レビュー
快適な乗り心地の軽トラの走行性能や積載性能はどれほど?

リクライニングできる軽トラック「スーパーキャリイ」で600km走行! 軽トラユーザーによる乗り比べも!!


軽自動車規格のトラック「軽トラ」の中でも車内空間が広いスズキ「スーパーキャリイ」に乗り、日帰りで東京←→長野(往復約540km)を走行してきた! もちろん、ただ遠出しただけではない。日頃、軽トラを使っている友人に試乗してもらい、ガチな評価も聞いてきたので、すでに軽トラに乗っていて買い替えを検討している人にも役立つはずだ。

車内での快適性を高めた軽トラとは?

なぜ、突然、軽トラ? と思われるかもしれないが、実のところ、筆者にとっても想定外の案件であった。というのは、価格.comマガジン編集部のNさんたっての希望でレビューすることになったからだ。なんでも、Nさんは子どもの頃に乗せられていた軽トラの乗り心地を強く記憶しており、座席がリクライニングする軽トラを発見したので、その快適性を確かめてみたいという。筆者は自動車関連の記事も書いているので、軽トラ業界の話もポツポツとは耳にするものの、あまり取り扱うジャンルではないため、そこまで明るくない。ということで、まずは、最近の軽トラ事情を少し調べてみることにした。

基本的に軽トラは、農業や建設業、運送業で使われる商用車なので、積載効率を高めることを優先した設計となっている。そのため、乗り心地や座り心地は二の次。足回りはお世辞にも広いとは言えず、座席のクッション性もほぼなく、リクライニングしないのは当たり前。しかし、こうした自動車にも快適化の波は訪れているようで、近年、スズキ「スーパーキャリイ」やダイハツ「ハイゼットジャンボ」のようにキャビンを拡大し、座席をリクライニングできるモデルが登場している。今回は、スズキ「スーパーキャリイ」を借り、快適性を高められた軽トラとはどのようなものかチェックしてみた。

車体サイズは3,395(全長)×1,475(全幅)×1,885(全高)mm。一般的な軽トラより“頭でっかち”に見える

車体サイズは3,395(全長)×1,475(全幅)×1,885(全高)mm。一般的な軽トラより“頭でっかち”に見える

サイドに回ると、一般的な軽トラでは1面の窓が2面あり、キャビンが拡大されたことがわかる

サイドに回ると、一般的な軽トラでは1面の窓が2面あり、キャビンが拡大されたことがわかる

車内は一見、一般的な軽トラと同じような感じ。シートは運転席が180mm、助手席が100mmスライドできる

車内は一見、一般的な軽トラと同じような感じ。シートは運転席が180mm、助手席が100mmスライドできる

スーパーキャリイはリクライニングできるのが大きな特徴。シート後方にスペースを設けることで、リクライニングを実現した

リクライニングできる角度は運転席が最大40°、助手席が24°。どちらもシートを最前端までスライドさせていない状態で最大値までリクライニングできるので、座席を倒したら足元がきゅうくつになるということはない

ちなみに、シート後方のスペースには荷物を置いておくこともできる

ちなみに、シート後方のスペースには荷物を置いておくこともできる

スズキには、もちろん、一般的なキャビンサイズの軽トラ「キャリイ」もラインアップされている。そのキャリイよりもキャビンの長さを約460mm拡大し、車内空間を広く確保したのがスーパーキャリイだ。とはいえ、軽トラは軽自動車の規格に沿った車体サイズでなければならない。1949年に制定されて以降、何度か改正されているが、現在の規格によると、車体サイズは3.4(長さ)×1.48(幅)×2(高さ)m以下となる。サイズを比べてみると、キャリイが3,395(全長)×1,475(全幅)×1,765(全高)なのに対し、スーパーキャリイは3,395(全長)×1,475(全幅)×1,885(全高)mm。スーパーキャリイのほうが少し高いだけで、幅や長さに違いはない。

スーパーキャリイはハイルーフ仕様を採用したことで、車高が高くなった

スーパーキャリイはハイルーフ仕様を採用したことで、車高が高くなった

屋根の高さがキャリイより120mm高くなり、運転席に座った時の圧迫感もかなり薄まった

屋根の高さがキャリイより120mm高くなり、運転席に座った時の圧迫感もかなり薄まった

車体の長さはキャリイと同じなのにキャビンが拡大されたということは、単純に考えると、その分、荷台が短くなる。スペックを見比べてみると、荷台長はキャリイが1,940mmなのに対し、スーパーキャリイは1,480mm。積載性能が重視される軽トラにおいて、荷台サイズが小さくなるのは本末転倒のように思われるかもしれないが、実は、キャビンの下部にくぼみを設けることで、荷室フロア長はキャリイよりも55mm短縮にとどめた1,975mmを確保している。つまり、これまでどおり、長さのある荷物も積むことができるのだ。

キャビンを拡大すればどうしても荷台が短くなってしまうが、キャビンの一部をくぼませることで荷台フロア長は普通の軽トラ並みの長さを実現

くぼみ部のサイズは1,315(幅)×230(高さ)mm。脚立やコンパネなどの長さがあるものもくぼみに挿し込めば、十分積載できる

東京から白馬まで約270kmを軽トラで行く!

キャビンの快適性と荷台の積載性能のどちらも損なうことのない設計であることは理解できたが、重要なのは実際の使い勝手だ。筆者も軽トラに乗ったことはあるものの、日ごろ使っているわけではない。やはり、毎日のように軽トラに乗っている人に使用してもらいたいと探してみたところ、長野県・白馬村にしか該当する知人がいなかった……。しかも、その知人にスーパーキャリイのことを伝えたら「前から乗ってみたかったんだよ!」という返答が! このような人に試乗してもらえれば、普通の軽トラとの違いがよりわかるに違いないとは思うものの、軽トラで東京から白馬まで行くのは、正直、つらい。筆者宅からだと片道約270kmの走行距離となる。軽トラは主に近場の配送などに使われることを前提として作られているため、長距離を快適に走ることは期待できない。本気でイヤなのだが、軽トラユーザーのリアルな感想を知りたいという気持ちもあり、数日悩んで決断した。行ってやろうじゃないか、白馬に!

東京を朝6時過ぎに出発! はたして何時間かかるのだろうか……

東京を朝6時過ぎに出発! はたして何時間かかるのだろうか……

なお、スーパーキャリイには駆動方式(2WD/4WD)や変速機(MT/AT)、装備が異なる複数のグレードがラインアップされている。AT車のほうが長距離運転時の負担は減るのでありがたいのだが、今回借りたスーパーキャリイは2WDの5速MT車。自分でシフト操作をしながら運転するのは楽しいが、長距離だと疲れそうだ

スーパーキャリイは長距離移動に向いた車種ではないが、狭い路地やあぜ道は得意。ホイールベースが短いので狭い道を曲がりやすく、筆者宅から出発して数分続く住宅街をスルスルと進むことができた。ただ、リーフスプリング(板バネとも呼ばれる)を使ったリア・サスペンションは挙動が大きく、段差を越えた時に車体が大きく揺れる感じになる。長時間走行する際に、こういったことが地味に体に響いてきそう。

リア・サスペンションは、トラックに採用されることが多い構造が単純で頑丈な、板状のリーフを重ねたスプリング。乗り心地や操縦安定性は一般的なコイルスプリングのほうが高い

快適な走行性能とは言えないが、現代の自動車らしく、安全装備が充実しているのはありがたい。フロントウインドウに設置された2つカメラで前方を監視し、いざという時には衝突被害低減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)が作動する。さらに、2019年9月のマイナーチェンジで、軽トラとしては初となる衝突被害低減ブレーキに夜間の歩行者検知機能を追加。車線からのはみ出しやフラつきを検知して警報する機能や、先行車の発進を音で知らせる機能なども搭載された。

フロントにはデュアルカメラを装備し、軽トラでありながらも高い安全性を確保

フロントにはデュアルカメラを装備し、軽トラでありながらも高い安全性を確保

現代の自動車らしさという点では、グレードによってはオプションでカーナビを装備可能。軽トラのコックピットに、2DINカーナビを設置できるほどのスペースがあることに進化を感じる

いよいよ、高速道路に入る。軽トラなのでスピードは上がらないことはわかっていたが、やはり普通の自動車とはまったく異なる走行性と乗り心地であった。ホイールベースが短く、重心が高いので、直進安定性はあまりよくない。風であおられやすく、段差でフラれる動きはスピードが出ているとさらに大きくなるため、高速道路によくある道路の継ぎ目やわだちで車体がフラれるだけでなく、その揺れが収束するのにも時間がかかる。そのたびに、目線が動かないように体でバランスを取っていたようで、首や体幹にかなり負担がかかった。

軽トラで高速道路を走るのは人生初。ドライブ日和と言えるほどの快晴だが、シフト操作するのと揺れで目線が外れないようにと、普段よりもかなり集中して運転した

ちなみに、下の動画は高速道路を走行中に撮ったもの。映像ではあまり揺れているように見えないが、筆者の体はかなりフラれている。

車体がフラれることによる揺れを堪えるため、首などが疲れたと前述したが、運転中の姿勢も影響しているようだ。軽トラは普通の自動車よりもハンドルの角度が寝ているため、シートの位置や身長にもよるが、一般的なハンドルの握り方(10時10分の位置)をすると、上半身が前傾となり、シートバックから肩が離れてしまう。特に、リクライニングできるスーパーキャリイでは少しシートバックを倒して乗車する人が多いはずなので、この傾向はより強くなる。この状態で運転していると、車体の揺れで上体がフラれてしまい、それを固定しようとすると首が体幹への負担がもっと大きくなるのだ。

少しリクライニングさせているが、シートバックが垂直な普通の軽トラでも、ハンドルが一般的な自動車より寝ているので、「10時10分」の位置でハンドルを握ると猫背になりやすい

実は、普段から猫背ぎみの筆者にとって姿勢自体はそれほど問題でもなかったのだが、上半身が揺れやすいことから、シートバックと肩が離れていることに気付いた。そこで、ハンドルの下のほうを握ってみると……、肩や背中がシートバックに接するほど上体が起き、体の揺れが減少したではないか! シートをもう少し前に移動させればより改善できそうだが、もともと軽トラはペダルの位置がシートに近いため、足がきつくなる可能性がある。今回は、この姿勢で走行することにした。

ハンドルの下のほうを握ると、姿勢が一変! 体が支えやすくなった

ハンドルの下のほうを握ると、姿勢が一変! 体が支えやすくなった

体に負担がかからないようにラクな乗車姿勢で運転しているものの、普通の自動車より疲れるのは否めない。そのため、いつもより休憩を多めに取ったのだが、休憩中はリクライニングできることが非常にありがたかった。また、助手席の背面にフラットなパーツが装備されており、前方に倒すとテーブルとして使えるのも便利。食べ物や飲み物を置いておきながら、仮眠を取り、軽トラとは思えないほどくつろげてしまった。

普通の自動車であれば当たり前の機能だが、軽トラではシートは倒せない。リクライニングできる軽トラは、ちょっとした時に体を休められる

助手席のシートバックを前に倒すと、テーブルに早変わり。食事くらいなら、座面に置いても問題ないが、ラーメンやみそ汁などを食べる時にはテーブルがあるほうが都合はいい。もちろん、ビジネスユースでは書類に記入する際にも利用できる

安曇野インターチェンジで高速道路を降り、あとは一般道で白馬を目指す。スピードをあまり出さない一般道のほうが、走りやすいのは言うまでもない。

アルプスの山々が見えてくるとテンションがアップし、疲れが吹っ飛んだ!(ランナーズハイ状態なのかも!?) あと、高速道路では遭遇することがほぼなかった軽トラを目にすることが増え、なんだか運転が楽しくなってきた

そして、ついに白馬村に到着! 巡航速度がだいぶ遅かったのと、休憩を頻繁に取りながらだったため、到着したのは12時前。6時間30分以上かかったことになる。でも、その分、達成感はハンパない!

後方に見えるのは、白馬岩岳マウンテンリゾート

後方に見えるのは、白馬岩岳マウンテンリゾート

軽トラユーザーが「スーパーキャリイ」と初対面! その評価は?

ここからは、軽トラユーザーである雨宮さんにスーパーキャリイを試乗してもらう。普段使っているような用途で使った際の走行性能や積載性能などをガチで評価してもらった

待ち合わせ場所に軽トラで乗りつけてくれた雨宮さん。しかも、乗っているのは1985年式のキャリイ! ずいぶん昔のモデルだが、同じメーカーなので比較しやすいのではないだろうか

到着するなりスーパーキャリイをチェックし始めたが、普段から使っているだけに確認するポイントが細かい!

到着するなりスーパーキャリイをチェックし始めたが、普段から使っているだけに確認するポイントが細かい!

まずは、スーパーキャリイの特徴である広いキャビンを体験してもらう。ちなみに、雨宮さんが乗っている1985年式のキャリイは、現在の軽自動車の規格とは車体サイズや排気量などが異なる。現在の規格では車体サイズが3.4(長さ)×1.48(幅)×2(高さ)m以下なのに対し、1985年当時の規格は3.2(長さ)×1.4(幅)×2(高さ)m以下。上限550ccまでだったエンジンの排気量も660ccにアップしている。このような規格改正もあり、現行の一般的な軽トラでも雨宮さんの愛車よりはキャビンは広いが、スーパーキャリイはさらに上をいく広さなので、運転席に座って、その快適さに衝撃を受けていた。

年式は古いキャリイなので、現代のものよりクッション性のないシートだが、このように垂直なシートバックなのは今も変わらない

1985年式キャリイの運転席に座った雨宮さん(身長168cm)は、少しきゅうくつそうに見える

1985年式キャリイの運転席に座った雨宮さん(身長168cm)は、少しきゅうくつそうに見える

いっぽう、スーパーキャリイに座った姿はゆったりとしている。筆者が乗ってきたままだったので少しリクライニングした状態だが、座った瞬間に軽トラとは思えないほどの空間の広さに驚いたという

スーパーキャリイのハンドルは普通の自動車よりも寝ていると思っていたのだが、雨宮さんが座った姿を見比べると、1985年式キャリイはもっと水平に近い角度だった!

拡大されたキャビンの恩恵は、足元にもおよぶ。軽トラのペダルは普通の自動車よりシートに近い位置に配置されているので、上から踏み下ろすカタチとなる。普段から軽トラを使っている雨宮さんによると、ペダルを上から踏み下ろすスタイルは、足首が曲がりにくいスノーブーツを履いている時や体が大きく足も長い外国人でもヒザを持ち上げて下ろせばブレーキ操作できるので合理的なのだそう。いっぽう、スーパーキャリイはシートとペダルの位置が比較的離れているため、普通の自動車でペダルを踏むような感覚に近い。もちろん、シートの位置を前にセットすれば、従来の軽トラのようなブレーキ操作に近づけるのとはできるので、そこまでシビアな問題にはならないだろう。

ただ狭いと思っていた軽トラの足回りだが、膝を持ち上げてブレーキを踏み下ろすという使い方が重宝されるシーンもあるのか……と感心した

スーパーキャリイのペダル操作は普通の自動車に近い感じなので、一般的な軽トラに乗っていて買い替えを検討するなら、軽トラを運転する時に履いている靴で踏み心地を確かめてみるといいかも

運転席の座り心地を確認したあとは、荷台の使い勝手をチェック! スーパーキャリイの荷台長は普通の軽トラよりも短くなったものの、キャビンの一部をくぼませることで荷台フロア長はほぼ従来どおりの長さを確保しているが、くぼみのサイズは1,315(幅)×230(高さ)mmと制限がある。用途によって異なるが、1985年式のキャリイに乗っている雨宮さんの場合、スーパーキャリイの荷台でも問題ないかを確かめてもらった。

まず、チェーンソーをくぼみに押し込んでみたところ、ピッタリと収まった!

まず、チェーンソーをくぼみに押し込んでみたところ、ピッタリと収まった!

意外と高さや奥行があることがわかったので、続いて、長さもある草刈り機を積んでみた

くぼみに草刈り機のエンジンやモーターの部分がすっぽり入ったので、長さも問題ない。農作業で使われる道具など、軽トラに積まれるモノの多くが収まるように考えてスペース設計されているようだ

耕運機やバイクなどを荷台に乗せるために使用するラダーレールも、ご覧のとおり。キャビン下のくぼみがなければ荷台に収まらなかった。スペースには余裕があるので、長いものをたくさん積む用途にも適用できるのではないだろうか

ラダーレールを荷台に載せた際に、スーパーキャリイはラダーレールの爪を引っかけられる構造となっていることに雨宮さんが気付いた!

スーパーキャリイは、あおりを開けたところに溝があり、ラダーレールを引っかけられるようになっている。重いものを載せる時、土台となるラダーレールがしっかり固定できるのは非常にありがたい

1985年式キャリイにはそういう仕掛けがないため、ラダーレールを用いる際には気を使わなくてはならなかった

1985年式キャリイにはそういう仕掛けがないため、ラダーレールを用いる際には気を使わなくてはならなかった

ラダーレールが固定されているので、不安感なくバイクを載せることができた。なお、積んだバイクは、スズキ「バーディ」。ホンダ「スーパーカブ」とサイズ感は変わらないので、積載できる大きさの参考にしてほしい

その他、1985年式キャリイとは異なる部分で気に入ったところがあるという。仕事だけでなく趣味でも軽トラを使用しているからこそという目の付けどころに、やはり普段から乗っている人は違うなと実感させられた。

気に入ったところのひとつめは、あおりのヒンジ部分。少し下がった設計となっているので、積載するモノがヒンジに当たりにくくなったという

ちなみに、1985年式キャリイのヒンジはスーパーキャリイと比べると荷台フロアと同じくらいの位置に装備されている

もうひとつのお気に入りポイントは、キャビン後方の窓近くに装備されているガード(柵のようなもの)が意味のあるものになったこと。1985年式キャリイにもガードは付いているが、小さく、高さもキャビンの天井と同じくらいだ

いっぽう、スーパーキャリイのガードは天井より高く、上部にカバーも装着されている。カヌーなどの長いものもガードに立てかけるように積めるので、キャビンの塗装が剥げる心配もない。また、両サイドに装備されたロープを引っかけられる突起も役立つと高評価

軽トラユーザーが「スーパーキャリイ」で走行!

1985年式キャリイよりも快適性が高まっただけでなく、細かい部分が改良され実用性も進化していることが確認できたあとは、走行性をチェック! 雨宮さんが乗っている1985年式キャリイは雪が積もる白馬では一般的な4WDなのに対し、今回借りているスーパーキャリイは2WD。未舗装路では駆動方式で大きな差が出そうだが、そこは少々配慮して評価してもらおう。

まず、舗装路を走ってみる。ハンドルやペダルの位置、リクライニングするシートなどにより、やはり雨宮さんも普通の自動車に近いと感じたよう。

運転する際の乗り心地はトラックではない軽自動車っぽい! と、軽トラとは違う感覚を実感

運転する際の乗り心地はトラックではない軽自動車っぽい! と、軽トラとは違う感覚を実感

走行したのは、雨宮さんがいつも自分の軽トラで走っている道。曲がりくねった道が多く、小回りのきく軽トラは便利なのだという。このような道を走る際、軽トラはハンドル操作に対するレスポンスがよすぎるので、カーブでは細かくハンドルを操作して修正しながら走るのが一般的なのだが、スーパーキャリイは1度ハンドルを切るだけでOK。これは、雨宮さんが乗っている1985年式キャリイより、ホイールベースが6cmほど伸びたからだろう。とはいえ、スーパーキャリイも軽トラなので、普通の自動車に比べるとホイールベースは短い。小回りやUターンのしやすさを確保しつつ、直進安定性も格段に高まっているのだ。また、エンジンの排気量が1985年式キャリイより110cc増大した660ccなので、アクセルをあまり踏み込まなくてもスピードを乗せることができる。筆者が高速道路で気になった揺れに関しても、雨宮さん愛用のキャリイに比べたら全然マシとのこと(笑)。これらはわずかな違いかもしれないが、運転時の疲れが少なくなるのは間違いない。

続いて、未舗装路にも足を踏み入れてみた。自動車があまり通る道ではないのか、4WDでないと厳しそうなほど路面は荒れていたのだが、意外なことにかなりの登りも走破できてしまった。これは、スーパーキャリイに装備されている、タイヤのすべりを検知して駆動輪に最適な駆動力を配分するトラクションコントロールや、スタビリティコントロール(横滑り防止装置)のおかげかもしれない。試しに、この機能をオフにして同じコースを走ってみたところ、タイヤがすべって登ることができなかった。

かなり荒れた斜面もトラクションコントロールのおかげもあり、余裕で登ることができた

かなり荒れた斜面もトラクションコントロールのおかげもあり、余裕で登ることができた

2WDのわりにオフロードでの走破性が想像以上に高かったので、もう少しハードなところに行ってみることに! 挑むのは、以前、スキー場として使われていた場所だ。雨宮さんに「4WDでないと難しいと思う」と言われる中、強行してみたところ、なんと、最後まで登り切れてしまった。路面はかなり掘り返されている部分もあり、グリップはよいとは言えない状況だったが、2WDでも登れてしまうスーパーキャリイの走破性には驚くしかない。

元スキー場へと向かう道も、登りが続く荒れた山道だが、まったく問題なし!

元スキー場へと向かう道も、登りが続く荒れた山道だが、まったく問題なし!

かつてスキー場だった場所は、現在、自動車で走ることができる。写真ではわかりづらいが、スキー場だっただけあり、かなり斜度はキツイ。路面には大きなくぼみもあり、揺れが体に響くので、ゆっくりめで走行したが不安感なく登れた(下の動画参照)

まとめ

最初はあまり乗り気ではなかったが、広い車内とリクライニングできるシートなど、運転席に座った瞬間から一般的な軽トラとはまったく違う乗り心地にテンションアップ! 正直、白馬までの長距離移動は修行かと思うほど大変だったが、普段から軽トラに乗っている人に乗り比べてもらい、実際に悪路を走ってみた際の走行性を目の当たりにすると、これほどまでに進化しているのかと感心した。試乗してくれた雨宮さんも、予想以上の走行性能と積載性能、そして快適性に満足したようで「次に買うならスーパーキャリイの4WDかな」と言うほど。どうやら、乗り心地もいいので、普段乗っている軽自動車を手放し、スーパーキャリイ1台にするということも目論んでいるようだ。仕事でも十分に使え、軽自動車並みの乗り心地なら日常でもストレスなく使える。

もちろん、このあと筆者は再び270kmの距離を走り東京へ。走行性を確かめるべく走ったオフロードも含めると、トータル600kmは走行したことになる。軽トラで日帰りという過酷なレビューであったが、気付けることがたくさんあったのでやりがいはあった。

ちなみに、筆者のこの企画を提案してきた価格.comマガジン編集部のNさんとは予定が合わず、結局、Nさんはスーパーキャリイに試乗することができなかった。乗れたら、ものすごく感動したに違いない。

雨でもアクティブに遊べる施設が白馬に!?

今回、協力してくれた雨宮さんはスノーボーダーであり、マウンテンバイク乗りでもある白馬のローカルライダー。最近は、軽トラで道具などを運び、屋内で自転車遊びやキャンプなどが楽しめるスペース「スーパー児童館」を仲間とともに作っているという。ちなみに、「児童館」とあるが、子どもや家族連れのみでなく、子どものように大人も全力で遊べる場所を目指しているとのこと。オープン予定の2020年春頃が待ち遠しい!

広大な倉庫(約60×100m)の2/3スペースを改装し、アクティブな遊びだけでなく、音楽やアートに触れ合えるイベントなど、さまざまな企画ができるように、日々奔走しているという

改装中の館内。マウンテンバイクやスケートボード、ボルダリングといったさまざまなアクティビティが楽しめるように準備している

屋内なので天気を気にせずに遊べるのも大きな魅力。本気で遊びを楽しんでいる人たちが創造しているので、きっとおもしろい場所になることは間違いない!

▶スーパー児童館プロジェクト(外部コンテンツ)

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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