“弾丸”試乗レポート
クルマ好きのための“弾丸”試乗レポート

今注目の海外メーカー製最新SUV6製品をイッキに試乗

新春毎年恒例の輸入車インポーターによる合同試乗会にて、アウディ「Q2」、BMW「X3」、MINI「クロスオーバー」、プジョー「3008」、Jeep「コンパス」、シトロエン「C3」の6台のインポートSUVを試乗。それぞれに、どんな魅力があり、どんな使い方が適しているのか、モータージャーナリストである鈴木ケンイチ氏が紹介しよう。

冬晴れのコンディションの下、西湘バイパスと一般道を使ったコースで、6台の海外製SUVの試乗を行った

冬晴れのコンディションの下、西湘バイパスと一般道を使ったコースで、6台の海外製SUVの試乗を行った

アウディらしい高級感のあるデザインが魅力のコンパクトSUV
アウディ「Q2」

アウディのSUVラインアップの最小モデルとして昨年の6月より日本で発売開始となったのが「Q2」だ。3気筒の1リッター・ターボと4気筒1.4リッター・ターボの2種のパワートレインを用意。エントリーモデルは299万円で、欧州プレミアムブランドのSUVとしては破格のお手頃価格に設定されている。

試乗は1リッターの上級グレードである「Q2 1.0TFSI Sport」。乗って驚くのはインテリアの質感の高さだ。もう少し価格帯が上のアウディ・モデルをイメージさせてくれるのが嬉しい。1リッターターボは、一瞬のための後、意外な力強い加速を見せてくれた。全体としてキビキビとした走りが強く印象に残る。コンパクトSUVのため後席スペースは必要十分といったところ。大人2人+小さな子供と言った使い方が適していそうだ。自動ブレーキやACC(時速0qからの渋滞時にも対応)という運転支援システムも充実している。小さくてもアウディらしいプレミアム感や先進感を感じられるのが魅力だ。

ペイントされたCピラーはsportラインの特徴。サイドウインドウは前席・後席ともに比較的小さめ

ペイントされたCピラーはsportラインの特徴。サイドウインドウは前席・後席ともに比較的小さめ

黒をベースにメッキパーツをあしらった、アウディらしい内装も魅力のひとつ

黒をベースにメッキパーツをあしらった、アウディらしい内装も魅力のひとつ

アウディ Q2 1.0TFSI Sport
寸法:全長4200×全幅1795×全高1500mm
車両重量:1310kg
駆動方式:前輪駆動
乗車定員:5名
エンジン:999cc直列3気筒DOHCターボ
最高出力:85kW(116馬力)/5000〜5500rpm
最大トルク:200Nm/2000〜3000rpm
JC08モード燃費:19.8km/l
トランスミッション:7速Sトロニック
価格:364万円(シリーズ299万円〜)

質感も走りもワンランク上の上質感をかもしだす高級SUV
BMW「X3」

BMWの最小SUV(BMWでは「スポーツ・アクティビティ・ヴィークル=SAV」と呼ぶ)として初代モデルが2004年にデビュー。当時は、3シリーズ派生のエントリーモデルというイメージであったが、後に弟分である「X1」が登場。そして昨年秋から発売されている第三世代の「X3」は、新世代7シリーズと同じプラットフォームを採用。エントリー色は消え失せ、すっかりプレミアムのオーラを発するミドルSUVに進化している。その新しいX3は、2リッターのガソリンとディーゼルの2つのパワートレインを用意。駆動方式は、すべてが4輪駆動となっている。

試乗車は、2リッターのディーゼル・エンジン・モデルだ。全長4.7mのサイズ感は、3シリーズと比較して、全長で約95mm、全幅で約90mmも大きい。価格帯も含め5シリーズのほうが近いミドルハイクラスと言える。日本車でいえばトヨタ「ハリアー」のサイズが近い。インテリアの質感も高く、完全なプレミアム・サルーンと同等で、710万円の価格に相応のものとなっている。もちろん、自動ブレーキなどの運転支援システムも最先端のものを搭載。プレミアムSUVにふさわしい内容と言えるだろう。

走りは重厚だ。乗り心地はフラットで落ち着いている。トルクフルなディーゼル・エンジンとの組み合わせも、こうした印象をさらに強める。X3の属するクロスオーバー・SUVは世界的に人気で、上記のトヨタ「ハリアー」に加えて、レクサス「NX」、メルセデス・ベンツ「GLC」、アウディ「Q5」、ポルシェ「マカン」など、軽く思い浮かべただけでも、いくつものライバルが存在する。その中でもBMWのモダンな設計に潜む古典的なクルマの魅力と、運転がうまくなった気にさせる走行感覚が、X3の特徴と言えるだろう。

ドライバー側に向いたダッシュボードなど、スピード感を演出するインテリア。試乗モデルは、明るいブラウン系のレザーシートでプレミアム感をさらに高めていた

直列4気筒ディーゼルターボエンジンは、大きなボディを軽々と加速させる

直列4気筒ディーゼルターボエンジンは、大きなボディを軽々と加速させる

BMW X3 xDrive20d M Sport
寸法:全長4720×全幅1890×全高1675mm
車両重量:1860kg
駆動方式:4輪駆動
乗車定員:5名
エンジン:ディーゼル1995cc直列4気筒DOHCターボ
最高出力:140kW(190馬力)/4000rpm
最大トルク:400Nm/1750〜2500rpm
JC08モード燃費:17.0km/l
トランスミッション:8速AT
価格:710万円(シリーズ639万円〜)

大人4人と荷物が余裕で収まるMINI随一の利便性
MINI「クロスオーバー」

「MINI」ファミリー初の本格SUVとして2011年に誕生した「MINIクロスオーバー」は、MINIならではの世界観を実現しながらも、高い走破性能と4ドア+荷室の実用性を備えて、一躍人気モデルとなった。昨年3月より、第二世代の販売が日本でもスタート。新モデルは、2リッターのディーゼル・エンジンと1.5リッターのガソリンがラインアップされ、今後、1.5リッターガソリン+モーターのハイブリッドの追加も予定されている。駆動方式は1.5リッターが前輪駆動(FF)で、2リッターのディーゼル・エンジンは前輪駆動(FF)と4輪駆動(4WD)が用意されている。

試乗車は、ディーゼルの上級モデルとなる「MINIクーパー SD Crossover All4」だ。インテリアは円を基本としたMINIならではのもの。2001年にスタートしたBMW・MINIブランドは、世代を重ねるにつれて洗練度を高め、いまやプレミアムに届くほどになった。最新モデルのインテリアはポップであるものの、安っぽさはすっかり消え失せている。また、自動ブレーキやACCといった先進運転支援システムも完備。2リッター・ディーゼルは力強く、BMW「X3」よりもキビキビとした走りを楽しむことができた。楽しい世界観だけでなく、後席や頭上空間も十分確保されており、室内空間も十分実用的でラゲッジスペースもほかのMINIよりも余裕があるなど、人気の高さも納得できる。なお、エントリーモデルはナビ標準装備で335万円からと意外とお手ごろ。

MINIとしては大きいが、大きすぎず扱いやすいボディサイズ。5ドアの「MINI 5 DOOR」や、ワゴンの「CLUBMAN」よりも室内空間は広い

インテリアは円形をモチーフにしたメーターやナビ、レトロなスイッチなどMINIらしい味付け

インテリアは円形をモチーフにしたメーターやナビ、レトロなスイッチなどMINIらしい味付け

MINIクーパー SD Crossover All4
寸法:全長4315×全幅1820×全高1595mm
車両重量:1630kg
駆動方式:4輪駆動
乗車定員:5名
エンジン:ディーゼル1995cc直列4気筒DOHCターボ
最高出力: 140kW(190馬力)/4000rpm
最大トルク: 400Nm/1750〜2500rpm
JC08モード燃費:20.8km/l
トランスミッション:8速AT
価格:493万円(シリーズ335万円〜)

想像以上の先進性を取り入れた、プジョーならではの本格SUV
プジョー「3008」

プジョーの基幹モデルである「308」から派生したSUVが「3008」だ。2009年誕生の初代モデルはミニバン風のクロスオーバーであったが、昨年から日本発売が開始された2代目は、一般的なSUV風に路線を変更。大きなイメージチェンジは、欧州では大いに評価され、ヒットモデルとなっているという。日本に導入されるのは1.6リッターのガソリン・ターボと2リッターのディーゼル。どちらも6速ATが組み合わされており、駆動方式は前輪駆動(FF)となっている。

ドライバーズシートに収まって驚いた。全体は308と似ているものの、デジタルメーターをはじめ、よりモダンな雰囲気になっている。また、自動ブレーキやACC、レーンキープアシストといった、先進運転支援システムも、ドイツ車や日本車と同様のものが装備されている。正直、プジョーには、あまり先進的なイメージがなかったけれど、3008に関しては、そうした思い込みは撤回しなければならない。そのいっぽうで、走らせたときの素直でしなやかな動きや、使いやすい室内空間といったプジョーらしさは健在。従来の美点をそのままに、最新アイテムを取り入れたのだ。これなら欧州でヒットするのも当然のことだろう。

先代のミニバン風デザインから、よりSUV的なプロポーションに生まれ変わった

先代のミニバン風デザインから、よりSUV的なプロポーションに生まれ変わった

小径のステアリングやセンターコンソールに並ぶスイッチなど、プジョーらしいインテリア。液晶化されたメーターはエントリーグレードから標準装備されている

プジョー 3008 GT-Line
寸法:全長4450×全幅1840×全高1630mm
車両重量:1500kg
駆動方式:前輪駆動
乗車定員:5名
エンジン:1598cc直列4気筒DOHCターボ
最高出力: 121kW(165馬力)/6000rpm
最大トルク: 240Nm/1400〜3500rpm
JC08モード燃費:14.5km/l
トランスミッション:6速AT、価格:399万円(シリーズ357万円〜)

アメリカンカジュアルテイストを手軽に楽しめる、チェロキーのダウンサイズ版
Jeep「コンパス」

SUVの元祖ともいえるJeepブランド。その象徴的存在が、Jeepのクラシカルなイメージを強く残す「ラングラー」だ。北米では昨年の暮れに新型モデルが登場し、話題を集めている。実際に日本でもJeepブランドで最も売れているのはラングラーシリーズだという。しかし、Jeepブランドには、もうひとつの大きなラインがある。それが「グランドチェロキー」を筆頭としたモダンデザインをまとったモデル群だ。グランドチェロキーを長兄に、「チェロキー」、末弟の「コンパス」と続く3モデルは、現代アメリカSUVの王道をゆく存在と言っていいだろう。

その末弟となるコンパスの最新モデルが、昨年12月より日本で発売開始となった。見た目は、ミニ・チェロキーとでも呼びたくなるモダンJeepそのもの。ただし、たっぷりとした塊感を持ちながらも実際のサイズは全長4.4m。日本国内で使うのにも、それほどの苦労はないだろう。先進運転支援システムとなる自動ブレーキやACCの用意がないのは残念だが、ブラインドスポットモニターやリヤクロストラフィックアラート、リアバックアップカメラなどの警報系の装備は揃っている。またアップル「CarPlay」などに対応するナビシステムなども用意。日本国内でリアルに使えるアメリカンSUVだ。

全長が4400mmに抑えられており、SUVとしてはコンパクトな部類。ただし最小回転半径は5.7mで、サイズの印象よりも小回りはきかない

室内はあっさりとした味付け。「Longitude」、「Limited」、「Sport」のいずれのグレードもアップル「CarPlay」および、Google「AndroidAuto」に対応している

Jeepコンパス・ロンジチュード
寸法:全長4400×全幅1810×全高1640mm
車両重量:1490kg
駆動方式:前輪駆動
乗車定員:5名
エンジン:2359cc直列4気筒マルチエア16バルブ
最高出力:129kW(175馬力)/6400rpm
最大トルク:229Nm/3900rpm
JC08モード燃費:11.9km/l
トランスミッション: 6速AT
価格:351万円(シリーズ323万円〜)

キュート路線から一転。シトロエン好きの琴線に触れる前衛クロスオーバーに転生
シトロエン「C3」

カジュアルでキュートなコンパクトカーだった「C3」が、フルモデルチェンジであっと驚く精悍なスタイルのクロスオーバーに。2016年の欧州での発売に続き、日本では昨年7月より発売が開始となった。搭載するエンジンは1.2リッターの3気筒ターボ。これにトルコン6速ATを組み合わせる。SUV風ではあるが、駆動方式は前輪駆動(FF)。街乗り中心のクロスオーバーだ。

新型C3の魅力は、その斬新なデザインだ。側面のエアバンプやフロント周りのエクステリアも、前衛的でシトロエンらしいが、インテリアも楽しさ満点。高級感はあまりないが、フランスのコンパクトカーは、あくまでも実用品。贅を尽くすものではなく、使い倒すものなのだ。そういう意味で、C3の操作系はフランス車の王道を行くシンプルさがあって使いやすい。また、十分なパワーとスムーズな変速、路面をしっかりとつかむようなサスペンションによる走りは、相当にレベルが高い。見た目だけでなく、使い勝手や走り味という点もC3は、しっかりとしたものに生まれ変わっていたのだ。

また、ルームミラーの根元には前方視界を撮影するフルHDカメラ「コネクテッドカム」を設置。スマートフォンのアプリを使ってSNSに写真や動画を投稿することもできる。そんなお楽しみ機能をまじめに装備するのもシトロエンならでは。自動ブレーキやブラインドスポットモニターといった先進の運転支援も装備。デザインだけでなく、基本性能や機能性、そしてコスパにもすぐれるクロスオーバーに仕上がっている。従来のC3のイメージを覆し、革新的なシトロエンらしさを求めていたファンにとって、久しぶりに食指の動きそうなコンパクトモデルといえる。

エクステリアとともにインテリアも刷新。明るく明快なイメージから一転しシックなデザインに変わった

エクステリアとともにインテリアも刷新。明るく明快なイメージから一転しシックなデザインに変わった

上級グレードである「SHINE」には、ドライブレコーダーの一種である「コネクテッドカム」が搭載される

上級グレードである「SHINE」には、ドライブレコーダーの一種である「コネクテッドカム」が搭載される

シトロエンC3シャイン
寸法:全長3995×全幅1750×全高1495mm
車両重量:1160kg駆動方式:前輪駆動
乗車定員:5名
エンジン:1199cc直列3気筒DOHCターボ
最高出力:81kW(110馬力)/5500rpm
最大トルク:205Nm/1500rpm
JC08モード燃費:18.7km/l
トランスミッション: 6速AT
価格:239万円(シリーズ216万円〜)

鈴木ケンイチ

鈴木ケンイチ

新車のレビューからEVなどの最先端技術、開発者インタビュー、ユーザー取材まで幅広く行うAJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。

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