レビュー
ガンガン遊んで超快適に車中泊できる装備を用意

キャンピングカーのような寝床で車中泊できる日産「NV350キャラバン トランスポーター」


車中泊向きの軽自動車やSUVなどで1泊し、使い勝手や寝心地をチェックしてきたが、そろそろワンボックスで寝てみたい。ということで、今回は日産「NV350キャラバン トランスポーター」でゆったりと車中泊してみた!

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ハードに遊んで車内で泊まるなら「トランスポーター」仕様が最適

キャンピングカーのベース車として使用されることも多い日産「NV350キャラバン」は、ワンボックスタイプの商用車で、スペース効率が非常にいい。5〜6人乗りで荷室が広い「バン」、10人乗りの「ワゴン」、14人乗りの「マイクロバス」など車体やシート構成が異なるさまざまなバリエーションが用意されているが、特に車中泊ユーザーに人気が高いのは「トランスポーター」というモデルだ。トランスポーターはアウトドアスポーツを楽しめることをコンセプトとしており、オフロードバイクやスノーボード、スキーを始めとする趣味の道具を積み込みやすいように、荷室の床がロンリューム加工を施したフロア床張りとされている。撥水性にもすぐれているので、土で汚れたり、濡れても拭き取りやすい。

トランスポーターのベース車は5人乗り、5ドアの「バン プレミアムGX」(2WD/4WD)で、ロングボディタイプとなる(「ライダー」もトランスポーターに架装可能)。車体サイズは1,695(全幅)×4,695(全長)×1,990(全高)mm

通常のNV350キャラバンの荷室の床はカーペットが敷かれているのに対し、トランスポーターは合板張り。床面に施されているロンリューム加工は、摩擦にも強い。カーペットよりも荷物が積載しやすいのはあきらかだ

この荷室床の仕様だけで、車中泊ユーザーから高い支持を得ているわけではない。もっとも大きな理由は、キャンピングカーのような「ベッドシステム」が公式オプションとして用意されていることだ。ベッドシステムとは、底冷えも防げる高床式の完全にフラットな寝床を作れる装備。「サイドボックス」を荷室側面に取り付け、その間に「センターマット」を差し込む仕様となっている。このようなベッドキットはキャンピングカーメーカーに依頼すれば装備できるが、メーカーが公式オプションとして用意し、ディーラーで装着して販売しているのは日産だけ。「NV350キャラバン」同様にキャンピングカーのベース車になることの多いトヨタ「ハイエース」にも、このような販売方法はない。別途費用はかかるが、トランスポーターで車中泊をする大半の人がオーダーする非常に人気の高い装備だ。

ベッドシステムは日産のグループ会社「オーテック」製で、センターマットとサイドボックスがセットとなっている。価格は27万円(税別)

センターマットはまとめて立てかけておけるので、荷室(サイドボードを除いたサイズ)は980(幅)×1,800(長さ)mmの広さで使うことができる

サイドボックス(フタは含まない)のサイズは265(幅)×1,800(長さ)×340(高さ)mm。サイドボックスの天面はクッション付きのフタとなっており、座ってもOK。フタを取り外せば収納スペースが現れる。なお、サイドボックスのみでもオプション販売されているが、ベッドシステムのものとは別物(天面にクッションが付かないタイプ)

ベッドへ展開する作業は、センターマットをサイドボックスの間に渡すだけ。センターマットの下には980(幅)×340(高さ)×1,800(長さ)mmの収納スペースもできる設計となっているので、大きすぎないものであれば就寝時に荷物の置き場に困ることもないだろう

ベッドシステムは荷室しか使わないので、乗車人数5人分の座席はそのまま利用できる

ベッドシステムは荷室しか使わないので、乗車人数5人分の座席はそのまま利用できる

寝床の広さは、1,510(幅)×1,800(長さ)mm。センターマットの厚みは6cmだが、合板とウレタンを組み合わせているので耐久性も上々。上に載って移動しても安定している

身長175cmの筆者が横になってみると、体も足もまっすぐ伸ばすことができた。寝床の幅もあるため、大人2人でも比較的ゆったりと寝られるだろう。傾斜も凸凹もない完全フラットな寝床で、マットは適度に固さと弾力があり、寝心地は最高だ

ちなみに、セカンドシートを前に倒せば居住空間を拡大できる。段差や傾斜はできてしまうが、もう少し足先に余裕がほしい人は、このようにするといいだろう

車中泊してみよう!

横になっただけで快適さがわかるベッドシステムを使い、1晩、車内に泊まってみる。実際に車中泊してみると、ただ広い寝床があるだけでなく、商用車ならではの装備が車中泊に役立つこともわかった。

まだ若干暑さが残る時期ではあったが、これだけ広々とした寝床なので布団を用意してみた。ダブルサイズの布団がキレイに敷け、もはや、普通のベッドのようだ

車中泊の際にはエンジンをオンにしておけないので、車内の空気を入れ替えたい時、セカンドシート横の窓が手動開閉なのが役立った

車高は高めとはいえ、人の目や日差しをさえぎれるカーテンやシェードなどは装備しておきたいところ。メーカー品以外にも適合するパーツが数多く販売されているので、入手しやすい

写りやすいように体を車体に対して斜めにしているが、まっすぐな状態でも足まできちんと伸ばして横になれる。昼間に撮影した写真だが、実際にこの状態で1晩車中泊したが、あまりにも快適で寝すぎてしまった

布団を敷いて寝られたので、自宅と変わらないレベルで熟睡。一般的な車中泊向きの自動車ではシートを倒してフルフラットな居住空間を作るが、今回のベッドシステムほどの段差や傾斜がない状態にはならない。初期費用はかかるが、圧倒的に快適な睡眠が約束されるのは大きな価値がある。

ドリンクホルダーはセカンドシート横にあるが、就寝スペースからはかなり離れているため、車中泊中にここを利用するのは非効率。寝床が広いので、枕もとに置いておくのがいいだろう

セカンドシートより後ろのスペースのヒーターを調整するダイヤルが荷室に設けられているが、車中泊中にエンジンはかけられないので、移動の前後に急速に寝床を温めたい時に使うと便利。なお、寒冷地仕様に架装すれば(ディーゼル車2WDは除く)、大型バッテリーが搭載されるので、車中泊中にヒーターが使えるようになる

まとめ

トランスポーターには大人が足を伸ばして横になれるフラットな荷室があるため、オプションのベッドシステムを使用しなくても、クッション性のあるマットを用意するだけでも十分快適に寝られる。だが、このモデルを選ぶ人は、汚れや水に強いフロア床張りの特性を最大限に生かし、荷室に趣味の道具を積んで出かけることが多い。アウトドアの趣味を持っている場合、テント泊でいいと言われてしまうかもしれないが、突然の雨や強風も問題にならず、素早く準備や撤収ができる車中泊は効率がよくて意外といいものだ。しかも、トランスポーターほどの広さがあればなおさら。そして、その就寝スペースをグレードアップしてくれるのがベッドシステムだ。泥汚れが付くような道具を積んだとしても、ベッドシステムを装備していれば荷台の床と寝床は分けられるし、その寝心地が最高にいい。寝心地だけでいえば、キャンピングカーと比べても遜色はないレベル。今回は、布団を一式持ち込んだこともあるが、車中泊とは思えないほどの快適さで、連泊しても疲れが残らなそうであった。翌日、ハードに遊ぶのであれば、こうした体に疲れが残りにくい環境で就寝したいものだ。

とはいえ、このクラスのワンボックス車は運転や駐車が気がかりで導入に抵抗がある人も少なくないだろう。しかし、車体サイズは車中泊で人気の高いミニバンと大きさは変わらない。たとえば、日産「セレナ」の車体サイズは1,740(全幅)×4,770(全長)×1,875(全高)mmと、全高以外はトランスポーターのほうが小さいのだ。

大きいクルマと思われがちなワンボックス車だが、車幅は最近のミニバンよりコンパクト。コインパーキングのスペースにも余裕を持って駐車できる

それでも駐車が不安であれば、「インテリジェント アラウンドビューモニター」をオプションで付けるといい。インテリジェント アラウンドビューモニターは、フロントとリア、左右のサイドミラー下に搭載した4つのカメラで撮影した画像を合成し、真上から見下ろしているような映像で車体周囲をウォッチできるシステム。駐車や狭い路地での運転などをサポートしてくれる。ちなみに、現行モデルには「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」(いわゆる自動ブレーキ)も標準装備。前方の車両と衝突の危険性が高まるとメーター内の警告灯とブザーで知らせてくれ、さらに衝突の可能性が高まると緩やかなブレーキングが始まり、それでもドライバーが回避操作を行わない場合には、自動ブレーキが作動する。

インテリジェント アラウンドビューモニターを装備すれば、車体に搭載された4つのカメラの映像を合成して周囲の状況を見られるほか、リアカメラで後方を確認できる。駐車時の安心感がかなり高まるはずだ

ただし、もとが商用車なので遮音性は低く、車内にエンジン音やロードノイズが入ってくるほか、タイヤの真上に着座するため、段差などを通過した際の突き上げもかなりダイレクトに伝わる。慣れれば、高い位置にある運転席からは周囲が見やすく、ハンドルを切るタイミングも左右を確認してから曲がれるのがむしろ便利に感じるようになってくるはずだ。一般に思われているほど車体サイズも大きくなく(もちろん、大きいものも選べる)、自動ブレーキやアラウンドビューモニター(オプション)といった運転をサポートする機能も充実しているので、本気でアウトドアな趣味を楽しみたい人には最適だろう。

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増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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