ニュース
スタイリッシュな外観と日本専用のコンパクトボディをまとった新型

ついに“3ナンバー”日本専用ボディの新型「カローラ」「カローラツーリング」発売!

近年、セダンやワゴンの販売は低調と言われているが、そのどちらもラインアップするトヨタ「カローラ」は、昔から変わらず販売上位に入る人気車種だ。2019年上半期(1〜6月)の販売統計データを見ても、トヨタの人気ミニバンである「シエンタ」や「ヴォクシー」などと販売台数は同等だ。カローラは、1966年に初代モデルが発売された後、1969年から2001年までの33年間にもわたって、日本国内における乗用車の登録台数1位を守ったという実績もある。

今回、セダンのトヨタ「カローラ」とワゴンの「カローラツーリング」がフルモデルチェンジされた

今回、セダンのトヨタ「カローラ」とワゴンの「カローラツーリング」がフルモデルチェンジされた

そんな根強い人気を誇るカローラが、2019年9月17日にフルモデルチェンジされた。12代目となる新型カローラは、2018年に5ドアハッチバックの「カローラスポーツ」が先行発売されており、今回のフルモデルチェンジではセダンの「カローラ」(旧名:カローラアクシオ)とワゴンの「カローラツーリング」(旧名:カローラフィールダー)がフルモデルチェンジを受けた。

ワゴンタイプのトヨタ 新型「カローラツーリング」のフロントエクステリアとリアエクステリア

ワゴンタイプのトヨタ 新型「カローラツーリング」のフロントエクステリアとリアエクステリア

新型カローラでもっとも大きな改良が施されたのは、カローラとカローラツーリングのボディが、3ナンバーサイズへ拡大されたことだ。ボディサイズは、どちらも全長4,495mm、全幅1,745mmとなり、先代の「カローラアクシオ」「カローラフィールダー」と比べて95mm伸びて50mmワイドになった。ボディサイズが拡大したのは、カローラもカローラツーリングも、先に発売されたカローラスポーツをベースに開発されたからだ。

セダンタイプのトヨタ 新型「カローラ」のフロントエクステリアとリアエクステリア

セダンタイプのトヨタ 新型「カローラ」のフロントエクステリアとリアエクステリア

日本で販売されるカローラは、日本国内専用に設計されている。そのため、開発段階では従来と同じ5ナンバーサイズに収めることも、幾度にわたって検討されたと言う。だが、昨今のセダンやワゴンに求められる走行性能や乗り心地を得るには、3ナンバーサイズに拡大せざるを得なかった。

そこで、3ナンバーサイズであっても日本国内向けに使いやすいボディサイズを目指して開発された。新型カローラの全幅は1,745mmと、カローラスポーツの1,790mmに比べて45mm狭く抑えられている。その背景には、先代(3代目)プリウスの全幅が同じ1,745mmで、好調に売れたことがある。「先代プリウスと同じ全幅ならば、新型カローラが3ナンバー車になっても受け入れられるはず」と考えたのだ。

新型カローラのプラットフォームは、現行(4代目)プリウスから採用が開始された「TNGA」の考え方に基づく新しいタイプだ。ホイールベースの2,640mmを含めて、ボディ中央の基本寸法はカローラスポーツに準じている。前後席のシート間隔も踏襲されている。

トヨタ 新型「カローラ」「カローラツーリング」のエクステリアは、「カローラスポーツ」のデザインが踏襲されている

ボディスタイルも、前方はカローラスポーツに準じており、フロントウィンドウを寝かせている。そして、サイドウィンドウの下端は後ろに向けて持ち上げられており、スポーティーな印象を受ける。だが、サイドウィンドウの角度は水平基調で、ウィンドウやピラー(柱)の角度を立てた従来型に比べると、視界と取りまわし性は悪化している。たとえば、車庫入れや縦列駐車をするときなどは、従来型のほうが扱いやすい。

インテリアデザインも、エクステリアと同様に「カローラスポーツ」に準じたものだが、新たに「ディスプレイオーディオ」が採用されるなど一部に新たな機能が採用されている

インパネなどの内装も、カローラスポーツに準じたデザインが採用されており、やわらかいパッドを入れるなどで質感が高められている。エアコンスイッチは高い位置に装着され、手が届きやすい。すぐれた機能性は、従来型から踏襲されている。

トヨタ 新型「カローラツーリング」のフロントシート

トヨタ 新型「カローラツーリング」のフロントシート

フロントシートの座り心地は、適度にボリューム感があって快適だ。背もたれの高さも、十分に確保されている。従来型に比べてホイールベースが40mm拡大されているので、前輪とアクセル、ブレーキペダルの間隔が広がり、取り付け位置が少し右側に寄ったので踏みやすさが向上している。

トヨタ 新型「カローラツーリング」のリアシート

トヨタ 新型「カローラツーリング」のリアシート

リアシートの足元空間は狭めだ。身長170cmの大人4名が乗車して、リアシートの膝先空間は握りコブシひとつ半程度だ。従来型の2つ分に比べると少しせまく、4名乗車する機会の多いユーザーが従来型から乗り替えるときには注意したい。

トヨタ 新型「カローラツーリング」のラゲッジルーム

トヨタ 新型「カローラツーリング」のラゲッジルーム

荷室容量は、十分に確保されている。特にカローラツーリングのラゲッジルームは面積が広く、専用のデッキボードを使って高さを2段階に変えることができる。ラゲッジボードの裏側は樹脂製となっており、ひっくり返せば汚れた荷物も積みやすい。カローラツーリングだけでなく、セダンのカローラのトランクスペースも広い。リアシートを倒せば、カローラツーリングのようにラゲッジルームの床面積を広げられる。

トヨタ 新型「カローラツーリング」のエンジンルーム。画像は1.2Lターボエンジン

トヨタ 新型「カローラツーリング」のエンジンルーム。画像は1.2Lターボエンジン

新型カローラに搭載されるエンジンはすべて直列4気筒で、1.8L、1.2Lターボ、1.8Lハイブリッドというラインアップだ。カローラスポーツは1.2Lターボと1.8Lハイブリッドのみだったが、カローラセダンとツーリングには1.8Lエンジンが新たに追加されている。

トヨタ 新型「カローラ」「カローラツーリング」「カローラスポーツ」全車の1.2Lターボエンジンには、6速MTモデルがラインアップされている

トランスミッションは、1.8LがCVT(無段変速AT)のみ、1.2Lターボは6速MTのみという設定になっている。このように区分された理由としては、主に価格設定にある。1.2Lターボはメカニズムも複雑で高コストだが、1.8Lの2ZR-FAE型は、2009年に発売された最終型のウィッシュなどにも搭載されて償却が進んだ。要は、安く造れるのだ。

しかも、この1.8Lエンジンは、実用回転域が使いやすいうえに高回転域の吹け上がりもいい。1.8Lの性能は、最高出力が140PS(6,200rpm)、最大トルクは17.3kg-m(3,900rpm)となる。1.2Lターボは116PS(5,200〜5,600rpm)・18.9kg-m(1,500〜4,000rpm)と数値的な性能はほぼ互角だが、1.2Lターボは1.8Lエンジンよりも実用回転域の駆動力の高さにおいて実力を発揮する。

駆動方式はFFの2WDが基本で、ハイブリッドには「E-Four」と呼ばれる後輪をモーターで駆動する4WDが採用されている。だが、1.8Lと1.2Lターボにはセダン、ツーリングともに4WDの設定がないのは不便だ。

装備については、緊急自動ブレーキが大幅に進化して、夜間の歩行者検知や自転車検知が可能になった。後方から接近する車両を検知する機能も、標準装備あるいはオプションで装着できる。さらに、サイドエアバッグやカーテンエアバッグ、ニーエアバッグも標準装備されている。

トヨタ 新型「カローラ」全車に搭載されている「ディスプレイオーディオ」は、「LINEカーナビ」にも対応している

さらに、新型カローラではDCM(専用通信機)が標準装備されていて、スマートフォンと接続することでカーナビアプリなどが使える「ディスプレイオーディオ」が全車標準装備されている。対応するスマートフォンのカーナビアプリは、「Googleマップ」や「カーナビタイム」のほかに、2019年9月5日に配信開始されたばかりの「LINEカーナビ」にも対応しているのが特徴のひとつだ。

■トヨタ 新型「カローラ」のグレードラインアップと価格
-1.8L-
G-X:1,936,000円 [2WD(CVT)]
S:2,139,500円 [2WD(CVT)]
W×B:2,315,500円 [2WD(CVT)]
-1.2Lターボ-
WxB:2,409,000円 [2WD(6MT)]
-1.8Lハイブリッド-
HYBRID G-X:2,403,500円 [2WD(電気式無段変速機)]/2,601,500円 [4WD(電気式無段変速機)]
HYBRID S:2,574,000円 [2WD(電気式無段変速機)]/2,772,000円 [4WD(電気式無段変速機)]
HYBRID W×B:2,750,000円 [2WD(電気式無段変速機)]/2,948,000円 [4WD(電気式無段変速機)]

■トヨタ 新型「カローラツーリング」のグレードラインアップと価格
-1.8L-
G-X:2,013,000円 [2WD(CVT)]
S:2,216,500円 [2WD(CVT)]
W×B:2,365,000円 [2WD(CVT)]
-1.2Lターボ-
WxB:2,458,500円 [2WD(6MT)]
-1.8Lハイブリッド-
HYBRID G-X:2,480,500円 [2WD(電気式無段変速機)]/2,678,500円 [4WD(電気式無段変速機)]
HYBRID S:2,651,000円 [2WD(電気式無段変速機)]/2,849,000円 [4WD(電気式無段変速機)]
HYBRID W×B:2,799,500円 [2WD(電気式無段変速機)]/2,997,500円 [4WD(電気式無段変速機)]

■トヨタ 新型「カローラスポーツ」のグレードラインアップと価格
-1.2Lターボ-
G“X”:2,169,200円 [2WD(6MT)]/2,202,200円 [2WD(CVT)]/2,400,200円 [4WD(CVT)]
G:2,339,700円 [2WD(6MT)]/2,384,800円 [2WD(CVT)]/2,582,800円 [4WD(CVT)]
G“Z”:2,504,700円 [2WD(6MT)]/2,549,800円 [2WD(CVT)]/2,747,800円 [4WD(CVT)]
-1.8Lハイブリッド-
HYBRID G“X”:2,488,200円 [2WD(電気式無段変速機)]
HYBRID G:2,659,800円 [2WD(電気式無段変速機)]
HYBRID G“Z”:2,824,800円 [2WD(電気式無段変速機)]

※上記の価格は、すべて消費税10%込み

前述のとおり、1.8Lエンジンと1.2Lターボのエンジン性能は互角だが、価格については1.2Lターボのほうが装備の違いまで補正して約14万円高い。また、1.8Lハイブリッドは1.8Lエンジンに比べて44万円ほど高い。先代カローラ(排気量は1.5L)では、ノーマルエンジンとハイブリッドとの差額は実質35万円前後だった。1.8Lハイブリッドは、1年間の走行距離が1万5,000km以上のユーザーに適するだろう。

つまり、1.8Lエンジン搭載車は、1.8Lハイブリッドや1.2Lターボに比べて価格が安く抑えられている。もっとも買い得なのは、1.8Lエンジンを搭載する中間グレードの「S」グレードだ。なお、1.8Lハイブリッドも1.8Lエンジンと同じくSグレードを推奨する。

デザインが変わり、内外装の質感から装備、走りに至るまで魅力が大きく向上した新型「カローラ」

デザインが変わり、内外装の質感から装備、走りに至るまで魅力が大きく向上した新型「カローラ」

カローラという車名にこだわれば、新型は大幅に値上げされたような印象を受けるが、新たに1.8Lエンジンをラインアップし、安全かつ快適な装備を充実させたミドルサイズセダンとして見れば割安だ。

たとえば、先代カローラアクシオの1.5L W×Bグレードは、消費税10%で換算すると211万6,400円であった。新型は231万5,500円だから約20万円ほど高くなるものの、エンジンは1.8Lにアップし、先進的な安全装備と運転支援機能が採用され、エアバッグ作動時などには自動で緊急通報が行われる通信機能まで備わっている。さらに、ディスプレイオーディオも標準装備だ。これらを価格に換算すれば20万円を軽く上回ることを考えると、新型カローラの価格はあえて割安に抑えられていると言える。言い換えれば、そこまで割安にしないとカローラのボディサイズを3ナンバーに拡大したことによる販売面での不利を補えないという見方もできる。

ちなみに、法人は5ナンバー車でないと購入できない場合もあるために、従来型も「カローラアクシオ」「カローラフィールダーEX」として、グレードを簡素化したうえで継続的に販売されることになった。

ついにカローラも3ナンバー化されたものの、単純に海外で販売されているボディをそのまま流用せず、日本のユーザーの使い勝手を優先してボディサイズをできるだけ抑える開発が行われたことについて評価したい。エクステリアやインテリア、装備などすべての面において魅力がさらに高められた新型カローラ。TNGAプラットフォームや1.8Lエンジンの採用などによる走りの面においても、大いに期待したいところだ。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る