「INSTAX SQUARE SQ40」は、スクエアフォーマットに対応するチェキの新モデルです(2023年6月29日発売)
富士フイルムのインスタントカメラ“チェキ”「INSTAX」シリーズは、かわいらしい外観と、撮ってすぐ写真が手に取れる手軽さから若い世代を中心に人気を集めています。そんなチェキに、スクエアフォーマットに対応した新モデル「INSTAX SQUARE SQ40」(以下、「SQ40」)が追加されました。
「SQ40」のデザインや使い方、撮影後のチェキフィルム(専用のインスタントフィルム)の活用法などをご紹介します。
まずは、“チェキ”ならではの外観デザインから見ていきましょう。
「SQ40」は、全体がレザー調のクラシカルなデザインを採用しています。往年のフィルムカメラを彷彿とさせる、高級感のある雰囲気です。
レザー調のクラシックデザインを採用。手軽さと高級感をうまく両立している印象です
お出かけの際は専用ケース(別売)に入れて持ち歩くのもオシャレです
「SQ40」の使い方はいたってシンプル。レンズリングを回すと電源が入り、ファインダーを覗きながらカメラを構えてシャッターボタンを押すだけ。シーンに合わせて明るさを自動調整してくれる「オート露光機能」を搭載しているので、明るさが十分な屋外だけでなく、光量の少ない屋内でもきれいな写真を撮影できます。
セルフィーモードも搭載していて、電源オンの位置からレンズリングをさらに一段階回すと通常モードから切り替わります。レンズの横に、セルフィー時のプリントイメージを確認できるミラーが付いているのが親切です。
「SQ40」の操作や機能はとてもシンプルです。1がファインダー、2がシャッターボタン、3がフラッシュ、4がセルフィー用ミラー
対応するチェキフィルムは専用のスクエアフォーマットで、画面サイズは62×62mm(フィルムサイズは86×72mm)。フィルムをカメラにセットするのは簡単で、裏ぶたを開けて、黄色のガイドに合わせてフィルムパックを入れるだけです。
フィルムパックは、黄色のガイドとフィルムパックのガイドを合わせれば簡単にセットできます。セットした後に電源を入れ、1回シャッターを切るとフィルム保護用の遮光シートが排出されるので、それを抜いたら撮影準備は完了です
簡単操作で印象的な写真が撮れる「SQ40」ですが、撮影の際に覚えておきたい「使いこなしのポイント」がいくつかあります。
「SQ40」の撮影範囲は0.3m〜∞ですが、0.3m〜0.5mの近距離で撮影する際はセルフィーモードに切り替える必要があります。これを忘れてしまうと、近接撮影時にピントの外れた写真になってしまうのでご注意ください。
構図を決めるために覗くファインダーは、一眼レフカメラとは違って実際に被写体をとらえるレンズ部分とは連動していないため、ファインダーで見ているものと実際に撮影される写真には若干のズレが生じます。
このズレは、近接撮影時(セルフィーモード時)により大きくなるので注意が必要です。構図を決めた後にメインの被写体がレンズの正面に来るようにカメラの位置を少し調整すると、画面中央にフレーミングできるでしょう。
「SQ40」は常にフラッシュが発光するカメラです。室内でガラス越しの風景を撮りたいときや、セルフィーモードで接写をするときなど、フラッシュが必要ない場合は、フラッシュの部分を隠して撮影するといいでしょう。ちょっとした工夫で大切な1枚をきれいに残すことができるので、ぜひいろいろと試してみてください。
シャッターを切るとカメラ上部からチェキフィルムが排出されます。排出後に約90秒で現像が完了しますが、このときにフィルムを振ったり、強く押したりすると現像ムラになることがあります。フチの部分を持って静かに像が浮かび上がるのを待ちましょう。また、屋外の場合は直射日光が当たらないように気を付けてください。
ホワイトやブラック、グラデーションのあるタイプなどさまざまなフレームのチェキフィルムを選べます
最近のチェキフィルムはフレーム部分のオシャレにも抜かりがありません。「SQ40」の発売と同時に追加された「サンセット」のほかに、「ホワイト」「ホワイトマーブル」「ブラック」「モノクローム」といった多彩なフレームが用意されています。
撮るシーンによってフレームを変えるのも楽しいと思います。ぜひお気に入りのフレームを見つけてみてください。
ましかくフォーマットがかわいらしい「SQ40」用のチェキフィルムは、ただアルバムに入れるだけではもったいない! せっかくのかわいいフォルムを生かしてお部屋のインテリアとして飾ってみるのはいかがでしょう? マスキングテープなどで壁に貼るだけでも絵になりますし、ひもに下げてガーランドにしてみるのもおすすめです。
ほかには、ちょっと手をかけてモビールを作ってみるのも楽しいです。「SQ40」で撮影した“ましかくの世界”がゆらゆらと揺れているのを見ると、なんだかゆったりした気持ちになれました。
ただし、チェキを使ってインテリア雑貨を作るときに気を付けてほしい点がひとつあります。チェキフィルムはフィルムの中に写真を現像するための薬品が入っているため、現像が終わった後もチェキを折ったり穴を開けたりするのは薬品が外に出る可能性があって危険です。飾る際はチェキが傷つかないように注意してくださいね。
撮ってすぐ写真がプリントできる“チェキ”「INSTAX」シリーズは、デジタルカメラ全盛の今、アナログな写真の楽しさを改めて教えてくれるカメラです。
そのなかでも今回ご紹介した「SQ40」は、フィルムカメラ時代の中判カメラで人気だった6×6フォーマット(現1:1フォーマット)を継承しており、大切な宝物をましかくの箱の中にしまい込むようにシャッターを切る楽しさがあります。
思い出を手軽に“ましかく”のカタチで残せる「SQ40」、ぜひ使ってほしいカメラです。
金森玲奈 公式Webページ/SNSアカウント
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写真家。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。東京藝術大学美術学部附属写真センター勤務などを経て2011年からフリーランスとして活動を開始。怪我と障害がきっかけで引き取った2匹の飼い猫との日々を撮り続けている。