レビュー
CR-V初のハイブリッドモデルをひと足お先に試乗!

新型 CR-V ハイブリッドを発売直前に試乗!CR-V復活の理由とは

ホンダが「CR-V」を復活させる理由

1995年に発売されたホンダ 初代「CR-V」

1995年に発売されたホンダ 初代「CR-V」

日本におけるSUV市場を築いた車種のひとつが、ホンダ「CR-V」だ。1995年に発売された初代CR-Vのボディサイズは、いまの「ヴェゼル」に近く、適度なサイズ感とすぐれた視界で運転がしやすいモデルであった。ミニバンのように前後の座席が平らに繋がるシートアレンジなども備えており、1994年に発売されたトヨタ「RAV4」と並んで人気SUVとなった。

2001年に発売されたホンダ 2代目「CR-V」

2001年に発売されたホンダ 2代目「CR-V」

2006年に発売された3代目「CR-V」

2006年に発売された3代目「CR-V」

その後、CR-Vは2001年に2代目へとフルモデルチェンジされて、2006年には3代目が登場したが、3代目ではボディが大型化されて全幅は1,800mmを超えた。この影響もあったためか売れ行きは下がり、2011年の4代目になるとさらに不人気になった。これにより、2016年に発売された5代目は日本では販売されず、CR-Vの国内販売はいったん終了した。

2016年に海外で発売され、2018年に日本にも投入される、ホンダの5代目「CR-V」走行イメージ

2016年に海外で発売され、2018年に日本にも投入される、ホンダの5代目「CR-V」走行イメージ

ところが、ホンダはその5代目CR-Vを日本国内へこれから導入するという。詳細なスケジュールは明らかにされていないが、発売は2018年10月頃と噂されており、早ければ8月頃には受注を開始する模様だ。

気になるのは、ホンダがなぜ「今になってCR-Vを復活させるのか」だ。これには、昨今のSUV人気の高まりに応えて、ホンダの車種ラインアップを充実させたいという思わくがあげられる。また、現在のホンダの売れ筋車種は低価格帯に偏っているため、1台当たりの粗利が減ってきている。そこでCR-Vを導入することによって、利幅を厚くしたいという狙いもうかがえる。

今回、北海道にあるホンダのテストコースにおいて、雪上ではあるものの新型CR-Vの2リッターハイブリッドモデルを試乗したので、レポートしたい。なお、試乗車は左ハンドルのプロトタイプ(試作車)だ。

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※当記事で使用している画像は、前述のプロトタイプ、もしくは海外で発売されている左ハンドル車両となりますので、あらかじめご了承ください。

新型CR-Vの運転のしやすさ(取りまわし性/視界)

ホンダ 新型「CR-V」のフロントイメージ

ホンダ 新型「CR-V」のフロントイメージ

ホンダ 新型「CR-V」のリアイメージ

ホンダ 新型「CR-V」のリアイメージ

5代目となる新型CR-Vのボディサイズは、全長が約4,600mm、全幅は約1,820mm、全高は約1,690mm。これは、マツダ「CX-5」や日産「エクストレイル」に近い大きさだ。

搭載されるパワートレインは、1.5リッター直列4気筒ターボエンジンと、2リッター直列4気筒のハイブリッドをラインアップする。1.5リッターターボには、シビックに近いチューニングが施され、2リッターハイブリッドは「ステップワゴン」「オデッセイ」「アコード」などと同様のセッティングが施される。

駆動方式はFFと4WDが用意され、FFは荷室にコンパクトな3列目シートを装着した仕様も選ぶことができる。

ホンダ 新型「CR-V」の試乗走行イメージ

ホンダ 新型「CR-V」の試乗走行イメージ

新型CR-Vの運転席に座ると、ボンネットはほとんど見えない。今の外観デザインの流行に沿って、サイドウィンドウの下端は高めで、側方の視界はいま一歩だ。ボディ後端のピラー(柱)も太く、運転席からの死角が大きい。これでは後退時など、バックモニターに頼ることになる。全幅も約1,820mmだから、運転がしやすいとはいえない。

評価:★★☆☆☆(2点)
コメント:全長は適度だが、全幅は日本で使うにはワイドで、側方と後方の視界もよくない。

新型CR-Vの内装(質感/スイッチの操作性とメーターの視認性)

ホンダ 新型「CR-V」のインパネ

ホンダ 新型「CR-V」のインパネ

ホンダ 新型「CR-V」のシフトノブ

ホンダ 新型「CR-V」のシフトノブ

新型CR-Vのインパネはミニバン風のデザインで、中央部分の下側にATレバーを装着した。操作性はよいが、手前に大きく張り出すからフロントシートからリアシートへの移動はしにくい。

インパネの周辺にはステッチが施されており、その質感はおおむね満足できる。メーターはサイズに余裕を持たせて視認性がよく、スイッチ類の操作性も問題ない。

評価:★★★☆☆(3点)
コメント:特別に上質とはいえないが、不満は生じないレベルだ。

新型CR-Vの居住性&荷室(前後席の居住性/荷室の広さと使い勝手)

ホンダ 新型「CR-V」のフロントシート

ホンダ 新型「CR-V」のフロントシート

フロントシートは、背もたれなどのサイズに余裕があり、乗員の身体を包むような座り心地に仕上げられた。ボリューム感があって快適だ。

ホンダ 新型「CR-V」のリアシート

ホンダ 新型「CR-V」のリアシート

リアシートは、頭上と足元の空間が広い。身長170cmの大人4名が乗車して、リアシートに座る乗員の膝先には、握りコブシ2つ半もの余裕がある。

ただし、SUVなので床が高めとなっており、座ると膝が少し持ち上がる。座面の前側を少し高くしたり、柔軟性を強めると大腿部を中心にサポート性が向上するだろう。それでも、頭上と足元が広いから4名乗車は快適だ。

試乗車はハイブリッドなので3列目シートは装着されていなかったが、1.5リッターターボエンジン搭載車には備わる。新型CR-Vの3列目シートは、アウトランダーやエクストレイルの3列目シートと同様に、ラゲッジルームに設けられたいわば補助席のようなタイプだ。3列目シートへ座ると膝が大きく持ち上がり、頭上と足元の空間も狭い。3列目シートに乗車するなら、片道30分程度までと考えておいたほうがよいだろう。

ホンダ 新型「CR-V」のラゲッジルーム

ホンダ 新型「CR-V」のラゲッジルーム

ラゲッジルームは床が高めだが、容量には余裕がある。リヤゲートの開口部は広く、ラゲッジルームの使い勝手はよい。

評価:★★★★☆(4点)
コメント:1、2列目シートは快適で、ラゲッジルームも広く使い勝手はよい。3列目シートは補助席のような造りで、足元や頭上空間も狭い。

新型CR-Vの走行性能(動力性能/走行安定性)

ホンダ 新型「CR-V」のエンジンルーム

ホンダ 新型「CR-V」のエンジンルーム

新型CR-Vが搭載するハイブリッドシステムは、「ステップワゴンハイブリッド」や「オデッセイハイブリッド」と同タイプで、2リッターエンジンは主に発電用に使われる。発電された電気を使って、モーターがホイールを駆動する仕組みだ。エンジンがホイールを直接駆動するのは、高速巡航時に限られる。

モーターで駆動するので、その加速感は電気自動車に近く、直線的に速度を高めていく。モーターは反応の仕方がすばやいから、細かな速度調節もしやすい。特に、巡航中にアクセルペダルを少し踏み増すような場面では、モーター駆動ならではの反応のよさを感じる。

ホンダ 新型「CR-V」の試乗走行イメージ

ホンダ 新型「CR-V」の試乗走行イメージ

この特性により、動力性能は2.5〜3Lクラスと感じられた。アクセルペダルを踏み続けると加速は次第に頭打ちになるが、頻繁に使う実用的な回転域では余裕がある。
前述のように、エンジンが発電を担当してモーターが駆動を行うから、速度に応じてエンジン回転を上下させる必要はないが、ある程度は同期させている。加速力を高めた時に多量の発電を要するためでもあるが、アクセルペダルを深く踏んだ時にエンジン回転が高まるから、ドライバーの運転感覚にも合う。ただし、少し粗めのノイズがともなう。

ホンダ 新型「CR-V」の試乗走行イメージ

ホンダ 新型「CR-V」の試乗走行イメージ

走行安定性は、雪道だから舗装路とは異なるが、高重心のSUVでありながら車両の動きに鈍さを感じにくい。操舵角に応じて車両の向きが比較的正確に変わり、予想通りにカーブを曲がる。後輪の接地性もよく、安心して運転できる。プラットフォームは現行シビックと共通で、サスペンションは前輪がストラット、後輪がマルチリンクの4輪独立懸架だ。感覚的にいえば、シビックの走りを少しマイルドにしたような印象だ。

ホンダ 新型「CR-V」の試乗走行イメージ

ホンダ 新型「CR-V」の試乗走行イメージ

4WDは、電子制御の多板クラッチによって、前後輪に駆動力を配分する方式だ。車両の各種センサーを使い、路面と走りの状況を綿密に検知して4WDを制御する。そのために、積雪路の坂道発進のような状況でも、前輪の空転が生じにくい。前述のすぐれた走行安定性も、4WDの制御によるところが大きいだろう。

評価:★★★★☆(4点)
コメント:新型CR-Vのハイブリッドモデルは、モーター駆動ならではのEVのような反応のよさが生かされている。また、実用域における加速は力強い。雪上においてもバランスがよく、4WD制御による走行安定性は高い。

新型CR-Vの乗り心地

ホンダ 新型「CR-V」の試乗走行イメージ

ホンダ 新型「CR-V」の試乗走行イメージ

雪道の凹凸路面で乗り心地を試してみたが、硬さは抑えられており、足まわりが柔軟に伸縮する印象だ。挙動の変化がおだやかなことも、走行安定性とあわせて乗り心地を向上させている。

評価:★★★★☆(4点)
コメント:足まわりがゆったりと伸縮する印象があり、SUVらしい乗り心地に仕上げられている

新型CR-Vの安全&快適装備

ホンダ 新型「CR-V」の走行イメージ

ホンダ 新型「CR-V」の走行イメージ

「ステップワゴン」や「ヴェゼル」と同様に、ホンダの安全運転支援システム「HondaSENSING」が採用されている。ミリ波レーダーと単眼カメラを併用して、歩行者や車両と衝突する危険が迫ると警報を発する。衝突不可避の時には緊急自動ブレーキを作動させ、状況によってはパワーステアリングも制御して回避操作を支援する。

また、車間距離を自動制御する「クルーズコントロール」や、車線の中央を走りやすいようにパワーステアリングを制御する機能も備わり、長距離を移動する時に活用するとドライバーの疲労が軽減される。これも安全運転に結び付く。

評価:★★★★☆(4点)
コメント:安全性を高める機能が豊富に備わる「HondaSENSING」だが、価格は安く抑えられている。

新型CR-Vの総合評価

ホンダ 新型「CR-V」のイメージ

ホンダ 新型「CR-V」のイメージ

新型CR-Vは、2018年の秋以降に発売されるので、価格は今のところ未定だ。だが、ライバル車の動向を踏まえれば大方の予想はできる。1.5Lターボエンジンを搭載した4WDモデルは、売れ筋グレードが290〜300万円。マツダ「CX-5」の25Sプロアクティブや、三菱「アウトランダー」の24Gセーフティパッケージ(4WD)と同等の価格帯になるだろう。

ハイブリッドの売れ筋グレードは、330〜340万円。つまりCR-Vの価格は、同タイプのエンジンを採用する「ステップワゴンスパーダ」と同等となる。なお、新型CR-Vの1.5Lターボエンジン搭載車には3列目シート仕様が用意されるが、およそ7〜8万円の上乗せになるだろう。

新型CR-Vは、走行性能、乗り心地、居住性、さらに安全装備まで幅広く性能が高められている。1.5Lターボとハイブリッドというパワートレインも魅力的だ。オフロードSUVのような野性味がなく、選択の決め手に欠ける印象もあるが、機能のバランスがよいからファミリーカーとして使いやすい。幅広いユーザーに適する、ワゴン的な価値観のSUVとして造り込まれている。

評価:★★★★☆(4点)

新型CR-Vの採点結果

運転のしやすさ(取りまわし性/視界):★★☆☆☆(2点)
内装(質感/スイッチの操作性とメーターの視認性):★★★☆☆(3点)
居住性&荷室(前後席の居住性/荷室の使い勝手):★★★★☆(4点)
走行性能(動力性能/走行安定性):★★★★☆(4点)
乗り心地:★★★★☆(4点)
安全&快適装備:★★★★☆(4点)
総合評価:★★★★☆(4点)

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渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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