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e-BOXERが売れている理由が分かった!

新型フォレスターの「e-BOXER」がいい!試乗で分かった2.5リッターとの明らかな違い

スバルを代表するSUV「フォレスター」が、2018年7月19日にフルモデルチェンジして5代目へと進化した。

今回の新型フォレスター試乗会では、2.5リッターと2リッターにモーターを組み合わせたハイブリッド「e-BOXER」の両方に試乗することができたので、違いなどを交えてレポートする。

今回、新型フォレスターの2.5リッターエンジン搭載モデルと、ハイブリッド「e-BOXER」搭載モデルの両方に試乗することができたのでレポートしたい。

世界中で人気を誇るスバルの基幹車種「フォレスター」

1997年に発売された初代「フォレスター」。写真をご覧のとおり、初代モデルはワゴン色の強いスタイルで登場している。

試乗に出る前に、少しフォレスターについておさらいしておこう。21年前の1997年、初代フォレスターがデビューした。当時は、スバルの4ドアセダン「レガシィ」もターボ全盛という時代。そのため、フォレスターも最初は2リッターターボモデルのみが発売され、どちらかというとワゴンカラーの強いクルマであった。大きな変化は、3代目で起こる。2007年にデビューした3代目フォレスターは、よりSUVらしいスタイルをまとって登場した。そして、その外観は、現在にまで続くフォレスターのスタイルとして定着したのだ。

では、フォレスターはスバルの中でどういったポジショニングなのだろうか。フォレスターは世界中で販売されるグローバル車種で、販売台数は年間30万台ほど(2016年)。スバルは年間100万台規模なので、実にその3割をフォレスターが占めることになる。特に、「アウトバック」「フォレスター」の2車種で18万台ほど販売しているアメリカ市場での割合はかなり高い。

さて、日本市場へと目を向けると、フォレスターは2015年に年間2万2,000台、2016年には年間2万4,000台を販売している。月1万台の販売をキープすることを目標としているスバルとしては、フォレスターはその20%を担う車種ということになる。海外のみならず、日本におけるフォレスターの役割も大きい。

伝統を守りつつe-BOXERや顔認証など先進機能も採用

新型フォレスターは、外観こそキープコンセプトなものの、従来のフォレスターの伝統を受け継ぎながら、その中身はプラットフォームやパワートレインなどの多くが刷新されている。

スバルは、フォレスターをフルモデルチェンジするにあたり、フォレスターの伝統を守るべく、視界のよさや予防安全性能、世界トップクラスの衝突安全性能などのほか、最小回転半径を5.4mに抑えるなど、取り回し性も重視した。そして、それらを“Trust in FORESTER(信頼)”と位置付けた。これが、今回のフルモデルチェンジのベースとなっている。

そのベースをもとに、開発陣は多くのSUVユーザーに話を聞いた。そこから導き出されたコンセプトは、大きく2つ。ひとつは“Comfort for Loved Ones”。大切な人との快適で活動的な空間が共有できるものとして、ドア周りやセンターコンソール周りにふくよかさを表現したインテリアや、スバルグローバルプラットフォーム(以下、SGP)を採用したことによって、全席で乗り心地のよさを向上。さらに、後席は快適性や使いやすさなど多岐にわたる改良がほどこされ、どの乗員も快適に過ごせるようになった。

新型フォレスターで注目したい機能のひとつが「ドライバーモニタリングシステム」。顔認証させることで安全に寄与するというあたりがスバルらしい。

その中のひとつに、「ドライバーモニタリングシステム」がある。これは運転支援システム「アイサイト」と連動した顔認証システムで、脇見をしたり居眠りをしたときに、警報によって注意喚起してくれるものだ。1台のフォレスターで、最大5人分の顔を登録することができる。さらに、顔認証システムを応用し、登録した人物のシートポジションやドアミラー、空調、メーター、マルチファンクションディスプレイの表示などを設定しておくことができる。

もちろん、フォレスターにおける従来の走破性の高さは新型にも受け継がれている。

もちろん、フォレスターにおける従来の走破性の高さは新型にも受け継がれている。

そして、もうひとつは“Stir of Adventure”だ。これは、人の心の中にある冒険心を後押しするようなイメージで、ひと目でわかる機能性の高さやタフな機能、デザインがそれにあたる。SUVらしい冒険心を掻き立てる頼もしさをエクステリアデザインで表現すべく、立骨感あるたくましさがデザインで表現された。また、SUVとしてリフトアップされた表現や、内寸は最大寸法、外寸は最小にすることで、キュービックフォルムに近づけた。それをモダンに見せる工夫がなされ、「モダンキュービックフォルム」というデザインコンセプトが持たされたのだ。

また、SGPにより車体剛性が向上。その結果、サスペンションの能力を最大限生かすことができるようになった。リアサス周りでは、リアのスタビライザーを車体直付けにしながら剛性そのものを上げることで、非常に直進性の高いリアサス周りができている。さらに、前後のサスペンションは動きたい方向にしっかり動かすが、ねじり方向の動きは極力なくした。こういった工夫を加えた結果、新型フォレスターではフラットライドと乗り心地を両立し、ゴツゴツさせず、かつロールも抑えられるフラットライドな乗り味になっているという。

さて、最後にエンジンだ。新型フォレスターには、2.5リッター水平対向4気筒直噴エンジンと、2リッター水平対向4気筒直噴エンジンにモーターを組み合わせたe-BOXERの2種類がラインアップされている。特にe-BOXERは、これまでの2リッターエンジンの進化系という位置づけで、モーターでアシストすることで、ドライビングがより楽しくなるように開発された。したがって、SI-DRIVEのスポーツモードを選択すると、パワフルな2リッターを体感できるという。そのうえで、燃費向上などの価値も高められている。

2.5リッターエンジンは予想以上にレスポンスがいい

前置きが長くなってしまったが、今回はプレス向け試乗会ということで、それぞれ70分(約20km)ほどの試乗であり、当日は土砂降りということもあって(※当記事の撮影画像は、試乗とは別日になります [編])、限定的なテストであったことをあらかじめお断りしておきたい。

2.5リッターエンジンを搭載する「X-BREAK」の走行イメージ

2.5リッターエンジンを搭載する「X-BREAK」の走行イメージ

最初に試乗したのは、2.5リッターエンジン搭載グレードだ。適度に張りのある革シートに座ると、腰のサポートはきちんと押さえつつも、それ以外はゆったりとした快適な印象で体を包み込む。

エンジンをスタートさせアクセルを踏み込むと、予想以上にレスポンスがよく、CVTにありがちな応答の悪さは一切感じさせない。それよりも、反応がよすぎてアクセルを戻してしまうほどだ。スムーズに走らせるには、しばらくは慣れが必要だと感じた。

2.5リッターエンジンを搭載する「X-BREAK」の走行イメージ

2.5リッターエンジンを搭載する「X-BREAK」の走行イメージ

その感覚は、高速道路においても変わらない。パワーが欲しいときに少しアクセルを踏み込めば、あり余るパワーを手に入れることができ、ストレスのない走りを実現している。ただし、アクセルオフにしても一瞬回転が落ちず、すぐにエンジンブレーキが得られないのは不満であった。

まるでインプレッサのような乗りやすさ

乗り心地に関しては、もう一歩しなやかさが欲しい。特に、段差からの突き上げは体に直接伝わってくるので、ショックの縮み側をもう少しやわらかくすることで突き上げを吸収すれば、よりしなやかな足になるだろう。

前述のとおり、土砂降りの中での試乗となったが、そういったシチュエーションでもロードノイズは比較的静かで、室内空間は快適だ。これは、後述するe-BOXERも同様だ。これも、ねじれやゆがみなどが少ないSGPのおかげで、ポイントさえ押さえておけば十分に遮音が可能であったということがうかがえる。

2.5リッターエンジンを搭載する「X-BREAK」の走行イメージ

2.5リッターエンジンを搭載する「X-BREAK」の走行イメージ

一般道や高速道路を走らせてみると、ステアリングの応答性は機敏なイメージだ。ステアしたとおりにクルマが動くので、非常に乗りやすい。また、目線は高いものの重心の高さはほとんど感じられないので、安心して走らせることができた。このあたりもSGPの恩恵で、インプレッサの印象に近いと感じた。しかし、目線が高く視界が非常にいいので、インプレッサよりも乗りやすい。

そのステアリングだが、よいばかりではなく路面のざらついた感触が掌に伝わってくるのは少々興ざめだ。このあたりはもしかしたらステアリングの取り付け部位の剛性が若干足りないのかもしれないので、これは長距離を走らせてから判断したい。

25.8km走らせての燃費は「10.3km/L」であった。

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