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新デザインに注目が集まるプリウス!

ついに!? デザインが変わった新型「プリウス」と若返った「カローラセダンHV」は売れるのか

2018年11月下旬に開かれたロサンゼルス・オートショー(以下、LAショー)で、トヨタは2台のクルマを発表しました。ひとつが、マイナーチェンジが施された新型「プリウス」。そして、もうひとつが「カローラセダンHV(ハイブリッド)」です。
※当記事で使用している画像は、LAショーで発表時の北米仕様モデルになります。

ロサンゼルス・オートショーで発表された、トヨタ 新型「プリウス」

ロサンゼルス・オートショーで発表された、トヨタ 新型「プリウス」

ロサンゼルス・オートショーで発表された、トヨタ 新型「カローラセダンHV(ハイブリッド)」

ロサンゼルス・オートショーで発表された、トヨタ 新型「カローラセダンHV(ハイブリッド)」

コンサバになった「プリウス」と若々しい「カローラ」

トヨタ 新型「プリウス」のフロントイメージ

トヨタ 新型「プリウス」のフロントイメージ

トヨタ 新型「プリウス」のリアイメージ

トヨタ 新型「プリウス」のリアイメージ

トヨタ 新型「プリウス」のインテリア

トヨタ 新型「プリウス」のインテリア

「プリウス」の改良は、主にデザイン面です。ヘッドライト周りが新しくなり、インテリアもモニターを大きくするなどの変更が施されています。正直、改良された部分は少なかったのですが、その印象は大きく変わりました。現行プリウスのアヴァンギャルドだった変形ヘッドライトやテールランプは、ごく普通のものへと変更されています。それだけで、ぐっとフォーマルで落ち着いた雰囲気になりました。先進性アピールは弱くなるでしょうが、逆に、もっと広い層に受けそうな予感がします。

トヨタ 新型「カローラセダンHV(ハイブリッド)」のフロントイメージ

トヨタ 新型「カローラセダンHV(ハイブリッド)」のフロントイメージ

トヨタ 新型「カローラセダンHV(ハイブリッド)」のリアイメージ

トヨタ 新型「カローラセダンHV(ハイブリッド)」のリアイメージ

いっぽうの「カローラセダンHV(ハイブリッド)」。こちらは、すでに発売されているハッチバックの「カローラスポーツ」のイメージそのまま。本当のことを言えば、「カローラセダン」の世界初披露は、LAショーではなく、その前の11月中旬に開催された中国の広州国際モーターショーでした。LAショーは2番目というわけです。中国とLAで発表されたクルマを見比べると、ディテールが少々異なりますが、それでも全体のイメージは同じ。若々しく、スポーティーです。

で、ここが大事なのですが、日本で今後発売される「カローラセダン」は、中国やLAで発表されたのと同じモデルとなります。

日本専用の5ナンバー車として発売されたトヨタ「カローラAXIO(アクシオ)」

日本専用の5ナンバー車として発売されたトヨタ「カローラAXIO(アクシオ)」

実は、これまで日本で発売されていた「カローラ」は日本専用車でした。世界市場向けのカローラと比べると、クルマ全体が小さかったのです。日本では、名称も「カローラAXIO(アクシオ)」とされていて、ユーザー層も世界とは異なります。カローラは、日本だけ断トツに年齢層が高いのです。このように、世界と日本の「カローラ」に対するニーズが違うため、日本には日本専用モデルを用意していたという事情があるのです。

日本での「カローラ」の扱いの変化にとまどうユーザー

スポーティーなデザインをまとって、2018年6月に発売されたトヨタ「カローラスポーツ」

スポーティーなデザインをまとって、2018年6月に発売されたトヨタ「カローラスポーツ」

ところが、ハッチバックである「カローラスポーツ」の日本導入から、トヨタは「カローラ」の取り扱いを大きく変化させます。いわゆる“若返り”です。「カローラスポーツ」は、コネクテッド技術を売りにするように、ハッキリと高齢者ではないユーザーをターゲットにしました。クルマの出来がいいこともあってか、新型「カローラスポーツ」の路線は、好評のように見えます。

しかし、そうなるととまどうユーザーもいることでしょう。それは、これまで「カローラAXIO(アクシオ)」を購入してきた高齢者です。ちなみに、当初「カローラAXIO(アクシオ)」にハイブリッドは用意されていませんでした。「ハイブリッドが欲しいなら、プリウスを買ってほしい」というのが、トヨタの思わくだったのでしょう。しかし、市井のユーザーは違う考えだったようです。「カローラのハイブリッドを早く出せ」という多くの声があがりました。そこで、しぶしぶのように「カローラAXIO(アクシオ)」にハイブリッドが追加されたのです。

この「カローラAXIO(アクシオ)」のハイブリッドを買っていた人はどうなるのでしょうか? 新型の若々しい「カローラ」が好みであれば問題ありません。しかし、「もっと落ち着いた雰囲気のほうがいい」となれば、別のクルマを買うしかありません。しかし、同じ小型セダンである「プレミオ」や「アリオン」には、ハイブリッドが用意されていません。

そうなれば、おのずと選択肢にあがってくるのが「プリウス」です。ちなみに、最新の「カローラ」と現行「プリウス」にはどちらも、TNGAという戦略から生まれた同じ「GA-Cプラットフォーム」が採用されています。日本仕様の「カローラセダンHV」に、どのようなパワートレインが搭載されるかは不明ですが、もしかすると「プリウス」と同じものになる可能性もあります。そうなると「カローラセダンHV」と「プリウス」は中身は同じ! チョイスの理由は、デザインだけということになってしまうかもしれないのです。

トヨタ 新型「プリウス」のリアイメージ

トヨタ 新型「プリウス」のリアイメージ

そこで、コンサバなデザインとなった新しい「プリウス」の価値が発揮されるのではないでしょうか。つまり、これまで「カローラAXIO(アクシオ)」のハイブリッドを選んでいた高齢者の受け皿になるのです。新しい「プリウス」のデザインであれば、以前よりは高齢者にも受け入れられやすくなるはず。そうなれば、すべてとは言いませんが、旧来の「カローラAXIO(アクシオ)」ユーザーも購入してくれることでしょう。

いっぽう、若々しいイメージでハイブリッドに乗りたいという方は「プリウス」ではなく、新型「カローラセダンHV(ハイブリッド)」に流れるはず。つまり、マイナーチェンジされた新しい「プリウス」は、旧来の「カローラ」ユーザーを取り込みつつも、新型「カローラセダン」に一定数のユーザーを奪われることになるのでしょう。プラスマイナスは、どちらが多いのかは未知数です。とはいえ、どちらになってもトヨタは損をしないという、なんともうまい手ではないでしょうか。

鈴木ケンイチ

鈴木ケンイチ

新車のレビューからEVなどの最先端技術、開発者インタビュー、ユーザー取材まで幅広く行うAJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。

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