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日本では2018年初夏に販売を開始!

復活する「カローラハッチバック」!日本では「オーリス」の車名は消滅

2018年3月、ニューヨーク国際自動車ショーで発表されたトヨタ 新型「カローラハッチバック」。

2018年3月、ニューヨーク国際自動車ショーで発表されたトヨタ 新型「カローラハッチバック」。

2018年3月下旬に開催されたニューヨーク国際自動車ショーにおいて、トヨタは新型「カローラハッチバック」を発表した。発売については、日本では初夏より販売開始するとアナウンスされている。

日本で発売されているトヨタ「オーリス」

日本で発売されているトヨタ「オーリス」

日本において、「カローラ」の名前がつくハッチバックが発売されるのは久しぶりとなる。なぜなら、2006年から「カローラハッチバック」は、日本では「オーリス」と名乗っているからだ。

ニューヨーク国際自動車ショー2018で発表された「カローラハッチバック」(上)と、ジュネーブモーターショー2018で発表された「オーリス」(下)。車名が異なるが、どちらも同じ車種だ。

同じく、3月に開催されたジュネーブモーターショーでは、「オーリス」の新型モデルも発表されているのだが、新型「オーリス」と新型「カローラハッチバック」は、誰がどう見ても同じモデルだ。つまり、欧州では従来通りに「オーリス」という車名を使い、日本とアメリカでは「カローラハッチバック」として販売するというわけである。

なぜ、カローラハッチバックの車名は “面倒なこと”になっているのか?

実は、アメリカでは「オーリス」を「サイオンiM」として販売していた。だが、2017年にはサイオンの名称が消えて、「カローラiM」に。さらに、2018年に投入される新型は「カローラハッチバック」となる。つまり、アメリカでは毎年のようにコロコロと名称が変わっているのだ。ここで「オーリス」という新しい名称を使ってしまうと、クルマの認知度を高めるのに相当な苦労をともなう。そのために、旧型でも使った「カローラ」の名称を継承したのだろう。

また、欧州ではもともと「オーリス」として販売されており、2018年の新型もそのまま「オーリス」となる。

そして、注目の日本は…。別段、あわてて「オーリス」の名称を廃止する理由は見えてこない。ではいったい、どのような理由で、日本では「オーリス」を捨てて「カローラハッチバック」にするのだろうか?

“変節”ではなく“回帰”する「カローラハッチバック」

トヨタ 新型「カローラハッチバック」イメージ

トヨタ 新型「カローラハッチバック」イメージ

トヨタ 新型「カローラハッチバック」イメージ

トヨタ 新型「カローラハッチバック」イメージ

トヨタ 新型「カローラハッチバック」イメージ

トヨタ 新型「カローラハッチバック」イメージ

トヨタ 新型「カローラハッチバック」イメージ

トヨタ 新型「カローラハッチバック」イメージ

そこで、新型「カローラハッチバック」に目を向けてみよう。すぐにわかるのは、ルックスが非常にスポーティーで若々しいこと。TNGAプラットフォームや新型パワートレインの採用により、キビキビと走りそうな雰囲気を醸し出している。

トヨタ 新型「カローラハッチバック」のインパネ

トヨタ 新型「カローラハッチバック」のインパネ

さらに、先進マルチメディア&コネクテッド機能も充実しているという。端的に言えば“若者に受けそうなクルマ”である。

しかし、そこがおかしい。なぜなら、現状の日本の「カローラ」のユーザーの平均年齢は60歳を超えているからだ。そうした顧客層に、スポーティーだのコネクテッドだのとうたっても意味がない。ちなみに、最近の日本の「カローラ」は、そうした高齢者層にあわせて、日本専用の「カローラ」として販売されていた。日本の「カローラ」は、年配のユーザーでも扱いやすいように、海外向けよりもボディが小さかったのだ。

だが、新型「カローラハッチバック」は、そうした旧来のユーザー層とは別の顧客を狙っている。若い世代だ。しかし、「カローラ」の歴史を振り返れば、その変わり身は変節ではなく回帰と呼べるだろう。もともと「カローラ」とは若々しいモデルであったのだ。

トヨタ「カローラ」(初代)

トヨタ「カローラ」(初代)

初代の「カローラ」が誕生したのは1966年(昭和41年)。当時の日本は、まだ貧しかったが、高度経済成長のまっただなか。どんどんと豊かになり、自動車がようやく庶民の手に届くようになった時代だ。

その庶民のための、最初のクルマとして大ヒットしたのが「カローラ」であった。功成り名を遂げた者ではなく、普通の人々のクルマが「カローラ」である。そして、その普通の人の多くは、まだ若かった。また、トヨタもそうした若い人向けに、「カローラ」の派生モデルを数多くリリースしていた。

「カローラクーペ」「カローラハードトップ」「カローラリフトバック」など、スポーティーな「カローラ」兄弟が人気を集めた。もちろん、ハッチバックも「カローラFX」という名称で世に送り出されていた。

その人気ぶりは驚異的であり、1969年から2001年まで国内の年間車名別販売台数(軽自動車を除く)で33年連続トップという大記録も打ち立てている。

ただし、日本においては、2000年代から人気はより小さなクルマに移った。また、「プリウス」という身内の強敵も生まれている。そして、徐々に「カローラ」は、古くから愛好する年配のためのクルマに変化していった。

トヨタ 新型「カローラハッチバック」

トヨタ 新型「カローラハッチバック」

しかし、海外では日本とは事情が異なる。欧米のように成熟した市場もあるが、中国やアセアン、アフリカのように、まだまだ成長の途上の国もある。そうした市場において、「カローラ」は、1900年代の日本市場のように、普通の人々に大人気だ。

手ごろな価格で信頼性が高く、そして若々しい。世界市場では、いまも「カローラ」は年間120万台も売れる大ヒットモデルだ。50年以上になる歴史で、累計4500万台以上を販売し、トヨタを支える大きな柱となっている。

トヨタ 新型「カローラハッチバック」

トヨタ 新型「カローラハッチバック」

日本市場では老成してしまった「カローラ」であったが、新たなモデルでは世界市場と同じく若々しい姿に戻る。それが、新型「カローラハッチバック」だ。この、初夏に登場する「カローラハッチバック」によって、「カローラ」の再生が始まることだろう。

トヨタ 新型「カローラハッチバック」のインテリア

トヨタ 新型「カローラハッチバック」のインテリア

トヨタ 新型「カローラハッチバック」のフロントシート

トヨタ 新型「カローラハッチバック」のフロントシート

鈴木ケンイチ

鈴木ケンイチ

新車のレビューからEVなどの最先端技術、開発者インタビュー、ユーザー取材まで幅広く行うAJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。

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