バイク野郎 増谷茂樹の二輪魂
「C100」の特徴を現代的に再現したスタイルがたまらない!!

所有欲を刺激! ツーリングに出かけたくなるほどの走りが味わえるホンダ「スーパーカブ C125」


今年、2018年に60周年を迎えたホンダ「スーパーカブ」シリーズ。昨年は50ccモデル110ccモデルがリニューアルされ注目を集めたが、そのラインアップに、シリーズ最上位に位置づけられる125ccエンジンを搭載した「スーパーカブ C125」が追加された。走行性能が向上し、スタイリッシュなスタイリングになったスーパーカブ C125の仕上がりを確かめてみよう。

初代モデル「C100」を感じさせるスタイルに、ワンランク上の装備を搭載

これまでに世界で1億台以上が販売されたスーパーカブシリーズは、日本を代表する2輪車と言っても過言ではないだろう。そのルーツとなったのは、60年前に発売された初期型「スーパーカブ C100」(くわしくは、スーパーカブの歴代モデルを掲載した記事でチェック!)。今回紹介するスーパーカブ C125は、車名が「C125」とされたことからもC100へのオマージュを感じさせるが、実際、デザインも似せられている。まず、パッと見て気付く共通点はカラーリング。濃淡を組み合わせたブルーのボディに赤いシートを備えたC100の配色が、スーパーカブ C125にも再現されているのだ。そして、ウインカーや荷台の形状、はばたく鳥の翼をモチーフにした“かもめハンドル”、ハンドルからフロントフォークまでが一体となったその姿はC100を連想せずにはいられない。ただし、単に模倣しただけでなく、現代的な質感やデザインに進化しており、今っぽくてかっこいいスタイリングに仕上がっている。

ブルー系の車体に赤いシートが装備された、1958年に登場した初期型「スーパーカブ C100」

ブルー系の車体に赤いシートが装備された、1958年に登場した初期型「スーパーカブ C100」

濃淡は異なるものの、スーパーカブ C125の配色はC100を彷彿とさせる“青×赤”。発色は、現代っぽい

濃淡は異なるものの、スーパーカブ C125の配色はC100を彷彿とさせる“青×赤”。発色は、現代っぽい

鳥の羽根のように曲線を描いて、やや上に持ち上がった“かもめハンドル”はC100の特徴のひとつ。その形状に近いハンドルがC125にも採用された。2017年に発売された「スーパーカブ50/110」が一直線のハンドル形状だったことを考えても、C125がC100をオマージュしているのは間違いなさそうだ

テールランプやウインカーはLED化されたが、配置や形状はC100に近づけられている。後方が絞られた荷台はフェンダーと同色とされ、ビジネスバイクとは思えないほどのデザイン性だ。この荷台がフェンダーと同色となっている点もC100と共通している

こちらが、C100。細かい部分はアレンジされているが、C125に通ずるものがある

こちらが、C100。細かい部分はアレンジされているが、C125に通ずるものがある

参考のため、スーパーカブ50の写真も載せておこう。シリーズ共通のシルエットではあるが、一直線のハンドル形状やテール周りの作り込みがC125とは異なる。ビジネスバイクっぽい仕上がりだ

<関連記事>スーパーカブ50の解説、試乗レポはこちらでチェック!

初期型を思わせるスタイリングとされたスーパーカブ C125だが、走行性能は昨年発売された「スーパーカブ50/110」よりもレベルアップしている。排気量124ccのエンジンは最高出力9.7PSで、最大トルクは10Nmと、スーパーカブ110と比べると、最大出力が1.7PS、最大トルクは1.5Nm向上。そして、出力アップにともない、フレームの耐性も見直された。車輪もより剛性の高い切削加工仕上げのアルミキャストホイールを装着し、路面からの吸収力を高めるためにサスペンションのストロークを長くするなど、動力性能をそこなわずに耐性を担保する最適化が図られているのだ。また、身につけているだけでエンジンの始動などが行えるスマートキーが採用されたほか、シフトやブレーキのレバー、ウインカーのスイッチをはじめとする操作系のパーツも高品質化され、操作性も格段によくなっている。

排気量は拡大したが、エンジン設計はシリンダーが水平近くまで寝た横型と呼ばれるスーパーカブシリーズが継承してきたものだ

リアのサスペンションストロークはスーパーカブ110より19mm伸ばされ、ブレーキはドラム式を採用。専用アルミキャストのホイールとメッキタイプとなったマフラーで質感も向上している

リアと同様にホイールはキャスト化。フロント側のブレーキがディスク式となったことで、余裕ある制動力を確保している。サスペンションのストロークは、スーパーカブ110より10mm長い

金属にラバーで滑り止めが施されたステップは、ホールド感がアップ。エンジンのケースやカバーもメッキ加工され、見た目の質感もいい

見た目はクラシカルな丸型ライトだが、光源はLED。ウインカーなどもすべてLED化されている

見た目はクラシカルな丸型ライトだが、光源はLED。ウインカーなどもすべてLED化されている

本モデルからスマートキーを採用。鍵を抜き挿ししなくていいのは非常にラク

本モデルからスマートキーを採用。鍵を抜き挿ししなくていいのは非常にラク

メーターもデジタル式となり、視認性が向上。ギアの数字が表示されるようになったので、走行中、入れているギアが確認できるようになったのはありがたい。タコメーターは非搭載だ

グリップ部のバーエンドや、スイッチも類質感とともに操作性がアップ

グリップ部のバーエンドや、スイッチも類質感とともに操作性がアップ

車体右側に、古いタイプのウィングマークのロゴを装着。最近では同社の「モンキー125」などにも装備されている

バイクらしい楽しさを味わえるスーパーカブ

スーパーカブシリーズのファンであれば1度は初期型「C100」に憧れを抱くもの。そんなC100の特徴を押さえつつ、今風にアレンジしたスーパーカブ C125への試乗となると、おのずと気持ちが高まる。さっそく、街中での試乗へと向かう!

サイズは1,915(全長)×720(全幅)×1,000(全高)mmで、車重は110kg。身長175cmの筆者がまたがると、かかとはしっかりと接地した。小柄なライダーでも足付きで苦労することはなさそうだ

シートもスーパーカブ50/110より前後サスペンションのストロークが伸ばされ、シートのクッションが肉厚となったため、シート高は高くなったのだが、足付きが悪くないのは、シートがやや絞られた形状になっているおかげだろう

筆者は昨年発売されたスーパーカブ50スーパーカブ110にも試乗しているのだが、スーパーカブ C125はエンジンをかけ、ギアを1速に入れた瞬間から性能のよさを実感した。シフトドラムにベアリングが入れられているなど、シフトフィールのアップが図られているおかげか、シフトの操作感が非常にいいのだ。スーパーカブシリーズのシフト操作といえば、新聞配達などに使われている車両の「ガッチャン」という音を記憶している人は多いかもしれないが、C125は「スコン」と入るような感じで気持ちいい。そして、そのままアクセルを開けると、スーパーカブ50/110より車体は10kg以上重くなっているにもかかわらず、スムーズに加速した。スーパーカブ110でもパワー不足を感じることはなかったが、C125はさらに排気量が大きいので、シリーズのイメージからすると、かなり「速い」。幹線道路でも交通の流れを余裕でリードできる速さだ。

ビジネスバイクのイメージをくつがえすような俊敏な加速が味わえる

ビジネスバイクのイメージをくつがえすような俊敏な加速が味わえる

排気量に合わせてフレームや足回りもブラッシュアップされているため、加速状態で、幹線道路によくある路面のうねりやわだちなどを乗り越えても、車体が振られるような挙動もなく、速度が出ても不安を感じることがない。さらに、ブレーキの効きやコントロール性も劇的に向上しているので、安心して止まれるだけでなく、ブレーキをかけることすら楽しくなってくるのだ。ブレーキでフロントフォークの沈み込みや、前輪の接地感をコントロールできる感覚は完全に普通のバイクだ。そして、そこから寝かし込む操作も、スーパーカブ50/110で感じたクイックさの中に落ち着きが加わっており、曲がっていく気持ちよさもバイクのもの。これは、キャストホイールの剛性の高さや、それにともって採用されたチューブレスタイヤの恩恵もあるのだろう。街中のタイトなカーブだけでなく、スピードが乗るようなコーナーも楽しく走れるようになっている。

街中の曲がり角すら楽しいハンドリングはそのままに、安定感が加わった走りは圧巻

街中の曲がり角すら楽しいハンドリングはそのままに、安定感が加わった走りは圧巻

また、シフトダウンの操作性も特筆しておきたいところ。従来のスーパーカブシリーズは走行中にシフトダウンするというより、止まってからギアを落とす使い方を想定していたのか(新聞や郵便の配達で使っている人たちは大体そういう乗り方をしている)、走行中にかかとでシフトレバーを踏もうとするとアキレス腱が伸びるような状態になって操作しづらかったのだが、ペダルのうしろ側が少し高くなったC125は、走行中でもシフトダウンしやすい。走行中にも積極的に変速して最適なギアが選べるのは、うれしいポイントだ。

ペダルを踏んでいる間はクラッチが切れるので、その間にアクセルをあおって回転数を合わせるというスーパーカブ特有の操作方法が決まると、かなり気持ちよくシフトダウンしてコーナーに入っていける

試乗を終えて

細部にいたるまで車体が高品質化し、走りの性能も向上したスーパーカブ C125。バイクとしての“操る楽しさ”は向上してもビジネスバイクらしい使い勝手のよさはそのままなので、これまでどおり、小回りがきく車体を生かして通勤などの街乗りを中心に使うのももちろん最適だが、125ccになったスーパーカブでツーリングに出かけるのも楽しい。スーパーカブ110と比べると排気量はわずか15ccしかアップしていないが、走りの総合性能は大きく向上している。より普通のバイクに近い乗り味になったC125は、バイクに乗りなれたベテランライダーでも満足できるはずだ。

また、デザインや質感がブラッシュアップされたことにより、所有するよろこびが得られるようになったのは大きな魅力。メーカー希望小売価格は39万9000円と、スーパーカブ110よりも12万円以上高い価格設定となっているが、C125の見た目と動力性能を総合すれば、妥当なラインと言えるだろう。

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
関連記事
バイク本体・パーツのその他のカテゴリー
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る