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安価なレンズで手軽にボケを楽しむノウハウ、教えます!【単焦点レンズ編】

リーズナブルなレンズを使い、被写体をぼかすテクニックを解説していく本企画。後編の「単焦点レンズ編」では、単焦点レンズを使ったボケ描写についてのポイントと注意点を解説する。前編の「ズームレンズ編」に引き続き、「OM SYSTEM」のミラーレスカメラとレンズを使ってお送けしよう。

「OM SYSTEM」のエントリー向けミラーレスカメラ「PEN E-P7」と今回フィーチャーする単焦点レンズたち

「OM SYSTEM」のエントリー向けミラーレスカメラ「PEN E-P7」と今回フィーチャーする単焦点レンズたち

前編「ズームレンズ編」のおさらい

前編の「ズームレンズ編」では、ごくごく標準的なズームレンズを使って、ボケを表現するテクニックを紹介した。ぼかすためのポイントは以下の4つ。

1.絞りを開く
2.焦点距離を長くする
3.被写体に寄る
4.奥行きのある背景を使う

これらをシーンに応じて組み合わせることで、それほど明るいレンズでなくても、ボケを演出することが可能だ。

これらの知識をしっかり身につけておくことはとても大事。どんなレンズでも被写界深度を自分好みに調整できるようにすることが、ボケだけでなく写真撮影全般における上達につながるからだ。

いっぽうで、標準的なズームレンズではどうしてもぼかせないシーンや画作りもある。たとえば、奥行きのない場所で背景を大きくぼかしたいと思ったら、より開放絞り値(開放F値)の小さなレンズが必要だ。家の中でごちゃごちゃした背景をなるべくぼかして消したいと思ったら、ズームレンズの開放絞り値では物足りない。

こんなときは明るい(開放絞り値が小さい)単焦点レンズが重宝する。単焦点レンズを用いることで、気軽に、そして簡単にボケを演出できる。ここでは焦点距離の異なる3本の単焦点レンズで、ぼかすテクニックを紹介していこう。

単焦点レンズとは?

最初に単焦点レンズそのものの特徴を確認しておこう。

まず、単焦点レンズは総じて開放絞り値が小さい。焦点距離を固定している分、構造的に開放絞り値を小さく設計しやすいのだ。

そして、明るい単焦点レンズは低価格帯から高価格帯までラインアップが幅広い。ズームレンズは焦点距離が複数にまたがるため、小さな開放絞り値を使えるようにするには高度な光学技術を用いて設計する必要があり、結果的に明るいズームレンズは価格が高くなるのだ。単焦点レンズであれば、比較的リーズナブルな価格帯で、大きなボケが楽しめるのである。

右から「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」、「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」、「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」。いずれもシルバーとブラックの2色が用意されている。コンパクトなフォルムで、持ち運びも簡単。F1.8という開放絞り値を持ちながら、これだけの小型・軽量化を実現しているのだからすばらしい

右から「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」、「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」、「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」。いずれもシルバーとブラックの2色が用意されている。コンパクトなフォルムで、持ち運びも簡単。F1.8という開放絞り値を持ちながら、これだけの小型・軽量化を実現しているのだからすばらしい

3本の単焦点レンズと焦点距離ごとの特徴について

今回使用した単焦点レンズは、マイクロフォーサーズ規格に準拠するミラーレスカメラ「OM SYSTEM」用の広角レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」、標準レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」、中望遠レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」の3本。いずれも「M.ZUIKO PREMIUM」シリーズのレンズ群で、開放絞り値はF1.8と明るい。このシリーズはいずれも開放絞り値が小さく、コンパクトで購入しやすい価格帯なのが魅力だ。最初に手にする単焦点レンズとしてもおすすめできる。

「PEN E-P7」+「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」。「M.ZUIKO PREMIUM」シリーズは「PEN E-P7」のシックなデザインによくなじむ。「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」の価格.com最安価格は46,281円(税込、2023年3月24日時点)

「PEN E-P7」+「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」。「M.ZUIKO PREMIUM」シリーズは「PEN E-P7」のシックなデザインによくなじむ。「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」の価格.com最安価格は46,281円(税込、2023年3月24日時点)

「PEN E-P7」+「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」。「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」の価格.com最安価格は31,460円(税込、2023年3月24日時点)

「PEN E-P7」+「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」。「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」の価格.com最安価格は31,460円(税込、2023年3月24日時点)

「PEN E-P7」+「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」。「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」の価格.com最安価格は25,780円(税込、2023年3月24日時点)

「PEN E-P7」+「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」。「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」の価格.com最安価格は25,780円(税込、2023年3月24日時点)

この3本の単焦点レンズは、いずれも同じ開放絞り値を備えている。前編の「ズームレンズ編」では絞り値をF3.5までしか利用できなかったが、F1.8まで開けられれば、ボケを適用できるシーンはおのずと広がる。

ごちゃごちゃした室内での風景。「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」の開放F1.8で撮影した。それほど明るくないレンズで後ろをぼかすには、焦点距離を望遠にしたり、寄り引きしたりなどの工夫が必要だ。しかし、F1.8の絞り値を利用できれば、気軽に背景ボケを得られるので、より直感的に自分好みの構図で撮影できるようになる

ごちゃごちゃした室内での風景。「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」の開放F1.8で撮影した。それほど明るくないレンズで後ろをぼかすには、焦点距離を望遠にしたり、寄り引きしたりなどの工夫が必要だ。しかし、F1.8の絞り値を利用できれば、気軽に背景ボケを得られるので、より直感的に自分好みの構図で撮影できるようになる

今回利用した3本の焦点距離は17mm、25mm、45mmだ。マイクロフォーサーズ専用レンズのため、35mm判換算の焦点距離はそれぞれ34mm、50mm、80mm。これは広角、標準、中望遠に該当し、前編で取り上げた「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」の焦点距離の範囲に収まる。日常風景を撮るのに非常にバランスの取れた3本と言える。明るい標準ズームレンズを使っているような気分で撮影に臨めるのがうれしい。

以下に掲載する写真で、3本のレンズの描写の違いを確認しておこう。絞り値はいずれもF1.8で、被写体(サボテン)の大きさが揃うように距離を調整しながら撮影した。

広角レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」で撮影

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8、17mm(35mm判換算34mm)、絞り優先AE、F1.8、1/1000秒、ISO800

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8、17mm(35mm判換算34mm)、絞り優先AE、F1.8、1/1000秒、ISO800

標準レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」で撮影

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8、17mm(35mm判換算50mm)、絞り優先AE、F1.8、1/800秒、ISO800

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8、17mm(35mm判換算50mm)、絞り優先AE、F1.8、1/800秒、ISO800

中望遠レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」で撮影

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm)、絞り優先AE、F1.8、1/800秒、ISO800

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm)、絞り優先AE、F1.8、1/800秒、ISO800

上記3枚の写真で注目したいのは、背景のボケ具合と入り込む背景の広さだ。望遠ほどボケ具合が大きくなり、入り込む背景の範囲が狭くなる。また、広角ほどサボテンのフォルムが歪んで見えている。遠近感が強調され、被写体がデフォルメ(歪曲)している。同じ絞り値F1.8で撮っても、それぞれで描写が異なるのだ。

広角レンズと望遠レンズの違い

広角と望遠の特徴を表にした。遠近感の違いも描写に大きく影響する。単焦点レンズを利用する際は、こうした焦点距離による特徴も踏まえてレンズ選択する必要がある。言い方を変えれば、これらの特徴がそれぞれの単焦点レンズの特色であり、画作りで重要な役割を担う

広角と望遠の特徴を表にした。遠近感の違いも描写に大きく影響する。単焦点レンズを利用する際は、こうした焦点距離による特徴も踏まえてレンズ選択する必要がある。言い方を変えれば、これらの特徴がそれぞれの単焦点レンズの特色であり、画作りで重要な役割を担う

それぞれのレンズで撮ってみる

では、3本のレンズの使いこなしを見ていこう。ボケを利用して撮ることを前提に解説する。

掲載する写真について
「PEN E-P7」を使用し、JPEG形式(最高画質LSF)で撮影した。一部、カメラ内のRAW現像機能を利用して調整し、JPEGで書き出している。なお、一部の作例については、PhotoShopでカラープロファイルをAdobeRGBからsRGBに変換している。

広角レンズは寄ってボケ×遠近感を楽しむ

広角レンズ(「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」)は、ダイナミックな遠近感をぜひボケ描写に取り込んでほしい。

レンズは広角であるほど近くのものを大きく、遠くのものを小さくして遠近感を強調できる。ここでのポイントは、ピントを合わせた被写体にぐっと近づくことだ。こうすることで、ぼかした背景を広く取り入れながら、動きのある構図で撮影できるようになる。ピントを合わせた主題がこちらに迫ってくるかのように、ドラマチックに表現できるのだ。

この描写は前編の「ズームレンズ編」でも説明している。標準ズームレンズの広角側で背景をぼかしたいときのテクニックと同じだ。近づくことで背景ボケを大きくするわけだが、これには遠近感を強調する効果もあるのだ。

広角レンズは元から被写界深度が深い。「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」ではF1.8まで絞りを開けられるが、標準域や望遠域よりもボケは小さい。だからこそ、広角域でボケを大きくしたければ、ピントを合わせた主題にしっかり寄り切ることが大事だということを、改めて強調しておきたい。

夕日に照らされた郵便ポスト。斜めのアングルから奥行きを出し、開放F1.8で向こう側をぼかした。強調された遠近感がアクセントになっているPEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8、17mm(35mm判換算34mm)、絞り優先AE、F1.8、1/1600秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid撮影写真(5184×3888、8.7MB)

夕日に照らされた郵便ポスト。斜めのアングルから奥行きを出し、開放F1.8で向こう側をぼかした。強調された遠近感がアクセントになっている
PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8、17mm(35mm判換算34mm)、絞り優先AE、F1.8、1/1600秒、ISO100、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid
撮影写真(5184×3888、8.7MB)

下に奥行きのある場面。ハイアングルからぐっと花に寄ることで、地面を広く取り込みながら大きなボケを演出しているPEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8、17mm(35mm判換算34mm)、絞り優先AE、F1.8、1/4000秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid撮影写真(3888×5184、7.7MB)

下に奥行きのある場面。ハイアングルからぐっと花に寄ることで、地面を広く取り込みながら大きなボケを演出している
PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8、17mm(35mm判換算34mm)、絞り優先AE、F1.8、1/4000秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid
撮影写真(3888×5184、7.7MB)

斜めのアングルからとらえることで、背後のフェンスが前後でボケて、主題の植物が浮き上がって見えるPEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8、17mm(35mm判換算34mm)、絞り優先AE、F1.8、1/250秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid撮影写真(5184×3888、7.9MB)

斜めのアングルからとらえることで、背後のフェンスが前後でボケて、主題の植物が浮き上がって見える
PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8、17mm(35mm判換算34mm)、絞り優先AE、F1.8、1/250秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid
撮影写真(5184×3888、7.9MB)

最も扱いやすい、ボケ描写に集中できる標準レンズ

目で見た状態に最も近いイメージで切り取れるのが標準レンズ(「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」)の特徴だ。広角レンズのような遠近感や望遠レンズのような圧縮効果はないが、逆にレンズにクセがなく、“普通に撮れる”のが魅力。レンズ効果をそこまで意識する必要もなく、シンプルにボケを使った撮影に集中できる。3本の単焦点レンズの中では最も扱いやすく、最初に購入する単焦点レンズとしてもおすすめだ。

ただし、標準レンズは奥が深い。寄ることで広角っぽくも撮れるし、引くことで望遠っぽくも撮れる。さまざまな表情を持っていて、撮り手の力量が試されるレンズでもある。このあたりは、また別の機会に解説しよう。

背景をぼかしながら撮影。鏡と顔の両方にピントを合わせたくてF2まで絞った。明るいレンズは単に大きくぼかせるだけでなく、幅広く被写界深度を選べるのが魅力だ。画角が肉眼に近く、自然な視点で描写できたPEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8、25mm(35mm判換算50mm相当)、絞り優先AE、F2、1/60秒、 ISO200、ホワイトバランス:5300K、仕上がり設定:カラープロファイル

背景をぼかしながら撮影。鏡と顔の両方にピントを合わせたくてF2まで絞った。明るいレンズは単に大きくぼかせるだけでなく、幅広く被写界深度を選べるのが魅力だ。画角が肉眼に近く、自然な視点で描写できた
PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8、25mm(35mm判換算50mm相当)、絞り優先AE、F2、1/60秒、 ISO200、ホワイトバランス:5300K、仕上がり設定:カラープロファイル

真ん中の被写体のみにピントを合わせ、前後をぼかした。前編・実践編のケース1と同じ場面だが、明るい単焦点レンズを使えば、このようにより大きなボケを気軽に演出しながら撮影を楽しめる。標準レンズは寄ってボカすことで、望遠っぽく切り取れる特徴があるPEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8、25mm(35mm判換算50mm相当)、絞り優先AE、F2、1/60秒、ISO320、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid撮影写真(5184×3888、8.0MB)

真ん中の被写体のみにピントを合わせ、前後をぼかした。前編・実践編のケース1と同じ場面だが、明るい単焦点レンズを使えば、このようにより大きなボケを気軽に演出しながら撮影を楽しめる。標準レンズは寄ってボカすことで、望遠っぽく切り取れる特徴がある
PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8、25mm(35mm判換算50mm相当)、絞り優先AE、F2、1/60秒、ISO320、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid
撮影写真(5184×3888、8.0MB)

正確なフォルムで豊かなボケを再現できる中望遠レンズ

今回の3本の中で、最も被写界深度を浅くできるのが中望遠レンズ(「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」)だ。

レンズは望遠になるほど被写界深度が浅くなり、ボケが増す。あまり望遠にしすぎると逆にピントを合わせづらくなるが、45mm(35mm判換算90mm相当)という中望遠域のこのレンズは、ボケ具合がちょうどいい。ピントが合わせやすく、大きなボケも魅力的だ。

広角レンズが遠近感を強調しながら撮れるのに対し、このレンズは前後の被写体を圧縮し引き寄せながら、F1.8の開放絞り値を利用した大胆なボケを楽しめる。入り込む背景が少なく、画面整理もしやすい。また、フォルムが歪まず正確に被写体を再現しやすいのも特徴だ。ポートレートやテーブルフォトでも重宝するレンズだろう。

街中で見つけた猫の像。奥行きのある背景を利用しているが、F1.8の開放絞り値を利用することで、左奥の像も滑らかにぼけて、手前の像を浮き上がらせている。正確なフォルムで描写できているのもポイント。広角レンズ使用時のような歪みはないPEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm)、絞り優先AE、F1.8、1/320秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid撮影写真(5184×3888、8.6MB)

街中で見つけた猫の像。奥行きのある背景を利用しているが、F1.8の開放絞り値を利用することで、左奥の像も滑らかにぼけて、手前の像を浮き上がらせている。正確なフォルムで描写できているのもポイント。広角レンズ使用時のような歪みはない
PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm)、絞り優先AE、F1.8、1/320秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid
撮影写真(5184×3888、8.6MB)

中望遠レンズは少し距離を取りながら被写体を大きく切り取れる。ポートレートではほどよい距離感で撮影できるのがいい。明るい開放絞り値で、背景でキラキラと玉ボケが輝いている。こうした描写は逆光で行う。逆光でキラキラしているところを背景にして絞りを開くと、このようなドラマチックな玉ボケが取り込めるPEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm)、絞り優先AE、F1.8、1/2500秒、ISO800、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid

中望遠レンズは少し距離を取りながら被写体を大きく切り取れる。ポートレートではほどよい距離感で撮影できるのがいい。明るい開放絞り値で、背景でキラキラと玉ボケが輝いている。こうした描写は逆光で行う。逆光でキラキラしているところを背景にして絞りを開くと、このようなドラマチックな玉ボケが取り込める
PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm)、絞り優先AE、F1.8、1/2500秒、ISO800、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid

ぼかして撮るときの注意点とプラスαで意識したいポイント

最後に被写体をぼかす際の注意点や、やりがちな失敗、ボケを使った撮影テクニックなどについて話しておきたい。これらはズームレンズを使ったボケ描写にも当てはまる重要な要素なので、しっかり頭に入れておこう。

1.ボケは大きくなるほど、ピント合わせが難しくなる

ボケを大きくすることは、ピントの合う範囲がどんどん狭くなっていくことに等しい。そのため、ピント合わせは絞り値(F値)が小さくなるほど難しくなる。ピントをどこに合わせるか、その選択肢も増える。

ボケ描写は、ピントを合わせた被写体とのメリハリが重要だ。合わせるべきポイントにしっかりピントが来ていないと、単なるピンボケ写真になってしまう。ピントが浅すぎる場合は、少し絞って被写界深度を深くするのもひとつのやり方だ。

「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」を使いF1.8で撮影。広角レンズの使いこなしで先ほど見ていただいたカットの横位置バージョンだが、こちらはわずかにピントが手前の花びらに合っていなくて全体的にぼやけた印象に。これも説明済みだが、ピントは被写体に寄れば寄るほど浅くなる(ボケが大きくなる)。こうして寄って撮る場面では、特にピントの置きどころを慎重に探りたいPEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8、17mm(35mm判換算34mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/4000秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid撮影写真(5184×3888、7.4MB)

「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」を使いF1.8で撮影。広角レンズの使いこなしで先ほど見ていただいたカットの横位置バージョンだが、こちらはわずかにピントが手前の花びらに合っていなくて全体的にぼやけた印象に。これも説明済みだが、ピントは被写体に寄れば寄るほど浅くなる(ボケが大きくなる)。こうして寄って撮る場面では、特にピントの置きどころを慎重に探りたい
PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8、17mm(35mm判換算34mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/4000秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid
撮影写真(5184×3888、7.4MB)

絞りを開けてポートレートを撮る際に便利なのが、顔や瞳を自動検出し追尾しながらピントを合わせてくれるAF機能。動きが予測しづらい子どもの撮影などに最適だPEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8、25mm(35mm判換算50mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/60秒、 ISO640、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:i-Finish

絞りを開けてポートレートを撮る際に便利なのが、顔や瞳を自動検出し追尾しながらピントを合わせてくれるAF機能。動きが予測しづらい子どもの撮影などに最適だ
PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8、25mm(35mm判換算50mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/60秒、 ISO640、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:i-Finish

「PEN E-P7」や「PEN E-PL10」には顔や瞳優先のAF機能が搭載されているのでぜひ活用しよう。圧倒的にピント合わせの失敗を減らすことができる。これは「PEN E-PL10」の設定画面

「PEN E-P7」や「PEN E-PL10」には顔や瞳優先のAF機能が搭載されているのでぜひ活用しよう。圧倒的にピント合わせの失敗を減らすことができる。これは「PEN E-PL10」の設定画面

2.遠景の被写体は絞り開放でもぼかせない

ピントを合わせる被写体とカメラの距離が離れるほど、または、ピントを合わせる被写体とその奥の被写体の距離が近づくほど、画面全体に占めるボケの割合は減る。

この典型例が遠景の風景だ。たとえば、遠くに見える山々にピントを合わせ、絞り開放で撮っても、その向こうに見える雲はボケない。カメラと山の距離がものすごく離れているためだ。このように明るい単焦点レンズで絞りを開いても、シチュエーションによってはボケを演出できないことがあるので注意しよう。

これは前編の「ズームレンズ編」で話した内容と実は同じだ。ピントを合わせる被写体に寄ることと、奥行きを作ることでボケは大きくなった。これを逆にして述べているだけである。

「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」で撮影。絞りを開放F1.8に設定し、左手前の樹木にピントを合わせているが、それ以外の樹木や奥の建物にも広くピントが合っているように見える。これはピントを合わせた樹木とカメラの距離が離れていることが大きな要因だPEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8、25mm(35mm判換算50mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/3200秒、 ISO200、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:カラープロファイル撮影写真(5184×3888、16.1MB)

「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」で撮影。絞りを開放F1.8に設定し、左手前の樹木にピントを合わせているが、それ以外の樹木や奥の建物にも広くピントが合っているように見える。これはピントを合わせた樹木とカメラの距離が離れていることが大きな要因だ
PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8、25mm(35mm判換算50mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/3200秒、 ISO200、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:カラープロファイル
撮影写真(5184×3888、16.1MB)

もうひとつ例を。ここでは標準ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」を使い、望遠端で絞りをF5.6まで開いて撮影したが、それほど狙い通りに背景はボケていない。この標準ズームレンズで背景ボケを演出したければ、手前の街灯とカメラの距離をもっと近づけなければいけないPEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ、42mm(35mm判換算84mm相当)、絞り優先AE、F5.6、1/125秒、 ISO200、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid撮影写真(5184×3888、16.0MB)

もうひとつ例を。ここでは標準ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」を使い、望遠端で絞りをF5.6まで開いて撮影したが、それほど狙い通りに背景はボケていない。この標準ズームレンズで背景ボケを演出したければ、手前の街灯とカメラの距離をもっと近づけなければいけない
PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ、42mm(35mm判換算84mm相当)、絞り優先AE、F5.6、1/125秒、 ISO200、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid
撮影写真(5184×3888、16.0MB)

3.絞り開放は画質が低下しやすい

写真は絞りの数値に応じて画質が変化する。開放絞り値付近は画質が低下しやすく、ピントを合わせた部分の輪郭部が滲んで見えることがある。これが気になる場合は少し絞り込んでみよう。輪郭部の滲みが軽減し、シャープに写せる。

F1.8で撮影

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm)、絞り優先AE、F1.8、1/320秒、ISO400、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid撮影写真(3888×5184、9.9MB)

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm)、絞り優先AE、F1.8、1/320秒、ISO400、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid
撮影写真(3888×5184、9.9MB)

F2.5で撮影

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm)、絞り優先AE、F2.5、1/160秒、ISO400、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid撮影写真(3888×5184、10.2MB)

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm)、絞り優先AE、F2.5、1/160秒、ISO400、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid
撮影写真(3888×5184、10.2MB)

上の2枚の写真は、「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」で絞り値を変えて比較したもの。開放絞り値(F1.8)のカットはピントの合った葉の輪郭部が少し滲んで見えるが、F2.5まで絞ったカットはシャープに見える。

4.レンズは望遠になるほど近寄れない

中望遠レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」を利用する際に意識したいのが最短撮影距離だ。レンズは望遠になるほど、被写体に近づける距離が長くなる。このレンズは0.5mまで被写体に寄ってピントを合わせられる。それ以上寄ろうとすると、ピントが合わせられなくなる。この仕様は覚えておきたい。望遠ズームレンズも標準ズームレンズほど近づけないことは前編の「ズームレンズ編」でも少し解説した。

そもそも望遠レンズは離れた場所から被写体を大きく写せるのが特徴。広角レンズのように近づけなくても、十分被写体を大きく入れ込むことが可能だ。いっぽうで、さらに大きく被写体を写したい場合は、マクロレンズを使うのがよい。マクロレンズを使えば、より被写体に寄って細部を撮影できる。ただし、この場合絞りの開きすぎには注意が必要。ボケが大きくなりすぎるからだ。マクロレンズで接写する際は、少し絞りを絞って撮るように意識しよう。

「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」を使い、最短撮影距離で撮影。絞りは開放F1.8にした。背景ボケが美しい。真下に奥行きを作ることで、ボケが大きくなっている。このレンズではここまで寄って撮れるが、もっと近づいて花のしべや花びらを撮りたい場合は、マクロレンズが便利だPEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/30秒、ISO800、ホワイトバランス:4000K、仕上がり設定:カラープロファイル撮影写真(5184×3888、6.8MB)

「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」を使い、最短撮影距離で撮影。絞りは開放F1.8にした。背景ボケが美しい。真下に奥行きを作ることで、ボケが大きくなっている。このレンズではここまで寄って撮れるが、もっと近づいて花のしべや花びらを撮りたい場合は、マクロレンズが便利だ
PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/30秒、ISO800、ホワイトバランス:4000K、仕上がり設定:カラープロファイル
撮影写真(5184×3888、6.8MB)

35mm判換算で焦点距離60mm相当のマクロレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro」。標準域をカバーする、扱いやすいマクロレンズだ。最短撮影距離は0.095m、最大撮影倍率は1.25倍(35mm判換算2.5倍相当)。絞りはF3.5まで開ける。花やアクセサリー、昆虫などを大きく写したい場面で重宝する。価格.com最安価格30,494円(税込、2023年3月24日時点)

35mm判換算で焦点距離60mm相当のマクロレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro」。標準域をカバーする、扱いやすいマクロレンズだ。最短撮影距離は0.095m、最大撮影倍率は1.25倍(35mm判換算2.5倍相当)。絞りはF3.5まで開ける。花やアクセサリー、昆虫などを大きく写したい場面で重宝する。価格.com最安価格30,494円(税込、2023年3月24日時点)

5.明るいレンズは前ボケを演出しやすい

今回紹介した単焦点レンズのような明るいレンズは、前ボケを作りやすく、前後をぼかしながらドラマチックな描写が楽しめる。絞りを開きながら、ボカす被写体に近づくことで、前ボケは大きくなる。なお、前ボケは遠近感を削って情景を圧縮できる望遠レンズで演出しやすい。

こんな小さな植物でも前後ボケで表現できる。前ボケが入ることで、写真に立体的が生まれるPEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F2、1/200秒、ISO400、ホワイトバランス:7500K、仕上がり設定:Vivid撮影写真(3888×5184、10.3MB)

こんな小さな植物でも前後ボケで表現できる。前ボケが入ることで、写真に立体的が生まれる
PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F2、1/200秒、ISO400、ホワイトバランス:7500K、仕上がり設定:Vivid
撮影写真(3888×5184、10.3MB)

こうしたイルミネーションで前ボケをつくる場合も、手前のイルミネーションに近づき、ピントはなるべく奥の情景に合わせる。こうすることで、手前の玉ボケを大きく表現できるPEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/25秒、ISO400、ホワイトバランス:4000K、仕上がり設定:カラープロファイル撮影写真(3888×5184、11.7MB)

こうしたイルミネーションで前ボケをつくる場合も、手前のイルミネーションに近づき、ピントはなるべく奥の情景に合わせる。こうすることで、手前の玉ボケを大きく表現できる
PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/25秒、ISO400、ホワイトバランス:4000K、仕上がり設定:カラープロファイル
撮影写真(3888×5184、11.7MB)

上の作例に対し、手前のイルミネーションから少し離れて撮ってみた。前ボケが小さくなっているPEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/13秒、ISO400、ホワイトバランス:4000K、仕上がり設定:Vivid撮影写真(3888×5184、12.3MB)

上の作例に対し、手前のイルミネーションから少し離れて撮ってみた。前ボケが小さくなっている
PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/13秒、ISO400、ホワイトバランス:4000K、仕上がり設定:Vivid
撮影写真(3888×5184、12.3MB)

6.カラープロファイルコントロールやアートフィルターを使ってよりアーティスティックな仕上がりに

「PEN E-P7」や「PEN E-PL10」には、彩度やトーンなどを調整して好みの仕上がりに追い込める「カラープロファイルコントロール」や、独創的な表現効果を楽しめる「アートフィルター」など表現力を高めてくれるユニークな作画機能が数多く搭載されている。ボケ描写はこうした機能と相性がいい。ぜひ併用して使ってみたい。

「PEN E-P7」の「カラープロファイルコントロール」の設定画面。この機能は12色の彩度やハイライト、シャドウなどを細かく調整できるのが特徴。カラーとモノクロがある

「PEN E-P7」の「カラープロファイルコントロール」の設定画面。この機能は12色の彩度やハイライト、シャドウなどを細かく調整できるのが特徴。カラーとモノクロがある

「PEN E-P7」には、「カラープロファイルコントロール」を簡単に切り替えられるスイッチが搭載されている

「PEN E-P7」には、「カラープロファイルコントロール」を簡単に切り替えられるスイッチが搭載されている

「PEN E-PL10」の「アートフィルター」の設定画面。「PEN E-P7」「PEN E-PL10」ともに16種類31タイプからユニークなフィルター機能を適用できる

「PEN E-PL10」の「アートフィルター」の設定画面。「PEN E-P7」「PEN E-PL10」ともに16種類31タイプからユニークなフィルター機能を適用できる

「カラープロファイルコントロール」を適用して撮影

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/160秒、ISO200、ホワイトバランス:4000K、仕上がり設定:カラープロファイル撮影写真(3888×5184、8.0MB)

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/160秒、ISO200、ホワイトバランス:4000K、仕上がり設定:カラープロファイル
撮影写真(3888×5184、8.0MB)

「カラープロファイルコントロール」を使わずに撮影

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/160秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid撮影写真(3888×5184、8.1MB)

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/160秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid
撮影写真(3888×5184、8.1MB)

上の2枚の比較写真を見ると、「カラープロファイルコントロール」の効果がよくわかる。「カラープロファイルコントロール」は色合いだけでなく、さまざまなトーンを作り出せるのが楽しい。

「アートフィルター」を使って撮影

アートフィルターのドラマチックトーンを適用した。このフィルターは輪郭部が強調されるので開放F1.8で撮っても、少し被写界深度が深く見えるPEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8、17mm(35mm判換算34mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/1250秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:ドラマチックトーン撮影写真(5184×3888、6.6MB)

アートフィルターのドラマチックトーンを適用した。このフィルターは輪郭部が強調されるので開放F1.8で撮っても、少し被写界深度が深く見える
PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8、17mm(35mm判換算34mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/1250秒、ISO200、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:ドラマチックトーン
撮影写真(5184×3888、6.6MB)

そのほかの作例

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8、17mm(35mm判換算34mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/4000秒、 ISO200、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid撮影写真(5184×3888、8.6MB)

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8、17mm(35mm判換算34mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/4000秒、 ISO200、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid
撮影写真(5184×3888、8.6MB)

ブレてても、いいカットもあるPEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8、25mm(35mm判換算50mm相当)、絞り優先AE、F2、1/60秒、 ISO1000、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid

ブレてても、いいカットもある
PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8、25mm(35mm判換算50mm相当)、絞り優先AE、F2、1/60秒、 ISO1000、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/2500秒、ISO800、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/2500秒、ISO800、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid

多少ピントが合ってなくても、いいカットもあるPEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/2000秒、ISO800、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid

多少ピントが合ってなくても、いいカットもある
PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/2000秒、ISO800、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:Vivid

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/400秒、ISO400、ホワイトバランス:7500K、仕上がり設定:カラープロファイル撮影写真(5184×3888、7.4MB)

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/400秒、ISO400、ホワイトバランス:7500K、仕上がり設定:カラープロファイル
撮影写真(5184×3888、7.4MB)

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/200秒、ISO400、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:モノクロプロファイル撮影写真(5184×3888、15.4MB)

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/200秒、ISO400、ホワイトバランス:オート、仕上がり設定:モノクロプロファイル
撮影写真(5184×3888、15.4MB)

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/2500秒、ISO800、ホワイトバランス:7500K、仕上がり設定:カラープロファイル撮影写真(5184×3888、7.8MB)

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8、45mm(35mm判換算90mm相当)、絞り優先AE、F1.8、1/2500秒、ISO800、ホワイトバランス:7500K、仕上がり設定:カラープロファイル
撮影写真(5184×3888、7.8MB)

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8、25mm(35mm判換算50mm相当)、絞り優先AE、F2、1/800秒、ISO200、ホワイトバランス:6000K、仕上がり設定:カラープロファイル撮影写真(3888×5184、8.0MB)

PEN E-P7、M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8、25mm(35mm判換算50mm相当)、絞り優先AE、F2、1/800秒、ISO200、ホワイトバランス:6000K、仕上がり設定:カラープロファイル
撮影写真(3888×5184、8.0MB)

まとめ 単焦点レンズがあれば写真ならではのボケ描写を気軽に楽しめる

前編・後編に分けてボケを演出するテクニックを見てきたが、安価なレンズでも十分にボケを楽しめることがわかっていただけただろうか。特に、後編で取り上げた単焦点レンズはひとつ持っておくと、写真ならではのボケ描写を気軽に楽しめるのでおすすめだ。

前編の「ズームレンズ編」でも述べたが、「OM SYSTEM」のミラーレスカメラは、レンズも含めてシステム全体で小型・軽量なのが特徴。すぐれた描写性や機能性とともにこれを実現しているところがすばらしい。

ボケ描写は本当に奥が深い。ぜひ、写真を撮るならば、始めるならば、どんどんボケを作ってみよう。単純な話、写真はうまくぼかせられるだけで感動する。美しいボケは、鑑賞者を魅了するのだ。

河野鉄平

河野鉄平

フォトグラファー。写真家テラウチマサト氏に師事後、2003年独立。ポートレートを中心に活動。2022年1月に新著『上手い写真は構図が9割』(玄光社)発売。ポーラミュージアムアネックス(2015年/銀座)など写真展も多数。Profoto公認トレーナー。
Instagram:teppei_kono_eye
Twitter:@teppei_kono

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