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新型N-BOX vs 新型スペーシア 徹底比較/軽ハイトワゴンの実力はどちらが上!?

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スズキ「スペーシア」(左)とホンダ「N-BOX」(右)

スズキ「スペーシア」(左)とホンダ「N-BOX」(右)

昨年、2017年9月にフルモデルチェンジを遂げたホンダの軽ハイトワゴン、「N-BOX」の販売が好調だ。直近の2018年3月におけるN-BOXの登録台数は、2万6,851台。軽自動車と小型/普通車を合わせた国内販売において1位を記録している。

そんなN-BOXを追うかのように、スズキの軽ハイトワゴン「スペーシア」も2017年12月にフルモデルチェンジを実施した。2018年3月のスペーシアの販売台数は、1万8,711台。N-BOXとは、およそ8,000台ほどの差があるものの、スペーシアは軽自動車ではN-BOXに次ぐ2位を記録。小型/普通車を合わせた国内販売でも日産「ノート」に次ぐ3位と好調だ。

スズキ「スペーシア」(左)とホンダ「N-BOX」(右)

スズキ「スペーシア」(左)とホンダ「N-BOX」(右)

今回は、そんなN-BOXとスペーシア、人気の軽ハイトワゴン2台を比較してみたい。ちなみに、軽ハイトワゴンなのでどちらも背が高く、後席は両側スライドドアであることなど、その外観はよく似ている。

スズキ「スペーシア」(左)とホンダ「N-BOX」(右)

スズキ「スペーシア」(左)とホンダ「N-BOX」(右)

ボディサイズは、軽自動車なので全長は3,395mm、全幅は1,475mmと等しく、全高もN-BOXが1,790mm、スペーシアは1,785mmとほぼ同じだ。ただし、ホイールベースはN-BOXが2,520mm、スペーシアが2,460mmと、N-BOXが若干長い。そのために、見ためはN-BOXのほうが4輪でボディを踏ん張る印象が強い。

N-BOX vs スペーシア/内装&居住空間比較

ホンダ「N-BOX」のインパネ

ホンダ「N-BOX」のインパネ

スズキ「スペーシア」のインパネ

スズキ「スペーシア」のインパネ

スズキ 新型「スペーシア」の助手席側正面にある「インパネアッパーボックス」「インパネボックス」「インパネドリンクホルダー」

ただし、スペーシアは助手席の正面に装着されている「インパネボックス」が、スーツケース風で遊び心が感じられるように仕上げられているなど、独自性も見える。

ホンダ「N-BOX」のフロントシート

ホンダ「N-BOX」のフロントシート

スズキ「スペーシア」のフロントシート

スズキ「スペーシア」のフロントシート

フロントシートの座り心地は、どちらも快適だ。サイズに余裕を持たせており、適度に柔軟なシートへと仕上げられている。特にN-BOXは、腰を包むような形状となっている。

ホンダ「N-BOX」のリアシート

ホンダ「N-BOX」のリアシート

スズキ「スペーシア」のリアシート

スズキ「スペーシア」のリアシート

リアシートは、N-BOXのほうがスペーシアよりも柔軟な座面に造り込まれている。シートアレンジは多彩で、座り心地も快適だ。スペーシアもシートアレンジを充実させながら、座り心地を損なっていない。

リアシートの足元空間は、スライド位置を後端に寄せればかなり広がる。身長170cmの大人4名が乗車して、リアシートに座る乗員の膝先空間は、N-BOXが握りコブシ4つ分少々と広く、スペーシアも3つ半に達する。

前後席に座る乗員同士のヒップポイント間隔は、N-BOXが1,175mm、スペーシアが1,035mm。N-BOXが格段に広いが、スペーシアも十分な余裕がある。ちなみに、Lサイズセダンであったとしても、前述の測り方でリアシートの膝先空間は握りコブシ3つ程度だ。N-BOXとスペーシアのリアシートの足元空間は、前後方向だけでいえばLサイズセダンよりも広い。

【評価】
N-BOX:★★★★★(5点)
スペーシア:★★★★☆(4点)

【コメント】
N-BOXもスペーシアも、4名フル乗車であっても快適な空間が提供される。特にN-BOXのシートは十分な厚みで、座り心地も快適だ。さらに、リアシートの足元空間も広い。内装デザインは、スペーシアが明るく楽しい雰囲気に仕上げている。

N-BOX vs スペーシア/シートアレンジ&ラゲッジルーム比較

シートアレンジは、どちらも似ている。左右独立タイプのリアシートを、片側だけスライドさせて格納させるといったことも可能だ。

ホンダ「N-BOX」のラゲッジルーム

ホンダ「N-BOX」のラゲッジルーム

スズキ「スペーシア」のラゲッジルーム

スズキ「スペーシア」のラゲッジルーム

シートアレンジは同じだが、リアシートの格納方法は異なる。N-BOXは、背もたれを前方に倒して床面へ落とし込むようにたたむ。いっぽうスペーシアは、従来型はN-BOXと同じ格納方法であったが、現行型はワゴンRなどと同様に、背もたれを倒すと座面も連動して下がるタイプだ。

スペーシアのリアシート格納は、操作がワンタッチで簡略化されていて便利ではあるが、床面に少し傾斜ができる。また、そのためにシートを薄くつくる必要があったために、リアシートの座り心地はN-BOXに少し差を付けられている。

また、N-BOXは低い位置でシートをたためるので、積載容量も若干ではあるがスペーシアを上回っている。

スズキ「スペーシア」(左)とホンダ「N-BOX」(右)

スズキ「スペーシア」(左)とホンダ「N-BOX」(右)

路面から荷室床面までの高さは、N-BOXが470mm、スペーシアは510mm。両方ともに自転車などを積みやすい高さだが(一般的な軽自動車やミニバンは550〜650mm)、収納性はN-BOXが勝る。しかし、使い勝手という面ではワンタッチでリアシートが格納できるスペーシアに軍配が上がる。

【評価】
N-BOX:★★★★☆(4点)
スペーシア:★★★★★(5点)

【コメント】
荷室容量はN-BOXが少し上回るが、スペーシアは後席の格納にすぐれており、使い勝手がよい。

N-BOX vs スペーシア/走行性能比較

スズキ「スペーシア」(左)とホンダ「N-BOX」(右)

スズキ「スペーシア」(左)とホンダ「N-BOX」(右)

エンジンの排気量は両車ともに660ccで、自然吸気のノーマルタイプとターボの2種類が用意されている。

ノーマルエンジンの動力性能は、両車ともに不足気味だ。排気量が660ccと小さい割に、ボディが重いために加速性能は低い。

ホンダ「N-BOX」走行イメージ

ホンダ「N-BOX」走行イメージ

そのうえで比べてみると、N-BOXのほうには多少の余裕が見られる。車重は、N-BOXが890kg、スペーシアは870kgとN-BOXが不利だ。だが、これは頻繁に使う2,000〜4,000rpmの駆動力が高いためだ(軽自動車はギヤ比が低いので、頻繁に使う回転域が高い)。また、4,000rpmを超える領域の加速感も活発だ。

スズキ「スペーシア」走行イメージ

スズキ「スペーシア」走行イメージ

これに比べて、スペーシアは実用回転域の加速力が乏しい。エンジンノイズも、少し粗く感じる。なお、実用面の性能を左右する最大トルクは、N-BOXが6.6kg-m(4,800rpm)、スペーシアは6.1kg-m(4,000rpm)と、N-BOXのほうが少し高い。

ターボについては、どちらも動力性能が格段に向上する。最大トルクの数値は、NA(自然吸気)エンジン搭載車の1.6倍にも達する。ターボを比べると、N-BOXのほうが実用回転域の駆動力が高い。低回転域でも粘り強く、直線的に吹け上がるから、1リッターのNAエンジンを積んでいる感覚で走れる。

またN-BOXに比べてスペーシアは、1,500rpm付近のエンジンノイズが少し気になる。吹け上がりはいい。

ホンダ「N-BOX」走行イメージ

ホンダ「N-BOX」走行イメージ

スズキ「スペーシア」走行イメージ

スズキ「スペーシア」走行イメージ

走行安定性は、どちらも互角だ。両車ともに背が高いので、運転感覚を機敏に仕上げてしまうと、走行安定性を阻害しやすい。そこで、動きは全般的に鈍めに抑えられている。たとえば、峠道などをスポーティーに走れば(そういう性格のクルマではないが…)、旋回軌跡を拡大させやすい。操舵感についてはN-BOXがやや正確で、スペーシアが鈍めの印象もあるが、大きな違いではないだろう。

【評価】
N-BOX:★★★☆☆(3点)
スペーシア:★★☆☆☆(2点)

【コメント】
走行安定性は同程度だ。動力性能は、実用回転域の駆動力という面でN-BOXが少し勝っている。これは、NAとターボの両方に当てはまっている。

N-BOX vs スペーシア/乗り心地比較

ホンダ「N-BOX」走行イメージ

ホンダ「N-BOX」走行イメージ

スズキ「スペーシア」走行イメージ

スズキ「スペーシア」走行イメージ

N-BOXとスペーシアは、どちらも全幅が狭く、天井は高くて高重心だ。そのため、安定性確保のために、乗り心地は硬めに仕上げられている。特に、14インチタイヤを装着したグレードは乗り心地が適度だが、15インチは前後に揺すられる挙動になりやすい。

それを踏まえたうえで2車を比較すると、N-BOXのほうが快適だ。前述のようにホイールベースが長く、2017年のフルモデルチェンジでプラットフォームを刷新したことも効いている。

【評価】
N-BOX:★★★★☆(4点)
スペーシア:★★★☆☆(3点)

【コメント】
N-BOXは、軽自動車として乗り心地に重厚感がともなう。路上の凸凹を直接的に伝えにくい。

N-BOX vs スペーシア/安全装備比較

スズキ「スペーシア」(左)とホンダ「N-BOX」(右)

スズキ「スペーシア」(左)とホンダ「N-BOX」(右)

N-BOXは、幅広いグレードに安全運転支援システムの「Honda SENSING」を装着している。センサーにはミリ波レーダーと単眼カメラが使われ、歩行者も検知して緊急自動ブレーキを作動させることができる。さらに、運転支援の機能として、アクセル/ブレーキペダルを自動制御しながら先行車に追従走行することも可能だ。車線の中央を走れるように、パワーステアリングを制御するなど、多彩な機能が備わっている。

対するスペーシアは、センサーに赤外線レーザーと単眼カメラが使われている。N-BOXと同様に、歩行者を検知して緊急自動ブレーキを作動させることが可能だ。

また、スペーシアの後方には音波センサーが装着されており、これにも緊急自動ブレーキの機能を与えられている点が新しい。たとえば、徐行しながら後退している時に、障害物を検知すると、警報してブレーキを作動させることができる。ただし、N-BOXのように運転支援の機能は備わっていない。

【評価】
N-BOX:★★★★★(5点)
スペーシア:★★★★☆(4点)

【コメント】
安全装備は両車ともに充実しているが、運転支援の機能まで含めるとN-BOXが勝る。

N-BOX vs スペーシア/総合評価

スズキ「スペーシア」(左)とホンダ「N-BOX」(右)

スズキ「スペーシア」(左)とホンダ「N-BOX」(右)

N-BOXも、スペーシアも、軽自動車として特にすぐれているクルマであることは間違いない。そのうえで、あえて優劣を比べてみると、前後席の座り心地、動力性能、乗り心地、運転支援の機能といった点でN-BOXが勝っている。

ただし、スペーシアは軽ハイトワゴンの性能に加えて、スーツケースをモチーフにしたポップなエクステリアやインテリアがお洒落で、愛車の所有欲をいっそう満たしてくれる。

さらに、リアシートの格納操作もワンタッチであったり、後退時の安全性能が高められているなど、N-BOXとは異なる特徴をもっている。

総合評価としては、わずかにN-BOXが勝っているが、これまで述べたとおりキャラクターはかなり異なるので、上記の違いなども踏まえて、当記事を判断材料のひとつとしていただければ幸いだ。

【総合評価】
N-BOX:★★★★★(5点)
スペーシア:★★★★☆(4点)

N-BOX vs スペーシア 比較結果

内装&居住空間比較
N-BOX:★★★★★(5点)
スペーシア:★★★★☆(4点)

シートアレンジ&ラゲッジルーム比較
N-BOX:★★★★☆(4点)
スペーシア:★★★★★(5点)

走行性能比較
N-BOX:★★★☆☆(3点)
スペーシア:★★☆☆☆(2点)

乗り心地比較
N-BOX:★★★★☆(4点)
スペーシア:★★★☆☆(3点)

安全装備比較
N-BOX:★★★★★(5点)
スペーシア:★★★★☆(4点)

総合評価
N-BOX:★★★★★(5点)
スペーシア:★★★★☆(4点)

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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