手ブレがほとんどない映画のようなヌル〜ッとした映像が、片手で撮れる!

使ってわかった! 3軸電動スタビライザー搭載カメラ「Osmo」の実力

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業務用マルチコプター「Phantom3」や「INSPIRE」などの開発・販売を手がけているDJI JAPANから2015年10月30日に発売が開始された、3軸電動スタビライザー搭載の完全一体型手持ち4Kカメラ「Osmo(オズモ)」。カメラが本体の傾きや向き、動きなどを感知し、レンズが水平に保つように自動補正して動くのが特徴で、製品が発表されるやいなや、ハンディー撮影とは思えないヌル〜ッとすべるような映像が映像業界関係者を中心に話題となり注目を集め、店舗によっては発売初日に入荷した数百台が予約分を含めて一気に売り切れたほどだ。筆者は発売前にも試し、そのうえで製品版をゲット。使ってわかったその実力をレビューしていこう。

ホールド感が高く、片手だけで操作・撮影が可能。本体がコンパクトなので、狭い所に入っていく撮影も余裕だ。コレで、あの映画のような滑らか映像が撮れてしまう

本体を収納できるギターケース風の頑丈なケースも付属。肩から下げて持ち運びできるが、その形ゆえにバッテリーチャージャーや予備バッテリーを収納できず、残念。また、ケースをカバンに入れると少々かさばってしまう

機能解説する前に、気になる映像を覧いただきたい。以下のような滑らかな映像が三脚やクレーンなしで、しかも、片手の手持ちで撮れてしまう。これは東京モーターショーにて、4Kで撮影した映像。「Osmo」を使うなら撮影者は動きながら撮る方が効果的だ。
※映像はリサイズされています。

3軸ジンバルの4Kカメラ「Zenmuse X3」と手持ちハンドルが一体化

Osmoは、スマホの専用アプリ「DJI GO」を使い、Wi-Fi経由で本体と通信を行って撮影映像のモニタリングや設定が行える。そのため、ハンドル左横にある「モバイルデバイスホルダー」にスマホを装着できるようになっている。ちなみにモバイルデバイスホルダーは、基本的には画面サイズが5.5インチまでのスマホに対応し、iPhoneではiPhone 6 Plus/6s Plusまでが装着可能。薄めのケースなら付けたままの状態でも問題なく装着できる。

また、モバイルデバイスホルダーに装着はできないがタブレット端末も利用可能。大きな画面でリアルタイム映像を見ながら、画面上でカメラアングルを操作して使うこともできる。なお、Wi-Fiでのダイレクト接続ではあるが、映像の表示には若干ながら遅延や乱れが発生することもあるので、カメラアングルの操作には多少慣れが必要になってくる。

スマホの画面に写った映像を見ながら撮影していく。モニタリング中も手ブレがほとんどない映像が映し出されるため、初めての人はそのスゴさにかなり驚く

各種撮影モードの切り替えやカメラ・ジンバルの設定、カラー調整などは、すべてスマホのアプリで行う

各種撮影モードの切り替えやカメラ・ジンバルの設定、カラー調整などは、すべてスマホのアプリで行う

撮影した映像や写真は、カメラ本体に挿入されているMicroSDメモリーカード(16GBが同梱)に記録される。スマホ上での閲覧や、スマホ本体にダウンロードすることも可能

スマホの画面を長押しすると白い点と青い丸が表示され、それをスライドさせることでカメラの向きを操作できる

カメラをハンドル部分に装着したOsmoの全高は、約26.8cm。重さは、バッテリーを搭載してスマホを装着していないと状態だと540g。iPhone 6を装着すると679gになる。ちょっと重めのペットボトルを持ち歩いている感触で、それなりにズッシリとくる。実際、持ったままの体制を維持していると少々疲れてくるが、持ち歩きながらOsmoを色々な方向に向けたり、動かして撮影している分には重さを感じず、苦にはならなかった。

スマホ装着時で679g。結構な重量だが、持ちやすいこともあり撮影時にはさほど気にならなかった

スマホ装着時で679g。結構な重量だが、持ちやすいこともあり撮影時にはさほど気にならなかった

標準搭載されているカメラは、3軸ジンバル映像安定化技術を搭載する4Kカメラ「Zenmuse X3」。センサーは、1/2.3型CMOSで、画素数は有効1,240万画素。レンズは、F/2.8で焦点距離20mm(35mm判換算)とかなり広角だ。感度は、動画撮影時がISO100〜3200、静止画撮影時がISO100〜1600。対応するシャッター速度は、8〜1/8000秒(マニュアルモード時は30秒までの設定が可能)。静止画の最大解像度は4000×3000ピクセルで、ファイル形式は、JPEG、DNG(RAW)となる。動画の記録解像度とフレームレートは、4K(4096×2160)24/25p、4K(3840×2160)24/25/30p、2.7K(2704×x1520)24/25/30p、フルHD(1920×1080)24/25/30/48/50/60/120pから選択可能で、フルHDなら120fpsのスローモーションの撮影も可能だ。ファイル形式は、MP4、MOV(MPEG-4 AVC/H264)となっている。

解像度の変更はスマホアプリで行う。高精細な映像を求めるなら4Kで、動きのあるものを撮るなら1920×1080の60fpsに、などと目的に応じて選べる

ちなみにカメラ「Zenmuse X3」は、取り外しが可能で、ドローン「DJI Inspire 1」に装着できる高精細カメラ「Zenmuse X5」シリーズに取り替えられるのもウリだ。このカメラは、センサーサイズが4/3型(フォーサーズ)で、静止画解像度が1600万画素。より鮮明で美麗な映像・写真が期待できる(焦点距離は35mm判換算で30mm)。さらに、512GBのSSDが搭載された「Zenmuse X5R」の利用も可能で、これを使うとRAW形式でロスレス4K動画の撮影まで可能で、映画やPVなどを撮影するプロ向け仕様となっている。

ハンドル上部の赤い点がある部分を左に回し白い点まで移動させると、カメラ部分が取り外せる

ハンドル上部の赤い点がある部分を左に回し白い点まで移動させると、カメラ部分が取り外せる

映画やドラマのような滑らかでブレのない映像が簡単に撮影できる!

高性能3軸ジンバルにより、傾きや向き、動きなどをカメラ本体が感知して、レンズが水平に保つように自動補正して動くようになっている。そのおかげで、ほとんど手ブレのない映像が片手で簡単に撮れてしまう。映画やドラマの撮影で見かける、レール上をカメラが移動したり、クレーンで撮るような映像を、大がかりな撮影機材も必要なく撮れてしまうというワケだ。Osmoのような3軸ジンバル映像安定化技術を搭載する手持ちカメラは、世界初なのだという(製品発表時現在)。

ハンドルの手前側には、録画やシャッターなどのボタンがいくつもあり、録画のオン・オフや写真撮影(録画中も可)が可能。さらにゲーム機のコントローラーに搭載されているようなアナログジョイスティックの操作ボタンがあり、これを上下左右に操作することでカメラの向き(チルトやパン、ロール)を自由に動かせる。ちなみにカメラの操作可能範囲だがチルトは-35°〜+135°、パンは±320°、ロールは±30°で、各操作の動作速度はアプリで設定可能だ。

ハンドルの背面側にはトリガーがあり、これを押さえることでカメラの向きを固定して水平を保つことが可能だ。このトリガーを2回連続で押すとカメラが背面側を瞬時に向き、3回連続押すとカメラがくるりと手前側を向いて自撮りが瞬時にできるようになっている。街中や観光地を歩きながら風景を撮ったり、中継の様子をレポートするため、瞬時に自撮りに切り替えるといった使い方もできそうだ。

以下は、撮影時のようすとその映像の関係がわかるようにまとめた動画。実際、本体を左右に揺らしてもカメラを水平を保つように各軸が回転するので、撮影している映像は揺らしていることがわからないほどだ。

カメラのチルトやパン、ロールの動作速度は、アプリで細かく調整できる。プリセットも用意されている。速度を遅めに設定しておくと、カメラの向きの調整がしやすくなる

スローモーションやタイムラプスなどの撮影モードも充実!

撮影モードも充実しており、スローモーション動画のほか、手ブレのしない映像を撮れるOsmoの機能を生かしたタイムラプスや長時間露光撮影も可能だ。通常、それらの撮影を行う場合、三脚などでカメラを固定する必要があるが、「Osmo」なら手持ちでもカメラが安定するため、手持ちで簡単に撮ることができる。ちなみに長時間露光撮影では、最長2秒で静止画を撮ることができ、夜などにクルマが動くシーンを撮れば、ライトが流れていくような夜景もラクに撮れてしまう。

ほかにも、「オートマティックパノラマ」でカメラが水平な状態を保ったまま自動で回転して360°や180°のパノラマ写真を撮れるのもおもしろい。……が、つなぎ合わせがイマイチな感があるので、知人に見せるためなどに使うオマケ機能といったところかもしれない。この点はアップデートで性能が向上することを期待したいところだ。

パノラマの撮影モードでは、手前側の180°を自動撮影してつなぎ合わせることもでき、自撮り撮影に重宝しそう。ほかにもタイマー撮影やインターバル撮影などが用意されている

予備バッテリーはあったほうがいい

バッテリーに関しては、予備バッテリーがあったほうが安心だ。Osmoはバッテリー駆動で、ハンドル底部から専用のバッテリーを入れて使用する。バッテリー容量は980mAhで、満充電状態からの稼動時間は約1時間程度。バッテリーの充電は、専用のバッテリーチャージャーに装着して行うタイプで、充電時間は1時間程度だ。実際に撮影していると、電動駆動部分が多いためかバッテリーがあまり持たない印象。撮影しないときには、スリープモードにして節約しながら使っていた。ちなみに、バッテリーは4,800円(税込/公式サイトでの価格)となっている。

バッテリーの充電時間が1時間。使用可能時間とほぼ同じなので、予備バッテリーがあれば交換しながら使うこともできる

なお、djiの公式サイトでは、専用の「バイクマウント」や「カーマウント」「拡張スティック」などアクセサリー類が豊富に用意されているので、すでに撮りたいものが決まっているならばチェックしておいたほうがよいだろう。

難点は、内蔵マイクがカメラのファンやトリガー音を拾ってしまう点

Osmoの唯一の弱点は、音声収録といえるだろう。撮影中にカメラを冷やすために内蔵されているファンがあり、この音が少々大きく内蔵マイクが拾ってしまうのだ。さらにハンドルのトリガーをクリックした時“カチッ、カチッ”という音も拾ってしまう。撮影した動画に、BGMを付けたり音を消して使用する目的ならば問題はないが、散歩を実況しながら音声を内蔵マイクで録音するというような使い方ではつらいものがある。本体には音声入力の端子があるので、音が必要な場合は単一指向性のガンマイクなどを用意して対策を行うといいだろう。そのようにすれば問題なく撮影することができた。

本体マイクはハンドルのトリガー上部にある。このためトリガーのクリック音やファンの音を拾ってしまう。外部マイク入力端子は本体マイクの横に装備

まとめ 「映画のような手ブレのないヌルヌル映像が、本当に手軽に撮れる!」

実際にOsmoを使って撮影すると、映画のような滑らかな映像が簡単に撮れるので、とにかく撮影するのが楽しくなる。東京モーターショーでは、発売前の使用機をお借りして撮影をしていたのだが、クルマの周囲をグルッと回りながら撮影し、さらにそのまま車内にカメラを入れて撮れ、しかもその映像が滑らか。他のハンディカメラで手持ち撮影した場合、どんなにがんばってもこの映像は撮れないだろう。また、人物の周囲を撮影者が動きながら撮れることで、自然な笑顔や仕草を収めることができた。

実際、YouTubeにそれらの映像をアップする際も、尺的に不要な部分をカットしてアップするだけでそれなりにカッコイイ映像になるので、仕事にも使えるし、とにかく動画投稿ががぜん楽しくなる。唯一の難点は、音声収録。クルマやコンパニオン撮影の動画では特に音声が必要なかったので、BGMを入れることでなんとかなった。しかし、いろいろなものを撮影するとなると、音声も重要になってくるので、ガンマイクなどを用意しておいた方がいいだろう。

ちなみに、1920×1080の60fpsでクルマをグルッと回りながら撮影したら、滑らかな映像になった。4Kで動画を視聴する人はまだ少ないので、フレーム数が多いHDで撮るのもアリだと思う。

djiでは、Osmoを実際に試すことができる「Osmo 50日間無料キャンペーン」を実施している。抽選であるが気になる人はチェックしてみてはいかがだろうか? 
「Osmo 50日間無料キャンペーン」(キャンペーン登録は2015年12月14日まで)
http://event.dji.com/osmo-free-trial/ja/index.html

川村和弘

川村和弘

新しモノ好きで、元ゲーム雑誌の編集者。玩具の攻略本を出版した経験もアリ。現在は、iPhone関連の情報メディアなどで編集・ライターとして活躍中!

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2017.10.16 更新
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