レビュー
よりSUVらしいエクステリアと走破性能をまとった5代目RAV4

トヨタ 新型RAV4/2019年春、日本で発売!独自の4駆システムで「走りのよさ」を追求

2018年3月のニューヨーク国際自動車ショーで世界初公開となったトヨタ 新型「RAV4」。新型RAV4は、日本にも導入される。

昨今、世界的に「クロスオーバーSUV」がブームとなっており、国内、海外を問わず、どのメーカーも数多くのクロスオーバーSUVをラインアップしている。直近では、これまで興味を持たなかったプレミアムメーカーも参入してくるなど、その激しさはますます増しているというのが現状だ。だが、このクロスオーバーSUVブームの先駆けとなったのが1994年に発売されたトヨタ「RAV4」であることは、あまり知られていない。

トヨタ 新型「RAV4」

トヨタ 新型「RAV4」

トヨタ「RAV4」1994年に登場した初代モデル。

トヨタ「RAV4」1994年に登場した初代モデル。

初代RAV4は、基本コンポーネントを「カローラ」「セリカ」などの既存モデルのアイテムを数多く流用(フロアパネルは専用)して開発された。RAV4の4WDシステムは、フルタイム式(常時式)。サスペンションは、フロントがストラット、リアがダブルウィッシュボーン式と、SUV=リジットサスと言う常識を覆した。エンジンもディーゼルはなく、2.0L-NA(3S-FE)ガソリンエンジンのみの設定だった。

内外装は、「いかにもSUV」と言う泥臭い感じは一切排除され、都会の街並みでも違和感のない、カジュアルなデザインが採用された。ターゲットは若者で、本格的なSUVに比べると、リーズナブルな価格に設定された。「乗用車の乗りやすさ」と「SUVの安心感」を両立させていたRAV4は、木村拓哉のTV-CMも相まって、高い人気を博した。

その後、ホンダ「CR-V」や日産「エクストレイル」、スバル「フォレスター」など、RAV4と同じコンセプトを掲げたモデルが、次々と登場する。なお、このときに生まれたクロスオーバーSUVは、現在の市場を牽引するモデルばかりである。

その後、RAV4はユーティリティにすぐれる5ドアやスポーツエンジン(3S-GE)搭載車などを追加し、バリーションを充実させていく。ちなみに、RAV4をベースにした電気自動車(RAV4 EV)も登場している。

トヨタ「RAV4」2000年に登場した2代目モデル。

トヨタ「RAV4」2000年に登場した2代目モデル。

2000年になると、RAV4は2代目へとフルモデルチェンジされた。海外市場からの居住性向上の要望によって、ボディサイズは3ナンバーへと拡大された。また、内外装の質感も向上して、海外ではさらなる人気を博したものの、日本ではライバルの進化やSUVブームの沈静化によって、苦戦を強いられることになる。

トヨタ「ヴァンガード」。3代目RAV4のロングボディ仕様がベースとなっている。

トヨタ「ヴァンガード」。3代目RAV4のロングボディ仕様がベースとなっている。

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2005年に登場した3代目のRAV4は、より海外に軸足を向けたクルマへと進化した。ボディサイズは2代目よりもさらに拡大され、ラゲッジルームを延長したロングボディ仕様も設定された。ちなみに、このロングボディ仕様は、日本ではRAV4ではなく「ヴァンガード」として発売されている。

そして、現行モデルの4代目RAV4は、2013年に登場。海外向けは、ガソリン、ディーゼルエンジンに加えて、2015年にはハイブリッドモデルを追加するなど、トヨタにおける世界戦略車の1台へと成長した。その証拠に、北米市場では長年ベストセラーだった「カムリ」をも超えるほどの販売台数を記録している。

いっぽう、日本向けのRAV4は、海外で4代目が登場したにもかかわらず、3代目モデルが継続販売され、2016年には日本から姿を消した。

クロスオーバーSUV人気にも関わらずRAV4が姿を消した理由

2010年前半から、クロスオーバーSUVの人気が徐々に高まっていったにも関わらず、なぜ日本におけるRAV4は、このような状況になってしまったのだろうか。

2013年に発売された3代目「ハリアー」。4代目RAVのプラットフォームが採用されている。

2013年に発売された3代目「ハリアー」。4代目RAVのプラットフォームが採用されている。

その背景には、2013年にレクサス「RX」から切り離され、独立して登場したトヨタ「ハリアー」の存在が大きい。ハリアーは、4代目「RAV4」を高級車として仕立て上げた兄弟車で、日本市場におけるいわゆる“バッティング”を防ぐための判断だったのだ。

トヨタ 新型「RAV4」

トヨタ 新型「RAV4」

そんななか、2018年3月にアメリカのニューヨークで開催された「ニューヨーク国際自動車ショー」で、5代目となる新型RAV4が登場した。また、新型RAV4の世界初披露と同時に、2019年の春頃を目途に日本市場へRAV4を再び導入することも発表された。

RAV4復活の意図は、クロスオーバーSUVの人気が、いっそう高くなっていることが挙げられる。豊富なラインアップを持つトヨタにも関わらず、日本市場のクロスオーバーSUVは「C-HR」と「ハリアー」のみだ。実際に、販売現場からは「売るクルマがない!!」と言った多くの声がメーカーへ寄せられていたという。

新型RAV4とはどんなSUVなのか

トヨタ 新型「RAV4」

トヨタ 新型「RAV4」

トヨタ 新型「RAV4」

トヨタ 新型「RAV4」

さて、復活する5代目RAV4とは、いったいどのようなクルマなのだろうか?エクステリアは、歴代モデルを振り返れば、どちらかと言うと都会が似合うデザインだったが、5代目の新型RAV4は、SUVらしさを強調させたデザインへと刷新されている。

2017年4月のニューヨーク国際自動車ショーで世界初披露されたトヨタのSUVコンセプトカー「FT-4X」。

2017年4月のニューヨーク国際自動車ショーで世界初披露されたトヨタのSUVコンセプトカー「FT-4X」。

全体的なイメージは、昨年のニューヨークモーターショー2017で披露されたコンセプトカー「FT-4X」を受け継いでいる。フロントマスクは八角形がモチーフで、クラッディングを強調させたサイド周り、ボディのワイドスタンス化や前後オーバーハング低減などが特徴的だ。

トヨタ 新型「RAV4」

トヨタ 新型「RAV4」

ボリューム感のあるスタイルは、パッと見は大柄に見えるものの、実際のボディサイズは全長4,595×全幅1,855×全高1,700mm、ホイールベース2,690mmと、3代目(全長4,600×全幅1,815×全高1,685mm、ホイールベース2,660mm)とあまり変わらない。

ちなみに、グレードによって意匠が若干異なっており、高級志向の「リミテッド」、スポーティーな「XSE」、そしてよりSUVテイストを強調した「アドベンチャー」の3グレードが用意される。

トヨタ 新型「RAV4」

トヨタ 新型「RAV4」

トヨタ 新型「RAV4」

トヨタ 新型「RAV4」

インテリアは、水平基調のインパネと骨太なセンターコンソール、エクステリア同様に多角形のモチーフや硬質素材、ソフトパッドの上手な使い分けなどによりSUVらしい力強さが演出されており、シンプルなデザインながら質感も大きく高められている。

トヨタ 新型「RAV4

トヨタ 新型「RAV4

また、サイドミラー搭載位置の最適化やリアクォーターガラスの拡大、デジタルインナーミラーの採用など、視界性にもこだわっているそうだ。

新型RAV4は、独自のAWDシステムによる「走りのよさ」に注目

トヨタ 新型「RAV4」。左の男性がチーフエンジニアの佐伯禎一氏。

トヨタ 新型「RAV4」。左の男性がチーフエンジニアの佐伯禎一氏。

チーフエンジニアの佐伯禎一氏は「クロスオーバーSUVの人気が高まる一方、カテゴリーが曖昧になっているのも事実です。RAV4は来年、25周年を迎えますが、5代目は次世代に向けて『SUVとは?』を考えなおし、原点に戻って開発を行いました」と語っている。

新型RAV4のパワートレインは、ガソリンが2.5L直列4気筒直噴エンジン+8速ATで、ハイブリッドは2.5L直列4気筒直噴エンジンに、モーターが組み合わされる。

プラットフォームは、カムリにも採用されている「TNGA-K」で、カムリと基本コンポーネントを共有しながらもRAV4に最適化されている。

トヨタ 新型「RAV4」

トヨタ 新型「RAV4」

また、AWDシステムは、RAV4独自のものが採用されるので要注目だ。ガソリンの上級モデルには、前後だけでなく後輪の左右駆動力配分も最適制御する「ダイナミックトルクベクタリングAWD」、ハイブリッドは後輪の最大トルクを1.3倍に増加させた「新型E-Four」が採用される予定となっている。

どちらのAWDシステムも、SUVとしての安定性を高めながら、SUVらしからぬドライビングプレジャーも実現させているそうだ。その走りの味付けは、C-HRと同様にこだわって開発されており、トヨタの評価ドライバーのエースである、いわゆる「トップガン」と共に、数値にはなかなか表れない「走りのよさ」にも徹底して注力したそうだ。

今回は北米仕様の披露ではあるが、日本仕様も基本的には大きな差はないだろう。実際に、新型RAV4のステアリングを握る日が楽しみである。

山本シンヤ

山本シンヤ

自動車メーカー、チューニングメーカー、自動車雑誌の編集長などを経て独立。これまでの経験を活かし、造り手と使い手のかけ橋となるよう「自動車研究家」を名乗って執筆活動中。最先端技術やドライビングメカニズムなどを得意とする。

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