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手作りだから個性豊か! こだわり満載のモバイルハウスを見てほしい

自作キャンピングカー!? 軽トラに載せて移動できる小さな家「モバイルハウス」は絶対楽しい!!


キャンピングカーキャンピングトレーラーだけでなく、普通の自動車のシートを倒して荷室とつなげたスペースで寝るなど、車中泊のスタイルはいろいろある。その中でも、少ない出費で“移動可能な家”が持てると人気なのが「モバイルハウス」だ。軽トラの荷台を家にしてしまうというものなのだが、これが実に個性的でおもしろい! たくさんのモバイルハウスが集まるイベント「キャンパーフェス 2019」で出会ったモバイルハウスオーナーの“小さな家”を紹介しよう。

モバイルハウスって、どんなもの?

「モバイルハウス」とは軽トラなどの荷台に載せた“家”のことで、「軽トラハウス」とも呼ばれる。市販されているモバイルハウスを使うこともできるが、自作が基本。自分で作るほうが楽しいという理由はもちろんだが、材料費だけなら数十万円しかかからないので、市販品を購入するより安く済むというメリットもある。しかも、積載する自動車は軽トラ。グレードにもよるが価格は比較的安く、軽自動車なので維持費もリーズナブル。断熱材を入れたり、ソーラーパネルを設置したりと、キャンピングカーさながらに装備が充実したモバイルハウスもあるが、軽自動車をベースとしたキャンピングカー「軽キャンパー」を購入するより初期費用は抑えられる。また、“家”ではあるものの、法的にはあくまでも荷台に積んだ荷物扱いとなるので、車検の際には荷台だから降ろしてしまえば、通常の軽トラ同様の車検で済む。なお、積み降ろしはジャッキなどでモバイルハウスを持ち上げ、軽トラを動かして分離する方法を取る人が多い。そのため、設計の段階から積み降ろしを考慮している。

木造の“家”を荷台にくくりつけるように固定するのが基本スタイル

木造の“家”を荷台にくくりつけるように固定するのが基本スタイル

DIYが基本となるモバイルハウスは、デザインの自由度がかなり高い。ただし、荷台に載せられる最大積載サイズは軽トラの道路交通法に準じ、幅は車両幅まで、高さは地上から2.5m以内、長さは荷台からのはみ出しが車体長の1/10までとなる。これ以上の大きさのものも「制限外積載許可申請書」を取得すれば積載できるが、申請した区間しか走れないのでモバイルハウスを使う用途からすると、道路交通法で規制されたサイズで作るほうがいい。また、乗車人数は軽トラなので2人に限られる。そもそもトラックの荷台に人を載せて走行するのは禁止されているため、運転席に1人、モバイルハウスに1人というような乗り方はできない。

自由にレイアウトを考えて作れるのがモバイルハウスのおもしろさ。荷台に載せられる重さは350kgまでと決まっているので、注意しよう

個性豊かなモバイルハウスを見てみよう!

ここからは、自作のモバイルハウスで車中泊ライフを楽しんでいる人たちを紹介する。荷台に載せる家だが、創造は自由。同じものが存在しない、世界にひとつの家というところも、オーナーとしてはたまらないポイントだ。

▶モバイルハウスのイベントを主宰するほど、ドはまり!

1年ほどかけて作り上げたという河野さんのモバイルハウスは、車内の床から畳を浮かして設置したり、明り取りの窓を設けたりと、女性らしい細やかな配慮が随所に感じられる。このような仕上がりを見ると、もともと何かを作っていた経験があるのかと思ったら、なんと、モバイルハウスを自作するワークショップに参加したことがきっかけだという。しかも、元ペーパードライバー! モバイルハウスを作り上げてからは、京都から秋田まで、この家に泊まりながら旅をする生活スタイルに一変し、多くのモバイルハウスが集まる当イベント「キャンパーフェス」を主宰するまでになっているのだから、驚きだ。人生を大きく変えてしまうほど、モバイルハウスは楽しいものだということがわかる。

窓が、笑っている顔のように配置されている。人工芝が敷かれた屋根には、車内の天窓から上ることも可能

笑っている顔のように見える配置で取り付けられた窓が、とにかく目を引く。人工芝が敷かれた屋根には、車内の天窓から上ることができる

反対側にあるひさしを開けると、大きな窓が出現。同時に、テラスのような空間も作れる

反対側にあるひさしを開けると、大きな窓が出現。同時に、テラスのような空間も作れる

大きな窓にはふすまも装備されているが、ひさしを閉めると外から車内が見えなくなる。竹で編みこんだような花型の窓から、木漏れ日のように太陽の光を車内に取り込めるのは実にいいアイデアだ

木で作る場合、室内もウッド調になることが多いが、河野さんのモバイルハウスは和風の仕上がり! 畳を敷いてあるので、くつろぎ度は満点。日の光が入る窓にピンク色のフィルムを貼り、遊び心をプラスしているのもユニークだ

▶知識ある人の力を借りて自作するのも賢い方法

自作は女性には敷居が高そうに思われるかもしれないが、近年ブームとなっているDIYはおしゃれな印象も強いためか、先に紹介した河野さんをはじめ、チャレンジする女性は意外と多い。そんな女性オーナーのモバイルハウスをもう1台見てみよう。こちらの方は、初めて作るとあって建築の知識のある人の手を借りながら大半を自作したとのこと。一部を人に頼ったとしても自分が作ることには違わないし、自分好みに仕上げることもできる。完全にひとりで作る! と気負いし過ぎないことも大切だと感じさせられた。

青森から長野県白馬村まで、ひとりで軽トラを走らせてやってきた彼女のモバイルハウスの屋根には、多くの人が上って楽しんでいた。このように屋根に乗れるのは、自作モバイルハウスの世界では定番だ

テールゲートに取り付けられた凸っとした部分に、足をかけて屋根に上れるようにしている

テールゲートに取り付けられた凸っとした部分に、足をかけて屋根に上れるようにしている

屋根に上ると、一面人工芝が! ソーラーパネルも設置されており、発電した電気でちょっとした家電製品を使えるようにしている

まだ中の荷物を降ろしていないため、室内は段ボールでいっぱいだが、ここに就寝スペースができるという。また、壁の中には断熱材も入っているとのこと。知識のある人に教えてもらいながら作っただけあって、初めてとは思えないほどしっかり作られている

▶そこだけ童話の世界のようなかわいい家

煙突のある三角屋根を持つ絵本から飛び出してきたかのようなモバイルハウスを発見! 女性が作ったのだろうと思っていたら、オーナーはなんと男性。スペース効率を優先するモバイルハウスが多い中、世界観を重視したこの1台はひときわ異彩を放っていた。しかも、ただ雰囲気だけのものではない。木材にモルタルを塗るなど、通常の家と同じ作り方となっており、屋根の瓦まできちんと再現。煙突も換気扇として機能するらしく、作り込みがスゴイ!

童話の世界を再現したかのような小さな家は、イベントを訪れていた女性や子どもたちに大人気!

童話の世界を再現したかのような小さな家は、イベントを訪れていた女性や子どもたちに大人気!

昭和60年式のマツダ「ポーターキャブ」のかわいいルックスに合わせて、モバイルハウスをデザインしたという。世界観を大切にするなら、軽トラ選びも重要かもしれない

室内もかわいい! 小物ひとつずつのセレクトにも世界観を創出するためのこだわりが見られる

室内もかわいい! 小物ひとつずつのセレクトにも世界観を創出するためのこだわりが見られる

コックピットもパステル調のホワイトで塗り直している。一切の手抜きがないのが素晴らしい

コックピットもパステル調のホワイトで塗り直している。一切の手抜きがないのが素晴らしい

かわいいだけでなく、快適性を高めるため、軽トラの屋根にはソーラーパネルが設置されている。天気がよければ、1日でひと晩分の電力が余裕で溜められるという

▶昭和っぽい装飾がレトロでおしゃれ

残念ながらオーナーに話を聞くことはできなかったが、これぞモバイルハウスという作りの1台を紹介しておきたい。モバイルハウスは背が高いと、走行中に風などの影響を受けやすいが、このモバイルハウスは比較的高さが抑えめ。かつ、前側の傾斜を多く取ることで空力性能を高めているように思われる。レトロでポップなデザインだけでなく、走行性能も考慮しされていそうなところに、オーナーのセンスを感じずにはいられない。

外壁に取り付けられている看板の一部がサビているなど、少しノスタルジーを感じる

外壁に取り付けられている看板の一部がサビているなど、少しノスタルジーを感じる

反対側には汽車などの装飾がほどこされており、じっくり見て細かいこだわりを発見するのが楽しい。窓やドアの仕上がりも非常にいい

外観とテイストを合わせた室内もレトロでかわいい。ベッドの寝心地もよさそうで、本当に家っぽい

外観とテイストを合わせた室内もレトロでかわいい。ベッドの寝心地もよさそうで、本当に家っぽい

▶ロフトを作れば2人でもより快適に眠れる

スペース効率を考えるなら、高さを利用するという手もある。それを着実に実行していたのが、このモバイルハウス。室内にロフトを設けることで、2人分の就寝スペースを確保している。もちろん、ひとりで使う時にも荷物をロフトに入れておけば、居住空間が広々と使えるのでいい!

パッと見た感じは、オーソドックスな作り

パッと見た感じは、オーソドックスな作り

しかし、逆サイドに回るとタープが! 側面に設置できる構造を設けているのだそう。ちなみに、手前にある黄色のバイクは、ホンダがかつて販売していた、ハンドルを折りたたんでコンパクトに収納できる「モトコンポ」。実は、こいつがもっとも注目を集めていた(笑)

2階構造の室内。1階にベッドも設置されているが、ロフトでも寝られる

2階構造の室内。1階にベッドも設置されているが、ロフトでも寝られる

▶天井を開ければベッドから満天の星が!

基調となるカラーでまとめられたモバイルハウスもいいが、カラフルな仕上りもイケてる! 普通の自動車がたくさんの色を使っていれば衝撃を受けるが、モバイルハウスになると違和感はない。そんなふうに色とりどりの外壁に目を奪われていたら、このモバイルハウスにはもっとすごい仕掛けがあった! なんと、屋根が開くのだ。夜、ベッドに寝転んで満天の星を見られるなんてステキすぎる!

外壁の木材を1枚ずつ塗り分け、カラフルな仕上がりに。手間がかかっていることが感じられる

外壁の木材を1枚ずつ塗り分け、カラフルな仕上がりに。手間がかかっていることが感じられる

屋根を開けると、室内はこんな感じになる。開放感はハンパない!

屋根を開けると、室内はこんな感じになる。開放感はハンパない!

両サイドの窓をふさげば、外からは室内は見えないが、室内にいる自分は開いた天井から自然をたっぷり味わえる。天井が開くって、すごくイイ!

▶木造よりも軽くてタフな素材を採用

モバイルハウスは手作りが基本なので、自然と木で作られたものが多くなる。そんな中、外壁にガルスパンというトタンのような素材を使った堅牢そうなヤツが目に留まった。オーナーは、ログハウスを手がける建築士。耐候性や軽さを考慮してこの素材を採用したという。なんでも、このクルマで現場に出向き、建設中はモバイルハウスで暮らしているそうだ。最近では、九州の現場で4か月泊まり込んだとのこと。

耐候性の高い建材を採用したことで雨もれもしないという。すべてを木材で作るより軽く仕上がるそうだ

耐候性の高い建材を採用したことで雨もれもしないという。すべてを木材で作るより軽く仕上がるそうだ

室内にはベッドや作業用の机が設置され、広くはないが過ごしやすそう。工具などを収める棚も作り付けられている

▶あおりを取り外してスペースを最大限に使うのもあり!

荷物が落ちないように荷台を囲むように付いている“あおり”を取り、スペースを最大限に使ったモバイルハウスを見つけた。荷台よりもモバイルハウスのほうが長さはあるが、積載する荷物は車体長の10%のはみ出しまで道路交通法で許容されているので問題ない。

荷台の側面と後方にある“あおり”がないので、幅は縁いっぱいまで、長さは車体長の10%まではみ出したモバイルハウスを積載できる

右サイドに開閉式の屋外テーブルが装備されている。荷台のスペースを最大限に使うだけでなく、ムダのない効率のいい設計に感心させられた

荷台幅めいっぱい使っているので、ベッドを横方向に置くこともできる。両サイドに家具を配置しても、ゆったりと通路が確保されていることからも、かなり広いことがわかるはずだ

最後に……

モバイルハウスのメリットとして初期費用や維持費などが安いと前述したが、今回出会ったオーナー全員が「キャンピングカーに乗りたいけれど高いから」という理由ではなく、「モバイルハウスに乗りたい」、もしくは「モバイルハウスを作りたい」といった積極的な理由でモバイルハウスを選択していた。なかには、モバイルハウスに乗るために普通自動車免許を取得した人もいるほど。そして、実際に手がけてみると、ますますはハマっていくようで、実にディープな魅力を持った世界だ。

現に、いろいろなモバイルハウスを見ていると、自分ならどんな家にしようかなという思いが沸き起こる。“家”の形状から内装まで、考えなくてはならない部分はいっぱいだ。そして、自分だけの秘密基地のような場所ができたら、どこへいこうか。そんなことを妄想しているだけで、あっという間に時間が過ぎるのだから、実際に作っている人たちは楽しくて仕方ないだろう。非常にうらやましいライフスタイルだ。

とはいえ、モバイルハウスをいきなり作るのはハードルが高い。市販のモバイルハウスを購入するという方法もあるが、100万円を軽く超えるので気軽にとはいかない。そこで、提案したいのが、レンタルサービス。モバイルハウスを積んだ軽トラを借りて、旅に出かけることができる。今回のイベントで出会った「Mobile house novi」の場合、24時間のレンタルで15,000円(税別)。モバイルハウスに興味がある人は、レンタルから始めてみるといいだろう。

Mobile house noviに用意されているレンタルできるモデルのひとつ

Mobile house noviに用意されているレンタルできるモデルのひとつ

モバイルハウスの後部が大きく開く窓になっている。しっかりとした作りなので、モバイルハウスを載せた軽トラの操作性やモバイルハウスでの過ごしやすさを体験するにはうってつけだ

【この記事も見ておきたい!】
・どこで泊まれる? キマリはある? 初めて車中泊する前に知っておきたい基本的なこと
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増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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