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ニコン、高級コンデジ「DL」シリーズ発売中止で、高級コンデジ市場に激震走る!

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ニコンファン期待の高級コンデジ。発売中止の報にファンは驚き

ニコン「DL18-50 f/1.8-2.8」

ニコン「DL18-50 f/1.8-2.8」

2017年2月13日、ニコンは、約1年前に製品発表を行っていた高級コンパクトデジカメ「DL」シリーズ3モデルの発売を中止すると発表した。当初は2016年6月発売の予定だったが、「画像処理用のICに不具合があることが判明した」ことから発売を延期。2017年2月上旬時点でも発売日が決定していなかったが、今回のアナウンスで正式に製品化の中止が決まった。その理由として同社は、「ユーザーに満足いただける商品とすべく、全力をあげて開発に取り組んできたが、開発費が増加したこと、および市場の減速にともなう販売想定数量の下落などを考慮し、収益性重視の観点から、発売中止を決定した」とアナウンスしている。今回の突然の発表に対し、価格.comのクチコミ掲示板では、早速ユーザーからさまざまな反応が出てきている。

ニコン「DL」シリーズは、ほぼ1年前に行われたカメラの展示会「CP+ 2016」の開催に合わせ、2016年2月23日に発表された、同社期待の高級コンデジシリーズだった。年々市場規模が縮小しているコンパクトデジカメ市場にあって、唯一安定した売れ行きを見せている高級コンデジであるが、ニコンではこのクラスの製品ラインアップがなく、ソニーやキヤノンといったライバルメーカーに遅れを取っていた。そこへ、満を持して送り出される予定だったのが、この「DL」シリーズだったのだ。同シリーズの製品ラインアップは3モデルで、焦点距離18mm相当の広角撮影が行え、開放F値1.8の明るさを実現する「DL18-50 f/1.8-2.8」をはじめ、焦点距離24〜85mmの「DL24-85 f/1.8-2.8」、焦点距離24〜500mmの望遠対応モデル「DL24-500 f/2.8-5.6」が発売される予定となっていた。

図1:ニコン「DL」シリーズ3モデルのアクセス数推移(過去2年)

図1:ニコン「DL」シリーズ3モデルのアクセス数推移(過去2年)

図2:ニコン「DL」シリーズ3モデルのアクセス数推移(過去3か月)

図2:ニコン「DL」シリーズ3モデルのアクセス数推移(過去3か月)

図1は、「価格.comトレンドサーチ」で見た、ニコン「DL」シリーズ3モデルのアクセス数推移を示したものだ。これを見ると、3モデルの中では、もっとも広角寄りの「DL18-50 f/1.8-2.8」の人気が高いことがわかる。製品発表のあった2016年2月22日週がアクセスのピークで、その後は約1年間、10,000PV/週程度のアクセスで推移していたが、先日の発表を受け、直近ではアクセスがグンと跳ね上がっている(図2)。2017年2月14日の「DL18-50 f/1.8-2.8」製品詳細ページへのアクセス数は20,723PVで、その2日前の1.353PVと比べると、何と15倍以上の伸び方だ。当然ながらこのアクセス増は、発売中止の報を受けて、多くのユーザーがクチコミなどの情報を求めに来た結果の数字である。ユーザーに与えた衝撃がどれだけ大きかったかを物語っているかのようだ。

図3:「デジタルカメラ」「デジタル一眼カメラ」カテゴリーのアクセス推移(過去2年)

図3:「デジタルカメラ」「デジタル一眼カメラ」カテゴリーのアクセス推移(過去2年)

なお、コンパクトデジカメ市場が年々縮小傾向にあるというのは、価格.comの「デジタルカメラ」カテゴリーの状況を見てもわかる。図3は、「デジタルカメラ」と「デジタル一眼カメラ」カテゴリーの過去2年間のアクセス推移を示したものだが(※2015年9月よりスマートフォン版を加算しているため、見た目上の数字が増加しています)、1年前には243万PV/週あったアクセス数も、直近では171万PV/週へと、30%ほど減少している。なお「デジタル一眼カメラ」カテゴリーについても1年で13%ほど下げているが、コンパクトデジカメほどではなく、その不調ぶりが際立つ結果となっている。

図4:「デジタルカメラ」カテゴリーの主要5メーカー別アクセス推移(過去2年)

図4:「デジタルカメラ」カテゴリーの主要5メーカー別アクセス推移(過去2年)

図5:「デジタルカメラ」カテゴリーの主要5メーカー別アクセス推移(過去3か月)

図5:「デジタルカメラ」カテゴリーの主要5メーカー別アクセス推移(過去3か月)

これをメーカー別に見てみると(図4)、トップのキヤノンと2番手のソニーが比較的安定しているのに対し、3位のニコンはやや浮き沈みが激しい(※2015年9月よりスマートフォン版を加算しているため、見た目上の数字が増加しています)。このカテゴリーでは売れ筋となる高級コンデジの製品ラインアップがないこともあり、キヤノンやソニーに比べて、安定した注目度がかせげないというのが、その大きな理由だろう。それどころか、直近では、その下にいる4位パナソニックや、5位富士フイルムといった、強力な高級コンデジのラインアップを持つメーカーに追い上げられている状況にある(図5)。直近の2月13日以降、アクセスが急上昇しているのは、今回の「DL」シリーズ発売中止の報を受けてのものだ。これらのデータからも、ニコンファンの「DL」シリーズの市場投入への期待と、発売中止に対する驚きが大きいことが見て取れる。

ファンからは、ニコンのメーカーとしての姿勢に厳しい声も

図6:ニコン「DL」シリーズ3モデルのクチコミ数推移(過去3か月)

図6:ニコン「DL」シリーズ3モデルのクチコミ数推移(過去3か月)

ニコン「DL」シリーズ発売中止の報を受け、クチコミ投稿も活発化している。図6は、ニコン「DL」シリーズ3モデルのクチコミ数推移を示したものだが、発売中止が発表された2月13日には、主力機種である「DL18-50 f/1.8-2.8」に対して94件のクチコミが投稿された。それまでほぼ0〜20件/日だった投稿数を考えると、かなりの上がり方と言える。

最近立ったクチコミのスレッド名を見てみると、「まさかの発売中止」「いちいち言い訳がムカつく、、」「取り扱い店舗が0に…」などとなっており、ユーザーの驚きと落胆、そして怒りのようなものまで見えてくる。なお、該当スレッドに対しての「イイネ」に該当する「ナイスクチコミ数」では、「まさかの発売中止」が636票、「いちいち言い訳がムカつく、、」が330票、「取り扱い店舗が0に…」が87票(2017年2月15日時点)となっており、価格.comのクチコミ掲示板における「白熱スレッドランキング」(過去3日間のクチコミ数を元に集計)では、「カメラ」カテゴリーで、106件のクチコミを集めた「まさかの発売中止」が1位という結果になったほどだ。

ニコン「DL18-50 f/1.8-2.8」に対するクチコミスレッド一覧

ニコン「DL18-50 f/1.8-2.8」に対するクチコミスレッド一覧

その内容を見ていくと、「私もびっくりしました。ここまで待たせてこれはちょっと・・・。ニコンとしても苦渋の選択だったんでしょうけど・・・」「何て言うか、酷い話ですよね? 1年も、引っ張って...。オーストラリアでは、3月発売を謳っておいて...」など、期待をして待っていたのに、発表から1年も経って発売中止になったという経緯に対して、驚きとともに、落胆・失望したというような意見が多く見られる。なかには、「ニコンの決断、私は良かったと思いますな。企業として胸を張れない、多少のリスクを負ってでも売りたいとまで思えない製品は最初から出さなきゃ良いんです」「そりゃあそ〜だ。18-50で1型センサーのコンデジに1000ドル出しても買う客なんてたかが知れてる」などと、今回の決断を擁護する意見もあるが、逆に「NIKONはスマホ時代に対応した体質改善に失敗したようです。他メーカーはとっくの昔にコンデジのフルラインナップを見直したのにNIKONは維持で財務的な体力を毀損した」「DLの不具合による発売中止は、メーカーとしての技術力に疑問が呈されるところです」「見通しの甘さが原因だろうに、その辺一切無しで通り一辺倒な言い訳に終始」など、ニコンのメーカーとしての姿勢に対して、厳しい意見も見られた。

全体として見れば、このクラスのコンパクトデジカメで、ニコンならではの明るいレンズと、1インチの大型センサーを搭載した「DL」シリーズに対して、期待を持って発売を待っていたユーザーが多かっただけに、今回の発売中止はかなり残念な結果となったといえる。昨今のコンパクトデジカメ市場の需要の落ち込みや、昨年4月の熊本地震による部材調達の影響などを考慮したとしても、1年という長きにわたって製品の発売を延期したうえ、中止するという今回の発表は、ユーザーを大いに落胆させた。逆に見れば、これまで比較的安定していた高級コンデジ市場も、そろそろ需要減退の時期が迫っているということなのかもしれない。

鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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2017.8.18 更新
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