イベントレポート
ライダーでもあるライターが思わずそそられたモデルを厳選紹介

見ているだけで興奮が止まらないバイクが続々! 「東京モーターショー2019」レポート


2019年10月25日〜11月4日で開催中の「東京モーターショー2019」で見つけた注目モデルを紹介。会場で人気を集めていた車種から少し変わった乗り物まで、2輪車を中心にピックアップしてみた!

【ホンダ】オフロードも走れる「CT125」や「アフリカツイン」が人気

ホンダブースでひときわ高い注目を集めていたのは、世界初公開となる、「スーパーカブ」シリーズをベースとしたコンセプトモデル「CT125」。排気量(125cc)からすると、ベースとなった車両は「スーパーカブ C125」と思われるが、オフロード向きのタイヤにアップタイプのマフラーが装備されたその姿は、今でもファンの多い「ハンターカブ」と呼ばれた「C110」を思い起こさせる。同シリーズにはハンターカブのテイストを採り入れた「クロスカブ50/110」も存在し、林道を走れる性能を有しているものの、マフラーがダウンタイプなため、サードパーティー製のアップタイプに交換するユーザーも多い。その点、C125が備えているマフラーはアップタイプ。さらに、エンジンが岩などにぶつからないようにガードが装備されていたり、タイヤとフェンダーのクリアランスを大きく取ることで泥詰まりを起こりにくくしていたりと、本格的なオフロードを走れそうな造形が随所に施されている。その完成度はかなりのもので、同会場にいた筆者知人にも「このまま発売されるなら買う!」と言っている者が複数いたほどだ。ぜひ、このままの姿で販売してもらいたい。

まさにハンターカブの再来と呼べる出で立ち。ステージ上ではなく、誰もが近くで眺められるスペースに展示されており、常に途切れず人だかりができていた

エンジンを保護するために、周辺には頑丈そうなスキッドプレートを装備

エンジンを保護するために、周辺には頑丈そうなスキッドプレートを装備

ブレーキは前後ともにディスク。昨今の必須装備であるABSに対応するためでもあるが、コントロール性が高いので、オフロードを走るなら絶対にディスクブレーキのほうがいい

アップタイプのマフラーにはヒートガードもしっかりと装備され、市販化を見据えた仕上げに見える。細かいところでは、四角いLEDウインカーもかっこいい

大型のキャリアを装着しているが、よく見ると「AIR CLEANER」の文字が刻まれ、吸気ダクトがつながっている。水の吸い込みなどを抑えるための措置で、かつてのハンターカブも採用していた機構だ

ブレース付きのアップタイプのハンドルもオフロードテイストを高めている

ブレース付きのアップタイプのハンドルもオフロードテイストを高めている

ちなみに、こちらが現行の「クロスカブ110」。マフラーだけでなく、ブレーキがドラム式だったりと、いろいろなところが異なる

<関連記事>ハンターカブ再来となるか!? ホンダ「クロスカブ110」のオフロード走行が楽しい!

注目度の高さでは、プレスデイの初日、2019年10月23日に正式発表・発売された「CRF1100L Africa Twin(アフリカツイン)」も引けを取らない。2016年に発売された「CRF1000L Africa Twin」のマイナーチェンジのように見えるが、実は、エンジンやフレームも新たに設計されたフルモデルチェンジモデルなのだ。排気量が998ccから1,082ccに拡大された直列2気筒エンジンを搭載し、最高出力は95PSから102PSにアップ。最大トルクも99Nmから105Nmへと高められている。新設計のフレームのおかげで足付き性も向上し、より魅力を高めたといえるだろう。

メーカー希望小売価格はDCT付きが172万7000円(税込)、マニュアル・トランスミッション車が161万7000円(税込)

排気量が拡大し、走行時の余裕を増したエンジンを搭載。自動変速のDCTはオフロードでも最適な変速タイミングを提供してくれる

新設計のフレームにより、シート前方の幅が絞られ、足付き性が向上。シート高を810/830mmの2段階に手軽な操作で切り替えられる機構も搭載されている

大容量の燃料タンクを採用した「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports」も2020年2月14日発売予定(写真はオプション装着車)。メーカー希望小売価格はDCTモデルが191万4000円(税込)、マニュアル・トランスミッション車が180万4000円(税込)となっている

日本初公開となる「ADV150」も紹介しておこう。大排気量でオフロードも走れる「X-ADV」の兄弟車と呼べるモデルで、荒れた舗装路にも恐れずに入って行けそうなアドベンチャーテイストを感じさせる。

2段階の可変スクリーンなどを装備し、高速走行も快適そう。参考出品だが市販される可能性は高い

2段階の可変スクリーンなどを装備し、高速走行も快適そう。参考出品だが市販される可能性は高い

先に紹介した「CT125」のほかにも、世界初公開となる電動バイクが2台ある。2輪の「BENLY e」と3輪の「GYRO e」だ。交換式のバッテリーを採用し、バッテリー充電ステーションで交換すれば、充電時間を気にせずに走行できるコンセプトとなっている。いずれもビジネス向けモデル。

4輪車「ホンダe」とともに展示されていた「BENLY e」(左)と「GYRO e」(右)。参考出品だが、市販化(リース販売を含む)を前提に開発されている

シート下に交換式のバッテリーを備えているのが特徴。バッテリー充電ステーションで交換するというシステムが広がれば、電動バイクが一気に普及するはず

【ヤマハ】LMWと電動の乗り物に注力

TRICITY(トリシティ)」や「NIKEN(ナイケン)」のように、リーン(傾斜)して旋回する3輪バイク「LMW(Leaning Multi Wheel)」を展開するヤマハが公開したコンセプトモデル「YAMAHA MW-VISION」は、新感覚の走りが味わえそうで興味深い。屋根付きのコクーンボディにバイクのようなハンドルを装備した乗り物で、LMW特有の車体を傾けて曲がる機構も搭載されている。プレスカンファレンスでは実際に走行する様子も披露され、コンセプトモデルながら実用化への可能性を垣間見ることができた。

LMWのコンセプトと電動化への注力を象徴するコンセプトモデル「YAMAHA MW-VISION」

LMWのコンセプトと電動化への注力を象徴するコンセプトモデル「YAMAHA MW-VISION」

「NIKEN」の前輪機構とは異なるが、車体とタイヤを傾けて曲がるという思想は同じ

「NIKEN」の前輪機構とは異なるが、車体とタイヤを傾けて曲がるという思想は同じ

雨風をしのげる屋根付きボディだが、ハンドルなど操作系はバイクと同じという点にメーカーの姿勢が感じられる

ほかにも、電動のスクーターや無人機などを複数出展。日本国内で初めて電動バイクを市販したメーカーだけに、電動化に力を入れていることが感じられる。

50ccクラスと同等の出力を実現する「E02」。着脱式のバッテリーを搭載

50ccクラスと同等の出力を実現する「E02」。着脱式のバッテリーを搭載

125ccクラスの出力を持つ「E01」は急速充電に対応。ある程度の距離のツーリングもこなせそうだ

125ccクラスの出力を持つ「E01」は急速充電に対応。ある程度の距離のツーリングもこなせそうだ

ヤマハが「陸上のドローン」と呼ぶ、自律走行する「Land Link Concept」も出展。障害物を避けながらオフロードも走れるので、草刈り機などのオプションを装着した使い方を想定しているという

LMWのスクーター「トリシティ」の上位モデルであろう「トリシティ300」もサプライズで発表された。スペックや価格、発売時期などは公表されていないが、日常での使い勝手がよさそうなだけでなく、高速走行での安定性も高そうな車体サイズだ。トリシティシリーズの本命となりそう。

既存の「トリシティ」や「トリシティ155」と比べるとワンクラス上のサイズ感。排気量は300cc前後と思われる

既存の「トリシティ」や「トリシティ155」と比べるとワンクラス上のサイズ感。排気量は300cc前後と思われる

フロントのLMW機構も、既存モデルより剛性が高そう

フロントのLMW機構も、既存モデルより剛性が高そう

<関連記事>
・前輪が2つ!? 話題の“3輪バイク”ヤマハ「TRICITY」に乗ってきた!

・ヤマハの3輪バイク「NIKEN」でしか味わえない圧倒的な安心感がもたらす操る楽しさ

ひそかに注目を集めていたのは、海外ではすでに試乗会も開催されているアドベンチャーモデル「テネレ700」。689ccの直列2気筒エンジンには270°クランクによる不等間爆発を採用しており、路面に駆動力を伝えるトラクション性能に定評がある。2020年夏以降に日本国内で販売される見込みだという。

2016年にコンセプトモデルが発表されて以来、バイクファンから熱い期待が寄せられている「テネレ700」。展示品にまたがらせてもらったが、車体がスリムなので足つき性は上々だった

LEDを使ったフロントライトの造形はかなり未来的でかっこいい

LEDを使ったフロントライトの造形はかなり未来的でかっこいい

MT-07」などと同じ270°クランクの2気筒エンジンを搭載。個人的にも好きなエンジンだけに、発売が待ち遠しい

メーターパネルとスクリーンのデザインは、ラリー車を思わせるもので気持ちが高ぶる

メーターパネルとスクリーンのデザインは、ラリー車を思わせるもので気持ちが高ぶる

ヤマハブースのラストを飾るのは、電動アシスト機能を搭載したマウンテンバイク「e-MTB」の「YPJ-YZ」だ。ヤマハ初の前後サスペンション付き「フルサスモデル」で、同社のレーシングバイクに与えられる「YZ」の名を冠していることからも力を入れていることが伝わってくる。アシスト制御には定評があるだけに、フルサスとなったことでどのような走行性能を発揮するのか興味がつきない。

東京モーターショー向けに派手なカラーリングが施された「YPJ-YZ」。このままの姿で販売されることはなさそうだが、完成度は高く、最近の同社の傾向から考えると市販前提だと思われる。2本に分かれたフレームの間にバッテリーを収める構造は、フレームの剛性を高めるのに有効な手段だろう

サスペンションがマウントされるトップチューブも2本に分かれており、その間にサスペンションをマウント。バイクのフレームに似た作りだ

座ったままシート高が変えられるドロッパーポストが装着されていた。昨今のマウンテンバイクでは必須の装備になりつつあるので、ぜひこのまま市販してほしい

フロントフォークは倒立式で剛性が高そう。価格がどれくらいになるのかも気になるところだ

フロントフォークは倒立式で剛性が高そう。価格がどれくらいになるのかも気になるところだ

【カワサキ】新モデルだけでなく歴史的名車も展示

ブースのひときわ高い位置に展示され、海外メディアからも大きな注目を集めていたのが「Z H2」と「Ninja ZX-25R」。「Z H2」は、カワサキが誇るスーパーチャージャー付きのモンスターマシン「Ninja H2」のエンジンを搭載した、初のカウルを持たないネイキッドモデルとなる。最高出力は200PSで、最大トルクは137Nm。車重は239kgと発表されているが、価格や発売日などは未発表だ。

パイプを組み合わせたトレリスフレームも新設計。トラクションコントロールやパワーモードなどの電子制御も充実している

カウルがなく、むき出しになるとなおさら迫力を感じるスーパーチャージドエンジン。「Z H2」専用のセッティングが施され、低中回転の加速力が向上しているとのこと

エンジンにはスーパーチャージドのロゴが刻まれる

エンジンにはスーパーチャージドのロゴが刻まれる

フロントフェイスは現行の「Z」シリーズのイメージを踏襲。ハンドルはアップタイプのパイプ式となる

フロントフェイスは現行の「Z」シリーズのイメージを踏襲。ハンドルはアップタイプのパイプ式となる

いっぽう「Ninja ZX-25R」は、250ccクラスに登場した久々の4気筒マシン。1980〜1990年代のレーサーレプリカブームの頃とは一転し、近年は単気筒や2気筒エンジンが主流なため「250ccクラスに4気筒は必要ない」という声も聞かれるが、高回転まで回る4気筒エンジンでしか味わえない走りにファンも多い。発売時期やスペックなどは公表されていないが、かつて同クラスに存在した、2万回転近くまで回る超高回転型エンジンを搭載したマシン「ZXR250R」を知る人なら、それに近い走行性能を期待せずにはいられないだろう。

エンジン以外にも、250ccクラス初採用となる先進的なフロントサスペンションシステム「SFF-BP」やラジアルマウントモノブロックキャリパーといった充実の装備を誇る

4本のエキゾーストパイプが並ぶエンジンが搭載されている。高回転でパワフルなだけでなく、低中回転でも扱いやすいセッティングとなっているとのこと

現行「W800」のルーツとなる2モデルが展示されていたので紹介しておこう。1965年式「カワサキ500メグロK2」と1966年発売「650-W1」だ。日本国産のバイクがまだ小排気量車ばかりだった時代に、当時としては大排気量の並列2気筒エンジンを生産していたカワサキの技術力と、現行車に受け継がれるDNAを感じさせる。

現行モデル「W800」は、現在ではめずらしくなった773ccという大排気量の空冷2気筒エンジンを搭載。直立したシリンダーからバーチカルツインと呼ばれる

「W800」のルーツのひとつである「カワサキ500メグロK2」。1960年代にカワサキが合併した目黒製作所の名を残したモデルで、469ccの空冷バーチカルツインエンジンを搭載

そして、「W800」のもうひとつのルーツとなる「650-W1」。624ccにスケールアップした当時の日本国内最大排気量エンジンを搭載し、性能的にも世界に認められたモデルだ

【スズキ】新開発の油冷エンジンに注目

スズキブースに展示されていた「GIXXER(ジクサー)」と「GIXXER SF」には、新型の油冷単気筒エンジンが搭載されていた。油冷エンジンとは、水を冷却に用いる水冷エンジンの冷却水の代わりにオイルで冷やすというもの。エンジンの潤滑に不可欠なオイルを冷却にも使うことで、メンテナンスが容易になり、コストも抑えられるといったメリットもある。実は、スズキは1980年代にも油冷エンジンを生産していたが、この当時のものは、高温になるシリンダーヘッド周辺にオイルを噴射してオイルクーラーで冷やすシステムで、いわば空冷エンジンを改良したものだった。今回、新たに開発された油冷エンジンは冷却を別系統とし、シリンダーなどにもオイル通路を設けて冷却性能を高めており、より水冷エンジンに近い作りとなったといえる。

新型油冷エンジンのカットモデル。シリンダーにも冷却用の通路を設けているため、空冷エンジンのようなフィンは存在しない(1980年代の油冷エンジンには空冷フィンが刻まれていた)

新開発された油冷エンジンを搭載した、250ccクラスのネイキッドモデル「GIXXER」。参考出品車でスペックなどは未発表だが、市販モデルに近い完成度に見える。アップハンドルにスリムな車体の組み合わせが街中でも乗りやすそうだ

一見すると水冷エンジンかと思ってしまうような新型油冷エンジン

一見すると水冷エンジンかと思ってしまうような新型油冷エンジン

同じく、新型油冷エンジンを搭載したフルカウルモデル「GIXXER SF」。車体やエンジンなどの基本構成はGIXXERと同一だが、かなりスポーティーなルックスとなる

ハンドルはセパレートタイプとなるが、取り付け位置はあまり低くないので、乗車しても前傾姿勢はキツくはないだろう

ひと際、乗ってみたい気持ちをかき立てられたのは、4輪車「ジムニー シエラ」とともにアドベンチャーを感じさせる展示コーナーに並べられていた「V‐Strom 250 ABS」。スズキのアドベンチャーバイクの人気シリーズ「V‐Strom」の250ccモデルで、フラットな林道なども走れてしまう走破性と手軽に乗れる特性を持つ。

背景にあるような景色の中を走ってみたいと憧れている人も多いのでは?

背景にあるような景色の中を走ってみたいと憧れている人も多いのでは?

「V‐Strom 250 ABS」にはオプションのパニアケースも装着されており、旅に出かけるイメージがますます高まる

このほか、2019年に発売された「KATANA」も出展されていた。またがることもできるので、来場したら乗った感じを確かめてみるといい。

ルーツである「GSX1100 KATANA」のDNAを残しながら、現代的にアレンジされた新型「KATANA」

ルーツである「GSX1100 KATANA」のDNAを残しながら、現代的にアレンジされた新型「KATANA」

<関連記事>さすが「KATANA」、段違いの注目度!約20年の静寂を破り復活した新型「KATANA」の乗り味にハマる

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
価格.comマガジン タイムセール
バイク本体・パーツのその他のカテゴリー
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る