35mm判換算の倍率約0.76倍、アイポイント約21.0mm)。LVF/LCDの同時表示機能(インタビューモード)も備わっている

液晶モニターは約184万ドットの3.0型タッチパネル液晶(チルトフリーアングル構造)。電子ビューファインダーは約368万ドットの有機ELファインダー(35mm判換算の倍率約0.76倍、アイポイント約21.0mm)。LVF/LCDの同時表示機能(インタビューモード)も備わっている

上面は左側にドライブモードダイヤル、右側にモードダイヤルや動画記録ボタンなどを配置。シャッターボタン近くにはWB/ISO/露出補正の3連ボタンが備わっている

上面は左側にドライブモードダイヤル、右側にモードダイヤルや動画記録ボタンなどを配置。シャッターボタン近くにはWB/ISO/露出補正の3連ボタンが備わっている

前面には、サブ動画記録ボタンやタリーランプ、フラッシュシンクロ端子などを搭載。フラッシュシンクロ端子はTC IN/OUT端子兼用だ。ボディサイズは約138.4(幅)×100.3(高さ)×99.6(奥行)mmで、重量は約823g(バッテリー、SDメモリーカード1枚含む)

前面には、サブ動画記録ボタンやタリーランプ、フラッシュシンクロ端子などを搭載。フラッシュシンクロ端子はTC IN/OUT端子兼用だ。ボディサイズは約138.4(幅)×100.3(高さ)×99.6(奥行)mmで、重量は約823g(バッテリー、SDメモリーカード1枚含む)

このほか、イメージセンサーをシフトさせて連続撮影を行い、自動で合成処理を行う「ハイレゾモード」は最大約1億画素の画像生成が可能になったうえ、手持ち撮影にも対応するようになった。連写はメカシャッター・電子先幕時がAFSで最高約14コマ/秒、AFCで最高約8コマ/秒。電子シャッター時がAFSで最高約75コマ/秒、AFCで最高約7コマ/秒となっている。

左側面のインターフェイス部。マイク端子、ヘッドホン端子、USB Type-C端子(USB3.2 GEN2)、HDMI Type A端子が備わっている。USB充電・給電にも対応

左側面のインターフェイス部。マイク端子、ヘッドホン端子、USB Type-C端子(USB3.2 GEN2)、HDMI Type A端子が備わっている。USB充電・給電にも対応

「LUMIX GH6」には別売のバッテリーグリップは用意されておらず、底面にもバッテリーグリップ用の接点はない。付属バッテリーは「DMW-BLK22」

「LUMIX GH6」には別売のバッテリーグリップは用意されておらず、底面にもバッテリーグリップ用の接点はない。付属バッテリーは「DMW-BLK22」

マグネシウム合金フレームとシーリング構造を採用することで防塵・防滴・-10℃耐低温設計を実現している

マグネシウム合金フレームとシーリング構造を採用することで防塵・防滴・-10℃耐低温設計を実現している

まとめ 新世代のハイブリッド機として映像制作のプロから注目を集めそう

「LUMIX GH6」は、同社のフルサイズミラーレスとは異なるコンセプトで開発された新世代のマイクロフォーサーズ機だ。製品ページに「フルサイズではないもう1つの選択肢」というコピーが書かれていることからも、フルサイズにはない、マイクロフォーサーズだからこその魅力を追求していることがうかがえる。具体的には、同社のフルサイズミラーレス「LUMIX S1シリーズ」よりもコンパクトなボディに、非常に充実した動画撮影機能を搭載しているのが大きな魅力。重量が約823g(バッテリー、SDメモリーカード1枚含む)と、「LUMIX GH5II」「LUMIX GH5」よりも100gほど重くなったのが気になるところではあるが、ムービーもスチールも撮れるハイブリッド機として、映像制作のプロやハイアマチュアから注目される存在になりそうだ。

発表日時点での価格.com最安価格(税込)はボディ単体が263,340円、「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S.」が付属する標準ズームレンズキットが336,600円。2022年3月25日の発売が予定されている。

真柄利行(編集部)

真柄利行(編集部)

フリーランスから価格.comマガジン編集部に舞い戻った、カメラが大好物のライター/編集者。夜、眠りに落ちる瞬間までカメラやレンズのことを考えながら生きています。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
価格.comマガジン プレゼントマンデー
ページトップへ戻る