今週発売される新製品の中から注目度の高い製品を、さまざまなカテゴリから横断ピックアップして紹介する連載「今週発売の注目製品ピックアップ」。今週は、富士フイルムのミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T5」や、ソニーのフルサイズミラーレスカメラ「α7R V」、リコーイメージングのAPS-Cデジタル一眼レフカメラ「PENTAX KF」を紹介する。
2022年11月25日(金)発売
富士フイルムから、ミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T5」が登場。ボディ単体に加えて、 レンズキット(「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」付属)をラインアップする。
撮像素子に、「Xシリーズ」第5世代の裏面照射型約4020万画素「X-Trans CMOS 5 HR」センサー(APS-Cサイズ)を採用したモデル。画素構造の改良により多くの光を効率的に取り込めるため、従来モデルでは拡張感度であった、ISO125を常用感度として利用できる。また、露光時間の制御を高い精度で実現し、電子シャッターのシャッタースピードを最速1/180000秒に設定できるという。加えて、高速画像処理エンジン「X-Processor 5」も備えた。
AF機能では、ディープラーニング技術を用いて開発した、被写体検出AFを装備。動物・鳥・車・バイク・自転車・飛行機・電車をAIで検出する。ピントを合わせたまま、ねらった被写体を自動的に追尾するため、シャッターチャンスや構図に集中して撮影を楽しめるとのことだ。
また、イメージセンサーの高画素化によって、位相差画素の数が従来モデルから増加したことで、動物の毛や細かい葉っぱなどの高周波な被写体に対して、AF-Sの合焦精度が向上したのも特徴。風景やポートレート撮影などで、より正確なピント合わせが可能だ。進化したAFの予測アルゴリズムを採用し、AF-C使用中も安定したフォーカシングを行える。
このほか、5軸・最大7.0段のボディ内手ブレ補正機能を搭載。ボディ天面には、ISO感度・シャッタースピード・露出補正という3つのダイヤルを装備する。
動画撮影では、6.2K/30p 4:2:2 10bitでのカメラ内SDメモリーカード記録をサポート。6.2Kの豊富なデータ量から高品質な4K映像を生成する「4K HQ」モードにも対応する。さらに、階調豊かな映像記録が可能な「F-Log2」を搭載。HDMI経由では、最大6.2K/30p 12bitのRAWデータ出力が可能だ。
ボディは、防塵、防滴、耐低温-10度の耐低温構造を採用。背面には、タッチ対応で3型の3方向チルト液晶モニター(約184万ドット)を装備。電子ビューファインダー(EVF)は、ファインダー倍率0.8倍で0.5型の有機ELファインダー(約369万ドット)を備える。外部記録媒体では、SDメモリーカード対応のデュアルスロットを備えた。
バッテリーは、充電式バッテリー「NP-W235」(リチウムイオンタイプ)を使用。静止画撮影可能枚数(「XF35mmF1.4R」使用時)は、エコノミーモード時が約740枚、ノーマルモード時が約580枚。
本体サイズは129.5(幅)×91(高さ)×37.9〜63.8(奥行)mm、重量は約557g(バッテリー、 メモリーカード含む)、約476g(バッテリー、メモリーカード含まず)。ボディカラーは、シルバー、ブラック。
2022年11月25日(金)発売
ソニーから、フルサイズミラーレスカメラ「α7R V ILCE-7RM5」が登場する。
撮像素子に、有効約6100万画素の裏面照射型CMOSイメージセンサー「Exmor R」を採用したモデル。最新の画像処理エンジン「BIONZ XR」も装備し、「α史上最高(2022年10月広報発表時点、ソニー内部測定、低感度時において)の解像性能と豊かな階調性能、高い感度性能を実現し、被写体の質感や光のニュアンス、豊かな色彩を臨場感高く描写する」と同社では説明する。
AF機能では、AIプロセッシングユニットによるディープラーニング技術や処理能力が向上し、「リアルタイム認識AF」では、より高精度かつ多種類の被写体を認識。たとえば、人物を撮影する際、人物が複雑な姿勢であったり、顔が隠れていたりした場合も、「最新の姿勢推定技術を用いて被写体を精度高くとらえ、追尾できる」とのこと。これにより、人物の瞳の認識精度は、「α7R IV」比で約60%(ソニー測定条件による。「α7R IV」との比較において)向上するという。
また、認識できる被写体として、従来の人物、動物に加えて、 「α7R」シリーズとして新たに、鳥や昆虫、車や列車、飛行機も認識できるようになった。加えて、「α7R IV」より広い約79%(静止画撮影時)のエリアに、最大693点の像面位相差点を高密度に配置し、高精度なAFを実現するという。
さらに、進化したボディ内光学式5軸手ブレ補正ユニットおよび手ブレ補正アルゴリズムにより、α史上最高の8段の手ブレ補正効果に対応。撮影感度を上げたくない室内や夜景撮影などのスローシャッターでの手持ち撮影に効果を発揮する。また、電源オン直後や構図変化時の補正レスポンスが向上するなど、使い勝手も向上した。
動画撮影では、高解像度8K(7680×4320ドット)/24pの動画記録をサポートし、HEVC/H.265コーデックの記録フォーマットXAVC HS方式で内部記録できる。4K動画記録時は、表現や用途に合わせて、フルサイズとSuper 35mmから選択可能。Super 35mm(APS-Cサイズ相当 16:9)の画面領域では、画素加算のない全画素読み出しにより、4K(QFHD:3840×2160ドット)動画に必要な画素数の約2.6倍(Super 35mm、30pまたは24p撮影時)の豊富な情報量から4K映像で記録。モアレやジャギーが少なく、ディテールの再現性や解像感にすぐれるという。
このほか、背面には、従来のチルト液晶モニターと横開きバリアングル液晶モニターの利便性を兼ね備えたという、ソニー独自の4軸マルチアングル液晶モニター(タッチ対応、3.2型、約209万ドット)を装備。電子ビューファインダー(EVF)は0.64型で、解像度が約944万ドットだ。外部記録媒体のサポートでは、スロット1(上)、スロット2(下)ともに、CFexpress Type AメモリーカードとSDXC/SDHCメモリーカード UHS-II/UHS-Iに対応する。
バッテリーは、リチャージャブルバッテリーパック「NP-FZ100」を使用。静止画撮影可能枚数は、ファインダー使用時が約440枚、液晶モニター使用時が約530枚。本体サイズは131.3(幅)×96.9(高さ)×72.3〜82.4(奥行)mm。重量は約723g(バッテリーとメモリーカードを含む)、約638g(本体のみ)。
2022年11月25日(金)発売
リコーイメージングから、スタンダードクラスのAPS-Cデジタル一眼レフカメラ「PENTAX KF」が発売。ボディ単体に加えて、「PENTAX KF 18-55WRキット」をラインアップする。
撮像素子に、23.5mm×15.6mmの有効約2424万画素CMOSセンサーを装備したモデル。光学ローパスフィルターレス仕様を採用する。また、アクセラレーターユニットと高速画像処理エンジン「PRIME MII」との組み合わせによって、各ISO感度でのノイズを抑制し、ISO102400の超高感度撮影をはじめ、階調再現性や質感描写にすぐれた画像が得られるという。
ボディには、100か所におよぶシーリングを施した防塵・防滴構造と、-10度までの動作を保証するという耐寒性能を装備。さらに、手袋装着時のホールド性にも配慮してデザインしたグリップや背面ボタン、モードダイヤル形状なども特徴だ。
手ぶれ補正では、カメラ本体に内蔵した手ぶれ補正機構「SR(Shake Reduction)」によって、望遠撮影時やフラッシュオフ撮影、夕暮れ時の風景など、手ぶれを起こしやすい撮影条件でも、手ぶれを効果的に補正するとのこと。高精度ジャイロセンサーの搭載によって、4.5段分の高い補正効果を実現する。流し撮り撮影時には、切り替え操作なしで常に最適な撮影が行えるよう、カメラが一定方向への振りを検知し、SRユニットを制御するという。
加えて、イメージセンサーユニットを1画素ずつ微細にずらしながら、4回撮影した画像を1枚の画像に合成する超解像技術「リアル・レゾリューション・システム」を装備。また、連続撮影中に動体と感知した部分だけを検出して、画像合成時の影響を低減する、動体補正(動体の動き方によっては補正できない場合がある。また、すべての被写体で効果を保証するものではない)のオン/オフ機能を備えており、利用シーンの幅を広げるとのことだ。
このほか、ガラスペンタプリズムの光学ファインダー(視野率約100%、ファインダー倍率約0.95倍)を装備。背面には、バリアングル式の3型液晶モニター(約103.7万ドット)を搭載する。外部記録媒体は、SD/SDHC/SDXCメモリーカード(SDHC/SDXCメモリーカードはUHS-I規格に対応)をサポート。動画撮影は、フルHD記録(1920x1080、60i/50i/30p/25p/24p)に対応。電源は、充電式リチウムイオンバッテリー「D-LI109」を使用する。
本体サイズは125.5(幅)×93(高さ)×74(奥行)mm(突起部を除く)、重量は約684g(バッテリー、SDメモリーカードを含む)/約625g(本体のみ)。
ボディカラーは、ブラック、クリスタルブルー、クリスタルホワイトを用意。なお、クリスタルブルー、クリスタルホワイトは全世界各700台の数量限定モデルとなっており、国内では、リコーイメージングストアをはじめ公式ECショップ、PENTAXクラブハウスのみで取り扱う。
新しいもの好きで、アップルやソニーと聞くだけでワクワク・ドキドキ。デジタル好きだが、最近はアナログにも興味が出てきたアラフォー編集者。