レビュー
車中泊に役立つ純正アクセサリーも使ってみた!

軽バンなのに走り心地も寝心地もイイ! ホンダ「N-VAN」の車中泊レポート


車中泊するには少し寒い季節になってきたが、夏から車中泊向きの自動車に1台ずつ実際に泊まり、その寝心地を確かめている「車中泊レビュー」をお届けする。第1弾の「ハスラー」に続く、2車種目はホンダ「N-VAN」だ!

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商用だけれどアウトドアユースで注目されている軽バン

N-VANは「軽バン」と呼ばれる軽貨物車に分類され、本来は商用に使われる車種だが、アウトドアなどを趣味とする人たちから熱い注目を集めている。その理由のひとつは、ホンダの人気車種である「N-BOX」とエンジンや車体の骨格を共用していること。通常、軽バンは荷室の長さを重視するため、エンジンを床下に置くレイアウトを採用することが多いが、N-VANはN-BOXと同様にフロントにエンジンを搭載。さらに、前輪を駆動するFFを基本としており(4WD車もあり)、サスペンションなどもN-BOXのものを継承している。このような構造により、商用車にありがちなゴツゴツした乗り心地ではなく、細かいギャップを通過しても伝わってくる振動は最小限。前方をカメラで監視し、自動ブレーキを作動させたり、先行車を追従したりできる「Honda SENSING」も標準装備されており、安心感は段違いにいい。軽バンのイメージをくつがえすほど快適な走り心地を実現しているのだ。

N-VANのサイズは3,395(全長)×1,475(全幅)×1,850〜1,960(全高)mm。重量はグレードなどによって異なるが930〜1,020kgとなっている。メーカー希望小売価格は、もっとも廉価な「G」グレードのFFで126万7920円

N-BOXと同じように、フロントにエンジンを搭載。最高出力はターボモデルが64PS、ターボなしモデルが53PSとなっている

フロントウィンドウには「Honda SENSING」用のカメラを搭載。前方を監視し、自動ブレーキなどを作動させてくれる

カメラで読み取った制限速度や追い越し禁止などの看板をメーターの右脇に表示する機能も完備。カーナビを作動させている場合は、次の曲がり角などがここに表示される

このような快適な乗り心地の車体に、車中泊に適したスペースを確保できるのがN-VANの強み。全般的に商用車はスペース効率にすぐれるが、既存の軽バンはあくまでも荷物を積むことを目的に開発されているため、車中泊のような使い方は想定されていない。その点N-VANは、リアシートと助手席に床面と同じ高さに収納できる「ダイブダウン構造」を採用することで、助手席から荷室の後端まで完全にフラットにできる。このスペースが、車中泊や趣味の道具を積むのに非常に効率がよいのだ。ただし、前回、ハスラーで筆者が車中泊した時のように運転席と助手席を倒して、シートの座面に横になることはできない。というのも、リアシートはリクライニングせず、前後に動かすこともできないため、フラットにならないからだ。N-VANの基本的な車中泊スタイルは、下の写真のような状態となる。

助手席と後部座席を収納すれば、荷室とつながったフラットなスペースを作り出すことができる。これで、長い荷物も積み込むことが可能に。助手席側のドアと後部扉の間をピラーレス構造とし、大きな開口部を確保しているのも特徴だ

シート収納時に操作するレバーなどは、オレンジ色にカラーリングされているので非常にわかりやすい。収納時にできる隙間を埋めるパネルも用意されているので、完全にフラットな状態にできる

専用アクセサリーを使って車中泊にトライ!

さっそく、車中泊をしてみよう! ハスラーで車中泊した際は筆者所有の薄いマットを持って行ったものの、あまり役に立たず、結局、運転席と助手席のシートを倒して寝転んだのだが(それでも快適だった)、今回は純正アクセサリーや専用に設計されたアクセサリー(Honda Accessが運営する「Circle-H」で販売)を使ってみる。車中泊を想定した作りとなっているN-VANには、車内で寝るのに役立つアクセサリーがたくさん用意されているのだ。しかも、ラインアップが細かいのが、ほかの自動車にはないところ。市販のアイテムでも車中泊しやすい空間は作れるが、車内にぴったり合うマットを探すのに手間取ることもある。あれこれ悩まず快適な車中泊仕様に仕上げられるため、専用アクセサリーの充実度は車中泊を考えている人にとっては心強い。

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ルーフキャリアやテールゲートにハンガーを引っかけられるバーなど、専用のアクセサリーで車中泊仕様とされたN-VAN。前席と荷室を区切る「セパレートカーテン」や車内天井に荷物を置けるようにする「ルーフインナーラック」などを使用して、自分に適した仕様の自動車にカスタマイズすることができる

前述のとおり、助手席は床面と同じ高さに倒すことができるものの、運転席は収納することができない。そのため、2人以上での車中泊は難しいのだが、車内にベッドを作る「マルチボード」を設置すると、運転席側も含めてフルフラットにできる。床面より高い位置にベッドが用意されるため、その下に荷物を積むことも可能だ。これで、大人2人でも快適に車中泊できる。なお、マルチボードのような専用アクセサリーを軽バンや軽自動車で揃えているメーカーはない。

通常は、運転席を残した状態でフラットになる。シートの背面が上にくるので、マットなどを敷いて寝たほうがいいだろう

ラゲッジと助手席側のリアに「マルチボード」(ラゲッジ用は62,000円、リア用は29,000円/税別)を設置し、助手席は折りたたみ、助手席をリクライニングさせれば写真のようなフラットな空間が出現!

マルチボードを設置すると荷室はせまくなるが、ボードの下にできる収納スペースにはキャンプ用品などもたっぷり積載できる。テント、シュラフ、チェア、テーブルといったキャンプ用品は余裕で入れられた

なお、マルチボードは金具で固定しなければならないので、車中泊する時に付け外すというような使い方には向いていなそうだ

マルチボードでフラットにしても、凸凹はできる。クッション性もないので、ある程度厚みのあるマットを敷いたほうがいい

Honda Accesの「N-VAN用クイックエアマット ダブルベッドタイプ」(メーカー小売価格73,440円/税込)を敷いてみた

運転席側はリクライニングさせたシートの上に横になるため、シートの凸凹が気になるが、このエアマットがあれば問題なし!

壁の内側までマットが敷き詰められているので、どこに寝ても快適だ。寝心地は、普通のベッドに近い。これは、心地イイ!

仰向けに横になっても体をしっかり伸ばすことができる

大人2人が横になれるスペースを1人で使ったので、普通の車中泊では難しい寝返りも自由自在。翌日、身体に痛いところもなく、疲れも残っていなかった

ちなみに、「N-VAN用クイックエアマット ダブルベッドタイプ」は半分だけ空気を入れて、1人分サイズで敷くことも可能。マルチボードを使わず、助手席側だけをフラットにした場合でも使用できる

「N-VAN用クイックエアマット ダブルベッドタイプ」にはポンプも付属。1人分サイズをふくらませるのに30回程度空気を注入したが、足で踏んで入れられるのでそれほど苦労はしないだろう

ほかにも、後付けできるテーブルや棚の代わりになるボードなどを装備してみたが、ちょっとしたアイテムの有無で車内での過ごしやすさが大きく違った。

食事をする際には、助手席インパネトレーに差し込むだけで設置できる「簡易テーブル」(メーカー小売価格13,000円/税別)があると便利

車内壁面は垂直なラインなので、「有孔ボード」(メーカー小売価格10,500円/税別)に写真を飾って空間を演出するもの楽しそう。マグネットで留められるほか、市販のフックを装着することも可能だ

今回は使用していないが、キャンプ場などの外部電源設備がある所では「外部電源入力キット」(メーカー小売価格34,000/税別)が役に立つ。車内にAC100Vの電気を引き込めるので、エンジン停止中でも電気製品を使うことができる

基本設計にも車中泊の快適性を高める工夫あり!

アクセサリーを使えば車中泊が快適になるのは間違いないが、基本の設計にも車内の快適性を高める配慮が数々見られた。ヘッドレストの収納といった細かいことだが、限られたスペースをいかに広く使えるかは車中泊の満足度に大きな影響を与える。

車中泊でシートを折りたたむ際に取り外した助手席のヘッドレストは、ドアの内側に収納できる

車中泊でシートを折りたたむ際に取り外した助手席のヘッドレストは、ドアの内側に収納できる

後席のヘッドレストは車内後方にベルトで固定する仕様。収納はできないが、張り出しも最小限なので、横になった時のじゃまになることもなかった

シフトレバーの横にコンビニ袋をかけられるフックが設けられており、ゴミ入れとして活躍してくれた

シフトレバーの横にコンビニ袋をかけられるフックが設けられており、ゴミ入れとして活躍してくれた

助手席側にもフックが用意されているのも◎

まとめ

メーカーが本腰を入れて開発した車中泊仕様だけあって、N-VANの快適さはこれまでの軽自動車と比べると段違い。通常スタイルでは大人ひとり分の就寝スペースしか作り出せないものの、完全に足まで伸ばして横になれるのは最高だ。軽貨物車なので荷物の出し入れもしやすく、収納スペースもたっぷり。ひとりで車中泊するなら専用アクセサリーを使わなくても、クッション性のあるマットを用意すれば十分快適に過ごせるだろう。とはいえ、今回、専用アクセサリーを使ってみて、その出来のよさと快適さに感動したので、できるなら、マルチボードとエアマットを揃えてみてほしい。布団で寝ているかのような寝心地は、連泊しても疲れは残らないはずだ。

そして、車中泊とは直接関係はないが、運転のしやすさが特筆モノ! これまでの軽バンとは比較にならないほど快適な乗り心地に仕上げられているだけでなく、運転しているのが楽しくなってくるほどなのだ。ターボ付きとターボなしのどちらも運転してみたが、高速道路ではやはりターボがあったほうが快適。ただ、ターボなしでも交通の流れについていけないほどではなく、使用するエンジンの回転域が少し高くなるため、車内でエンジン音が少々気になる程度だった。車中泊に出かける道中の移動も、快適性が高いほうがいいのは間違いない。ちなみに、どのグレードでも走行性は上々だが、「+Style COOL」や「+Style FUN」グレードには見栄えのよいヘッドライトが装備されているほか、外装カラーもイエローやグリーンなどポップな色を選ぶことができる。趣味に使うなら、これらのグレードにするといいかも!

メーター横にはスマートフォンを収納できるポケットが用意されているので、スマホのナビ機能を使っている際には役立つ。ただし、iPhone 8(写真のもの)より大きいサイズになると入らない

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増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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