いいモノ調査隊
音の静かさとバランスのよさは体感済み

低燃費だけでいいのか!? ダンロップのエコタイヤ「VEURO」の走りをチェック

自動車ライターのマリオ高野です。

先日、愛車のタイヤをDUNLOP(ダンロップ)の「VEURO VE303(ビューロ ブイイー303)」に交換しました。走行距離が伸びた大衆車である愛車の快適性と操縦性が向上したので、多くの人におすすめしたいと思います。

同じダンロップの「ル・マン5」から履き替える

「ビューロ ブイイー303」の前に履いていたタイヤは、同じダンロップの「LE MANS V(ル・マン5)」で、以前こちらで紹介してから1年ちょっとで3万kmほど走りました。

こちらの記事で紹介しました!→高評価はホンモノか!? 噂のタイヤ「LE MANS V」をテスト

装着中に、サーキット走行を5回も実施したわりには摩耗が少なく、まだまだ普通に使える状態であることに驚きましたが、それでも5〜6分山程度(半分ほど)には減ったので、新しいタイヤへバトンタッチすることに。

約3万km(サーキット走行5回)を走破した「ル・マン5」。まだまだ普通に使えるとはいえ、さすがに新品時に比べるとウエットグリップなどの性能は落ちていたので、やや早めに交換しました

タイヤの交換時期について、基本的には「スリップサイン」という凸状の部分が見えるようになったら要交換です。限界的な数値としては、溝の深さが、新品の約8mmから1.6mm以下に減ると道路交通法違反にもなり、極めて危険な状態に。摩耗が進むと性能も劣化するので、できれば5分山ほどになったら交換しましょう。

走り方や道路の状況にもよりますが、おおむね5,000km走ると1mmほど減る感覚なので、1年に5,000kmほど走るなら2年ぐらいで交換するのがおすすめです。

また、タイヤはゴム製品であるため走らせず放っておいても劣化します。製造から4〜5年経ったタイヤは、溝が残っていても交換しましょう。製造年月はタイヤの側面に4ケタの数字で記載されています。たとえば「2317」と記載されていたら、20”17”年の第”23”週に製造されたということになります。

タイヤは消耗品ではありますが、いいタイヤにするとクルマの走りが改善される効果がとても大きいので、交換するときは毎回とても悩みます。クルマを買い替えるときの次ぐらいにジックリ検討するのですが、まずブランドは……やはりダンロップを選択。

その理由は、これまで使用した経験に基づく信頼と実績からですが、愛してやまないレースカー、スーパーGTのGT300クラスに参戦する「SUBARU BRZ GT300」がダンロップタイヤを装着しているのも大きなポイント。自分の好きなレースマシンが採用するブランドのパーツを愛車に採用すると、レースカーと自分の愛車がつながったような気持ちが高まるのです!

タイヤはダンロップ、そしてホイールはBBSの組み合わせがドライブ中のテンションを高めてくれます!

愛してやまない「SUBARU BRZ GT300」の近影です。先日スポーツランドSUGOで開催されたスーパーGT第6戦では、圧倒的な速さをみせつけてぶっちぎりの優勝を果たしてくれました! 自分の好きなレースマシンが活躍すると、そのレースマシンが採用するブランドへの憧れがますます高まります!

では、ダンロップタイヤの中で何を選ぶか?

「ル・マン5」は以前の記事でも紹介したとおりのすばらしいタイヤで、3万km走ってもほぼ不満はなく、本来は不向きであるはずのサーキット走行などでの酷使にも予想以上に応えてくれました。また買い直してもよかったのですが、やはりクルマ好きのサガとして、いろいろなタイヤを試してみたいとの願望も捨て切れません。

そこで選んだのが「ビューロ ブイイー303」。高性能ラグジュアリーカーのためのタイヤで、静粛性や乗り心地のよさを重視したプレミアムコンフォートタイヤです。

タイヤのカタログやうたい文句に「静粛性や乗り心地を重視したタイヤ」というようなニュアンスが記載されていれば、コンフォート性重視で設計されたということ。ほかには以下のような目的や用途でタイヤは分類されます。
・低燃費重視
・スポーツ走行重視
・オールマイティ
・低価格
・オフロード対応型

さらに細分化すると、下記のとおりです。
・プレミアムコンフォート
・スタンダードコンフォート
・プレミアムスポーツ
・ハイパフォーマンス
・カジュアルスポーツ
・スタンダードエコ
・ミニバン用
・SUV用
・マッドテレーン
・オールシーズン
・マッド&スノー
・モータースポーツ競技参戦用

プレミアムと付くモデルは重量のある比較的大きな車種向け、スポーツは主にグリップ力、エコは文字通り燃費やロングライフを念頭に開発されています。

高級サルーン用の「ビューロ」は大衆車にも合うのか!?

このタイヤがデビューしたときに実施された試乗会でその性能の高さを体感し、とても好印象だったので、いつか自分の愛車に履かせたいと思っていました。特に、ウエットグリップの高さやドライ路面での操縦安定性の高さと、音の静かさとのバランスのよさが強く印象に残っています。

「ビューロ ブイイー303」は、本来はクラウンやレクサスLS、BMW5シリーズやメルセデスベンツEクラスなど、いわゆる高級サルーンのためのタイヤで、試乗会ではテストコースで全開走行を実施するなど、さまざまな状況での走りを入念にチェック。その性能の高さにほれ込んでいました

元々滑りやすく作られた路面の上に大量の水をまいて、さらに滑りやすくした状況でもしっかりとしたグリップ感が得られたなど、ウエット性能の高さも実感済みでした

ただし、筆者の愛車SUBARUインプレッサG4 1.6i(先代モデル)はきわめて大衆的な実用車なので、性能的にも車格的にもこのタイヤが狙う層とは異なります。SUBARU車だと、レガシィB4やWRX S4などのモデルに装着するのがベストマッチでしょう。

筆者の愛車では、マッチング面でオーバークオリティとなってしまう恐れがありましたが、愛車に適合するサイズが設定されていた(205/55R16)のと、プレミアムコンフォートタイヤとしては意外と値段も高くないので、思い切って装着してみることに。

ダンロップのお店に展示されていたのは195/65R15という、大衆車でよくあるサイズ。販売する側としても、クラウンあたりの高級車より車格が下のクルマに対しても自信を持っておすすめできるとのこと

取り付けは、地元(埼玉県所沢市)のタイヤセレクト店でお願いしました。ネットショッピングで買ったタイヤも送れば、装着してもらえます。取り付け工賃の相場は1本あたり1000円ほど

インプレッサとの相性は抜群でした!

結論からいうと、「ビューロ ブイイー303」とインプレッサG4 1.6i(先代モデル)との相性は思いのほか抜群でした!

静粛性と乗り心地のよさは期待どおりの特筆レベルにあり、きわめてジェントル。大衆的な実用車の愛車の乗り味が、間違いなくワンランク上の車格感に向上! 走行距離はもうすぐ12万kmを超えるほど使い込んだ大衆車が若返りました!

ロングドライブがますますラクに!

それまでに履いていた「ル・マン5」は2017年デビューの比較的新しい世代のタイヤで、大衆車向けのタイヤとしてはきわめてハイレベルな静粛性を誇ります。プレミアムカー向けの「ビューロ ブイイー303」のほうが値段は高いとはいえ、デビューから5年が経過していることから、設計年次の新しさにより「ル・マン5」のほうが音は静かに感じるだろうと予想しましたが、体感的な静粛性はほぼ互角。いや、わずかながら「ビューロ ブイイー303」のほうが上だと感じました。プレミアムコンフォートタイヤの面目躍如といったところですね!

操縦安定性についても、ドライ・ウエットともに「ビューロ ブイイー303」のほうがやや上回ります。特に高速域での安心感がすばらしく、欧州のプレミアムカーで得られるような“しっかり感”が自分の愛車に加味されたことを確認。埼玉県所沢市から広島県三次市まで、約800kmのドライブなど、長距離・長時間運転での疲労感も明らかに低減しました。中国道で見舞われたバケツをひっくり返したようなゲリラ的大豪雨の中でも、確かなグリップ感は損なわれず。ロングドライブがますますラクになったことは、個人的には一番の収穫です。

かなりの高速域でも安定感は損なわれず。基本的には日本向けのタイヤながら、欧州車的な速度域での性能も追求しています

サーキット走行でも、筆者の愛車であるインプレッサG4・1.6i(先代モデル)では、ドライ・ウエットともに確かなグリップ感を発揮。スポーツ系タイヤのようなグイグイと路面をつかむハイグリップ感はありませんが、粘り強く路面をつかみ続ける感触と、滑り出しの緩やかさにより挙動がわかりやすく、タイムアタックもしやすくなりました。

サーキットでは狙ったラインをトレースしやすいなど、ステアリング操作に対する正確な応答性を発揮。珍しく、走るたびにタイムアップがはかれました

燃費性能はル・マン5といい勝負

実燃費に関しては、「ル・マン5」とほぼ互角ながら、若干下回る傾向です。中低速でゆったり流しているときの燃費は「ル・マン5」がわずかに上で、高速域では互角という感じです。いずれもわずかな差ですが。

「ビューロ ブイイー303」の技術的なポイントを振り返ると、開発時には、転がり抵抗の低減とウエットグリップ向上の両立に最も苦労したといいます。新しいポリマーの採用で転がり抵抗を減らし、ウエットグリップは企業秘密の特殊な素材で向上。

プロファイル(タイヤの断面形状)を見直し、タイヤの真円度を高めることで、乗り心地のよさを確保しています。タイヤのサイド部分などは高い剛性を保ちながら、タイヤ全体をたわみやすくすることで、操縦安定性の高さと乗り心地のよさを両立。局所的ではなく、タイヤ全体をうまくたわませるノウハウが肝となっています。

さらに苦労したのはトレッドパターン(タイヤの溝の形状)とのことで、絶妙な配分が得られるまで試行錯誤が繰り返されました。タイヤの基本特性として、タイヤの外側の剛性を上げると操縦安定性は高まり、外側の溝を減らすと騒音が減るので都合がいいのですが、そのトレードオフとして乗り心地が硬くなる傾向になるので、コンフォートタイヤではNG。その部分の調整に苦心したそうです。トレッド面には細かなサイピングが施されていますが、これらも操縦安定性と乗り心地のよさの両立に貢献しています。

音の静かさについては、高剛性なハイブリッドバンドが大きく貢献。これがタイヤの骨格部分にあたる金属のブレーカーの余分な動きを抑えて音を減らしています。ダンロップが得意とするタイヤ内部に仕込まれた吸音スポンジも効果的に発揮。

「ビューロ ブイイー303」がデビューした直後の試乗会では、重量級の大排気量車とのマッチングのよさを実感しましたが、今回は自分の愛車で車重は1260kg、エンジンの最高出力は115馬力という小型の大衆車との相性もすこぶるいいタイヤであることを確認。

トレッドパターンに派手さはありませんが、見た目のコンフォート感も高いので、鑑賞価値的な満足感も十分。ホイールは軽量・高剛性で大人気のBBSの「RI-A」を装着。スーパーGTに参戦するBRZが履いているホイールの市販版で、ホイールの性能も走りのよさに貢献しています

車両本体価格が171万円の大衆車とは思えない乗り味になりました。デビューから5年が経過した今も「音の静かさ」「乗り心地のよさ」「雨の日の安心感」「燃費」については大満足できるレベルに。操縦性については「そこそこスポーティーなグリップ感」を求める向きには文句がないでしょう

国産プレミアムコンフォートタイヤの中では、市場価格が安めなのも大きな魅力です。ちょっとヤレつつある大衆車の乗り味をよくしたいという人に超おすすめ!

1,500〜3,000ccぐらいの排気量、300馬力程度までのセダン、クーペ、コンパクトカー、ミニバンに装着するとよさそうです。基本的に性能はオールマイティ(低燃費・耐摩耗性・低価格の要素も含む)で、音の静かさとウエットグリップ、そこそこスポーティなドライグリップ性能を求める人や、高速道路メインのロングドライブが好きなドライバーに強くおすすめできます!

マリオ高野

マリオ高野

1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。2台の愛車はいずれもスバル・インプレッサのMT車。

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