レビュー

こんなに安くていいの? DJI「Osmo Action 3」がちょうどいい

ドローンで知られるDJIが、2022年9月14日にアクションカムの最新モデル「Osmo Action 3」を発表しました。アクションカムと言えば、GoProの一強というイメージがありますが、この「Osmo Action 3」は3代目ということもあり大幅に進化して機能も盛り盛りです。

加えて、基本セットの「Osmo Action 3 Standard Combo」が47,300円、拡張バッテリーキットを含むアクセサリーセット「Osmo Action 3 Adventure Combo」が66,000円という直販価格も注目です。

ライバルのGoPro「HERO11 Black」単体(キャリングケース、バッテリー、粘着性ベースマウント 、マウント用バックル&サムスクリュー、USB Type-Cケーブル、microSDカード含む)が62,000円(サブスク加入、直販価格)、72,000円(サブスク加入なし、直販価格)することを考えると、「Osmo Action 3」のコスパの高さが際立ちます。もちろん、2機種の間には基本スペックなどに差異がありますが、それを考慮しても「Osmo Action 3、安くないか」と思ってしまうほどです。

今回は、この「Osmo Action 3」の新機能にフォーカスしてレビューを行いました。動画でもレビューしているので、そちらもご覧ください。

ちょうどいい基本スペックにロングバッテリー、タフネス設計

「Osmo Action 3」は、1/1.7インチセンサーを搭載。動画の解像度は最大4K/120FPSですが、これはアスペクト比によって異なります。詳細は以下からご確認ください。

解像度(アスペクト比)、フレームレート
4K(16:9)、24/25/30/48/50/60/100/120
4K(4:3)、24/25/30/48/50/60
2.7K(16:9)、24/25/30/48/50/60/100/120
2.7K(4:3)、24/25/30/48/50/60
1080p(16:9)、24/25/30/48/50/60/100/120/200/240

4Kで撮影した映像の画質をチェックしてみましたが、解像度はアクションカムとして申し分なし。小さい葉をたくさんつけた木や、遠くにあるビルの輪郭などもシャープに映し出します。晴れた空の青色や、常緑樹の生き生きとした葉の緑色など、色味も非常にキレイです。

4K60fpsの作例から切り抜いたスクリーンショット。雲の躍動感、青空のさわやかな色など、見た目より鮮やかに映し出してくれます。影の部分が、若干アンダー気味なのが気になるところです

4K60fpsの作例から切り抜いたスクリーンショット。雲の躍動感、青空のさわやかな色など、見た目より鮮やかに映し出してくれます。影の部分が、若干アンダー気味なのが気になるところです

ただし、HDRは太陽光が強い場面だと、一部白飛びしたり、暗部が黒く沈んでしまうことがありました。それでも、スポーツからVlogスタイルでの撮影でも十分満足できる画質だと思います。

撮影の画角は、標準(歪み補正)、広角、超広角の3つから選べます。手ブレ補正は、すべての解像度とフレームレートで使える「Rock Steady 3.0」と、手ブレ補正に最大45度の水平維持が加わった「HrizonBalancing」、手ブレ補正に360度の水平維持が加わった「HorizonSteady」が用意されています。

撮影の画角は、左から順番に標準(歪み補正)、広角、超広角の3つが用意されています

撮影の画角は、左から順番に標準(歪み補正)、広角、超広角の3つが用意されています

「Osmo Action 3」は3つの手ブレ補正モードを搭載。右に行くほど補正の強度は高くなりますが、それに伴ってクロップの範囲も大きくなります

「Osmo Action 3」は3つの手ブレ補正モードを搭載。右に行くほど補正の強度は高くなりますが、それに伴ってクロップの範囲も大きくなります

手ブレ補正については、標準の「Rock Steady 3.0」でも非常に高いレベルを実現しています。自転車に取り付けて走行したり、階段をジャンプしながら走り下りたりしても、揺れをほとんど感じないレベルまで低減してくれます。アクションカムの手ブレ補正と言えばGoProのイメージが強かったですが、DJIも3代目にしてGoProと同レベルのクオリティに近づいたと思います。こちらは、テキストでは伝わりづらいと思いますので、記事上部の動画(5:29〜)を参考にしてください。

基本スペックで大きな特徴となるのが、1770mAhのエクストリームバッテリーによる長時間駆動です。1080p/30fps、手ブレ補正オフ、画面オフの状態で最大160分の連続駆動が可能とのこと。レビューでは、動画撮影や設定の調節などを行ったところ、バッテリーは10分で7%減少しました。外出先で使用することが中心になるアクションカムで、この長時間駆動は大きな長所と言えます。

最大160分の連続駆動が可能なエクストリームバッテリー

最大160分の連続駆動が可能なエクストリームバッテリー

さらに、-20℃の低温環境でも、最大150分の連続撮影が可能です。これなら冬場の撮影から、スキーなどのウィンタースポーツの撮影にも対応できそうです。なお、18分で0から80%まで充電できる急速充電にも対応しています。

過酷な環境でも動作する特徴に加えて、タフネス設計の魅力のひとつ。後述する、マグネット式のクイックリリース設計により、グリップと本体取り付け部の耐衝撃性がアップ。また、レンズ保護カバーには、摩耗や傷に強い高強度のゴリラガラスを採用。1.5mの耐衝撃性を実現しています。

最後に内蔵マイクの音質について解説。本機のマイクは、本体の正面に2つ、そして底面にひとつの合計3つが搭載されています。音声は、ステレオ/モノラルの、指向性オーディオのオフ/前方、風ノイズ低減のオン/オフが可能です。

動画レビュー(動画内4:17〜)では、チャンネルをステレオ、指向性オーディオを前方、風ノイズ低減をオンにしてみたところ、アクションカムとしては非常にクリアな音声が録音できました。これは、Vlogスタイルで撮影する人にはうれしいポイントではないでしょうか。

タッチ操作可能なデュアルディスプレイ&クイックリリース設計で使い勝手は優秀

「Osmo Action 3」を実際に使っていて、使い勝手の高さを実感したのが、ディスプレイとクイックリリース設計です。順番に解説していきます。

ディスプレイは、前面と背面の両方に搭載されており、前面が1.4インチ(326ppi、320×320)、背面が2.25インチ(326ppi、360×640ドット)です。大きな特徴になるのが、背面だけでなく前面のディスプレイもタッチ操作が可能なこと。普通は、前面のディスプレイはセルフィーで撮る際のプレビューを確認する意味あいが大きいのですが、「Osmo Action 3」は、前面のディスプレイですべての設定が調節可能になっています。

前面と背面の両方のディスプレイがタッチ操作に対応。タッチレスポンスも良好でした

前面と背面の両方のディスプレイがタッチ操作に対応。タッチレスポンスも良好でした

つまり、セルフィーの際に解像度やFPSなどを調節したいときに、わざわざカメラを後ろに向けて……とする必要がないわけです。レスポンスも悪くなく、これは撮影時に便利でした。

そして、次はクイックリリース設計。これが画期的なんですよね。普通のアクションカムの場合、というかGoProの場合、底面のツメをマウント側のツメに差し込んで、それをネジで留める必要があります。

「Osmo Action 3」の場合は、ツメのパーツがマウントとして本体から独立しており、これをあらかじめグリップなどのマウントにネジで固定します。そして、ツメのパーツを「Osmo Action 3」本体に取り付けるのですが、これがマグネット式になっているので、本体に近づけて押し込むだけで取り付けが完了するんです。テキストだと、なかなか伝わりづらいので、ぜひ動画で見てほしいところです。

グリップなどのアクセサリーの取り付けが簡単に行えるクイックリリース設計。横向きから縦向きへの切り替えもスムーズ

グリップなどのアクセサリーの取り付けが簡単に行えるクイックリリース設計。横向きから縦向きへの切り替えもスムーズ

さらに、「Osmo Action 3」は、底面に加えて側面にもマウントを取り付けることが可能。つまり、縦向きでの撮影も行えるというわけです。しかも、クイックリリース設計で付け替えが簡単なので、横向きと縦向きを素早く切り替えることができます。

縦向きで撮影すれば、SNSへの投稿も簡単

縦向きで撮影すれば、SNSへの投稿も簡単

そのほかの特徴は、microSDメモリーカード(最大256GB)対応、防水性能は水深16m(防水ケースなし)/水深60m(防水ケース使用時)で、動作環境温度は-20℃から45℃などとなっています。

DJI「Osmo Action 3」は、エクストリームスポーツにも対応するタフネス設計でありながらも、Vlogスタイルなどでも取り入れやすい高い使い勝手と長時間駆動が魅力のアクションカムです。

GoProの最新モデル「HERO11 Black」と比べると、動画の解像度など画質面で劣る部分もありますが、バッテリー持続時間や使い勝手という部分では勝っている部分もあります。さらに、最大約24,000円(HERO11 Black、サブスクなし版と比較)という価格差を考えれば、「Osmo Action 3」のコスパはかなり優秀です。

水川悠士(編集部)

水川悠士(編集部)

最新ガジェットとゲームに目がない雑食系ライター。最近メタボ気味になってきたので健康管理グッズにも興味あり。休日はゲームをしたり映画を見たりしています。

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