レビュー
低燃費とウエット性能を両立したタイヤに新ラインアップ!

グッドイヤー「E-グリップ」の新タイヤをクローズドコースでテスト!

日本グッドイヤーは、低燃費性能とウエット性能を兼ね備えたタイヤ「エフィシェントグリップ」(以下E-グリップ)シリーズに、プレミアムセグメント向けの2製品を新たに追加し、それぞれ2月1日に販売を開始する。

(左)グッドイヤー「エフィシェントグリップ コンフォート」(右)グッドイヤー「エフィシェントグリップ パフォーマンスSUV」

>>価格.comでグッドイヤー「エフィシェントグリップ」シリーズのタイヤ一覧を見る

それに先立ち、日本自動車研究所(JARI)において、報道陣向けに新タイヤの試乗会が催されたので、ご報告しよう。ただし、限られた条件、時間内での試乗であったため、その評価も第1印象に限られたものであることは、あらかじめお断りしておきたい。

グッドイヤー「エフィシェント」シリーズ新タイヤの試乗会が開催された、日本自動車研究所(JARI)

グッドイヤー「エフィシェント」シリーズ新タイヤの試乗会が開催された、日本自動車研究所(JARI)

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100年を超える、歴史あるタイヤメーカー

グッドイヤーという会社は、1898年に設立された長い歴史を誇るとともに、F1レースをはじめさまざまなモータースポーツに積極的に参戦し、多くの技術を懐に抱く世界最大級の総合タイヤメーカーだ。

そんなグッドイヤーは、ここ最近、オールシーズンタイヤの「ベクター4シーズンズ」や、スタッドレスタイヤの「アイスナビ7」など、日本の気候を重視した製品を展開している。いずれのタイヤも、それぞれのセグメントにおいて秀でた魅力を持っている。

サマータイヤについては、プレミアムでスポーティーな性格付けのタイヤである「イーグル」シリーズと、同じくプレミアムでありながらコンフォート寄りの低燃費タイヤ「E-グリップ」シリーズ、そしてSUV向けの「ラングラー」シリーズと3種類のラインアップを抱える。

今回、その中のE-グリップシリーズへ、2つの新製品が追加された。ひとつは、グローバルに成長するSUV市場を見据えた「E-グリップ パフォーマンスSUV」。もうひとつは、セダン系の時流により、今後17インチ以上の純正タイヤ装着が多くなることを踏まえて開発された「E-グリップ コンフォート」である。

5つのラインアップとなったE-グリップシリーズ

E-グリップシリーズとは、グッドイヤーがグローバルに展開しているタイヤで、2000年代に世界中で関心の高まった、いわゆる“環境意識”を背景に誕生したコンフォートタイヤブランドだ。

グッドイヤー「エフィシェントグリップ コンフォート」ロゴ

グッドイヤー「エフィシェントグリップ コンフォート」ロゴ

“エフィシェントグリップ”とは「効率よくグリップする」という意味で、相反する2つの性能、すなわち「転がり抵抗」と「グリップ性能」を両立させるという思いが込められている。

日本国内では、2014年にハイパフォーマンスタイヤである「E-グリップ パフォーマンス」、翌2015年にはスタンダードタイヤとして、「E-グリップ エコ EG 01」と「E-グリップ SUV HP 01」を投入。そして今回投入する2商品により、乗用車向けにはパフォーマンス、コンフォート、エコというグレード違いの3商品が、SUV 向けにはプレミアムとスタンダードという2商品がラインアップされる。

「E-グリップシリーズに性能とサイズの厚みが加わり、より幅広くお客様に提案ができるようになった」とコメントするのは、日本グッドイヤー 代表取締役社長の金原雄次郎氏だ。

日本グッドイヤー代表取締役社長 金原雄次郎氏

日本グッドイヤー代表取締役社長 金原雄次郎氏

E-グリップシリーズのターゲットは、プレミアムセグメントのSUVやセダンへと広がった。それを表すかのように、今回のテスト車両も、SUVではレクサス「RX」やボルボ「XC60」、乗用車ではトヨタ「マークX」や「プリウスPHEV」が用いられている。

ラグジュアリーSUVにふさわしい「E-グリップ パフォーマンスSUV」

「E-グリップ パフォーマンスSUVは、静粛性とともに、ウエット性能やハンドリング性能を高次元でバランスさせたオンロードタイプのSUV用のタイヤで、E-グリップSUV HP 01の上位商品」と紹介するのは、日本グッドイヤー プロダクトマーケティング部部長の岸 宗弘氏だ。

グッドイヤー「エフィシェントグリップ パフォーマンスSUV」

グッドイヤー「エフィシェントグリップ パフォーマンスSUV」

静粛性能において、パターンノイズはSUV HP 01に対して9%改善。さらに、ドライブレーキは9%、ウェットブレーキでは15%以上改善された。さらに、ハンドリング性能においても、ヨーレート(コーナリング時の車両の挙動安定性を示す指標)で14%向上している。「このように、静粛性能だけでなく安全性に直結するブレーキ性能、ハンドリング性能も同時に向上させた」と岸氏は説明し、「ラグジュアリー SUV にふさわしい性能を実現している」と述べた。

静粛性とハンドリングを高次元で両立する「E-グリップ コンフォート」

もうひとつの新タイヤである「E-グリップ コンフォート」について、岸氏は「高い静粛性とシャープなハンドリングを高次元でバランスさせた、新しいコンフォートタイヤ」と紹介する。

グッドイヤー「エフィシェントグリップ コンフォート」

グッドイヤー「エフィシェントグリップ コンフォート」

そのターゲットは、「快適性を重視するコンパクト車からセダンユーザー、さらにインチアップユーザー」という。

コンフォートからファミリー層をターゲットにするE-グリップシリーズの中で、「E-グリップ エコ EG 01」と「E-グリップ パフォーマンス」の間に位置するのがE-グリップ コンフォートだ。また、E-グリップ コンフォートは、イーグルシリーズのコンフォートタイヤ「LS EXE」の後継タイヤとも位置付けられる。高いグリップ性能を備えるイーグルシリーズは、より走りを象徴するブランドへと見直されるようだ。

E-グリップ コンフォートの静粛性能は、LS EXEと比べてパターンノイズが28%軽減。通過騒音についても1db改善している。ハンドリングは19%、ウエット性能も3%改善され、ライフ(耐摩耗性)についても3%改良されている。

静粛性向上は驚くばかり……「E-グリップ パフォーマンスSUV」

ここまで、かなり前置きが長くなってしまったが、テストコースにおもむいてみよう。コースは直線路で、一気に60km/hまで加速し、普通の路面と荒れた路面での騒音チェック。次に40km/hでスラロームとダブルレーンチェンジでのハンドリングをチェックするレイアウトである。

日本自動車研究所(JARI)のNV・多用途路でE-グリップ新タイヤをテスト

日本自動車研究所(JARI)のNV・多用途路でE-グリップ新タイヤをテスト

まずはレクサス「RX450h」(235/65R18)の、「E-グリップ SUV HP 01」装着車両だ。このタイヤは、前述の通り「パフォーマンス」の下位であるが、これまではパフォーマンスの範囲までフォローしていたのだから、大きく劣ることはないと思われる。

グッドイヤー「E-グリップ SUV HP01」を装着したレクサス「RX450h」

グッドイヤー「E-グリップ SUV HP01」を装着したレクサス「RX450h」

直線路ではそれなりのロードノイズの侵入はあるものの、決して騒々しいというレベルにはない。ただし、若干荒れた路面ではステアリングを通してざらついた感じが伝わってきた。続いてスラロームとダブルレーンチェンジではステアリングの応答性が僅かに遅れるものの、大きく気になることはなかった。おしなべてバランスの取れたタイヤという印象だ

次に同じくRX450hに「E-グリップ パフォーマンス SUV」を履かせたものを同じコースでテストした。

グッドイヤー「E-グリップ パフォーマンスSUV」を装着したレクサス「RX450h」

グッドイヤー「E-グリップ パフォーマンスSUV」を装着したレクサス「RX450h」

直線路に入った途端、大きく静粛性が向上していることに気付く。特に荒れた路面では顕著で、ゴーという音そのものが、半分くらいになった印象だ。ステアリングに感じていたざらついた感触もかなり軽減されていたのは驚きだった。

グッドイヤー「E-グリップ パフォーマンスSUV」を装着したレクサス「RX450h」

グッドイヤー「E-グリップ パフォーマンスSUV」を装着したレクサス「RX450h」

続いてスラロームとダブルレーンチェンジでは、HP01よりも応答がシャープになった印象で、2トン超えのボディをしっかりと、かつ安全に旋回させた。

もう1台、昨年「日本・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した、ボルボ「XC60 T5」(235/55R19)が用意されていた。

グッドイヤー「E-グリップ パフォーマンスSUV」を装着したボルボ「XC60 T5」

グッドイヤー「E-グリップ パフォーマンスSUV」を装着したボルボ「XC60 T5」

試乗すると、いずれの路面、挙動ともとても安定しており、かつ、荒れた路面での振動の伝わり方が、RX450hよりもやさしくなっている。また、静粛性も向上している印象だ。

以前、同じXC60 T5(同タイヤサイズ)に装着されていたミシュランの「ラティチュード スポーツ3」と呼ばれるスポーツSUVタイヤ装着車へ試乗したことがあるのだが、それと遜色ない完成度の高さといえそうだ。

グッドイヤー「E-グリップ パフォーマンスSUV」を装着したボルボ「XC60 T5」

グッドイヤー「E-グリップ パフォーマンスSUV」を装着したボルボ「XC60 T5」

さらに、このボルボのみ低ミュー路でもテストがかなったのだが、クルマの性能を見事に発揮。AWDの効果もあり、サマータイヤのE-グリップパフォーマンスSUVでも安定したコーナリングを行うことができた。

クルマの欠点すら覆い隠す実力……「E-グリップ コンフォート」

次に、同じコースで従来タイヤの「イーグルLS EXE」(215/60R16)と、その後継となる新タイヤの「E-グリップコンフォート」を、トヨタ「マークX」に履かせてテストした。なお、コースは少し変更されており、最後のほうがダブルレーンチェンジではなく、高速道路などにある継ぎ目や段差がある路面へと変更されている。

グッドイヤー「E-グリップ コンフォート」を装着したトヨタ「マークX」

グッドイヤー「E-グリップ コンフォート」を装着したトヨタ「マークX」

最初は、E-グリップ コンフォートでコースに入る。一気に60km/hまで加速し、通常路面、そして荒れた路面を走行すると、やはり、コンフォートの名の通り、非常に静粛性が高く、路面の状況が変わっても若干ロードノイズが大きくなるくらいで、ステアリングへの微妙なざらついた感触もあまり伝わってこず、乗り心地は快適だ。

スラロームでも応答性は高く、思った通りの舵角でスムーズにクリアしていく。後半の段差のチェックでも、きつい突き上げは感じられず、タイヤがきれいにショックを吸収している印象を受けた。

グッドイヤー「イーグル LS EXE」を装着したトヨタ「マークX」

グッドイヤー「イーグル LS EXE」を装着したトヨタ「マークX」

さて、次にイーグルLS EXEに乗り換えてみよう。すると、乗り心地を含めて、かなり荒れた印象だ。ロードノイズもコンフォートに比べるとかなり気になるレベルで、ステアリングへのざらついた感触がはっきりと感じられる。タイヤの扁平率が60ではなく55か50に代わっているのかと思うくらいはっきりと印象が違うのだ。

したがって、段差もはっきりと感じられる。そこで興味深かったのは、マークXの“設計年次の古さ”が感じられたことだ。

イーグルLS EXEでは、段差を越えたときに、フロア周りとステアリングの取り付け位置の剛性の低さが表面化したのだ。これは、コンフォートでは感じられなかったので、コンフォートでは路面からのショックを上手にタイヤが吸収していたことがわかる。

中間より若干パフォーマンスよりの性格……E-グリップコンフォート

今回は、コース上に水が撒かれた低ミュー路におけるレーンチェンジや急ブレーキも、テストすることができた。

日本自動車研究所(JARI)の低ミュー路でも新タイヤをテストした

日本自動車研究所(JARI)の低ミュー路でも新タイヤをテストした

具体的には、まず60km/hまでフル加速した後に、左のレーンチェンジ(を想定したクランク)で、タイヤのしっかり感を確認。その後の低ミュー路では、圧雪路と同じくらい滑りやすい路面で、35km/hでレーンチェンジ。ここで、ハンドルの舵角やグリップ感を体感する。そして最後に、60km/hまで加速してから低ミュー路でフルブレーキングすることで、タイヤの制動力を確認するという内容だ。

この低ミュー路では、トヨタ「プリウスPHEV」にE-グリップシリーズの3種類のタイヤ「E-グリップ パフォーマンス」「E-グリップ エコ EG 01」「E-グリップ コンフォート」(いずれも195/65R15)を履かせて、比較試乗を行った。

グッドイヤー「E-グリップ パフォーマンス」を装着したトヨタ「プリウスPHV」

グッドイヤー「E-グリップ パフォーマンス」を装着したトヨタ「プリウスPHV」

まず、トップグレードであるE-グリップ パフォーマンスからテスト。一気に60km/hまで加速してのレーンチェンジでは、タイヤがとてもしっかりとグリップし、195/65R15とは思えないスタビリティを感じる。次の低ミュー路は、圧雪路と同じぐらいの滑りやすいのだが、ぬるぬるとだらしなく滑ることはなく、スタビリティコントロールも大きく介入せずに、クリアすることができた。また、60km/hからのフルブレーキも、グリップ感を損なうことはなく、真っすぐに停止。シリーズトップモデルだけあり、すべてを高次元でバランスされていることがうかがえる。

グッドイヤー「E-グリップ エコ EG 01」を装着したトヨタ「プリウスPHV」

グッドイヤー「E-グリップ エコ EG 01」を装着したトヨタ「プリウスPHV」

次に乗ったE-グリップ エコ EG 01は、転がり抵抗が少ないため、初速から一気に加速すると、思った以上に早く60km/hに達する。しかし、コーナリング時はアンダーが強く、パフォーマンスよりも外に出ようとする。低ミュー路でも、ずるずると滑り出し、ハンドルをかなり切り増し、かつスタビリティコントロールの助けを借りてやっとクリアできたが、この印象は前述のE-グリップ パフォーマンスの印象があまりにもよかったこともあるので、差し引いて考える必要があるだろう。

グッドイヤー「E-グリップ コンフォート」を装着したトヨタ「プリウスPHV」

グッドイヤー「E-グリップ コンフォート」を装着したトヨタ「プリウスPHV」

そして今回、新たに投入されたE-グリップ コンフォートの印象は、E-グリップ エコとE-グリップ パフォーマンスの中間というよりも、少しパフォーマンス寄りのタイヤというものだった。エコ EG 01よりもはるかに低ミュー路でのグリップは高いものの、パフォーマンスには及ばない。ただし、滑り出しがわかりやすいので、コントロールは簡単だ。低ミュー路でのフルブレーキについては、ほぼ両タイヤの中間に位置していた。

グッドイヤー 2月発売予定 新製品プレス先行体験試乗会にて

グッドイヤー 2月発売予定 新製品プレス先行体験試乗会にて

今回、さまざまなシチュエーションでE-グリップシリーズの試乗テストをしたのだが、その印象はE-グリップパフォーマンスSUV、E-グリッププレミアムともに、非常に“静粛性が高い“というものだった。

また、路面からのショックの吸収性も高く、クルマの欠点をタイヤが補えるほどだった。特に、その傾向は乗用車のコンフォートに強く表れており、その名の通り、コンフォート性能は非常に高いと思われる。

いっぽうの、パフォーマンスSUVも同様である。そのうえで、ウエットグリップ性能やハンドリング性能が高められているので、背の高いSUVであれど、十分安定したコーナリングを味わえるだろう。

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内田俊一

内田俊一

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かし試乗記のほか、デザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。

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