デジカメ初心者ライターである私、大木亜希子がカメラについて勉強していく本連載!
前回、「令和版3万円企画」と称し、総額3万円で購入できる中古カメラをご紹介しました。
その結果、たくさんの人に記事が読まれ、「やっぱり安さって大事…!」と思ったものです。
そこで今回は、中古カメラの中でもアイテム数が比較的多く、コスパにすぐれたマイクロフォーサーズ規格に絞り、手ごろな価格で購入できる中古カメラ・レンズを徹底調査してきました。
カメラマニア歴数十年のライターの先輩・ゴン川野さんに協力していただきながら、
・初心者でも使いやすい
・そのレンズならではの写真が撮れる
・ボディ+レンズ合わせて総額3万円代
この基準に沿って、掘り出し物のアイテムを探して参ります。
マイクロフォーサーズとは、ミラーレスであることを前提とした、4/3型(17.4×13.0mm)の大きさの撮像素子を採用する規格の総称です。
川野さんいわく、「オリンパスやパナソニック、シグマなどの複数のメーカーがマイクロフォーサーズ規格のカメラやレンズを展開しており、互換性もしっかりと担保されているので、マイクロフォーサーズ規格同士であればメーカーが異なる組み合わせもできるのが特徴です」とのこと。
今回は価格だけではなく、それぞれの製品のスペックにも注目して紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
やってきたのは、前回と同じく東京・中野駅から徒歩2分のカメラ販売店「フジヤカメラ」。
今回も、カメラのプロである塩澤店長に解説をしていただきながら、店内で魅力的な製品を探していきます。
まず店長が持ってきてくれたのは、パナソニックのミラーレスカメラ「LUMIX GM1」のキットレンズにもなっている「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」。
塩澤店長いわく、「市場に出回っている数が多いので、中古製品の相場自体が安い傾向」とのこと。
ちなみに取材にうかがった日の価格は13,200円(税込)でした。ミラーレスカメラのレンズとは思えないほどの価格ですね。(※2022年11月28日時のフジヤカメラ価格)
新品のメーカー希望小売価格は46,200円(税込)なので、約3分の1の金額……!
とはいえ、もちろん中古品なので製品のコンディションや価格には個体差があります。
今回、こちらで取り上げたレンズは「ABマイナス」ランクなので、フジヤカメラ基準においてキズや塗装の落ちが目立つ通常使用されたアイテム。
目視では目立つキズはわかりませんでしたが、購入時は十分にご注意くださいね〜。
さて、このレンズの強みは、なんと言っても「2段沈胴機構」を採用していて、軽量かつコンパクトなこと。
川野さんいわく、「焦点距離24mm-64mm(35mm判換算)の標準ズームレンズは使いやすく、収納する際に全長が短くなるので、コンパクトに持ち運びできる点が魅力」とのこと。
また、塩澤店長いわく、「シルバーとブラックの2つのカラーバリエーションから選べる点も“推しポイント”」とのことでした。
実際にパナソニックのミラーレスカメラ「LUMIX GM1」の中古製品に装着してみましたが、とてもコンパクトです。
ちなみに、取材にうかがった日の「LUMIX GM1」の価格は20,900円(税込)だったので、レンズと組み合わせても3万円台で購入できちゃいます。(※2022年11月28日時のフジヤカメラ価格)
さっそく「LUMIX GM1」と「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」と組み合わせた作例を見てみましょう。
フジヤカメラさん店舗の軒先で撮影しましたが、背景の色彩までしっかりと高いコントラストで描写されており、人物撮影にも申し分ないと感じました。
続いて、七工匠(しちこうしょう)「7Artisans 7.5mm F2.8 FISH-EYE II」という魚眼レンズを紹介いただきました。取材にうかがった日の価格は9,350円(税込)。
組み合わせるボディは、パナソニックの「LUMIX GX7」。こちらの価格は24,200円です。さっそく両製品を組み合わせて撮影してみました。
こちらも先に作例を見てもらったほうが早いですね。
ご覧のとおり、幻想的な歪みがとても面白いです。
実生活では使うシチュエーションが少なく、ニーズはそれほどないかと思いきや、“フィッシュアイ”はカメラ好きにはなかなか人気の製品とのこと。
塩澤店長いわく、「アルミニウム合金を使用した外観や、ケラレ(※)の心配がない鏡筒一体型のレンズフードも“推しポイント”」だそうです。
※ケラレ……写真の周辺にレンズフードが写り込んでしまうこと。
最後にご紹介するのは、オリンパスのマクロレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro」。取材にうかがった日の価格は24,200円(税込)でした。
こちらも先ほどと同じく、パナソニック「LUMIX DMC-GX7」ボディに着けて撮影をしてみました。ちなみに、こちらはカメラのボディ+レンズで総額が48,400円と予算オーバーです……。
私のイヤリングを被写体にした作例がこちらです。
よく見ると耳元の産毛までわずかに描写されており、すぐれた解像性能を誇っています。
こちらのレンズの大きな特徴は、最大撮影倍率2.5倍のところ(※35mm判換算)。肉眼ではとらえられない世界観も、鮮明に表現できるところが大きな魅力ですよね。
また、光学性能にもすぐれており、変形が少ないきれいな「円形ぼけ」も表現できるということで、お花や植物、昆虫などの撮影にももってこいです。自然豊かな場所に旅行に行く際や、山登りなどをする人には、かなりおすすめのレンズと言えそうです。
ここまで3本の特徴あるマイクロフォーサーズレンズをご紹介させていただきました。
カメラ初心者の方は、レンズキットを購入して付属の“レンズキット”のみ使っているという人も多いかと思いますが、用途に合わせて交換レンズを購入し、新しい撮影スタイルにも挑戦してみることで、世界観がぐっと広がります。
私も今回取材するまでは、「レンズって種類がありすぎてなにを選んだらよいかわからない」と思っていましたが、色々な性能を知ることができて、勉強になりました。
また、中古製品だと、比較的安価で手に入れやすいのもうれしい点ですね。さまざまなレンズを試して、「これぞお気に入り」と思えるレンズを見つけてみてください。
それでは、次回もお楽しみに!
ドラマ『野ブタ。をプロデュース』で女優デビュー数々のドラマに出演後、2010年SDN48として活動開始。2015年、しらべぇ編集部に入社しPR記事を担当する。2018年、独立。Twitterはコチラ。