デジカメ初心者ライターである私、大木亜希子がカメラについて勉強していく本連載!
2018年に「総額3万円でコスパ最強カメラとレンズを購入することは可能か」というテーマで前編・後編の2本の記事を掲載したところ、とても大きな反響があり、「多くの人がお手軽な商品を求めているんだな…」としみじみ思ったものです。
そこから約4年。
今回は「令和版3万円企画」と称し、カメラマニア歴数十年のライターの先輩・ゴン川野さんに協力していただきながら、さらにハイスペックな商品を探して参ります!
前編ではプロによる購入時のアドバイスや、中古品が安い理由についても言及していきますね。
やってきたのは、東京・中野駅から徒歩約2分のところにある老舗カメラ販売店「フジヤカメラ」さん。
今回は塩澤店長に解説をしてもらいながら、店内を回ることにしました。
そもそも物価が急騰しているこの時期に、総額3万円でカメラとレンズを購入することは可能なのでしょうか。
すると、店長からこんな心強い言葉が。
「少し前の世代に発売された型落ち中古カメラと中古レンズをかけ合わせれば、組み合わせ次第で3万円以下でも購入できます。ミラーレスもコンデジも、どちらも対象です」
さっそく「この商品なんて、いかがでしょう?」と店長が取り出したのは、「SIGMA DP1」の中古品(フジヤカメラ価格/税込22,000円)。
「世代が古いため動作が少し遅く、暗い場所の撮影は少々苦手ですが、『SIGMAの写りが好き』というお客様に長く愛されている商品です。独自のセンサーを積んでいますし、屋外や風景を撮るぶんには、ほとんど違和感なくご使用いただけると思います」と店長。
また、ゴン川野さんいわく「暗いシーンに弱いなど扱いにくいところはありますが、明るいところならフォビオンセンサー独特の色を楽しめる、個性的なカメラです。スマホの標準画角が28mmで、こちらも同じ単焦点広角レンズを採用しているので、若い世代になじみのある画角で撮れると思います」とのこと。
本体重量も250gと軽量かつコンパクト。新品にこだわらない方は、これで一気に購入のハードルが下がったと思います。
さて、どんどんいきましょう!
塩澤店長:「防水カメラはいかがでしょうか?夏に続いて秋も、川沿いでキャンプなどをするお客様が多いと思います。案外そういう時に『高価な新品カメラを水辺で使い故障させてしまった』という方も多く……。そんな方には、お手ごろかつ最強スペックのこちらの商品がぴったりです」
そう言って持ってきてくれたのは、「RICOH WG-70」(ブラック)の中古品(フジヤカメラ価格/税込28,600円)。
塩澤店長:「現行モデルの『RICOH WG-80』が今年5月に発売されたばかりで、こちらは2020年に発売された商品になります」
型落ち品と、侮るなかれ。
こちらは「全天候アドベンチャーモデル」と称し、あらゆるアウトドア向けの機能が付いた最強カメラなんだそう。
なんと、水中から雪山までカバーできるよう水深14mで連続2時間水中撮影ができる防水機能を搭載。高さ1.6mから落下しても耐えうる「耐落下衝撃性能」が付いているというから驚きです。
さらに広角28mmからの光学5倍ズームも搭載し、ホコリに強いIP6X相当の防塵性能や、氷点下10度で作動する耐寒性能も付いているというから無敵……。
このカメラの新品価格の相場をインターネットで検索したところ、約33,000円でした。
あくまでフジヤカメラさんの価格帯とはいえ、中古になっただけでだいぶお手ごろに。
小さなお子さんとアウトドアに行く予定があるカメラ初心者のママ&パパは、まずは一世代前のアイテムを使ってみるのもアリかもしれません。
どのような写真が撮れるのか、作例を撮ってみました。
最新機種と比べると鮮やかさは劣るものの、くっきりとした印象。個人的には申し分ない印象を受けます。
そもそも、「なぜカメラはこんなに中古になると安いのか?」と直球で質問してみました。
塩澤店長:「中古品が市場に多く出回っているため相場が安くなるケースも多いですし、あとは多少の傷や汚れなどがあるため、お手ごろになっているケースも多いです」とのこと。
ちなみに、こちらのレンズには「中玉汚れ」と値札に書いてあります。
「中玉」とは、内部にある真ん中のレンズのこと。そこに若干の汚れが確認できたそうです。
フジヤカメラは検品の際にこうしてライトを使い、レンズ内部にホコリや汚れ、カビや傷がないかチェックしているそう。
汚れや傷が目立つケースもありますが、値札にAランク(美品)やBランク(並品)など記載もあるため、購入時にはここをチェックすると安心だそうです。
新品市場の半額以下でハイスペックなカメラが購入できるなんて、中古品の魅力を改めて感じました。
初心者の方は、手始めに中古カメラを買って、操作に慣れたあとに上級者向けのカメラを買うという戦略もアリですね。
後編では、ミラーレスカメラにスポットを当ててご紹介します。次回もお楽しみに!
取材協力:フジヤカメラ
ドラマ『野ブタ。をプロデュース』で女優デビュー数々のドラマに出演後、2010年SDN48として活動開始。2015年、しらべぇ編集部に入社しPR記事を担当する。2018年、独立。Twitterはコチラ。