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車内でドライヤーや電子レンジも使える!

充電方法は!?ランニングコストは!? アウトランダーPHEVでプラグインハイブリッド車の使い勝手をチェック!

メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、フォルクスワーゲン、ボルボなど、欧州メーカーはこぞってPHV(プラグインハイブリッド車)のラインアップを増やしています。PHVとは、外部充電ができるHV(ハイブリッド車)で、短距離ならガソリンを使わないEV(電気自動車)として使える車のことです。

対する日本車は、三菱「アウトランダーPHEV」、トヨタ「プリウスPHV」、ホンダ「クラリティPHEV」の3モデルが発売されており、とくにアウトランダーPHEVやプリウスPHVは、バッテリーに蓄えた電力で家電製品を使えたり、家庭に給電できたり、アウトドアや災害時の電源車として利用できたりといった利便性を兼ね備えています。

では、その使い勝手はどんなものなのでしょうか? 今回は、2018年8月に大幅改良が施されたばかりのアウトランダーPHEVを使ってチェックしてみました。

システムの9割に改良が施された「アウトランダーPHEV」

アウトランダーPHEVは、2013年に発売された日本で唯一と言えるSUVタイプのPHVで、ガソリンエンジンに加えて、フロントとリヤに2基の電気モーターを搭載する4輪駆動車です。

アウトランダーPHEVは毎年のように改良が重ねられ、2018年8月に発売された現行モデルでは、ガソリンエンジンが2.0Lから2.4Lに拡大されるとともに、モーターの出力アップやバッテリーの容量アップが図られるなど、PHVシステムの主要構成部品の約9割に改良が施されています。

ハイブリッド燃料消費率はWLTCモードで16.4km/L、EV走行換算距離は57.6km。価格は393万9,840円から。今回試乗したアウトランダーPHEVはBILSTEIN社製ショックアブソーバーなどを標準装備する最上級モデル、「S Edition(509万40円)」になります。

通勤など近距離はEVだけで走ることでランニングコストを節約!

改めて、PHVの仕組みとメリットについて説明しましょう。PHVは、ガソリン(もしくはディーゼル)エンジンと電気モーター、大容量バッテリーを搭載。外部充電を行うことで、短距離ならEV(電気自動車)として、バッテリー残量が少なくなってもエンジンで発電したりエンジンを動力として使ったりすることで長距離走行が可能なクルマです。

アウトランダーPHEVの場合、EV走行換算距離(EVとして走行できる距離)が57.6km ですから、ガソリンエンジンを搭載しながらも、毎日の通勤程度ならガソリンを使うことなく電気だけで走行できるというわけです。家に充電設備を備えておけばスマホ感覚で充電でき、電力会社との契約を夜間に安くするプランなどにすれば、ランニングコストを大幅に減らすことができます。

車内のコンセントでドライヤーや電子レンジが使えちゃう!

また、車内にはアクセサリーコンセントが設置されており、家電製品をそのまま使うことができます。アウトランダーPHEVの場合、消費電力1,500Wまでの家電が使えるので、ドライヤーだって電子レンジだってOK! エンジンは発電機を兼ねるため、大容量バッテリーとあわせて、燃料があるかぎり電気が使えちゃうんです。

さらに、家庭に専用機器を設置すれば、「Vehicle to Home(V2H)」といって車から家庭に電力を供給することも可能になります。13.8kWhもの大容量バッテリーを搭載するアウトランダーPHEVでは、バッテリーだけでも一般家庭の約1日分、ガソリン満タンなら約10日分の電力が供給可能できるため、“災害時の備え”としても注目されているのです。

充電方法はとても簡単。外出先での充電はあらかじめ契約を

ここからは、アウトランダーPHEVの実際の使い勝手を見ていきましょう。と言っても難しいことはなく、充電の仕方さえ覚えてしまえば、そのほかは普通のクルマと同じです。

まず充電方法ですが、充電口をあけて充電器のケーブルを接続、充電器または車内から充電の操作をします。サービスエリアやショッピングモール、ディーラーなどに設置される充電器を使うときは、充電サービスの会員となり、専用の充電カードを使って充電します。

家庭に設置して充電器を使う場合は、もちろん電気代のみがかかりますが、外で充電器を利用する場合は、充電器利用料がかかります。充電器利用料は、充電サービスのプランや充電方法(普通/急速)によって異なるので一概には言えないものの、おおむね「1分いくら」という形になります。三菱では「三菱自動車 電動車両サポート」というサポートプログラムを提供していて、今回のアウトランダーPHEVでもこのカードを利用しました。

今回は、パーキングエリアの急速充電器を使ってみました。20分の急速充電で、28%だったバッテリー残量が60%まで回復。これによって、EV走行可能距離が18kmから38kmへアップしました。

今回は高速道路のPAで充電したために1分あたり8円で、20分充電したので160円かかりました。これが、三菱自動車の販売店に設置されている急速充電器を使えば1分あたり5円になりますので、20分なら100円になります。三菱自動車 電動車両サポートの充電料金の詳細ついては、以下の通りですのでご参考まで。

■三菱自動車 電動車両サポート
※2018年12月現在の料金体系になります

- 入会金 -
1,500円
- 月額料金 -
[ベーシック] 500円/[プレミアム] 1,500円(無料充電500円込)/[コーポレート] 1,000円
- 急速充電利用料 -
三菱自動車販売店:5円/分
NCSネットワークカテゴリA(高速道路・コンビニ・商業施設・道の駅など):[ベーシック] 12円/分/[プレミアム] [コーポレート] 8円/分
NCSネットワークカテゴリB(三菱自以外のメーカー系充電施設):15円/分
- 普通充電利用料 -
NCSネットワーク:[ベーシック] 1.4円/分/[プレミアム] 無料/[コーポレート] 1.2円/分

さらに、PHVの場合はバッテリー残量がゼロになっても、ガソリンが入っているかぎり発電も走行もできるので、出先で充電する機会はあまりないかもしれません。バッテリーを充電したいときのために、常時ガソリンエンジンを作動させる「チャージモード」も備わっているのです。

まるで「新幹線」。電気モーターならではの加速が魅力的

車の解説記事でありながら、ここまで“車の性能”について一切触れてきませんでしたが、アウトランダーPHEVの車としての性能や使い勝手はどうでしょうか。結論から言えば「速い・快適・運転しやすい!」です。

電気モーターでの走行を基本として、より動力が必要なときとバッテリーの充電が必要なときだけエンジンを始動させるというのが、アウトランダーPHEVのシステム。回転を上げなければパワーが出ないエンジンと違って、電気モーターは発進時から最大トルクを発生するため、加速は力強く、アクセルを踏み込めば「キュイーン」というモーター特有の音とともにあっという間に速度が乗っていきます。感覚としては、自動車というより新幹線に近いかも。

タコメーターの代わりに備わるパワーリザーブメーターを見ていると、上り坂ではエンジンの動力を使っているようですが、どうやらフル加速時は電気モーターだけのよう。とはいえ、エンジンがいつ始動・停止したのかはパワーリザーブメーターを見ていなければ気づかないほどスムーズで、「踏み込むほどエンジン音がうるさくなる」ということもありません。パワフルな加速は、車線変更や追い越しもラクラク。

全長4,695mm×全幅1,800mmのボディはSUVとしてはコンパクトで、四角くて見切りのいいボディ形状と相まって、市街地での取り回しも抜群でした。

また、アウトランダーPHEVならではの機能「三菱リモートコントロール」は、寒いこの時期に重宝するものでした。

画像はテスト版アプリによるイメージ写真になります

画像はテスト版(お試し版)アプリによるイメージ写真になります

これは、スマホアプリを使って充電のタイマー設定や充電状況の確認、ヘッドライトなどランプのオン/オフなどができるというものです。メーカーオプションの「電気温水式ヒーター」装着車では、クルマに乗る前にエアコンを効かせておくことができる「プレ空調」が使えます。今回の試乗車には、このヒーターが装備されていたため、事前に車内を暖めることができて快適でした。ちなみに電気温水式ヒーターを装着すると、暖房のためにエンジンを始動させる必要性が低くなるため、暖房使用時のEV走行距離を伸ばすこともできるので、ぜひとも選びたい装備です。

自宅に充電器が設置できるなら購入候補にしたい

短距離の走行だけならガソリンを使わずに走れて、なおかつガソリンエンジンによって長距離ドライブも可能なアウトランダーPHEV。車両価格を単純に比較するとガソリン車に分がありますが(アウトランダーの場合、PHEVはガソリンモデルよりも100万円以上高い)、燃料代が抑えられること、ガソリンスタンドへ行く手間を減らせること、PHVならではの力強い走りが楽しめること、そして災害時の電源車としても活用できることなどを考慮すると、その価格差を補ってあまりある魅力を持っていると感じます。

2018年12月時点で、電源車としても使えるPHVは、アウトランダーPHEVとプリウスPHVだけ!自宅に充電器を設置できるなら、次期愛車として検討する価値は大いにアリです!

木谷宗義

木谷宗義

車メディアとSNSの編集者。編集者として企業メディアやSNSのコンテンツ制作を手がける他、自身もライターとして年間約100本の記事を執筆する。自動車の歴史から機能解説、ドライブデートまでその幅は広いが、その主軸はひとりの自動車ユーザーとして「役に立つこと」。1981年、神奈川県生まれ。

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