レビュー

想像以上に使いやすい! ニコンの新型エントリーミラーレス「Z 30」実機レポート

「Z 30」は、APS-Cサイズ(DXフォーマット)の撮像素子を採用する、ニコンの新しいミラーレスカメラ。主な特徴は製品発表時のレポート「ニコンからZシリーズ最小・最軽量のZ 30が登場!」をご覧いただくとして、本記事では、「Z 30」の実機を使ってみて感じたことをいくつかレポートしたい。

※2022年7月13日 電子手ブレ補正のテスト動画を追加しました。

2022年8月5日に発売になる「Z 30」(装着しているのは標準ズームレンズ「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」)。「Zシリーズ」の中では最も初心者向けのモデルで、Vlogを中心に動画撮影を重視した小型・軽量機となっている。外観デザインには、「Z シリーズ」共通となる凹凸のあるレザー素材を採用している

2022年8月5日に発売になる「Z 30」(装着しているのは標準ズームレンズ「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」)。「Zシリーズ」の中では最も初心者向けのモデルで、Vlogを中心に動画撮影を重視した小型・軽量機となっている。外観デザインには、「Z シリーズ」共通となる凹凸のあるレザー素材を採用している

撮影のしやすさに配慮した小型・軽量ボディ

「Z 30」は、ニコンのミラーレス「Zシリーズ」として最小・最軽量とコンパクトなボディを実現している。そのサイズは、約128(幅)×73.5(高さ)×59.5(奥行)mmで、重量は約405g(バッテリーおよびメモリーカードを含む、ボディキャップを除く)。同じくAPS-Cサイズ(DXフォーマット)の撮像素子を採用する、「Zシリーズ」の「Z fc」「Z 50」と比べると高さが20mm小さく、重量も約40〜45g軽くなっている。

ここまでのコンパクトなボディだと「操作性が犠牲になっているのでは?」と思うかもしれないが、そこはさすがのニコン。小さなボディの中に多くのボタンと2種類のダイヤルを搭載しており、比較的ダイレクトに操作できることが多く、思ったよりも扱いやすいカメラだと感じた。

背面の操作系は、静止画撮影/動画撮影のセレクターやレリーズモード/セルフタイマーボタンなどがあり、上位モデルの「Z 50」よりも「Z 5」などフルサイズミラーレスに近い内容だ。前面のマウント付近には、2種類のファンクションボタンも備わっている。ボタンやダイヤル類の操作感は、「Zシリーズ」の他モデルと同様、しっかりとしたフィーリングになっており、エントリー機としては作り込み度の高いボディに仕上がっている。

静止画撮影/動画撮影のセレクターやレリーズモード/セルフタイマーボタンなど、「Z 5」などのフルサイズミラーレスに近い操作系になっている

静止画撮影/動画撮影のセレクターやレリーズモード/セルフタイマーボタンなど、「Z 5」などのフルサイズミラーレスに近い操作系になっている

さらに、使ってみてよかったと感じたのは、動画撮影と合わせて、静止画撮影の使いやすさにも配慮されていること。特にグリップは、ボディサイズからすると大きくて深い形状になっており、しっかりとカメラをホールドすることができる。ボディ左肩が切り込まれた形状になっているので、縦位置で撮影する際に左手がよりフィットするのも、細かいところだがこのカメラの特徴と言える。

小型・軽量ながらしっかりと握れるグリップを採用

小型・軽量ながらしっかりと握れるグリップを採用

バリアングル液晶や大型のステレオマイクなどを搭載

「Z 30」は、動画撮影を重視したミラーレスということで、動画撮影の使い勝手にも工夫が施されている。大きなところでは、自分撮りが行いやすい、横開きのバリアングルモニター(3.0型、約104万ドット)を採用。ボディ上面は、コマンドダイヤル近くに大きな動画撮影ボタンを搭載するほか、大型のステレオマイクも備わっている。「Z 50」などと同様、音声帯域と広帯域の2種類の周波数特性も設定できる。前面には動画撮影中に赤く点灯するRECランプを搭載した。

コマンドダイヤル近くに大きな動画撮影ボタンを搭載。大型のステレオマイクを採用するのも特徴だ

コマンドダイヤル近くに大きな動画撮影ボタンを搭載。大型のステレオマイクを採用するのも特徴だ

動画撮影中に赤く点灯するRECランプを前面に搭載

動画撮影中に赤く点灯するRECランプを前面に搭載

動画撮影は、クロップなしでの4K UHD 30p/24p記録に対応。フルHDでは120pのスローモーション動画の記録が可能だ。フルHD/24p撮影時は最長125分の連続動画記録に対応している(※4K UHD設定時の目安は約35分)。

また、画角は少し狭くなるものの、より強力に手ブレを抑えられる動画撮影時の電子手ブレ補正機能も搭載(4K動画撮影時にも有効)。歩き撮りや手持ちでの望遠撮影時に積極的に活用したい機能である。

4K UHD 30p/24p記録やフルHD/120p記録などに対応

4K UHD 30p/24p記録やフルHD/120p記録などに対応

4K撮影時のも有効な電子手ブレ補正を搭載する

4K撮影時のも有効な電子手ブレ補正を搭載する

「Z 30」の電子手ブレ補正をテストした動画。後述するSmallRig社のトライポッドグリップをカメラに装着し、グリップを片手で持ちながら階段を上り下りしてみた。撮影した動画の画素数/フレームレートはフルHD/60p。電子手ブレ補正を使ったほうが、特に階段を下りる際に、上下の大きなブレが抑えられていることがわかるはずだ。

さらに、パートナーブランドの別売オプション品として、風切り音対策に有効な「SmallRig ウィンドマフ3859」のほか、SmallRig社のトライポッドグリップと「リモコン ML-L7」がセットになった「SmallRig トライポッドグリップ3070 リモコンML-L7セット」が用意されるのも見逃せない。

「SmallRig ウィンドマフ3859」は、カメラ本体のアクセサリーシューに取り付けることで、シューの左右にあるステレオマイクにウィンドマフをぴったりと重ねることができる。「SmallRig トライポッドグリップ3070 リモコンML-L7セット」は、Bluetooth接続の「リモコン ML-L7」を装着して、トライポッドグリップからズームや撮影の開始・停止などの操作が行える。

「SmallRig ウィンドマフ3859」を装着したイメージ

「SmallRig ウィンドマフ3859」を装着したイメージ

ステレオマイクの位置にウィンドマフが重なるようになっている

ステレオマイクの位置にウィンドマフが重なるようになっている

「SmallRig ウィンドマフ3859」と「SmallRig トライポッドグリップ3070」を装着したイメージ

「SmallRig ウィンドマフ3859」と「SmallRig トライポッドグリップ3070」を装着したイメージ

「リモコン ML-L7」は、Bluetoothでカメラと接続することで、ズーム操作や静止画撮影/動画撮影の開始・停止が可能。マルチセレクターでのマニュアルフォーカスの調整や項目の選択も可能だ。カメラから機能を割り当てられる2種類のファンクションボタンも備わっている

「リモコン ML-L7」は、Bluetoothでカメラと接続することで、ズーム操作や静止画撮影/動画撮影の開始・停止が可能。マルチセレクターでのマニュアルフォーカスの調整や項目の選択も可能だ。カメラから機能を割り当てられる2種類のファンクションボタンも備わっている

「Z fc」「Z 50」と同じ「EN-EL25」バッテリーに対応。1回の充電で静止画は約330コマ、動画は約75分記録できる

「Z fc」「Z 50」と同じ「EN-EL25」バッテリーに対応。1回の充電で静止画は約330コマ、動画は約75分記録できる

左側面に外部マイク入力端子、HDMI端子(Type D)、給電対応のUSB端子(Type-C)を搭載。ヘッドホン端子は非搭載となっている

左側面に外部マイク入力端子、HDMI端子(Type D)、給電対応のUSB端子(Type-C)を搭載。ヘッドホン端子は非搭載となっている

実写作例

Z 30、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR、16mm(35mm判換算24mm)、F8、1/80秒、ISO100、WB:オート1、ピクチャーコントロール:オート、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG撮影写真(5568×3712、9.8MB)

Z 30、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR、16mm(35mm判換算24mm)、F8、1/80秒、ISO100、WB:オート1、ピクチャーコントロール:オート、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG
撮影写真(5568×3712、9.8MB)

Z 30、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR、50mm(35mm判換算75mm)、F6.3、1/20秒、ISO100、WB:オート1、ピクチャーコントロール:オート、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG撮影写真(5568×3712、10.7MB)

Z 30、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR、50mm(35mm判換算75mm)、F6.3、1/20秒、ISO100、WB:オート1、ピクチャーコントロール:オート、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG
撮影写真(5568×3712、10.7MB)

Z 30、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR、50mm(35mm判換算75mm)、F6.3、1/320秒、ISO100、WB:オート1、ピクチャーコントロール:オート、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG撮影写真(3712×5568、12.3MB)

Z 30、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR、50mm(35mm判換算75mm)、F6.3、1/320秒、ISO100、WB:オート1、ピクチャーコントロール:オート、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG
撮影写真(3712×5568、12.3MB)

Z 30、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR、16mm(35mm判換算24mm)、F18、1/200秒、ISO100、WB:オート1、ピクチャーコントロール:オート、アクティブD-ライティング:標準、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG撮影写真(5568×3712、6.9MB)

Z 30、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR、16mm(35mm判換算24mm)、F18、1/200秒、ISO100、WB:オート1、ピクチャーコントロール:オート、アクティブD-ライティング:標準、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG
撮影写真(5568×3712、6.9MB)

Z 30、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR、36mm(35mm判換算54mm)、F5.3、1/100秒、ISO100、WB:オート1、ピクチャーコントロール:オート、アクティブD-ライティング:標準、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG撮影写真(3712×5568、7.2MB)

Z 30、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR、36mm(35mm判換算54mm)、F5.3、1/100秒、ISO100、WB:オート1、ピクチャーコントロール:オート、アクティブD-ライティング:標準、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG
撮影写真(3712×5568、7.2MB)

まとめ 思った以上にうまく作り込まれたカメラ。スナップ撮影用として注目してほしい

「Z 30」は、動画撮影を意識した小型・軽量モデルということで、静止画撮影を重視する人にとっては選択肢に入れにくい製品かもしれない。だが、「Z 30」は、ニコンのカメラらしく、ボタンレイアウトなど操作性が工夫されており、静止画撮影でも使いやすくなっている。特に、グリップが深い形状になっているのが高ポイント。カメラのサイズ感からするとしっかりとホールドして撮影することが可能だ。

電子ビューファインダー(EVF)が非搭載のため、動く被写体は撮影しにくいところがあるものの、特にスナップの撮影においては、このコンパクトなボディは魅力的。性能面ではこれといった新しい要素はないが、「Zシリーズ」の高画質を楽しめる小型・軽量機として、静止画撮影メインの人にも注目してほしい1台である。

動画撮影については、ヘッドホン端子が非搭載で、Log撮影に対応しない点などを見てもわかるように、本格的な映像制作用というわけではなく、Vlog撮影などをライトに楽しむためのものになっている。動画撮影にこだわる人にとっては、ややもの足りないところがあるだろうが、「これから一眼カメラで動画を撮影して映像を制作してみたい」という人にとっては、コンパクトなサイズ感に魅力を感じるはずだ。

真柄利行(編集部)

真柄利行(編集部)

フリーランスから価格.comマガジン編集部に舞い戻った、カメラが大好物のライター/編集者。夜、眠りに落ちる瞬間まで、カメラやレンズのことを考えながら生きています。

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