ニュース

「OM SYSTEM」ロゴを冠する第1弾モデル! 高機能な小型・軽量ミラーレス「OM-5」が11月に発売

OMデジタルソリューションは、マイクロフォーサーズシステム規格を採用するミラーレスカメラの新モデル「OM SYSTEM OM-5(以下、OM-5)」を11〜12月に発売する。スタンダードモデル「OM-D E-M5 Mark III」(2019年11月に発売)の後継機で、新しいブランドロゴを初めて採用する注目製品だ。デザインや性能・機能の特徴を紹介しよう。

「E-M5 Mark III」の後継機として登場する「OM-5」(シルバーカラーモデル、装着しているレンズは標準ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」)。スタンダードモデルとしては約3年ぶりのリニューアルだ

「E-M5 Mark III」の後継機として登場する「OM-5」(シルバーカラーモデル、装着しているレンズは標準ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」)。スタンダードモデルとしては約3年ぶりのリニューアルだ

ペンタ部に「OM SYSTEM」ロゴを採用。キットレンズも「OM SYSTEM」ロゴ仕様に

「OM-5」の外観で最も目を引くのは、ペンタ部のロゴ。OMデジタルソリューションのカメラとして初めて、新ブランド「OM SYSTEM」のロゴが刻まれている。

ペンタ部に「OM SYSTEM」のロゴを初採用。ボディのデザインは「E-M5 Mark III」を踏襲している。上面左肩の操作部(電源レバーとLVボタン/連写ボタン)は、「E-M5 Mark III」のシルバーからブラックにカラーが変更された

ペンタ部に「OM SYSTEM」のロゴを初採用。ボディのデザインは「E-M5 Mark III」を踏襲している。上面左肩の操作部(電源レバーとLVボタン/連写ボタン)は、「E-M5 Mark III」のシルバーからブラックにカラーが変更された

OMデジタルソリューションは2021年10月に、新ブランド「OM SYSTEM」を立ち上げ、同ブランドの第1弾モデルとしてフラッグシップモデル「OM-1」を2022年3月に発売したが、「OM-1」には、従来の「OLYMPUS」ロゴを採用していた。新ブランドのスタートから約1年が経過し、今回、ついに新ブランドロゴを冠するカメラが登場したのである。

また、同社は、「OM-5」の発表と同時に、「OLYMPUS」ブランドのレンズ、双眼鏡、アクセサリー、ICレコーダーのブランド名を「OM SYSTEM」に順次切り替えていくことも公表。「OM-5」では、レンズキットに付属するキットレンズ(高倍率ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II」、もしくは標準ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」)にも、「OM SYSTEM」ロゴが採用される。

「OM-5」はキットレンズも「OM SYSTEM」で統一されている。左が高倍率ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II」で、右が標準ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」

「OM-5」はキットレンズも「OM SYSTEM」で統一されている。左が高倍率ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II」で、右が標準ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」

防塵・防滴・-10℃耐低温ボディに「E-M1 Mark III」の基本性能を搭載。ボディ内5軸手ぶれ補正は最大6.5段にスペックアップ

「OM SYSTEM」は、「人生にもっと望遠を」というメッセージを掲げ、アウトドアで積極的に使用できるカメラの開発・商品化を進めている。事実、先に発売されたフラッグシップモデル「OM-1」は、厳しい環境下での使用に耐えうる信頼性の高い小型・軽量ボディに高性能・高機能を搭載し、プロやハイアマチュアから支持を得ている。

今回の「OM-5」は、「OM SYSTEM」のブランドフィロソフィーを、よりコンパクトなボディで具現化したモデルだ。125.3(幅)×85.2(高さ)×49.7(奥行)mmで重量414g(付属バッテリーおよびメモリーカード含む、アイカップなし)という、従来モデル「E-M5 Mark III」と同じサイズ・重量の小型・軽量ボディに効果的なシーリングを施すことで、フラッグシップモデル「OM-1」と同等の保護等級IP53の防塵・防滴性能と、-10℃の耐低温性能を実現している。

ボディ各所にシーリングを施し、「OM-1」と同等の防塵・防滴保護等級IP53を達成

ボディ各所にシーリングを施し、「OM-1」と同等の防塵・防滴保護等級IP53を達成

基幹デバイスは、撮像素子に有効約2037万画素のLive MOSセンサーを、画像処理エンジンに「TruePic IX」を採用。かつてのフラッグシップモデル「E-M1 Mark III」と同等の組み合わせだ。AFは121点オールクロス像面位相差AFセンサーによるシステムで、縦11点/横11点から任意の奇数を選択してAFエリアを配置できる「カスタムAFターゲットモード」や、天体撮影時に便利な「星空AF」など、上位モデルに採用されている機能も実装した。

さらに、「OM SYSTEM」のカメラの特徴として見逃せない、ボディ内5軸手ぶれ補正も進化。補正効果は、「E-M5 Mark III」から1段分向上した最大6.5段だ。対応レンズとの組み合わせによる「5軸シンクロ手ぶれ補正」では、最大7.5段の補正効果が得られる。

最大6.5段の補正効果を持つボディ内5軸手ぶれ補正を搭載。レンズ側の手ぶれ補正と協調して動作する「5軸シンクロ手ぶれ補正」にも対応する

最大6.5段の補正効果を持つボディ内5軸手ぶれ補正を搭載。レンズ側の手ぶれ補正と協調して動作する「5軸シンクロ手ぶれ補正」にも対応する

最高シャッタースピードはメカシャッターが1/8000秒、電子シャッター1/32000秒。記録メディアはSDメモリーカード(UHS-II対応)のシングルスロットだ。連写性能は最高約10コマ/秒で、10コマ/秒連写時の最大撮影枚数はRAWが約149コマ、JPEG(LF:Large/Fine)がカード容量いっぱいまで。対応バッテリーは「BLS-50」で、撮影可能枚数は標準モードで310枚、低消費電力撮影モードで660枚。このあたりのスペックは「E-M5 Mark III」とほぼ同等だ。

「E-M5 Mark III」と同様に、3.0型のバリアングル液晶(約104万ドット、タッチパネル対応)と、約236万ドット/倍率約0.69倍(35mm判換算)の有機ELファインダーを搭載

「E-M5 Mark III」と同様に、3.0型のバリアングル液晶(約104万ドット、タッチパネル対応)と、約236万ドット/倍率約0.69倍(35mm判換算)の有機ELファインダーを搭載

上面右肩に、ロック機構付きの撮影モードダイヤル、リアダイヤル、フロントダイヤルなどが備わっている

上面右肩に、ロック機構付きの撮影モードダイヤル、リアダイヤル、フロントダイヤルなどが備わっている

搭載するインターフェイスは、マイク端子、リモートケーブル端子、HDMIマイクロ端子(Type D)、USB Micro-B端子。USB端子経由でバッテリー充電が行える(電源オン時の給電は不可)。また、USBビデオクラス/オーディオクラスに対応しており、「E-M5 Mark III」では非対応だったWebカメラ機能を搭載。専用ソフト「OM Webcam Beta」をインストールすることなく、PCとUSB接続することでWebカメラとして使用できる。

「E-M5 Mark III」用の外付けグリップとして発売されている「ECG-5」をそのまま装着できる

「E-M5 Mark III」用の外付けグリップとして発売されている「ECG-5」をそのまま装着できる

充実した「コンピュテーショナル フォトグラフィ」機能を搭載

「OM SYSTEM」は、オリンパス時代から培ってきた、カメラ内の画像処理を活用する各種撮影機能を、フラッグシップモデル「OM-1」で「コンピュテーショナル フォトグラフィ」という名称でまとめ、再構築した。「OM-5」も同様に「コンピュテーショナル フォトグラフィ」機能としてまとめられている。

「OM-5」の「コンピュテーショナル フォトグラフィ」の主な機能は以下のとおり。「プロキャプチャー」の記録コマ数など、処理性能に左右される機能のスペックは少し落ちるものの、利用できる機能自体は、かつてのフラッグシップモデル「E-M1 Mark III」とほぼ同じ内容だ。

・画像を複数枚撮影・合成して約5000万画素の高解像写真を生成する「ハイレゾショット」
・カメラのみでスローシャッター効果が得られる「ライブND」(減光効果1〜4段)
・光跡の状態を確認しながら比較明合成写真を記録する「ライブコンポジット」
・露出や仕上がりを確認しながらバルブ撮影による長時間撮影が可能な「ライブバルブ」
・最大9999コマに対応する「インターバル撮影」と「タイムラプス動画撮影」
・ピント位置の異なる8枚の写真を撮影・合成する「深度合成」
・2ndレリーズからさかのぼって最大14コマを記録できる「プロキャプチャー」

従来モデル「E-M5 Mark III」からの機能強化としては、これまで上位モデルのみの機能だった「手持ちハイレゾショット」に対応するのがトピック。スローシャッターで撮ったような被写体の動きを表現できる「ライブND」も搭載する。「インターバル撮影」には、タイムラプス動画撮影時に便利な露出平準機能が追加されている。

このほか、動画撮影機能は4K/30pの時間無制限記録に対応。動画専用の電子手ぶれ補正を組み合わせることで、手持ちでも安定した映像を記録できる。カラーグレーディングの際に便利なログ撮影「OM-Log」にも対応。カメラを縦位置にして撮影した場合、縦位置の動画ファイルとして保存できる機能も新たに搭載した。

同社のハイレゾ対応リニアPCMレコーダー「LS-P5」をカメラに接続することで、より高音質な記録が可能

同社のハイレゾ対応リニアPCMレコーダー「LS-P5」をカメラに接続することで、より高音質な記録が可能

カラーバリエーションとしてブラックも用意されている

カラーバリエーションとしてブラックも用意されている

まとめ 着実に進歩した「ミニE-M1 Mark III」と呼べるカメラ

「OM-5」は、小型・軽量ボディに、かつてのフラッグシップモデル「E-M1 Mark III」の基本性能を搭載しており、「ミニE-M1 Mark III」と呼べるカメラだ。大幅な進化とまでは言えないが、従来モデル「E-M5 Mark III」から着実に進歩している。特に、「手持ちハイレゾショット」や「ライブND」など、使い方の幅を広げる撮影機能を使えるようになったのがポイントだ。

防塵・防滴保護等級IP53に対応する高信頼性の小型・軽量ボディ、最大6.5段の補正効果を発揮するボディ内5軸手ぶれ補正、多彩な撮影が可能な「コンピュテーショナル フォトグラフィ」機能。こうした特徴を踏まえると、「OM-5」のキャッチコピーが「アドベンチャーの相棒」というのも納得できる。アウトドアに積極的に持ち出して軽快に撮影が楽しめるカメラとして、幅広い層から注目される存在になりそうだ。

各ラインアップの発売予定と価格.com最安価格(税込、2022年10月30日時点)は以下のとおり。

ボディ単体 2022年11月 146,520円
14-150mm II レンズキット 2022年11月 176,220円
※高倍率ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II」が付属
12-45mm F4.0 PRO レンズキット 2022年12月 176,220円
※標準ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」が付属

真柄利行(編集部)

真柄利行(編集部)

フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣を持つ。フォトグラファーとしても活動中。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
プレゼント
価格.comマガジン プレゼントマンデー
SPECIAL
ページトップへ戻る