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VW「ゴルフ」と戦うために、すべてが刷新された

2019年5月発売、マツダ「MAZDA3」価格やグレード、スペックなど発売前情報まとめ

2019年5月、ミドルサイズセダン&ハッチバックのマツダ「アクセラ」がフルモデルチェンジされる。車名については、マツダから正式な発表はないものの、今回のフルモデルチェンジから世界的に統一された車名である「MAZDA3」に刷新される可能性が高い。

マツダ「MAZDA3」がいよいよ2019年5月から販売を開始する

マツダ「MAZDA3」がいよいよ2019年5月から販売を開始する

新型MAZDA3の基本的なグレード構成は、フルモデルチェンジ前のアクセラと同様で、ボディは5ドアハッチバックと4ドアセダンの2種類がラインアップされる。搭載されるエンジンは、直列4気筒の1.5Lと2Lガソリンエンジン、1.8Lクリーンディーゼルターボエンジンに加えて、圧縮着火方式の2Lガソリンエンジンにスーパーチャージャーを組み合わせた「SKYACTIV-X」が新たに加わる。

当記事では、すでに海外で発表されているMAZDA3のスペックなどの情報に加えて、独自に入手した価格やグレードなどについてもご紹介したい。
※当記事で使用している画像は欧州仕様のため、日本向けとは一部仕様が異なる場合があります(編)

マツダ 新型「MAZDA3」では、アクセラに引き続き、セダンとハッチバックがラインアップされる

マツダ 新型「MAZDA3」では、アクセラに引き続き、セダンとハッチバックがラインアップされる

新型MAZDA3のボディサイズは、ハッチバックが全長4,459mm、全幅1,797mm、全高1,440mm。セダンが全長4,662mm、全幅1,797mm、全高1,445mmになる。アクセラとボディサイズを比較すると、新型MAZDA3のハッチバックはアクセラのハッチバックと同サイズだが、新型MAZDA3のセダンの全長は、アクセラのセダンに比べて約80mm伸びた。ホイールベースは、新型MAZDA3が2,725mmと、アクセラよりも25mm長くなっている。

マツダ 新型「MAZDA3」のエクステリアは、キャラクターラインが少なく、ボディの造形によって美しく見せる手法が採られている

新型MAZDA3のエクステリアは、従来と同じく魂動デザインの流れを汲んでいるが、アクセラとは異なる新たなデザインが採用されている。キャラクターラインを多用せず、「ワンモーションフォルム」と呼ばれるシンプルで躍動感のあるボディの造形そのものによって外観を美しく見せる。このエクステリアは、「東京モーターショー2017」のときのマツダ「魁(KAI)CONCEPT」のデザインを踏襲したものだ。

マツダ 新型「MAZDA3」の内装は、昨今のマツダ車らしく上質でこだわったデザインが採用されている

マツダ 新型「MAZDA3」の内装は、昨今のマツダ車らしく上質でこだわったデザインが採用されている

新型MAZDA3の内装は上質だ。インパネにはやわらかいパッドが採用され、ATレバーの収まるセンターコンソールの位置は高くFR(後輪駆動)車にも似たような感覚だが、囲まれ感がうまく演出されている。MAZDA3で新たに開発されたフロントシートは、背中に沿ってしっかりと支えてくれるもの。開発者いわく「骨盤の支え方にこだわった」と言う。長距離を移動するときでも疲れにくく、着座姿勢を乱しにくいのでスポーティーな運転にも適している。

フロントシートの調節機能は、シート全体の上下に加えて座面の前側だけを上下させることで大腿部の支え方を調節できる機能も付いている。このタイプの調節機能は1980年代のクルマにもよくあったのだが、最近では採用車種が減ってしまっていた。その価値を、マツダはMAZDA3で見直したわけだ。

マツダ 新型「MAZDA3」はリアシートがライバル車に比べてやや狭い

マツダ 新型「MAZDA3」はリアシートがライバル車に比べてやや狭い

リアシートは、膝先空間が狭い。身長170cmの大人4名が乗車したとき、リアシートに座る乗員の膝先空間は握りコブシひとつ半にとどまる。この広さは従来のアクセラと同等で、ライバル車であるスバル「インプレッサ」の握りコブシ2つ半に比べるとやや窮屈に感じる。リアシートは床と座面の間隔も不足しているので膝が持ち上がるが、シートそのものの造りはいい。座面はていねいに造り込まれていて、相応のボリューム感があって座り心地はいい。

エンジンは、前述の4種類が用意されている。海外向けのMAZDA3には「CX-5」や「アテンザ」と同様の2.5Lガソリンエンジンも存在するが、日本には導入されない予定だ。

マツダ 新型「MAZDA3」では、人馬一体の操る感覚がさらに増しているという

マツダ 新型「MAZDA3」では、人馬一体の操る感覚がさらに増しているという

MAZDA3には、次世代車両構造技術「SKYACTIV-Vehicle Architecture」が採用されている。マツダは従来から「人馬一体」の乗り心地を追求しているが、SKYACTIV-Vehicle Architectureでは人が持つバランス能力をシートやボディ、シャシー、タイヤなどへ生かすことで人馬一体の感覚、走る歓びをさらに向上させているという。

マツダ 新型「MAZDA3」のリアサスペンションには、新たに「トーションビーム」が採用されている

マツダ 新型「MAZDA3」のリアサスペンションには、新たに「トーションビーム」が採用されている

また、サスペンションも新開発のものが採用されている。サスペンション形式は、フロントはアクセラと同じ独立式のストラットだが、リアは独立式のマルチリンクから車軸式のトーションビームへと変更されている。トーションビームと言えば、コスト削減のために軽自動車やコンパクトカーなどに採用されることが多いメカニズムだ。MAZDA3でも、トーションビームによってサスペンションが簡素化されることは間違いないのだが、トーションビームですぐれた走行安定性を得ている車種も多く存在する。足まわりは、型式だけでは一概には決められないとも言える。

MAZDA3は、フォルクスワーゲン「ゴルフ」のような欧州車と競うために、走行安定性と乗り心地は重要だ。MAZDA3では、SKYACTIV-Vehicle Architectureの採用などによって走行性能の熟成が図られた。

MAZDA3の大まかなグレードと価格も独自の調査から判明したので、MAZDA3のグレード選びを考えてみたい。

MAZDA3では、ハッチバックとセダンにそれぞれ共通のエンジンとグレードが用意されている。価格の安さを重視するなら、1.5Lガソリンエンジンを搭載する、約227万円の「15Sツーリング」がいいだろう。緊急自動ブレーキなどの安全装備が採用されているうえで、価格は割安に抑えられている。

ただし、MAZDA3の車重やボディサイズ、そしてクルマの性格まで考慮した場合、もっともバランスがいいのは2Lガソリンエンジンを搭載したグレードだ。実用回転域の駆動力に相応の余裕を持たせながら、高回転域の吹け上がりもいい。MAZDA3らしい、機敏でスポーティーな運転を楽しめる。価格は、「20Sプロアクティブ」が約247万円。15Sツーリングよりも20万円ほど高いが、選ぶ価値はあるだろう。

ちなみに、従来のアクセラも前期型は2Lガソリンエンジンが用意されていたが、マイナーチェンジで廃止された。1.5Lクリーンディーゼルターボを追加したためだ。

そして1.8Lのクリーンディーゼルターボは、実用回転域の駆動力が2.7Lのガソリンエンジン並みに高く、燃費は1.3Lガソリンエンジンを搭載したコンパクトカー並みと魅力的だ。エンジンの性格は、高速道路の巡航にピッタリだから、長距離移動の機会が多くて走行距離の伸びるユーザーには特に適している。運転がしやすく、燃料代も節約できる。価格は、「18XD プロアクティブ」が約274万円だ。

そして、圧縮着火方式を採用してスーパーチャージャーも併用する「スカイアクティブX」は、メカニズムが複雑なために価格も高い。「Xプロアクティブ」が約314万円と、前述の18XDプロアクティブを約40万円上回る。スカイアクティブXの売れ筋価格帯は、320〜340万円だ。

マツダではスカイアクティブXを2.2Lクリーンディーゼルターボの後継に位置付けているが、300万円を軽く超えるような価格は隔たりが大きい。従来のアクセラでは、2.2Lクリーンディーゼルターボを搭載する「22XDプロアクティブ」は約280万円、1.5Lディーゼルの「15XDプロアクテイブ」は約244万円だった。アクセラに比べて、新型MAZDA3は高価格なグレードが多くラインアップされている。

そうなると、これまでのアクセラの価格を踏まえた場合の一般的な選択肢としては、最初に述べた200万円台前半の15Sツーリングを軸として、走り好きなユーザーであれば少し頑張って20Sプロアクティブや18XDプロアクティブを狙いたい。

新型「MAZDA3」の発売時期は、搭載エンジンによって異なる

新型「MAZDA3」の発売時期は、搭載エンジンによって異なる

発売時期については、販売店によると「1.5Lガソリンエンジン搭載車が5月、2Lガソリンエンジンとクリーンディーゼルは8月、スカイアクティブXはそれ以降」とのこと。マツダディーラーでは、顧客にはすでに価格を明らかにして3月から受注を始めている。

最後に、最近はマツダに限らず、生産計画を優先して早い時期から受注を行うメーカーが増えた。走りにこだわって開発されたクルマを、試乗どころか実車も見ないで注文するのはリスクが高い買い方と言えるだろう。1.5Lで十分か、それとも2Lが必要か、といった判断は乗り比べないと分からないはずだ。しかし、しっかりと試乗した後で納得してから契約すると、納期が年末まで伸びる可能性がある。せっかく走行性能にすぐれた話題のMAZDA3を購入しようとしているのに、「そんなに待たせるの?」とユーザーの満足度や購買意欲を下げてしまうことにならないだろうか。ユーザーがしっかりと試乗して納得したうえで、気持ちよく買えるようにしてほしいと願う。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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