JVCケンウッドはKENWOODブランドから、クルマのシガーソケットに接続することで、スマートフォンなどに収録されている音楽をクルマのFMラジオで楽しむことができる「FMトランスミッター」と、同じくシガーソケットに接続することでUSB機器を充電することができる「シガーソケットチャージャー」を、2018年7月中旬より発売開始した。
KENWOODが2018年7月中旬に発売を開始した「Bluetooth搭載FMトランスミッター」
KENWOODが2018年7月中旬に発売を開始した「シガーソケットチャージャー」
今回発売されたFMトランスミッターとシガーソケットチャージャーの最大の特徴は、外観が非常にスタイリッシュなことだ。
価格.comで、FMトランスミッターやシガーソケットチャージャーの製品一覧ページをご覧頂ければおわかりになると思うが、今回のKENWOODの新製品のように、デザインにこだわったFMトランスミッターやシガーソケットチャージャーはほとんどない。
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これらの新製品を実際に触らせてもらったが、光が当たることで放たれる重厚感ある輝きには、これまでカーオーディオやカーナビを手がけてきたブランドならではの質感の高さを感じた。みずからの愛車に備えるカーアクセサリーとして、上質なデザインを求めるユーザーに適しているだろう。
今回発売されたFMトランスミッターは、大きく2種類に分けられる。スマートフォンやタブレットなどとBluetoothで接続するタイプと、Φ3.5mmのステレオミニプラグで接続するタイプの2つだ。
Bluetooth搭載FMトランスミッター「CAX-BT20-R」(レッド)
Bluetooth接続タイプには、さらに2つのモデルが存在する。最上級モデルとなる「CAX-BT20」は、周波数を76.0MHzから90.0MHzまで0.1MHz単位で細かく設定することができる。141チャンネルを選局できることにより、混信を避けることができるのだ。もうひとつのBluetoothモデル「CAX-BT10」は、周波数を88.1MHz、88.3MHz、88.5MHz、88.9MHzの4チャンネルから選ぶことができる。通信距離は、どちらも最大10mだ。
Bluetoothの接続方法は簡単だ。FMトランスミッターには電源スイッチはないので、クルマのシガーソケットに接続するだけで電源が入り、自動的にペアリングモードとなる。
JVCケンウッドのFMトランスミッターは、4段階の角度調節が可能となっている
もし、シガーソケットの差込口が特殊なクルマでも、FMトランスミッター本体が90°から180°まで4段階で曲げられるので、角度を調整して挿入することができる。
FMトランスミッターをシガーソケットへ差して、スマホなどのBluetoothをオンにすれば、デバイスにFMトランスミッターの型番が表示される。その型番を選べば、接続は完了する
次に、スマホなど端末側のBluetoothをオンにすると、端末にFMトランスミッターの製品型番が表示されるので、端末とFMトランスミッターを接続させる。
クルマのFMラジオの周波数を、FMトランスミッターの設定と同じ周波数に合わせれば、すべての設定は完了だ
最後に、クルマのFMラジオの周波数を、FMトランスミッターで設定している周波数に合わせれば、クルマのスピーカーから音楽が流れてくる。このとき、もし音楽にノイズが入ってくるようなら、FMトランスミッターとカーFMラジオの周波数を変更して、ノイズの出ない周波数にあわせよう。なお、今回のKENWOODのFMトランスミッターは、電波法に適合した製品であることを示す「微弱無線設備登録制度(ELPマーク)」に、もちろん登録されている。
FMトランスミッター「CAX-FT20」は、スマートフォンなどの端末へΦ3.5mmステレオミニプラグで接続するタイプだ
いっぽう、Φ3.5mmステレオミニプラグで接続する「CAX-FT20」の場合は、FMトランスミッターから出ているプラグをスマートフォンやタブレットなどのステレオミニジャックに接続し、FMトランスミッターとクルマのFMラジオの周波数を設定することで、音楽を聴くことができる。
FMトランスミッター本体の「BOOST」ボタンを押すことで、バスブースト機能がオンになる
FMトランスミッターには、バスブースト機能が搭載されており、本体の「BOOST」ボタンを押すことで、重低音の効いた重厚感あるサウンドを楽しむことができる。このバスブースト機能は、MID、HIの2段階で調整することができ、OFFにすることも可能だ。
FMトランスミッターのシガープラグの反対側には、充電のためのUSBポートがひとつ搭載されている
なお、FMトランスミッターには2.4A出力のUSBポートがひとつ搭載されており、スマートフォンやタブレットを充電しながら、音楽を聴くこともできる。
音質については、他のFMトランスミッターなどと比較検証していないので、細かな点まではお伝えできないものの、ノイズが入ることもほとんどなく、比較的クリアな音質で音楽を楽しむことができた。FMトランスミッターという製品の性質上、スマホ連携という利便性を手軽に求めたいユーザーには、十分にアリな選択肢と感じた。
その、FMトランスミッターの利便性をさらに高めてくれるサービスのひとつとして、「定額制音楽配信サービス」の存在があげられる。現在、定額制音楽配信サービスには「Spotify」や「Amazon Prime Music Unlimited」「Apple Music」「LINE Music」など、いくつかのサービスが存在するが、いずれも月額1000円程度で、4000万曲以上の楽曲が聴き放題となる。せっかくFMトランスミッターを愛車へ導入するなら、これらのサービスを使わない手はないだろう。上記にあげた配信サービスは、すべて曲データのダウンロードが可能なので、オフラインでも聴くことができる。たとえ通信がつながらないような場所でも、あらかじめダウンロードしておけば問題ない。
車内で4000万曲以上の楽曲が聴き放題という「定額制音楽配信サービス」のメリットは見逃せない
筆者も、FMトランスミッターを使って、「Amazon Prime Music Unlimited」で音楽を試しに聴いてみたが、90年代の懐かしの曲から最近のヒット曲までを楽しむことができ、3時間ほどのドライブを満喫することができた。FMトランスミッターの購入を検討されるのであれば、ぜひ一緒におすすめしたいサービスだ。
唯一の懸念点は、外観のスタイリッシュさから傷がつかないかという心配だけだ
最後にひとつだけ、今回紹介したFMトランスミッターはデザインがきれいなことから、特に抜き差しの際などに液晶部分などが傷つかないかといったことが懸念された。クルマによってはシガーソケットの抜き差しが硬く、反動によってFMトランスミッターがあちこちに当たりそうになるのだ。もし購入されるなら、クリアフィルムなどで傷などの保護対策をしたほうがいいかもしれない。
FMトランスミッターと同時発売されたシガーソケットチャージャーは、スマートフォンやタブレットを2台同時に充電することができる。また、USBポート部分が光るので、暗い車内でも使いやすいのがメリットだ
PC、AV家電を中心に幅広く担当。クルマ好きのため、週末はフラフラと1000km超を運転する長距離ドライバーと化します。