イベントレポート
バイク好きライターが選んだ注目モデルを紹介

日本初公開の「KATANA」からカスタムマシンまで「東京モーターサイクルショー2019」レポート!


これから発売される新モデルからカスタム車まで、多くのバイクが集う「東京モーターサイクルショー2019」が2019年3月22〜24日に開催された。仕事で触れるだけでなく、ライダーでもあるバイク好きの筆者がイベントで見つけた注目モデルを紹介する。

メーカーごとの歴史を感じる最新モデル

近年は“ネオレトロ”や“ネオクラシック”と呼ばれるモデルが人気とあって、主要各メーカーのブースには、それぞれの歴史的名車や、それをイメージさせる新型モデルの展示が目立った。かつての名車を知る人なら、心躍ること間違いなしの出展車を見ていこう。

スズキ「KATANA(カタナ)」

今回のモーターサイクルショーでもっとも注目を集めたのは、日本国内では初公開となるスズキの新型「KATANA」だろう。同社が1980年に発表した「GSX1100S KATANA」をイメージさせる新モデルで、エンジンは水冷4気筒の999cc。「GSX-S1000」をベースとしているので、スペックが同等であれば最高出力は150PSとなる。かつての名車を思わせるデザインだが、車体やエンジンなどは最新のテクノロジーが投入され、ハンドルはアップタイプとなっている。

ネーミングだけでなく、KATANAシリーズのデザインを受け継ぎながら現代的な走りを実現しているのが魅力。詳細なスペックや発売日、価格などは未発表

フレームはアルミ製。湾曲したスイングアームやリアタイヤに沿うように配置されたナンバープレートホルダーなどが現代的だ

またがれる車両も用意されていたので乗ってみたが、アップライトなポジションで乗りやすそう

またがれる車両も用意されていたので乗ってみたが、アップライトなポジションで乗りやすそう

ベースとなった「GSX-S1000」も展示されていた。3モードのトラクションコントロールなど、先進の機構を搭載している

スズキ「GSX1100S KATANA」

「KATNA」シリーズの初代モデル「GSX1100S KATANA」(1981年発売)も展示されていた。GSX1100S KATANAはハンス・ムート氏が手がけた斬新なデザインで世界的にファンが多い名車だが、発売当時、日本国内では750cc以上の排気量車は販売できない自主規制があったため、日本向けには排気量を落とした「GSX750S」が1982年に発売された。その後、日本国内の二輪排気量上限撤廃を受けて1994年に日本でも流通がスタート。2000年のファイナルエディションまで販売が続けられた。このほかにも、デザインを受け継いだ「GSX400Sカタナ」「GSX250SSカタナ」もリリースされている。

今見ても色あせない魅力を持つ「GSX1100S KATANA」。中古市場でも価格は高騰しているため、新型「KATANA」の発売をうれしく思う人も多いだろう

ホンダ「DREAM CB750FOUR」

ホンダブースのもっとも目立つ場所に展示されていたのは1969年発売の「DREAM CB750FOUR」。量産バイクでは世界初の200km/h超えを実現したモデルで、今年発売50周年を迎える。世界的な大ヒットとなり、日本製バイクの評価を飛躍的に高めた。性能が高かったがゆえ、日本国内の排気量上限が750ccに自主規制されるきっかけとなったモデルでもある。

空冷の4気筒エンジンを搭載したDREAM CB750FOURは、“高性能な日本車は4気筒”というイメージを確立した。今でも世界的にファンが多いモデルでもある

ホンダ「CB650R」

「CB」シリーズの登場から60年、上で紹介した「DREAM CB750FOUR」の発売から50周年という記念すべき年に発売されたのが「CB650R」。CBシリーズのアイコンである丸目のネイキッドの遺伝子は受け継ぎつつ、現代的に解釈された“ネオレトロ”系デザインとなり、エンジンは水冷の4気筒648ccで95PSを発揮する。2019年3月に発売されたばかりで、価格は89万円(税別)。

車重が202kgと軽く、軽快な走りを味わせてくれそう。LEDのヘッドライトが現代的なイメージだ

車重が202kgと軽く、軽快な走りを味わせてくれそう。LEDのヘッドライトが現代的なイメージだ

「CBといえば4気筒」と思っている人も満足させてくれる4本の排気管が並ぶエンジン

「CBといえば4気筒」と思っている人も満足させてくれる4本の排気管が並ぶエンジン

ホンダ「スーパーカブ50/110・ストリート」

2018年に初代モデルの発売から60周年を迎えた「スーパーカブ」シリーズに魅力的な新バージョンが加わった。実用性と信頼性の高さはそのままに、より街に溶け込むデザインとした「スーパーカブ50/110・ストリート」だ。写真は「110」で、カラーはボニーブルー。白いパイピングが施されたシートや、ブラックアウトされたサイドカバーがおしゃれな仕上がり。

受注期間限定販売で、価格はスーパーカブ110・ストリートが26万5000円(税別)で、スーパーカブ50・ストリートが22万5000円(税別)。受注受付は2019年6月30日まで

<関連記事>「スーパーカブ110」の乗り味が知りたい人はレビュー記事をチェック!

ホンダ「スーパーカブC125」

同じ「スーパーカブ」シリーズの上位モデル「スーパーカブC125」の新色も展示されていた。市販予定車という扱いで発売日は不明だが、初代モデルの「スーパーカブC100」をイメージしたデザインを損なわないカラーで好感が持てる。

ディスクブレーキやキャストホイールなど上位モデルらしい装備はそのままに、レトロなイメージを高めるカラーを採用

<関連記事>「スーパーカブ C125」で街中を走ってみた!

ホンダ「モンキー125」

2018年に登場した「モンキー125」にも新カラーが追加される模様。かつての「モンキー」シリーズで人気の高かったブルーのカラーリングは、車体サイズが大きくなっても変わらない走りのフィーリングを受け継ぐ「モンキー125」にふさわしいものだ。

従来のレッドやイエローも似合っていたが、今回のカラーリングも好印象。塗装の質感も非常に高い

従来のレッドやイエローも似合っていたが、今回のカラーリングも好印象。塗装の質感も非常に高い

<関連記事>「モンキー125」の試乗レポートはこちらをチェック!

カワサキ「W800 CAFE」

カワサキブースでひときわ目立っていたのは2019年3月1日に発売されたばかりの「W800 CAFE」。1960年代に販売していた「W650」などのイメージを受け継ぐ空冷の直列2気筒エンジンを搭載しており、排気ガス規制によって何度も生産終了となっているものの不死鳥のようによみがえってきたモデルだ。

ビキニカウルを装備し、カフェレーサーイメージを高めている。価格は103万円(税別)

ビキニカウルを装備し、カフェレーサーイメージを高めている。価格は103万円(税別)

先代モデルは2017年に生産が終了し、もはや復活は不可能かと思われたが、空冷のままで排気ガス規制に対応してくれた

カウルを装着しない「W800 STREET」もラインアップ。こちらは価格が92万円(税別)となる

カウルを装着しない「W800 STREET」もラインアップ。こちらは価格が92万円(税別)となる

ヤマハ「NIKEN GT」

歴史的なモデルよりも最新モデルにフォーカスした作りとなっていたヤマハのブースの中で注目を集めていたのは、2018年に発売されたスポーツタイプの3輪バイク「NIKEN」のツーリングバージョンともいえる「NIKEN GT」。フロント2輪による安定した走りが安心感を高めてくれることが3輪バイクの大きなメリットだけに、ロングツーリングに対応したバージョンの登場は正常進化といえるだろう。

2019年3月13日より予約受付が始まったばかりの「NIKEN GT」。価格は180万円(税別)で受注生産となる

2019年3月13日より予約受付が始まったばかりの「NIKEN GT」。価格は180万円(税別)で受注生産となる

長くなったフロントスクリーンを装備。「NIKEN」に試乗した際に気になっていた部分だけに、うれしい進化だ。ナックルガードはオプション

リアのパニアケースもオプションだが、なかなか似合っていて違和感のないデザインだ

リアのパニアケースもオプションだが、なかなか似合っていて違和感のないデザインだ

<関連記事>街中から高速道路まで「NIKEN」にがっつり乗ってみた!

ハーレーダビッドソン「FXDR 114」

迫力あるモデルが並ぶハーレーダビッドソンのブースにあって、ひときわ大きな存在感を放っていたのが2019年モデルより追加された「FXDR 114」だ。1,868ccという同社の中でも大きなエンジンを、全長2,425mmの巨体に搭載したマシンは迫力満点! 太いタイヤやマフラー、大きなエアインテークなど、パワフルな走りを予感させる装備も心をくすぐる。

クラシカルなイメージの強い同社のマシンの中では異彩を放つ近未来的デザイン。価格は286万2000円(税込)〜

大排気量の空冷2気筒エンジンをはじめ、空気を送り込むエアインテークやマフラーも迫力満点

大排気量の空冷2気筒エンジンをはじめ、空気を送り込むエアインテークやマフラーも迫力満点

リアからの見た目も圧倒的な存在感。車重も303kgとかなりのものだ

リアからの見た目も圧倒的な存在感。車重も303kgとかなりのものだ

インディアン「FTR1200S レースレプリカ」

ハーレーダビッドソンと同じくアメリカ生まれのブランドであるインディアンの推しは、最新モデル「FTR1200S レースレプリカ」だ。アメリカで絶大な人気を誇るフラットトラック・レースに参戦する「スカウトFTR750」のテクノロジーをフィードバックしたモデルだ。

レースイメージの強い「FTR1200」シリーズの中でもっともレーシーなモデル。価格は236万4000円(税込)

レースイメージの強い「FTR1200」シリーズの中でもっともレーシーなモデル。価格は236万4000円(税込)

水冷のV型2気筒1,203ccのエンジンは120PSを発揮。フレームワークやサスペンションのレイアウトも独特だ

水冷のV型2気筒1,203ccのエンジンは120PSを発揮。フレームワークやサスペンションのレイアウトも独特だ

二輪も電動化が進む!? 最新の電動バイク

2018年の東京モーターサイクルショーにも多くの電動モデルが出展されていたが、今年もその流れは継続。実用的なモデルが多かった昨年に比べ、走行性能に重点を置いたスポーツ系のモデルが目立った。4輪の自動車では電動化の流れが決定的となっているが、その流れはバイクにも及ぶことになるかもしれない。

ホンダ「CR ELECTRIC プロトタイプ」

数ある電動バイクの中でも“本気度”の高さを実感したのは、モトクロッサー「CRF」シリーズの車体にモーターとバッテリーを搭載したホンダ「CR ELECTRIC プロトタイプ」。公道を走行できるモデルではないが、すでに実走テストを行い、好感触を得ているとのこと。動力性能的には250ccクラスのモトクロッサーと同レベルを目指すとされている。

モトクロッサーらしいスマートなシルエットに、バッテリーやモーターが違和感なく搭載されている

モトクロッサーらしいスマートなシルエットに、バッテリーやモーターが違和感なく搭載されている

パワーユニットを手がけたのはホンダ系のレーシングコンストラクターである「無限」。モーターとバッテリーが一体となったような構成だ

モーターは水冷化されているらしく、ラジエーターが装備されている。レースなど負荷の高い走行にも耐える設計だ

無限「CR ELECTRIC プロトタイプ」

上で紹介した「CR ELECTRIC プロトタイプ」は、パワーユニットを手がけた無限のブースにも展示されていた。こちらは「E.REX Prototype」の名が与えられており、外装は過去の東京モーターサイクルショーに出展された「E.REX Concept」のイメージを継承したものを装着。モーターを水冷とした構造などには、同社がマン島TTレースの電動クラスに参戦し、5連覇の実績をおさめる「神電」シリーズのノウハウが生かされている。

ホンダ「CR ELECTRIC プロトタイプ」とは異なるデザインの「E.REX Prototype」。パワーユニットや足回りなどは共通

今年のレースで6連覇を狙う「神電」シリーズの最新モデルも展示されていた

今年のレースで6連覇を狙う「神電」シリーズの最新モデルも展示されていた

<関連記事>「無限」や「神電」シリーズのことが知りたい人は、こちらをチェック!

KYMCO「SUPER NEX」

電動バイクの開発にも注力している台湾メーカー「KYMCO(キムコ)」もスポーツタイプの「SUPER NEX」を出展。ロードタイプの車体に、電動としては世界初となる6速マニュアルトランスミッションを搭載している。これは、シフト操作がバイクを操る楽しみの重要な要素だと考えているため。コンセプトモデルだが、0-100km/hの加速は2.9秒と発表されており、高いスペックに期待がかかる。

電動バイクとしてはめずらしく変速機構を備えているため、左側にシフトレバーが見える

電動バイクとしてはめずらしく変速機構を備えているため、左側にシフトレバーが見える

車体には充電用のポートも装備。バッテリーは交換式ではなく、車体に積んだ状態で充電する

車体には充電用のポートも装備。バッテリーは交換式ではなく、車体に積んだ状態で充電する

ベスパ「Vespa Elettrica」

イタリアのスクーターブランド・ベスパも待望の電動モデル「Vespa Elettrica」を初出展。日本では初お目見えだが、ヨーロッパではすでに受注が開始されており、最高出力は5.4PS、航続距離は100kmとアナウンスされている。ルックスは人気が高いクラシカルなデザインを継承。これなら乗ってみたいと思う人も多そうだ。

ベスパらしいデザインに先進的な電動ユニットを搭載

ベスパらしいデザインに先進的な電動ユニットを搭載

エンジン付きモデルであれば駆動ユニットが搭載される部分に電気モーターを積んでいる

エンジン付きモデルであれば駆動ユニットが搭載される部分に電気モーターを積んでいる

プロト「Nunlo e-Bike」

バイク用のパーツメーカーで、近年はBenelliブランドの電動アシスト自転車の輸入も手がけているプロトも電動バイクのコンセプトモデルを参考出品。50ccエンジンと同じ原付一種の区分で、重量は42kg、最高速度は50km/hとされている。V型エンジンのように見える部分がバッテリーとなっており、約50kmの走行が可能だという。

クラシックバイクのようなデザインだが、中身は電動というギャップがおもしろい

クラシックバイクのようなデザインだが、中身は電動というギャップがおもしろい

Vツインエンジンのように見える部分がバッテリーとなっている構造もユニークだ

Vツインエンジンのように見える部分がバッテリーとなっている構造もユニークだ

モーターはホイールにビルトインされたタイプを採用。一見すると、旧車のドラムブレーキのようにも見える

モーターはホイールにビルトインされたタイプを採用。一見すると、旧車のドラムブレーキのようにも見える

ハンドルをアップタイプとしたバリエーションモデルも展示されていた

ハンドルをアップタイプとしたバリエーションモデルも展示されていた

思わず乗りたくなるユニークなカスタムマシン

車両メーカーによる新型車だけでなく、パーツメーカーなどが手がけるカスタムマシンも見られるのが、モーターサイクルショーのおもしろいところ。カスタマイズが文化として根付いているバイクならではの展示だといえるかもしれない。最後に、そんなカスタムマシンを一挙紹介!

まず、この日いちばん目に付いたのが、エムクラフトのブースに展示されていた「モンキー125」にサイドカーを取り付けたカスタムマシン。旧型のモンキーはカスタマイズするベース車両としても人気だったが、サイズアップした新型も多くのカスタムモデルが出展されており、カスタムパーツも揃っている様子だ。特に、サイドカーを取り付けるカスタマイズは、車体が大きくなったモンキー125だからこそできる手法といえるだろう。

エムクラフトのサイドカー「TC2」(37万円/税別)を取り付けたモンキー125

エムクラフトのサイドカー「TC2」(37万円/税別)を取り付けたモンキー125

取り付けは3箇所で接続されているが、ボルトオンで装着できるという

取り付けは3箇所で接続されているが、ボルトオンで装着できるという

モンキー125をベースとしたカスタムカーをもうひとつ。小排気量車向けのカスタムパーツを数多くリリースしているキタコが出展した「10inch CAFE RACER STYLE」は、フロントにロケットカウルを装着しただけでなく、ホイールをわざわざ10インチにサイズダウンしているところがポイント。それで速くなるわけではないが、低く構えたスタイルを実現している。

当然ながらマフラーも交換され、オイルクーラーを装着。ハンドルもセパレートタイプで低くしている

当然ながらマフラーも交換され、オイルクーラーを装着。ハンドルもセパレートタイプで低くしている

デイトナが手がけたオフロードスタイルに仕上げられた「クロスカブ110」にも、多くの熱い視線が注がれていた。ブロックの高いタイヤを前後に履いているのはもちろん、アップタイプのマフラーやエンジンガードなどを装着し、ハードな未舗装路も行けてしまいそうな仕上がりだ。

もともとアウトドアイメージの強いクロスカブ110を本格的な未舗装路も走れるようにカスタマイズ

もともとアウトドアイメージの強いクロスカブ110を本格的な未舗装路も走れるようにカスタマイズ

アップタイプのマフラーに加え、エンジンガードが装備されているので、激しい凹凸があっても問題なさそう

アップタイプのマフラーに加え、エンジンガードが装備されているので、激しい凹凸があっても問題なさそう

シートはタンデムに対応するだけでなく、前後に着座位置を変えやすいフラットな形状とされていた

シートはタンデムに対応するだけでなく、前後に着座位置を変えやすいフラットな形状とされていた

カスタムマシンのコンストラクターとして有名なヨシムラのブースには、憧れる人も多い、同社製のマフラーなどを装着したカスタムマシンが勢揃い。発表されたばかりのスズキ「KATANA」を早速カスタマイズしたマシンも並べられていた。

新型「KATANA」にヨシムラ製のマフラーを装着したカスタムマシン。サイレンサーの湾曲した造形が美しい

新型「KATANA」にヨシムラ製のマフラーを装着したカスタムマシン。サイレンサーの湾曲した造形が美しい

こちらはショートタイプの集合マフラーを装備したカワサキ「Z900RS」。カワサキのZシリーズもヨシムラとは関係の深いマシンだ

上の「Z900RS」と同じカラーリングが施されたモンキー125のカスタムマシンも、なかなかいい雰囲気

上の「Z900RS」と同じカラーリングが施されたモンキー125のカスタムマシンも、なかなかいい雰囲気

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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