バイク野郎 増谷茂樹の二輪魂
国産モデル「FK310 LAVSport Sp」に乗ってみた!

振り返られるほどのルックス! 自転車のようなバイク「モペット」が意外に楽しい!!


自転車にエンジンを搭載した「モペット」をご存じだろうか。日本国内ではメジャーではないが、電動アシスト自転車と原付バイクの中間に位置する乗り物で、独特なルックスと乗り味に根強いファンも多い。今回は、フキ・プランニングの国産モペット「FK310 LAVSport Sp」に試乗してみた!

モペットって、どんな乗り物?

エンジンとペダルという2つの動力を使える2輪車「モペット」(海外では小排気量のバイクを総称して使われることもある)は、ヨーロッパではポピュラーな乗り物。ヨーロッパでは近年までモペットに乗るのに運転免許はいらない国が多く、維持費が安いなどの優遇制度があったこともあり、電動アシスト自転車のように手軽に乗れる乗り物として流行していたのだ。日本国内でも、戦後の復興期などには庶民の足として多くのモペットが走っていたようだが、1960年に免許が必要な原動機付き自転車(原付一種)に分類されるようになり、その後は、ホンダ「スーパーカブ」に代表される原付一種のバイクが主役となっていった。これは、免許が必要なのであれば、動力性能にすぐれたバイクのほうがいいという選択の結果だろう。
※「モペッド」と呼ばれることもあるが、ここでは「モペット」とする

ホンダ「スーパーカブ」のもととなった「カブF」(1952年発売)は、自転車にエンジンを取り付けるキットの形で販売されたモペットだった

そんなモペットを今も作っている会社が日本国内にある。それが、今回紹介する「FK310 LAVSport Sp」を手がけたフキ・プランニングだ。FK310 LAVSport Spは、小さな排気量でもパワーが出せる空冷2ストロークエンジンを搭載。実は、2ストロークエンジンは排気ガス規制に引っかかるため、通常の市販バイクでは姿を消してしまっているが、FK310 LAVSport Spは排気量が31.7ccと小さいことと混合ガソリンを使用することで規制をクリアしている。とはいえ、最高速度は20kmと決して速くはない。だが、そもそもモペットはバイクではあるけれど、移動のための足という要素が強い。ペダルをこいで走らせることもできるが、動力があるので乗っているだけで走行可能できる点においては、電動アシスト自転車よりもラクに移動できる。また、モペットバイクはデザインがユニークなところも大きな魅力。自転車のタイヤやブレーキ、変速機などを装備したFK310 LAVSport Spはビンテージバイクのようなルックスで、街中で見かけてひと目惚れし、この試乗を決めたほど、その見た目にそそられた。

曲線を描くクルーザータイプの自転車のようなフレームに、イエローのガソリンタンクが映える。タンカラーのグリップとサドルもクラシカルだ

原付一種に区分されるため、ナンバープレートやライト、テールランプなどの装備が必須。ただし、最大速度が20km/hなのでウインカーは必要ない

31.7ccの空冷2ストロークエンジンを搭載。0.15Kgmの最大トルクを発揮する

31.7ccの空冷2ストロークエンジンを搭載。0.15Kgmの最大トルクを発揮する

ペダルは自転車に装備されているものと変わらない。エンジンを切った状態でペダルをこいで走れるほか、エンジンのパワーが足りない時にペダルを回して走行をアシストすることもできる

一般的なバイクと違い、右手側に設けられたレバーでアクセルを操作する。クラッチはない

一般的なバイクと違い、右手側に設けられたレバーでアクセルを操作する。クラッチはない

ブレーキは自転車用のVブレーキを採用。ライトを点灯させるためのダイナモも装備されている

ブレーキは自転車用のVブレーキを採用。ライトを点灯させるためのダイナモも装備されている

変速ギアも自転車用。停止中にも変速できる内装の3段変速で、グリップを回してギアチェンジする

変速ギアも自転車用。停止中にも変速できる内装の3段変速で、グリップを回してギアチェンジする

約1.5Lのガソリンを入れることができる。燃費は43km/Lなので50km以上は走行できそうだ

タンクには約1.5Lのガソリンを入れることができる。燃費は43km/Lなので、50km以上は走行できそうだ

一般的な2ストロークエンジンはガソリンとオイルを別々に入れる分離給油だが、FK310 LAVSport Spは混合給油を採用。ガソリンとオイルを自分で混ぜてもいいが、混合されたガソリンを用意するとラクだろう。なお、「ゼノア純正 混合ガソリンビックバンガソリン」が推奨されている

街中にピッタリ! 予想以上に扱いやすい走りを実現

見た目で惚れたFK310 LAVSport Spに、いよいよ試乗! またがった姿勢は、自転車とバイクの中間的なポジション。サドルの高さは調整できるが、そもそもの位置があまり高くないので身長が低めの人でも乗りやすいだろう。

サイズは全長1,800(全長)×700(全幅)×1,050(全高)mmで、重量は28kg。足つき性がよく、車体も軽いため、ちょっと車体がふらついても問題なく支えられるはずだ

ハンドルは低めにセットされているが、幅が広めなので押さえやすい

ハンドルは低めにセットされているが、幅が広めなので押さえやすい

エンジンをかける際には、エンジンで駆動するようになっているかレバーを確認しておこう。

エンジンに装備されたレバーで、動力を切り替えられる。ペダルのみで走行する場合は、「FREE」の方向にレバーを動かす。今回は、エンジンで駆動するので、レバーは縦向きのままにしておく

ペダルを踏みおろすとエンジンがかかる

ペダルを踏みおろすとエンジンがかかる

なお、エンジンが冷えていてかかりにくい時に、エンジンに送るガソリンを濃くしてかかりやすくするチョークレバーもハンドル左側に用意されている

エンジンをかけて走り出しても扱いやすい印象は変わらない。50ccクラスの原付よりも小さい排気量のエンジンはパワフルではないものの、低回転からフラットなトルクを発生してくれるので、ゆっくりした速度でもコントロールがしやすいのだ。最高速度は20km/hに抑えられており、下り坂ではもう少しスピードを出すこともできるが、エンジン出力とギア比的にそのあたりが限界。リミッターではなく、性能的に速度を抑えているので、バイクに乗り慣れていない人でも怖さを感じることはないだろう。また、排気音も普通のバイクよりも静か(下の動画参照)。いざとなれば、エンジンを切ってペダルをこいで走ればいいので、夜間も安心だ。

自転車っぽい見た目なのにエンジン音が響くので、「なんだ、あれは?」とちょっと注目される(笑)

自転車っぽい見た目なのにエンジン音が響くので、「なんだ、あれは?」とちょっと注目される(笑)

結構小回りも効くので、市街地での移動手段としては最適。コーナーリングも扱いやすいので、気負わず乗れる

結構小回りも効くので、市街地での移動手段としては最適。コーナーリングも扱いやすいので、気負わず乗れる

なお、ウインカーがないので、曲がる時には手信号をしなければならない

なお、ウインカーがないので、曲がる時には手信号をしなければならない

続いて、登坂力を試すため、登り坂にチャレンジ! 挑んだ坂は、もっともきつい傾斜は13°もあり、以前、スポーツタイプの電動アシスト自転車で試した際にもギリギリ登り切れたような場所だ。まずは、エンジンの力のみで登ってみたが、31.7ccの排気量では急勾配の手前までしか登れず。とはいえ、下の動画のように急勾配にさしかかるまでの坂はエンジン駆動で登れたので、急過ぎない坂なら心配しなくてもよさそう。

勾配がきつくなってくると、ペースダウン。ペダルをこいでアシストしてみるが、登りきることはできなかった

勾配がきつくなってくると、ペースダウン。ペダルをこいでアシストしてみるが、登りきることはできなかった

結局、途中から押して登ったのだが、それほど車体は重くないので差ほど大変ではない

結局、途中から押して登ったのだが、それほど車体は重くないのでさほど大変ではない

試乗を終えて

フキ・プランニングのモペットは、もともと自転車に乗る体力がなくなった高齢者のために開発したのだそう。そのため、乗りやすさや使い勝手は良好。自転車しか乗ったことのない人でも、すぐに乗りこなせるほど簡単な操作性だった。ただ、そうなると電動アシスト自転車でもいいような気がするが、電動アシスト自転車は動力を得るためには人力でペダルを回さねばならない。そのアシストすらいらないのがモペットの魅力である。もちろん、原動機付き自転車なので、軽自動車税もかかるし、二段階右折もしなければならない。エンジンをかけずにペダルをこいで走行するにしても、ヘルメットの着用は必須だ。このように、電動アシスト自転車と比べるとわずらわしく感じる部分はたしかにあるだろう。しかし、乗り物としてのおもしろみもあり、めずらしさから注目されるのも快感だったりする。販売価格は14万円(税別)と、ハイグレードな電動アシスト自転車よりも安い。ちょっと変わった物に乗ってみたいなら、FK310 LAVSport Spはかなりアリ!

軽めの未舗装路にも持ち込んでみたが、太いタイヤとトルクフルなエンジンのおかげで難なく走破! こうした遊びができるのも楽しいところだ

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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