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キヤノン「EOS R8」「EOS R50」発表! 軽快な撮影を楽しめる“小型・軽量”が魅力

左が「EOS R8」で、右が「EOS R50」。いずれも小型・軽量ボディに上位モデルゆずりの高性能を搭載しているのが特徴だ

左が「EOS R8」で、右が「EOS R50」。いずれも小型・軽量ボディに上位モデルゆずりの高性能を搭載しているのが特徴だ

キヤノンは2023年2月8日、ミラーレスカメラ「EOS Rシリーズ」の新モデルとして、フルサイズミラーレス「EOS R8」とAPS-Cミラーレス「EOS R50」を発表した。いずれも、フルサイズ/APS-Cそれぞれのカテゴリーにおいて、エントリー向けに位置するモデルだ。実機の外観画像などを掲載し、特徴を紹介しよう。

“フルサイズ入門”に適したエントリーフルサイズ「EOS R8」

「EOS R8」に新登場の標準ズームレンズ「RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM」を組み合わせたイメージ。「RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM」は全長約58mm/重量約210gの小型・軽量な沈胴式レンズ。「EOS R8」のキットレンズとして用意されている

「EOS R8」に新登場の標準ズームレンズ「RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM」を組み合わせたイメージ。「RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM」は全長約58mm/重量約210gの小型・軽量な沈胴式レンズ。「EOS R8」のキットレンズとして用意されている

「EOS R8」は、「EOS Rシリーズ」全体のラインアップの中ではミドルレンジに、フルサイズミラーレスの中ではエントリーに位置するモデルだ。

最大の特徴は、「EOS R8」の上位に位置するスタンダードモデル「EOS R6 Mark II」(2022年12月)の基本性能を継承しつつ、下位に位置する小型・軽量モデル「EOS RP」(2019年3月発売)のサイズ感をキープしていること。重量(バッテリー、カード含む)は「EOS RP」よりも約24g軽い約461g(バッテリー、カード含む)に収まっている。2023年2月8日時点では、「EOS Rシリーズ」のフルサイズ機として最軽量だ。

EOS R8
サイズ:約132.5(幅)×86.1(高さ)×70.0(奥行)mm
重量:約461g(バッテリー、カード含む)

EOS RP
サイズ:約132.5(幅)×85.0(高さ)×70.0(奥行)mm
重量:約485g(バッテリー、カード含む)

ボディ上面の操作性は上位モデル「EOS R6 Mark II」を継承。左肩に、静止画撮影/動画撮影の切り替えスイッチを、右肩に、オンとオフの間にマルチ電子ロック機能を備えた電源スイッチを搭載している。音声のデジタル入力などが可能なマルチアクセサリーシューも装備

ボディ上面の操作性は上位モデル「EOS R6 Mark II」を継承。左肩に、静止画撮影/動画撮影の切り替えスイッチを、右肩に、オンとオフの間にマルチ電子ロック機能を備えた電源スイッチを搭載している。音声のデジタル入力などが可能なマルチアクセサリーシューも装備

3.0型バリアングル液晶モニター(約162万ドット、タッチパネル対応)を採用。フォーカスポイントの移動などの操作を行うマルチコントローラーは非搭載

3.0型バリアングル液晶モニター(約162万ドット、タッチパネル対応)を採用。フォーカスポイントの移動などの操作を行うマルチコントローラーは非搭載

「EOS R8」のAFや連写性能は上位モデル「EOS R6 Mark II」と同等の内容だ。

AFシステムは、横:最大約100%×縦:最大約100%の測距に対応する「デュアルピクセルCMOS AF II」。ディープラーニング技術を活用して開発された被写体検出・追尾技術「EOS iTR AF X」を搭載し、「馬」「鉄道/飛行機」を含めた多彩な被写体検出が可能だ。電子シャッター時の最高約40コマ/秒の超高速連写や、AF追従(AEは1コマ目固定)で約30コマ/秒記録の「RAWバーストモード」なども搭載している。

人物(瞳/顔/頭部/胴体)、動物(犬・猫・鳥)、乗り物(車・バイク・鉄道・飛行機)の被写体検出に対応。カメラが自動で被写体を選択する「自動モード」も用意されている

人物(瞳/顔/頭部/胴体)、動物(犬・猫・鳥)、乗り物(車・バイク・鉄道・飛行機)の被写体検出に対応。カメラが自動で被写体を選択する「自動モード」も用意されている

約30コマ/秒で記録できる「RAWバーストモード」を搭載

約30コマ/秒で記録できる「RAWバーストモード」を搭載

「EOS RP」と同様、メカシャッターが後幕のみで、電子先幕シャッターで動作する点には注意。電子シャッター時は最速1/8000秒のシャッタースピードに対応している(「高速連続撮影+」以外などの条件付きで1/16000秒にも対応)

「EOS RP」と同様、メカシャッターが後幕のみで、電子先幕シャッターで動作する点には注意。電子シャッター時は最速1/8000秒のシャッタースピードに対応している(「高速連続撮影+」以外などの条件付きで1/16000秒にも対応)

動画撮影は、6Kオーバーサンプリングによる高画質な4K/60p記録や、フルHD/180pハイフレームレート記録に対応。HDR PQ動画や、キヤノン独自のガンマ特性「Canon Log 3」といった10bit記録も可能だ。記録設定などの条件にもよるが、連続で最大2時間の長時間記録にも対応している。

6Kオーバーサンプリングによる4K/60p記録などに対応

6Kオーバーサンプリングによる4K/60p記録などに対応

このほか、シーリング部材を採用するなどして防塵・防滴構造を実現。ボディのシャーシにはマグネシウム合金を、外装カバーにはポリカーボネート樹脂を採用している。シャッター耐久は約10万回。

「EOS R8」のラインアップ

(価格はキヤノンオンラインショップでの販売価格)

ボディ単体 264,000円
RF24-50 IS STM レンズキット 293,700円
※標準ズームレンズ「RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM」が付属

発売予定:いずれも2023年4月下旬

「EOS R8」の主なスペック
・有効最大約2420万画素のフルサイズCMOSセンサー
・映像エンジン:「DIGIC X」
・感度(静止画撮影):ISO100〜102400(ISO50相当の減感、ISO204800相当の増感が可能)
・AF:デュアルピクセルCMOS AF II、低輝度限界EV-6.5、F22光束対応
・被写体検出:人物(瞳/顔/頭部/胴体)、動物(犬・猫・鳥)、乗り物(車・バイク・鉄道・飛行機)※自動選択モード搭載
・連写:最高約40コマ/秒(電子シャッター)、最高約6.0コマ/秒(電子先幕シャッター)
・最速シャッタースピード:1/4000秒(電子先幕シャッター)、1/8000秒(電子シャッター) ※電子シャッター時は「高速連続撮影+」以外などの条件付きで1/16000秒に対応
・動画:4K/60p、フルHD/180p、HDR PQ、Canon Log 3
・そのほかの機能:RAWバーストモード、HDRモード「動体優先」、動画プレ記録
・電子ビューファインダー:約236万ドット、倍率約0.70倍、アイポイント約22mm
・モニター:3.0型バリアングル液晶(約162万ドット、タッチパネル対応)
・記録メディア:SD/SDHC/SDXCカードのシングルスロット(UHS-II対応)
・サイズ:約132.5(幅)×86.1(高さ)×70.0(奥行)mm
・重量:約461g(バッテリー、カード含む)

「EOS Rシリーズ」最小・最軽量のエントリーモデル「EOS R50」

「EOS R50」には、ホワイトとブラックのカラーバリエーションが用意される。ブラックモデルに装着しているのは、同時発表の小型・軽量な望遠ズームレンズ「RF-S55-210mm F5-7.1 IS STM」。「EOS R50」のキットレンズとして用意されている

「EOS R50」には、ホワイトとブラックのカラーバリエーションが用意される。ブラックモデルに装着しているのは、同時発表の小型・軽量な望遠ズームレンズ「RF-S55-210mm F5-7.1 IS STM」。「EOS R50」のキットレンズとして用意されている

「EOS R50」は、一眼カメラの代表的なエントリーモデル「EOS Kissブランド」のコンセプト「かんたん・きれい・コンパクト」を継承した、「EOS Rシリーズ」の入門機だ。

コンパクトなボディながら、3.0型バリアングル液晶モニター(約162万ドット、タッチパネル対応)を搭載

コンパクトなボディながら、3.0型バリアングル液晶モニター(約162万ドット、タッチパネル対応)を搭載

操作性はシンプルでわかりやすい。上面には電子ダイヤルと感度設定ボタンなどが備わっている

操作性はシンプルでわかりやすい。上面には電子ダイヤルと感度設定ボタンなどが備わっている

「EOS R50」で注目したいのはそのサイズ感。サイズは約116.3(幅)×85.5(高さ)×68.8(奥行)mmで、重量はブラック約375g/ホワイト約376g(バッテリー、カード含む)という、「EOS Rシリーズ」として最小・最軽量(2023年2月8日時点)のボディを実現しているのだ。

この小型・軽量ボディに、上位モデル「EOS R10」ゆずりの基本性能を搭載しており、AFシステムには、横:最大約100%×縦:最大約100%の測距が可能な「デュアルピクセルCMOS AF II」を採用。人物や動物など多彩な被写体の検出に対応するうえ、カメラが自動で被写体を選択する「自動モード」も搭載している。

連写は、電子シャッターが最高約15コマ/秒、電子先幕シャッター時が最高約12コマ/秒と、さすがに「EOS R10」の電子シャッター最高約23コマ/秒、電子先幕シャッター最高約15コマ/秒には及ばないものの、エントリーモデルとしては十分な性能だ。

動画撮影は、6Kオーバーサンプリングによる4K/30p記録や、フルHD/120pハイフレームレート記録に対応している。

人物や動物など被写体検出に対応。「自動モード」も利用できる

人物や動物など被写体検出に対応。「自動モード」も利用できる

このほか、一眼カメラ入門者向けの機能が充実しているのも特徴。自動的に撮影設定を最適化する「シーンインテリジェントオート」モードには、1回の撮影で明るさや色合いの異なる3枚の画像を記録する「クリエイティブブラケット」と、夜景や逆光など難しいシーンでもきれいに撮影できる「アドバンス A+」が追加された。

動画撮影では、商品紹介の動画撮影時に便利な「レビュー用動画モード」や、手持ち撮影中の手ブレを補正する「手ブレ補正動画モード」、画面の傾きを自動する「自動水平補正モード」などを利用できる。

なお、「EOS R8」と同様、メカシャッターは後幕のみで、電子先幕シャッターと電子シャッターのシャッター方式に対応している。

「クリエイティブブラケット」は、1回の撮影で明るさや色合いの異なる3枚の画像を記録する機能

「クリエイティブブラケット」は、1回の撮影で明るさや色合いの異なる3枚の画像を記録する機能

「アドバンス A+」は、合成処理などによって、夜景や逆光など難しいシーンをきれいに撮れる機能

「アドバンス A+」は、合成処理などによって、夜景や逆光など難しいシーンをきれいに撮れる機能

カメラからの距離がいちばん近い被写体にピントを合わせる「レビュー用動画モード」を搭載

カメラからの距離がいちばん近い被写体にピントを合わせる「レビュー用動画モード」を搭載

動画撮影では、自動的に水平を保って記録する「自動水平補正モード」などの機能も利用できる

動画撮影では、自動的に水平を保って記録する「自動水平補正モード」などの機能も利用できる

「EOS R50」のラインアップ

(価格はキヤノンオンラインショップでの販売価格)

ボディ単体 111,100円
RF-S18-45 IS STM レンズキット 126,500円
※標準ズームレンズ「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」が付属
ダブルズームキット 156,200円
※「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」「RF-S55-210mm F5-7.1 IS STM」が付属

発売予定:いずれも2023年3月下旬

「EOS R50」の主なスペック
・有効最大約2420万画素のAPS-C CMOSセンサー
・映像エンジン:「DIGIC X」
・感度(静止画撮影):ISO100〜32000(IS51200相当の増感が可能)
・AF:デュアルピクセルCMOS AF II、低輝度限界EV-4.0
・被写体検出:人物(瞳/顔/頭部/胴体)、動物(犬・猫・鳥・馬)、乗り物(車・バイク) ※自動選択モード搭載
・連写:最高約15コマ/秒(電子シャッター)、最高約12コマ/秒(電子先幕シャッター)
・最速シャッタースピード:1/4000秒(電子先幕シャッター)、1/8000秒(電子シャッター)
・動画:4K/30p、フルHD/120p
・電子ビューファインダー:約236万ドット
・モニター:3.0型バリアングル液晶(約162万ドット、タッチパネル対応)
・記録メディア:SD/SDHC/SDXCカードのシングルスロット(UHS-I対応)
・サイズ:約116.3(幅)×85.5(高さ)×68.8(奥行)mm
・重量:ブラック約375g/ホワイト約376g(バッテリー、カード含む)

まとめ 上位機の基本性能を持つ、敷居の低い高性能モデル

今回発表された「EOS R8」「EOS R50」は、いずれも、上位モデルの基本性能を搭載した、より敷居の低い下位モデルだ。両モデルとも、ボディ内手ブレ補正機能を省略するなどして小型・軽量化を実現しているのがポイントである。

「EOS R8」は、「はじめてのフルサイズ」をコンセプトに、小型・軽量と高性能を両立したフルサイズミラーレス。静止画撮影も動画撮影も最新機能を搭載しており、幅広い楽しみ方ができるカメラだ。キヤノンオンラインショップでの販売価格がボディ単体で293,700円(税込)と、最初のフルサイズカメラとして選ぶには少々高額なのが気になるが、性能の高さを考慮するとこの価格設定も納得できる。

ちなみに、「EOS R8」は、「EOSシリーズ」の1桁型番モデルとして「8」のナンバリングを初めて採用する製品だ。

「EOS R50」は、「EOS Kissブランド」のコンセプトを継承した、エントリー向けのAPS-Cミラーレス。シンプルな操作性の小型・軽量ボディに高画質・高機能を凝縮しているのは、まさに“Kissゆずり”。今回はグローバルで製品名を統一したという背景があることを考慮すると、本モデルは限りなく「EOS Kissブランド」に近いカメラと言えるだろう。キヤノンオンラインショップでの販売価格はボディ単体が111,100円(税込)で、一眼カメラを初めて購入する人でも手が届くプライスではないだろうか。

なお、キヤノンによると、「EOS R50」の登場によって「EOS Kissブランド」が完全になくなるわけではないとのことだ。

真柄利行(編集部)

真柄利行(編集部)

フリーランスから価格.comマガジン編集部に舞い戻った、カメラが大好物のライター/編集者。夜、眠りに落ちる瞬間まで、カメラやレンズのことを考えながら生きています。

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